「――エルザのスカートは、ずいぶん短いな」
深く考え込むようなユンガーの言葉に、ダインが頷く。
「確かに。普段帯同しているのが、ロングスカートのカテナ隊長にショートパンツのミリアですから、一際目立って見えるのでしょう」
「なるほど、比較の問題という見方もあるか」
「そんなに短いですか?あんまり気にならないんですけどね〜」
妙に真剣な男ふたりに、エルザはおっとりと言葉を返す。
「エルザさんは、あまり動き回る事はない方ですからね。ただ、身のこなしには気を使った方が良いかもしれませんよ」
「心配してくれてありがとう、ダイン君〜。でもこれくらいなら、サービスのうちですからね♪」
「……サービスなのか?」
首をひねるユンガーに、エルザは朗らかな笑みを返す。
「ハイ♪  あ、でも、中まで見ちゃうのは有料ですね〜。それ相応の代価を支払っていただきます」
「――代価?」
「ええ、お金のやり取りもなんなので…お夕飯のおかずがちょっと減ったりだとか、そんな感じです。ところで……」
ぴたりと足を止め、先ほどと変わらぬ朗らかな笑顔でエルザは二人の顔を見る。

「――――お二人は、見てたりしませんよね?」

よく見れば目だけは真剣で、カケラも笑っていない。男ふたりは無言で視線を交し合い――
「………そういえば、ツヴァイが見たようなことを言っていたな」
「……………そうそう、確か、2回くらい見たという話でしたか」
「…そうなんですかあ…じゃあ、ツヴァイ君の今日の夕飯はスープのみって事で! お夕飯作ってきますね〜」
すたすたと天幕に向かうエルザを、ユンガーとダインは無言のまま見送った。




〜後記〜
なんだかんだで、定番化しつつある(私の中で)ミニスカな話。
エルザ姉様はこのままで良いんだと思えた今回のファンブックでした。うひひ。

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