71 名前:Forbidden Fruit 1/6[sage] 投稿日:2009/01/28(水) 23:32:02 ID:xgCU6zaU
72 名前:Forbidden Fruit 2/6[sage] 投稿日:2009/01/28(水) 23:32:29 ID:xgCU6zaU
73 名前:Forbidden Fruit 3/6[sage] 投稿日:2009/01/28(水) 23:33:12 ID:xgCU6zaU
74 名前:Forbidden Fruit 4/6[sage] 投稿日:2009/01/28(水) 23:33:53 ID:xgCU6zaU
75 名前:Forbidden Fruit 5/6[sage] 投稿日:2009/01/28(水) 23:34:30 ID:xgCU6zaU
76 名前:Forbidden Fruit 6/6[sage] 投稿日:2009/01/28(水) 23:34:59 ID:xgCU6zaU

楽園から追放されたのは、肋骨と泥から作られた女が禁断の果実を喰らったから。
ならば、果実を喰らうように唆した蛇には、一体どんな神罰が下るのか──


フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。
闇の書事件が終りを告げ、ハラオウン家の養子になってしばらく経つ。
リンディ、クロノ、それからエイミィ。もちろんアルフも。
家族らしい家族と団欒の時を過ごすのは、かつては遠い日のアリシアだけにあった。
それが今、目の前にある。触れられる。見える。聞こえる。
幸せでない日々はなかった。

ある日までは。

なのは達の世界で聖書なるものを読んだのはいつだっただろうか。
キリスト教に改宗する心積もりは更々なかったが、イヴの負った罪科が気になった。
「お兄ちゃん」
そして今日も、右手が伸びる。
机に立てかけられた、家族で写っている写真に。
指で義兄の輪郭をそっと撫で、その指先を見つめる。
「ちゅ」
軽く、キスをする。
「ちゅ……んちゅ……お兄ちゃん、クロノお兄ちゃぁん……」
のみに飽き足らず、写真に残った追憶を求めるように、指を咥え、舐めしゃぶった。
これがクロノの指だったら、或いはもっとクロノを求められる部位であったらと思うと、自然と動きは激しくなった。
満たされない想いが奔流となって理性を押し流し、愛欲の底無沼深くへと嵌っていく。
唾液で濡れた指をちゅぽんと名残惜しそうに離して、下腹部の疼きに向かう。
既にスカートの下、ショーツは僅かに染みができていた。
悦楽を求めて、そのラインをなぞる。
「んっ……」
突然の刺激に一瞬だけ身体が震えたが、あとはもう波に任せるまま、秘裂を愛撫し始めた。
「お兄ちゃん、切ないよ……もっと、私を見てよ……」
クロノの指が這っているかのように、自身の感覚が消失する。
妄想の中で、フェイトはクロノに抱かれていた。
「お兄ちゃん……そこ、気持ちいいよぉ。んあっ、ふぁっ……」
しとどに濡れ、染みが広がったショーツの奥で、秘部がクロノを欲している。
我慢できないとばかりにショーツをぐいと横にどけ、直接秘裂をぴたぴたと触る。
どこで仕入れた知識かなんて、とうに忘れた。今あるのは、クロノへの欲望のみ。
兄の怒張でのみ貫かれたく、蜜壷には浅く指を入れ、未通の証を残して愉悦に耽る。
くちゅくちゅと愛液を掻き出す度に波は大きくなり、フェイトの理性を奪おうと迫る。
秘豆は完全にしこり立って尖り、物欲しそうに皮から顔を出して快楽をねだっていた。
本能に応えてその淫核を摘むと、びく、びく、と身体が痙攣した。
トロリと愛液が膣からあふれ出し、絶頂の近いことを報せる。
「お兄ちゃん……ダメぇ……そんなとこいじっちゃ、やだぁ……」
コリコリと秘芯を揉み転がして、空いた手で写真を抱き寄せ、写り身のクロノに口づける。
「あっ、イッちゃう、お兄ちゃん、お兄ちゃ、ああああああっ……!!」
ぷしっ、ぷしゃぁっと勢い良く愛液が手を熱く浸し、絶頂の津波が脳髄の隅まで駆け巡る。
鋭い喘ぎの後、息荒く呼吸を整えながらも、フェイトは束の間の安らぎを味わっていた。

だが、自らを慰めれば慰めるほど、クロノへの欲望は増えていく。
「お兄ちゃん♪」
わざとクロノがどぎまぎするような言葉を選び、短いスカートを更に短くしていく。
腰をかがめた時。階段を昇ったりする時。
ショーツが見えるようにわざと振る舞い、また呼びかけたりしてこちらに向かせたりした。
クロノがわざとらしく咳払いをして目を逸らすのが少し不満だったが、その赤い顔を見ているだけで大満足だった。
……けれど。
最近はエイミィとばかりくっついている。
それは祝福すべきことであったのかもしれないけれど、同時に嫉妬の暗い炎が灯ったのを感じた。
もっと私と一緒にいて欲しい。もっと私を見て欲しい。
元々赤面症の気があったが、クロノを前にしてはキスを交わしたい、この身を捧げたい想いでいっぱいだった。
顔を突き合わせて云々言うより、仕草で攻めることを選んだ。
結果、クロノは毎晩良く分からない呻きを発している。
エイミィに告白する訳にはいかないであろう、悩み。
義妹よりも初心な少年は、その若い衝動を抑えるのに必死なようだった。

フェイトの理性は、次第にタガを外していった。
風呂上りでバスタオル一枚の姿を露骨に見せたり、時には緩く結んで解いてみたり。
あまつさえ、そのままの格好でクロノに抱きついたりした。
「フェ、フェイト。僕らは、その、義理でも兄妹なんだ」
「兄妹だから、いいんだよ♪」
間違いなんて起こさないよね? と小悪魔のように微笑んで、頬を突く。
そうなると、決まってクロノはトイレに駆け込んで、10分ほど出てこなくなるのだった。
何をしているかは明白。入れ替わるように入って、何度残り香を自慰の肴にしたことか。
白濁を胎内に注ぎ込まれたい、妊娠するまで子宮を満たして欲しい。
「お兄ちゃん、トイレでナニしてたの?」
後ろから抱き締めてクロノの胸をなぞりながら、甘く囁く。
「なっ、トイレですることといえば排泄行為以外にないだろう。大体君だってさっき入ってきたばかりじゃないか」
「ふぅ〜ん、それもそうだね。ごめんねお兄ちゃん、変なこと聞いて」
お休みのキスは、いつも頬。早く唇にキスしたい。舌を割り入れて、クロノを味わいたい。
愛欲は、日に日に高まっていった。

そしてある夜、遂に決行のチャンスが訪れた。
リンディとエイミィが共に管理局に出向いて、家の中にはフェイトとクロノ、二人きりになったからだ。
アルフの食事にはアルコールをしこたま仕込んでおいた。朝まで起きることはないだろう。
クロノのにも、自分のにも、少々。理性を奪う簡単かつ最高の手段だ。
食事が終り、適当にテレビをカチャカチャと回していた頃、ようやくクロノの準備が整ったようだった。
「ん、何だか暑いな。ヒーター、効きすぎなのか?」
「そうかも。でもこっちの方が早いよ」
その瞬間を待っていた。
酔った勢い、とでも言おうか。服を脱いで、キャミソール一枚になる。
もちろん、ブラジャーは外してある。
「ぶっ」
下着にも等しい姿にクロノは口に含んでいた水を盛大に噴き出し、フェイトのキャミソールを濡らす。
水に透けた薄手のキャミソールからは、なだらかな胸の稜線と、その真中で紅く色づく蕾をくっきりと映し出した。
「フェ、フェイト、君は一体何を……は、はしたないぞ!」
慌てて口を拭くクロノだったが、その顔は血が上って真っ赤だった。
アルコールも少しずつ回って、本能が少しずつ本性を出しているようだ。
いつものクロノと違い、その目はフェイトの胸に釘付けとなっている。
もう一押しで、全ては陥落する。
「お兄ちゃん……私、何だか身体が熱いよ……ねぇ、冷ましてよ、お兄ちゃん」
寄り添うようにしなだれかかり、胸元を大きく開いてキャミソールをぱたぱたさせ、風を送る。
胸の突起が良く見えるような位置に座り、クロノの目線を誘う。
案の定、チラチラとこちらを見つつも、最後の一歩で踏みとどまっているようだった。
だとしたら、やることは一つ。
「お兄ちゃん、少し気分が悪いから、ベッドに連れて行って」
自分から、アタックをかける──クロノを奪うに限る。

足腰も立たない、と瞳を潤ませて頼むと、クロノはお姫様抱っこでフェイトをベッドまで運んでくれた。
シーツの上に寝かせられると、クロノはそそくさと出て行こうとした。
「ねぇ、お兄ちゃん。熱、測って?」
だから、額を掻き上げて、それを留める。
「まったく、今日の君は随分と甘えん坊だな」
と、クロノは言いつつも、アルコールの力か、さして拒否することもなく応じてくれた。
「僕も少し熱があるみたいだけど、これは気のせい、なのか?」
おでことおでこをくっつけて、
「うん、僕と同じくらいだ……んっ」
首に手を回し、そのままベッドに引き寄せた。
乱暴に唇を奪い、クロノが戸惑いの最中、フェイトは舌を潜り込ませた。
デザートを味わうかのように義兄の口を犯し、唾液を嚥下していく。
ちゅぷ、くちゅ、と耳に心地よい水音が直に伝わり、フェイトの意識を溶かしていく。
「フェイト……止めるんだ、僕たちは、兄妹……んあっ!」
クロノの声は聞こえない。
フェイトの手はクロノのズボンに向かい、そのままジッパーを下げてクロノ自身を曝け出す。
「止め、止めろ、フェイト……」
クロノは腰が砕けてしまったようで、されるがままになっている。
口だけでは、どうということもない。
手でクロノの一物を扱く。半勃ちになっていたそれはみるみる硬度を増していき、屹立する怒張と化した。
しゅっ、しゅっと擦っていくうちに、鈴口から透明な粘液が僅かに出てきた。
「気持ちいい、お兄ちゃん?」
返事を待たず、フェイトは亀頭全体に我慢汁を塗り付け、手のひら全体でペニスを愛撫する。
そして一度ビクリと震えた頃、フェイトは手の動きを止めた。
「フェイト……?」
声が上ずっている。止めてくれてホッとしているのか、止めないでくれと懇願しているのか。
フェイトは、後者の意だと受け取った。
「焦らしたりしないから大丈夫だよ、お兄ちゃん。私で沢山イッてね」
フェイトは、大きく勃起したクロノの怒張をその小さな口に含んだ。
「ちゅぱ……ちゅぷ……んちゅ……」
きつい臭いが鼻の奥を突いたが、気にならなかった。
むしろ、獣じみた本能を加速させ、衝き動かされる性の慟哭だけが感情を支配していく。
粘りつくような苦い我慢汁を飲み下しながら、愛する人の性器を舐る。
鈴口に舌を軽く入れ、エラの張ったカリ首の裏を舐め上げる。
「うあっ……フェイト、出る、出るっ!」
「ちゅっ、おにいひゃん、だひても、いいよ」
ビクビクと口の中で震えているのが良く分かる。
亀頭を舐め回し、ちゅうちゅうと赤子が乳を飲むように陰茎を吸うと、クロノは限界に来たようだった。
「やめっ、フェイ……トっ……!!」
びゅるっ、とフェイトの口内に叩きつけるものがあった。
どく、どくと脈打って、マグマのような白濁液がフェイトを汚していく。
粘りを通り越して絡みつくような濃さの精液が、舌を、歯を、喉を染めていく。
口の中には納まりきらなくて、その一部が口の端から溢れ出した。
一滴たりとも逃さぬまいと諸手で受け止め、口中に残っているものは半分ほど飲みこむ。
もう半分を喉の奥へ押しやる前に、まずは尿道の中にある精液を吸いだす。
刺激にもう一度脈動して、クロノの精が全てフェイトの口へと集められた。
「ほら、お兄ちゃん。お兄ちゃんの精液、苦くて、甘くて……凄く美味しいよ」
舌先に絡んだ白濁をクロノに見せ付けて、零れ落ちそうになった分を舐め取り、全て飲み干す。
──もちろん、これで終りにするつもりはない。
クロノのペニスを扱き立てて、一度萎んだそれを再び勃起させると、フェイトはショーツを脱ぎ捨てた。
スカートの下には何もない。
「頼む、これ以上は……僕とフェイトは……いや、エイミィだって……」
「今はエイミィ姉さんのことはいいから」
今までの行為で、完全にフェイトも出来上がっていたから、秘部は愛液で濡れぼそっていた。
けれど、もう少しだけ楽しみたい。
クロノへ馬乗りになって、その胸に身体を預ける。
フェイトは、素股の要領でクロノの怒張を秘唇で包み込むと、上下にグラインドを始めた。
「あぅぁっ……!」
クロノが喘ぐ。ぬるぬるの粘液に勃起を包まれ、秘裂の先端にある柔突起に裏筋を擦られて、
二度目の射精を求めて苦しそうにもがいていた。
「あぅっ! お兄ちゃん、クリ、クリトリスが気持ち良いよぉっ……」
愛液でクロノのペニスはトロトロに溶かされ、熱く固く勃ちきっていた。
「頼む……もう、止めてくれ……フェイト……僕には、エイミィが……」
「だぁめ」
スッ……と身体を持ち上げたかと思うと、フェイトは手で肉棒を押さえ、膣口に添えると、腰を一気に落とした。
「んあああああっ!」
一気に怒張はフェイトの最奥まで突き抜け、根元まで入った。
一筋の血が流れ、フェイトは感極まった声を漏らす。
「あはっ……お兄ちゃんの初めて、私が貰っちゃった。私も初めてだから、おあいこだね」
どうして知ってるんだ、とクロノが喘ぎながら聞くが、フェイトは冷ややかに答えた。
「だって、エイミィ姉さんとセックスするなんて、結婚してからじゃなきゃやらないでしょ、お兄ちゃんなら」
図星。本当はブラフだったけれど、顔に出た同様の色はどう見ても本物だ。
身体を密着させて、少し腰を上げる。
「お兄ちゃん、本当に私たちが兄妹なら、私の膣中でなんか出さないよね?
精液いっぱいびゅーびゅー出しちゃって、私を妊娠させたり、しないよね?」
クロノの顔が青ざめたが、それでも欲望というものは退かないらしい。
肉棒はフェイトの膣中でガチガチだ。どうあっても白濁を放出するまで、収まる気配はない。
「私、お兄ちゃんが大好き……だから、私ならいつでもしてあげるよ。
お兄ちゃんの好きな時におちんちん舐めてあげるし、お兄ちゃんのしたいときにセックスしてあげる。
だから、だから……お兄ちゃん、私のことを見てよ、もっともっと私と一緒にいてよぉっ!!」
涙を流して、抽迭を激しくする。
痛みは、最初からなかった。ただただ腰を振って、義兄から精液を搾り取ろうと動く。
「やめっ……僕たちは、兄妹なんだ、って言ってる、だろ……出る、出るからっ……」
クロノが限界を訴える。
でも、絶対に止めない。
ぶじゅ、ぶしゅ、と水音を響かせて、フェイトはもう一度膣の一番奥までクロノの怒張を押し込んだ。
「やめろっ、フェイト……うあっ、あああああああああーっ!」
二度目の射精が、信じられないほど大量にフェイトの子宮へと流れていく。
小さな膣に収まりきらないだけの白濁液が、ごぽりと溢れてふとももに流れていく。
「あぁっ……出てる、私のお腹に沢山精液出てるよ……こんなに沢山……
お兄ちゃんのおちんちん、ビクビクしてる。ふふっ、これだけ出せば、絶対妊娠しちゃうね」
抜かずにずっと繋がったまま、精子という精子が完全に染み渡るまでその身体を離さなかった。
「お兄ちゃんに中出しされちゃった……お兄ちゃんの赤ちゃん、できるといいなあ」
クロノの耳元で囁く声はあまりに甘美で。
「あ、あはは……フェイトとの子供か。そうか……」
「そうだよ、お兄ちゃん。私たちの赤ちゃん。こんなにいっぱい射精したんだから。責任、取ってね?」
間もなくして、クロノは堕ちた。

リンディはもう少しだけ管理局に残り、エイミィだけが先に帰ってくるというメールが来た。
フェイトは、どうしてこうも都合の良いことが続くのだろうかと半ば軽い戦慄をも覚えながら、
姉のような人を迎えるのに余念がない。
その瞳には、暗い光だけがやどっていた。
「たっだいま〜!」
そして、エイミィが帰ってきた。
「お帰りなさい……」
フェイトが出迎える。
手には包丁、身体にはエプロン。
典型的な料理中の姿──だが。
「あれ? クロノ君は?」
エイミィは賢しくも感じ取ったようだった。
自分をすぐに迎えに来ないこと、代りにフェイトがいること。
そして何より、手に持った包丁。
そう、普段にはないこと。
「クロノ君、トイレにでも入ってるの?」
しかし悲しいかな、エイミィはそこから現実離れした結論を弾き出すことはできなかった。
そこで急用の一つでも思い出していれば、或いは免れえたのかもしれない。
だが。
「ううん。今、クロノお兄ちゃんは寝てるよ」
「あぁ、なるほど。ところでフェイト、今日のご飯は何? あたしお腹すいちゃってさあ。
何か摘むものがあったらそれでもいいんだけど、ある?」
靴を脱ぎ、スリッパに履き替えるエイミィ。
下を向いていたため、致命的にもフェイトの顔を見損ねてしまった。
「ごめんなさい、エイミィ姉さん……」
「ふぇ? ごめんなさいって、何が?」
フッと顔を上げたエイミィの顔に浮かんだのは、恐怖よりも疑問符が先立った。
「どうしたの、包丁なんて構えて。Gでもいた?」
フェイトは顔をフルフルと振ると、申し訳なさそうに、しかし狂疾に冒された声で言った。
「今日は、エイミィ姉さんを料理するんだ……」
「あたしを料理? え、まさか女体盛り? アハハ、フェイトにはまだ早いか」
母から受けた歪んだ愛は、矯正しきることはできなかった。
兇器を持ち、突きつけることで、その遺伝の恐ろしさを知った。
けれど、もう止まらない。もう止められない。
クロノとの恋路には、エイミィはいてはいけないのだ。
最初から、存在していてはならない存在だったのだ。
「さようなら」
独占の衝動が全身を覆いつくし、手に持った包丁をエイミィに突き立てた。
「えっ……がっ、ごほっ……」
心臓には刺さっただろうか。肺は突き抜けただろうか。
エイミィの顔は一瞬だけ疑問に、次いで驚愕。最後には苦痛からの開放を訴えていた。
その目が言う通りに、包丁を引き抜いた。動脈を貫いたのか、どくっ、どくっ、と鮮血が溢れてくる。
「姉さんが悪いんだよ? 私のクロノをたぶらかすから……私はクロノと一緒じゃないと幸せになれないのに。
ごめんね、姉さん。でも、私とクロノの幸せに、姉さんは邪魔だから……」
エイミィは何かを言おうとしていたが、血を吐いてそれも叶わなかった。
ガクガクと嫌な震えをしばらく続けていたが、やがて動かなくなった。
「これで、お兄ちゃんは私だけのものだね……待っててね、お兄ちゃん。私、お兄ちゃんだけの人になるから」

アルフが起きた時、どうなるだろう。
リンディが帰ってきた時、一体どうなるだろう。
フェイトは鼻歌を唄いながら、本物の料理を作り始めた。
クロノに、愛する人に食べてもらうために。


著者:Foolish Form ◆UEcU7qAhfM

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