粘膜疾患
- 粘膜疾患を体系的には、とうてい、無理ですので、トピックスのみです。
粘膜の表面にできる、小さな、粘液のう胞について
- 時々、患者さんで訴えたり、知り合いに、聞かれたりします。知り合いに聞かれる程度ということは、患者として受診しない方も多いということでしょう。こんなの、論文にもなってないと思っていたのですが、なんと、論文がありました。
Luiz AC, Hiraki KR, Lemos CA Jr, Hirota SK, Migliari DA. Treatment of painful and recurrent oral mucoceles with a high-potency topical corticosteroid: a case report. J Oral Maxillofac Surg. 2008 Aug;66(8):1737-9. PubMedで抄録なし
- ここで述べているのは、このようないわゆる口唇の粘液のう胞では、ありません。Superficial mucocelesとでもいう、 1mmほどの小さなものです。
- 単独で一過性にでることが多いのですが、再発したり、多発することがあるそうです。関係の因子は不明で、扁平タイセンや、GVHDのような免疫能の低下に関係するという報告が少しあるそうです。
- 治療も、メスやレザーとかで摘出が中心ですが、それを、high-potency topical corticosteroid(局所に使うステロイド軟膏)で治ったというものです。まあ、RCTでもないし、実際に使うことはないかもしれませんが、論文があるという事実に驚きました。
- 「Recurrent superficial mucoceles」のキーワードで検索すると良いですよ。
白斑症・白板症でない、白色病変
- 咬合などの慢性の小さな外傷で起こるもので、従来からいろいろな病名で言われていたそうな。morsusはbiteの意味だそうです。写真で、たとえば、薄い白色の上の部分が一層めくれるタイプなど、あるある!と言いたくなる写真が供覧されていました。治療法は、特にないのか、のっていませんでした。
SB. Woo, D. Lin Morsicatio mucosae oris--a chronic oral frictional keratosis, not a leukoplakia. J. Oral. Maxillofac. Surg. 2009, 67, 140-6 (PMID:19070760)
2009年05月01日(金) 16:52:08 Modified by mxe05064