当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2017年2月2日放映のアメトーークを見た。
 テーマは「スクール☆ウォーズ芸人」である。

 「スクール☆ウォーズ」は80年代に放映されていた伝説の学園ドラマである。表現作品を取り扱った回なのでホメ回に堕すかと思われたが、ことはそう単純でもなかった。作品自体にツッコミどころが多かったので、そこが取り上げられて笑いが生み出されていたのである。また、この「スクール☆ウォーズ」というテーマ自体がスタジオの若い女性客に全然響いていない様子(30年以上前のドラマなので当然と言えば当然であるが)や、客に伝わらない劇中人物のモノマネを連発する松村がひどい扱いを受けている様子も笑いに変えられていたし、ひな壇の面々がツッコミどころのある変なシーンを「いいシーンだ」と言い張ってMCと喧嘩気味になるくだりも笑いを生んでいた。まあ、どストライクの世代以外にはあまり引きのないテーマで、よく頑張ったんではないだろうか。

 それにしても「スクール☆ウォーズ」に全体的に漂うB級感はなんなのだろうか。当時は大ヒットしたドラマのはずなのに、今映像を見せられると所々から失笑が漏れ聞こえるような感じになってしまう。このB級感が今回のアメトーークの笑いの根元にあるのは確かなのだが、不思議である。
 演者の芝居がヘタだとは(そんなに)思えない。芝居が「古い」(現代人が見ると変に感じる)可能性はあると思う。あと、古いドラマゆえの表現手法の制約もどうしてもあるだろう。ところどころで演者の内心をナレーションで説明するのもかなり安っぽさを感じさせる演出だと思う。本来、演者の内心は芝居と台詞で伝わるようにした方がいいもんだろう。あとは、ドラマを盛り上げるために次から次へと出てくる不良たちの容貌や行動様式が「分かりやすすぎ」で現実感がないのも原因だろうか。

 何はともあれ原因ははっきり言語化できないが、筆者は昭和仮面ライダーに通じる安っぽさをスクール☆ウォーズにも感じてしまった。そのこと自体はひな壇の面々もよく意識したうえで収録に臨んでいたと思うので、そういう扱いになるのも愛されている証拠ということでいいんでないだろうか。

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