2018年3月6日放映のR-1ぐらんぷり2018を見た。
もう総評については去年のまんまなので繰り返さない。各ネタの寸評だけ記しておく。
�．襯轡侫 宍伐�
ショウガに性的興奮を感じる息子を諭す父親というネタである。去年のネタと違って話し相手の息子にも演者をあてがう必要性はあまり感じなかったが、それは息子があまりしゃべらないからだと思う。
まあ、あまりハネなかったのはトップバッターだったということもあると思うが、基礎的な技能（ネタを考える大喜利力と、演じる力）の部分は水準に達しているので、あとはチョイスしたネタ自体がウケるかどうかである。そして、ネタ自体がウケるかどうか（というより、優勝できるレベルにまでハネるかどうか）はもう博奕みたいなもんなので、今回は運がなかったということだろう。
�▲�ニササレ アヤコ
笙という和楽器の間違い（トチり）のモノマネという大多数の人間にはピンと来ないネタである。ピンと来なさすぎるのが逆におもしろいという構造をしている。それがおもしろいのは、しゃべりや身のこなしできちんと雅楽の世界観を呈示できているからである（ここがヘラヘラしていると、多分上滑りしてただただワケの分からないことになる）。筆者は好きなので続けて欲しい。
��おいでやす小田
去年と一緒で、ボケ役の「オザキさん」にも演者を当てがって千鳥の電話漫才みたいにやった方がおもしろいと思った。一人でやった方がおもしろいネタというのをもうちょい考えた方がいいと思う。
�い�ぐ
ハゲたおっさんである自分に女子高生が乗り移ったという設定のネタである。女子高生の口を借りてハゲ自虐を重ねていくネタなのだが、もうちょい演技力をつけてほしいと思った。
�ゲ詫献潺�
河邑本人はレンタル彼女役で、お客さん相手に仕事のデートをしているという設定のネタである。女芸人はブサイクな方が色々と有利なのだが、見た目が小ぎれいなことを逆手にとって、そうでなければ説得力の出ない設定を考えて作り上げた感じである。
ただ見た目が小ぎれいなうえに演技力もあるので、どうしても「女優がやった台本ガチガチのコント」という感じが出てしまう。ブサイクだと自然と間の抜けた感じが出るのだが、展開とか仕草とか台詞とかがピシッと決まっていて息が詰まる。
まあ、役者として生きていく道もありだろう。
�Ε船腑灰譟璽肇廛薀優奪板硬�
乗るまでがややこしいジェットコースターのネタである。ごっつで松本がやっていた「インストラクター」というコントのシリーズが小道具のチープ感も含めて似ていた（別にパクリだと言いたいわけではない）。
このネタでは長田が乗客を演じており、客に出される指示は事前に吹き込んだものなのでアドリブが入りようがない。松本のインストラクターコントのようにアドリブで色々な指示を出して遊んでみたい。ただこのネタみたいに小道具に頼る部分が大きいと、無茶をしづらい（小道具を壊すようなレベルのアドリブは入れにくい）という難点はある。
�Г罎蠅笋鵐譽肇螢�バァ
「昭和の映画女優」というバクっとしたテーマのモノマネは、友近のネタのようであった。ただモノマネがちゃんとしているので、早口で聞き取れない台詞の部分は繰り返されるごとにおもしろくなってくる。いいのを見つけられたということでいいだろう。
��霜降り明星せいや
正拳突きのブリッジの合間におもしろいことを言うというある種のリズムネタである。この「おもしろいこと」がおもしろいかどうかは完全に好みの問題なので特にコメントはない。
ただ、ネタ後に宮迫も指摘していたことであるが、ブリッジの正拳突きのときに胸のベルを間違えて鳴らしてしまったのが一番おもしろかった。
��濱田祐太郎
ほとんど目が見えないらしい。自分がそのような「少数派」に属することを理由に起こってきた諸々の事件をしゃべっていく正統派の漫談である。少数派漫談という意味ではデニス植野やアントニーのエピソードトークと似ているし、おぐのやっていたハゲ自虐も同じ構造である。
彼が介助者に連れられ白杖を持ってセンターマイクまで歩いてきたときに会場のお客さんは「笑いっていいものか」と面食らったのだろう。濱田が自己紹介をしても拍手が起きなかったが、濱田本人がそのことを（アドリブで）ツッコんで笑いを生み出していた。多分濱田本人がこれまでの現場で似たような経験をしてきたからできたことだと思うが、あれがきちっとしたツカミになったので、そのまますんなりとネタに入っていくことができていた。その点は素直に褒め称えたい。そして、別に視覚障碍者の彼を笑うのを遠慮する必要はない。彼本人は笑って欲しいはずである。前述の通り少数派自虐という意味ではデニス植野やアントニーやおぐのやっていることと変わりはない。「障碍」という名前が付いているからそれを笑ってはいけないというのは健常者が恣意的に引いている線である。
さて本人のネタであるが、しゃべりは上手いのに対して、表情と動きにバリエーションが少ないのが勿体ない。目の見える人からの理不尽な扱いに怒るときはもっと怒った表情をして欲しい。大袈裟な身振り手振りを入れるのも有効だろう。じゃないと「演技で言っているのではないか」と見ている方が敏感に察知してしまい、笑いを阻害する。松本や小籔の表情や動きは参考になると思うが、本人には見えないのか。見えないからこそずっと表情や動きも一本調子なのかもしれない。ただ、プロでお笑いをやっていきたいのだろうから、別に必要以上に同情する必要もなかろう。
��紺野ぶるま
いつもの芸風どおり、クズ女を演じるネタである。このネタで貶されたと感じる男性がかなりいるのではないかというのが若干心配である。あとは好みの問題。
��霜降り明星粗品
フリップに書いてある絵にツッコんでいくネタである。ツッコミのセリフ以外の絵の説明やつなぎはほとんどおもしろくなかったので、極力排してもっとフリップめくりとツッコミをテンポよくやって欲しい。絵の説明を口でしないといけないのは、絵が下手で一目見ただけでは何が描いてあるか分からないからである。もっとうまい人に外注した方がいいと思う。
��マツモトクラブ
なんか、どうすればもっとおもしろくなるとか云々すること自体が違うと感じたネタである。世界観は完成しているので、好きな人が好きなりに見るということでいいんじゃなかろうか。
<ファイナルステージ>
�，�ぐ
一本目の裏側である「女子高生に乗り移ったハゲのオッサン」を演じるネタである。一本目を丸々フリにした構成は見事だと思ったが、設定を考えるところで力尽きたのか若干中身が薄く出オチ気味だったのが惜しい。
�△罎蠅笋鵐譽肇螢�バァ
一本目とは違っていつもの感じに戻り、動きながらあるあるを言うネタをやってくれた。感想もいつもと一緒であり、あるあるのクオリティや構成がそこまでハイレベルでもないのと、動きと組み合わせることにさほどの意味が感じられないのが問題である。
��濱田祐太郎
やっていることは一本目と同じ「目が見えない漫談」だったので、感想も一緒である。筆者はおぐが優勝すると思ったので、圧勝と言って良かったこの結果には少々驚いている。同情票を入れた人がいたとしたら、そういう色眼鏡で見るのも違うとは思う。あくまで、いたとしたらの話である。あんまり根拠のないことを言うのはやめた方がいいね。
アントニーやデニス植野を見た時も思ったが、テレビで売れたいならこの手の少数派漫談のネタが尽きてからが勝負である（というより、早晩尽きるので尽きる前にそれを見越して他の種類のネタを色々と考えておく必要がある。あくまで、テレビで売れたいなら）。優勝後の本人のしゃべりで「ちょっとイタい人」感が出てしまっていたので扱いは難しそうだが、そのイタさをイジっていくのもありだと思う。周りが障碍に遠慮せずにガンガンツッコんでいくべきだろう。
もう総評については去年のまんまなので繰り返さない。各ネタの寸評だけ記しておく。
�．襯轡侫 宍伐�
ショウガに性的興奮を感じる息子を諭す父親というネタである。去年のネタと違って話し相手の息子にも演者をあてがう必要性はあまり感じなかったが、それは息子があまりしゃべらないからだと思う。
まあ、あまりハネなかったのはトップバッターだったということもあると思うが、基礎的な技能（ネタを考える大喜利力と、演じる力）の部分は水準に達しているので、あとはチョイスしたネタ自体がウケるかどうかである。そして、ネタ自体がウケるかどうか（というより、優勝できるレベルにまでハネるかどうか）はもう博奕みたいなもんなので、今回は運がなかったということだろう。
�▲�ニササレ アヤコ
笙という和楽器の間違い（トチり）のモノマネという大多数の人間にはピンと来ないネタである。ピンと来なさすぎるのが逆におもしろいという構造をしている。それがおもしろいのは、しゃべりや身のこなしできちんと雅楽の世界観を呈示できているからである（ここがヘラヘラしていると、多分上滑りしてただただワケの分からないことになる）。筆者は好きなので続けて欲しい。
��おいでやす小田
去年と一緒で、ボケ役の「オザキさん」にも演者を当てがって千鳥の電話漫才みたいにやった方がおもしろいと思った。一人でやった方がおもしろいネタというのをもうちょい考えた方がいいと思う。
�い�ぐ
ハゲたおっさんである自分に女子高生が乗り移ったという設定のネタである。女子高生の口を借りてハゲ自虐を重ねていくネタなのだが、もうちょい演技力をつけてほしいと思った。
�ゲ詫献潺�
河邑本人はレンタル彼女役で、お客さん相手に仕事のデートをしているという設定のネタである。女芸人はブサイクな方が色々と有利なのだが、見た目が小ぎれいなことを逆手にとって、そうでなければ説得力の出ない設定を考えて作り上げた感じである。
ただ見た目が小ぎれいなうえに演技力もあるので、どうしても「女優がやった台本ガチガチのコント」という感じが出てしまう。ブサイクだと自然と間の抜けた感じが出るのだが、展開とか仕草とか台詞とかがピシッと決まっていて息が詰まる。
まあ、役者として生きていく道もありだろう。
�Ε船腑灰譟璽肇廛薀優奪板硬�
乗るまでがややこしいジェットコースターのネタである。ごっつで松本がやっていた「インストラクター」というコントのシリーズが小道具のチープ感も含めて似ていた（別にパクリだと言いたいわけではない）。
このネタでは長田が乗客を演じており、客に出される指示は事前に吹き込んだものなのでアドリブが入りようがない。松本のインストラクターコントのようにアドリブで色々な指示を出して遊んでみたい。ただこのネタみたいに小道具に頼る部分が大きいと、無茶をしづらい（小道具を壊すようなレベルのアドリブは入れにくい）という難点はある。
�Г罎蠅笋鵐譽肇螢�バァ
「昭和の映画女優」というバクっとしたテーマのモノマネは、友近のネタのようであった。ただモノマネがちゃんとしているので、早口で聞き取れない台詞の部分は繰り返されるごとにおもしろくなってくる。いいのを見つけられたということでいいだろう。
��霜降り明星せいや
正拳突きのブリッジの合間におもしろいことを言うというある種のリズムネタである。この「おもしろいこと」がおもしろいかどうかは完全に好みの問題なので特にコメントはない。
ただ、ネタ後に宮迫も指摘していたことであるが、ブリッジの正拳突きのときに胸のベルを間違えて鳴らしてしまったのが一番おもしろかった。
��濱田祐太郎
ほとんど目が見えないらしい。自分がそのような「少数派」に属することを理由に起こってきた諸々の事件をしゃべっていく正統派の漫談である。少数派漫談という意味ではデニス植野やアントニーのエピソードトークと似ているし、おぐのやっていたハゲ自虐も同じ構造である。
彼が介助者に連れられ白杖を持ってセンターマイクまで歩いてきたときに会場のお客さんは「笑いっていいものか」と面食らったのだろう。濱田が自己紹介をしても拍手が起きなかったが、濱田本人がそのことを（アドリブで）ツッコんで笑いを生み出していた。多分濱田本人がこれまでの現場で似たような経験をしてきたからできたことだと思うが、あれがきちっとしたツカミになったので、そのまますんなりとネタに入っていくことができていた。その点は素直に褒め称えたい。そして、別に視覚障碍者の彼を笑うのを遠慮する必要はない。彼本人は笑って欲しいはずである。前述の通り少数派自虐という意味ではデニス植野やアントニーやおぐのやっていることと変わりはない。「障碍」という名前が付いているからそれを笑ってはいけないというのは健常者が恣意的に引いている線である。
さて本人のネタであるが、しゃべりは上手いのに対して、表情と動きにバリエーションが少ないのが勿体ない。目の見える人からの理不尽な扱いに怒るときはもっと怒った表情をして欲しい。大袈裟な身振り手振りを入れるのも有効だろう。じゃないと「演技で言っているのではないか」と見ている方が敏感に察知してしまい、笑いを阻害する。松本や小籔の表情や動きは参考になると思うが、本人には見えないのか。見えないからこそずっと表情や動きも一本調子なのかもしれない。ただ、プロでお笑いをやっていきたいのだろうから、別に必要以上に同情する必要もなかろう。
��紺野ぶるま
いつもの芸風どおり、クズ女を演じるネタである。このネタで貶されたと感じる男性がかなりいるのではないかというのが若干心配である。あとは好みの問題。
��霜降り明星粗品
フリップに書いてある絵にツッコんでいくネタである。ツッコミのセリフ以外の絵の説明やつなぎはほとんどおもしろくなかったので、極力排してもっとフリップめくりとツッコミをテンポよくやって欲しい。絵の説明を口でしないといけないのは、絵が下手で一目見ただけでは何が描いてあるか分からないからである。もっとうまい人に外注した方がいいと思う。
��マツモトクラブ
なんか、どうすればもっとおもしろくなるとか云々すること自体が違うと感じたネタである。世界観は完成しているので、好きな人が好きなりに見るということでいいんじゃなかろうか。
<ファイナルステージ>
�，�ぐ
一本目の裏側である「女子高生に乗り移ったハゲのオッサン」を演じるネタである。一本目を丸々フリにした構成は見事だと思ったが、設定を考えるところで力尽きたのか若干中身が薄く出オチ気味だったのが惜しい。
�△罎蠅笋鵐譽肇螢�バァ
一本目とは違っていつもの感じに戻り、動きながらあるあるを言うネタをやってくれた。感想もいつもと一緒であり、あるあるのクオリティや構成がそこまでハイレベルでもないのと、動きと組み合わせることにさほどの意味が感じられないのが問題である。
��濱田祐太郎
やっていることは一本目と同じ「目が見えない漫談」だったので、感想も一緒である。筆者はおぐが優勝すると思ったので、圧勝と言って良かったこの結果には少々驚いている。同情票を入れた人がいたとしたら、そういう色眼鏡で見るのも違うとは思う。あくまで、いたとしたらの話である。あんまり根拠のないことを言うのはやめた方がいいね。
アントニーやデニス植野を見た時も思ったが、テレビで売れたいならこの手の少数派漫談のネタが尽きてからが勝負である（というより、早晩尽きるので尽きる前にそれを見越して他の種類のネタを色々と考えておく必要がある。あくまで、テレビで売れたいなら）。優勝後の本人のしゃべりで「ちょっとイタい人」感が出てしまっていたので扱いは難しそうだが、そのイタさをイジっていくのもありだと思う。周りが障碍に遠慮せずにガンガンツッコんでいくべきだろう。
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