レクリエーション療法と指導上の注意



目的
 レクリエーション療法の目的は、作業療法と方向を同じくするが、その適用範囲ははるかに広い。この療法は遊戯療法ともいわれる。芸術療法や集団精神療法の一部に含まれる

方法
 レクリエーション療法の原理は、一般に行われる遊び、ゲーム、スポーツなどを単独ないし、集団的に用い、これらに含まれている治療上効果のある因子を活用することである
 従来から注目されてきた治療的因子は、レクリエーション過程に含まれる協力的、競争的、外向的などの諸点や、感情を抑制することなく自己を表現できる点などである
 これにより、レクリエーションの過程は、患者の緊張感は解け、うっ積した不満や不安は発散され、相手に対して親近感が生じ、グループ感情が湧いてくることが期待される

種類
 よく用いられるレクリエーションの種目
  季節的なもの… かるたとり、凧上げ、雛祭り、お花見、盆踊り、運動会、キャンプロクリスマス、演芸会など
  集団的なもの… 散歩、遠足、映画、フォークダンスなど
  ゲーム的なもの…ソフトボール、野球、テニス、ゲートボール、囲碁、将棋、オセロなど

指導上の注意
 看護の面では、これらのレクリエーションが患者の健康的な刺激を与え、気分転換を促し、病的な体験のとらわれから解放し、集団生活の適応を拡大させる目的で行われていることをよく理解して指導にあたることが望ましい

集団構成への配慮
 参加する患者の中には、男性患者、女性患者、高齢患者、身体的疾患を持つている患者、積極的な患者、消極的な患者などがいて、その構成が一様ではない。したがって、その時々の集団構成を考え、だれもが参加しやすい、明るく楽しい雰囲気をつくるように努めることが大事である

患者の状態や行動の観察
 レクリエーションには看護師も参加し、雰囲気を盛り上げると同時に、患者様の状態や行動をよく観察することも重要である
しかし、看護師があまり熱中しすぎると、患者と対抗的になったり、逆に患者を圧迫するようになったりして、治療本来の意味をはずれるようになるので注意しなければならない
 概して、消極的な患者の集団では、看護師が積極的に参加して雰囲気の醸成に努め、積極的な患者集団ではリーダーシップを患者に任せ、看護師はレクリエーションの推移を見守りながら、これを支持するのがよい
 レクリエーションの種類によっては、患者集団が固定化する傾向をもつので、この点にも注意を払い、できるだけ多くの患者が違つたメンバーで参加できるようにする

種目選択上の配慮
 レクリエーションの種目は、その時の患者集団の構成を考えて選ぶが、この場合は、患者の希望を入れて選ぶのがよい
 また、種目選択の過程では、その役割を患者集団が担うようにし、いろいろ話し合いの場をもつように働きかけることも大切なことである。種目が毎回同じものにならないように変化を持たせる





管理人/副管理人のみ編集できます