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 2017年10月1日放映のキングオブコント2017である。

 この番組のショウとしての悪いところは何度も言っているので繰り返さない。ネタの寸評だけ書いておく。
 今年は去年ほどひどくはなかったが、やっぱりいいコントはもっと長い間見ていたいもんである。番組冒頭の過去の紹介部分は削って出場者のネタに回す時間を増やしてあげた方がいい。田中・大吉・勝俣も要らない。ギャラの無駄である。

 生放送も、わざわざする意味はない。

 あと、今年は全体的に煽りのVTRが芸人のネタを邪魔していたので、もっとおとなしめにした方がいいと思う。そもそもこの手のVTRは要らないので、ここを削って芸人のネタに使える時間を増やしてあげた方がいいのだが。

1.わらふぢなるお
 グレープカンパニーとサンミュージックの他事務所コンビ。コント前の煽りのVTRではその点の「異色さ」が盛んに喧伝されており、わざわざ違う事務所から相方を見つけてきたからにはさぞかしおもしろいんだろうと期待してしまったが、内容はそこまででもなかった。
 いや、別にきわめて正統派だったし、ボケのふぢわらが真顔でボケ続ける能力も高かったのだが、番組にハードルを上げられすぎた感じである。トップバッターってのもあったしね。

2.ジャングルポケット
 いいんじゃないだろうか。上に行きたがってた斉藤が自分でエレベーター止めちゃったところは声を出して笑ってしまった。こうやってボケが代わる裏切りを入れるのが大事なのである。

 基本的にはおもしろかったのだが、一つだけ言うとすれば、斉藤は色々なことを言葉で表現しすぎなので、もう少し言外の手段(表情や、動き)で自分の気持ちを表していった方がいいと思う。
 まず、途中に入る斉藤の「ほ〜らまだとんでもない爆弾が残ってた。ここまで来たら最後まで見せてもらおうじゃないの。続きどうぞ!!」という台詞は要らないと思う。多分それまで上に行きたがっていた斉藤が急に二人の話に興味を持ち始めたというズレを表現して笑いを呼び起こすためにウケ狙いで入れているのだが、ややウケに止まっていた。ボケだとすれば、そこまでに明らかになったおたけと太田の関係に凄まじさに勝てていないのである。ならばそれまでのように表情や動きだけで2人の話に興味を持っている様を表現した方がよほどおもしろい。
 あと、最後のオチに斉藤が言う「うん、気まずい」という台詞も考えどころである。状況をそのまんま言い過ぎなので、やっぱりウケ狙いの雰囲気が出てしまって寒い。それまでの流れがあるために斉藤自身が気まずく感じているであろうことはそれほど強調しなくても伝わるので、もうちょい抽象的なセリフにするか、あるいは気まずい表情だけをする、とかの方がいいと思う。

 ただ、好みの問題かもしらん。

 あと、どうせなら煽りのVTRで出てきた斉藤の持ちギャグ「ハイッ」をどこかで使って欲しかったね。

3.かまいたち
 山内はキレる芝居がどんどんうまくなっていると思う。
 冒頭のネタばらしがしっかりウケたから、そのまま安心して見ていられた。

4.アンガールズ
 見たことあるネタである。
 ジーンズの着方で繰り出すボケに頼りすぎだと思う。それだとそういうおもしろい着方を思いつくかどうかの勝負になっちゃうので、少しずるい。まあ、それを思いつくのも努力と才覚なのだが。
 田中の泣きの芝居(感情をブレイクさせる芝居)は、良くなってはいるがもっと磨けると思う。

5.パーパー
 ネタ前の煽りのVTRでは山田がものすごい不思議ちゃんに見えたのだが、ネタでは山田がすごく普通の女子高生を演じていたので、面食らってしまった。

 ネタ自体は卒業式での第二ボタンをめぐる男女のやりとりという使い古された設定で、ほしのが演じるモテない男子のモテなさ加減がボケの中核を為している。
 ただ、日村のコメントが全てだと思うが、ヤマがなく終わってしまった感じであった。設定も使い古されているし、「モテない男」というのも笑いの世界では散々演じられてきたキャラクターであるため、やるならもっと見たことのないような変さを出さないとブレイクスルーは来ない。

6.さらば青春の光
 2人とも芝居がうまくなっている感じはする。

 設定は、新しい。どうせなら一番最初に出たきり再登場しなかった鉄板餃子をオチに使って欲しかった。

7.にゃんこスター
 スーパー3助(男)とアンゴラ村長(女)の男女コンビ。結成まだ5ヶ月らしい。ネタ自体はアンゴラ村長が大塚愛の歌に合わせて縄跳びを使いながらコミカルな動きをするというものであり、正統派のコントからは程遠い。なんか、方向性に迷って色々やっている芸人がウケるやつをたまたま見つけられた感じである。

 まあ別にそのことを責めるつもりはない。何がウケるかは究極的には分からないので、売れるには運も必要なのである。

 おそらくウケているのはサビでのアンゴラ村長の動きと表情であり、クマムシやピコ太郎のウケ方に近いと思う。あるいは、マイアヒやジンギスカンやキレのありすぎるアンパンマンも近い気がする。そうすると、ツッコミのスーパー3助が究極的には要らないのである。

8.アキナ
 バスケットボールを持ってバイト先に来ている秋山が変な人なのではないかと思わせつつ、実際には山名の方が変な人だったという裏切りはよい。そのあとは山名の変な人なりの変な行動を次々と見せていくのだが、途中でインパクトが落ちてしまうのが残念である。

 まず「ピーターパンは焼いたら食べれるから」という山名の発言はそこまで変でもない。カニバリズムで狂人を演じるのは使い古された安い手法である。そもそも「パンはパンでも食べられないパンは?」というなぞなぞもそれに対するボケ回答も出尽くしている感があるため、よほどのものを考えないとこのなぞなぞで見たことないような変さを出すのは難しいと思う。
 それと最後に山名が「秋山くんって名字何なん?」と聞くのもオチにしてはインパクトが薄い。

9.GAG少年楽団
 ネタ前の煽りVTRに出てきた山里が言っていたとおりだが、宮戸の女装がブスすぎて集中できなかった。ポジション的にはタッチの南ちゃんなので、キレイである必要があると思う。
 ちゃんとできてはいるが、突き抜けたものがなかった。順番も不幸だったが、別ににゃんこスターの前にやってもわらふぢなるおぐらいの点数で終わったとは思うので、順番だけの問題じゃないとは思う。

10.ゾフィー
 2人とも芝居がちゃんとできている。それは良い。
 多分、オチはもっと強めにいった方がいいので ボケの上田が「なんで母さん出ていったんだろうな」と言ったうえでサイトウが「おまえだよ!!」と強めにツッコむというのもいいのではないだろうか。

 あと、上田が母親を携帯に「メシ」で登録しているというクダリは、それが分かる画が欲しい。それをやるなら、そこでいきなりポンと携帯の画を出しても不自然なので、もっと前々から別の人と携帯電話で電話しているクダリを入れてフッておく必要はあるが。やるならね、あくまで。

ファイナルステージ
1.アンガールズ
 「法の中で暴れているだけ」っていうフレーズは違うネタでも使っていた。
 一本目と同じで、田中の芝居はもっと磨ける。

2.ジャングルポケット
 ヤバい組織に捕まった斉藤が太田に何度もロッカーに叩きつけられて銃を顔にグイグイされるのを嫌がるというコントなのだが、ロッカーに叩きつけられて銃を顔にグイグイされるのが死や拷問より嫌だという斉藤のツッコミにあんまり共感できない。もっと分かりやすく痛くてキツイことにした方がいいと思う。それこそテレビのバラエティ番組で普段やっているような、ローションに顔を突っ込まれる、みたいなやつ。

3.さらば青春の光
 設楽が言っていたように設定は新しくて良い。森田も、ウマい。

 オチは、第三者の舞台作家を登場させるのではなく、東ブクロの方が自分が舞台作家だと言い出すのもありなんじゃないかしらね。まあ、別にどっちでもいいようなことだが。
 いずれにせよオチの内容は事前に予想がついてしまうので、裏切れるとなおよい。

4.かまいたち
 これも設定が新しくてよい。やっぱり山内はキレる芝居がどんどんうまくなっている。

5.にゃんこスター
 出てきた瞬間に「一本目と同じ感じでいくな」っていうのが分かったのが一番おもしろかった。点数も一本目とどっこいどっこいだったので、かまいたちの順当勝ちだろう。

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