孤島事件簿序章9

午後6時 ビーチ


既に日は傾き始め、夕日を反射した海は朱に染まっていた。
そんな中で疲れ知らずの若い男女は西日を受けて細長い影を躍らせながらビーチバレーに興じていた。

対していまいち疲労が抜け切れていない二人の男は、結局ビーチに着くや否や白砂にパラソルを突き立てて座っていた。

「いや〜、みんな水着が似合ってるじゃないか。 目の保養だなこりゃ!」
「いい年こいてお前と言う奴は……」
Nもそうは言いつつも自然と少女たちに視線が向くようであった。


「ありゃ、Nくんにヤムチャくんじゃないか! いつの間に来てたんだい? 2人もバレーしないかいっ?」


「せっかくのお誘いだ。 断るわけにはいかないな、行くか!」
「やれやれ…」






「おいアシュトン、楽しんでいるところ悪いがそろそろ帰って夕食の支度を手伝え。 食堂にはメイドがいるはずだ」
「そんなぁ……ていうかNは手伝わないんだ…」
「やはり料理は心得の在る者に任せるべきだろう。 お前の腕を見込んでのことだ、頼んだぞ」
「なんか騙されてる気もするけど…まあいっか」

騙されてますよ。 まあいいけど。




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2007年12月12日(水) 00:54:21 Modified by ID:IrOa8HEmTQ




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