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K-010

名は存在を示すもの・・・


種死第3話の最後の議長のセリフ・・・・・

「名はその存在を示すものだ。ならばもし、それが偽りだったとしたら。それが偽りだとしたら、それは、その存在そのものも偽り、ということになるかな。アレックス・・・いや、アスラン・ザラくん」

(「名は存在を示す為の矢印であるから、それが偽りならばその矢印が指し示す先は本来の場所を指すことはない。偽りの方向を向いて、偽りの存在を映し出してしまう。本来の存在意義は消えて、偽りの存在意義に取って代わられる」・・・・・こんな解釈で良いのか?)

ええ、議長。この蝙蝠男は、そもそも確固とした存在意義なんてものはありませんよ。今、はっきりとそう言える。
名を変えることで偽りの姿を手に入れた→本来の名に戻ったら、それはザフトの為の存在に戻るはず
.・・・・・違うんですよ、議長・・・・・この男は、本質的に蝙蝠だったから。
本来の姿なんてないんです、流されるだけの存在なんです。・・・でも、それをわかっていたからこそ、誘導してザフトに取り入れる為の種を蒔いたんでしょうけど。議長のやり方って、慎重なんだか回りくどいんだか。とてもじゃないが、ラクス暗殺の指示がこの議長のものだったとは思えませんね。


一方、この言葉を・・・・・他のキャラに当てはめてみましょう。

ネオ・ノアロークはまさに存在そのものが偽りです。こいつはどうでもいい。

ミーア・キャンベルは・・・ラクスという名を使うことによって、本来の自分ではあり得なかった虚像を手に入れることが出来た。ラクスの名をもしも捨てたら、「誰からも必要とされなかった本来の自分」になってしまう。居心地がよいのはどちらかと問われれば、偽りの存在でも良い、と答えたのは当たり前です。もしも、「本来の自分」を必要としてくれる人が現れていたなら、違っていたでしょうけど・・・アスランはそんな存在じゃなかった、ってことですよね。ラクスとは違う人格、ミーアの内面を深く愛する人、認めてくれる人がいる、と信じることが出来ればなぁ・・・・・。

レイ・ザ・バレル・・・・・彼は・・・彼の名は、偽りだったのだろうか?
.・・・ラウが見つけ、議長が育てることに決めたその時に名前が付けられたとしても、それ以前の呼び名(番号のような単なる記号)は、「一人の人間として扱われる」為の呼び名ではない。だから、本来の名などとは言えない。
「区別を付ける」為ではなく、「存在意義を示す」為の・・・・・いや、区別を付けるという時点で、同じ存在なんていない。一卵性の双子であっても、それぞれを一つの人格と認める環境であるならば、「同じ存在だ」などという言葉は言わないのだから。

そして・・・最後の脚本破綻の極みで議長が語っていた戯言(「君もラウだ」発言)は脇に置きますが・・・ミネルバの仲間は、シンやルナマリアだけでなく全員が、彼は彼として、「レイ・ザ・バレル」という存在として、必要としていました。
「ラウ・ル・クルーゼ」も「アル・ダ・フラガ」も関係ない。
「レイはレイだろう?」・・・そんなことは、キラ・ヤマトなんかに言われなくても、シンも、ルナも、皆そう思ってるのに!どうしてそんな重要なことを、本人が気づいてくれなかったのか!何故、キラなんかに言われなきゃいけなかったのか、何故そこで、「自分」を認めてくれたのがキラだけだった等という思考に陥ってしまうのか!
.・・・・・一番大事な人だった議長がそんなことを言ってたから・・・シンやルナの存在は、そんなに救いにならなかったのか。・・・いや、シン達と一緒に過ごせる時間は、もうすでにそれほど残っていなかったから・・・そのことに耐えきれなくて壊れていた、としても・・・あんまりだ。
.・・・というより、「最終話だけ」彼のキャラクターが180℃違ってたと思うのですがねぇ。それまでの誰が「ラウ・ル・クルーゼ」の思想を語っていたと言うのよ(号泣)! 議長のプランによって「人類を生かそうとしていた」のが、レイじゃないか! そのプランがたとえ「間違っているもの」だとしたって、「人類を破滅させたかった」クルーゼの意識とは全然違うってばーーーーー! もう嫌だ・・・


あと、おまけとして・・・ヒイロ・ユイとトロワ・バートンについても語ります。

彼らは、ガンダムWの世界で「偽名」を名乗り、「自分の名前がなかった」キャラです。「本当の名前」があるのかどうかすらわからないまま、物語は終わっています。
といっても、その偽名を名乗る前、それまで呼ばれていた呼び名は「記号」でしかない為に、「人として関わりを持った時点の呼び名=普通の人間にとっての本来の名前=物語中で名乗っていた偽名」なのですが。

同じ偽名といっても、彼らは少しずつ意味が違います。

まず「トロワ・バートン」の場合、「本来のトロワ・バートン」が死んだ時に、その存在に成り代わる為に「その名を名乗る」ことを決めました。
「本来のトロワ・バートン」は、「トレーズ・クシュリナーダの子供を産んだレイア・バートンの弟、バートン家の人間で、ヘビーアームズのパイロット」です。一方、それ以前の「彼」は、「何処で生まれ、どういう風に育ったかの経緯は不明。ヘビーアームズの整備の場にいた『名無し』」・・・「本来のトロワ・バートン」の顔や性格を考えると、「今のトロワ」が本編にいて良かったと思いますね。
(まぁ、この「本来のトロワ」話は本編終了後の続編、EWで初めて出てきた設定なので、どうでもいいんですけどね・・・EW自体の出来はともかく、後付で改悪と思える設定ばかり付け足されている話ですから。トロワという名が本来の名ではないらしいこと自体は、本編最初からの設定なんですけど)

次に「ヒイロ・ユイ」ですが・・・彼の名前は、W世界で非常に意味を持つ名前でした。コロニーをまとめ上げて、地球との武力衝突を回避しつつ、コロニーの独立の為に尽くし、その道半ばにして15年前暗殺されてしまった「偉大なコロニー指導者」。
コロニーでは絶大な意味を持つ名前なのですが、地球では余りその意味を知る者がいないらしいです。SEEDで言えば、ラクスみたいなものかなぁ。(SEED時点のAAは、フラガ達が名字を聞いて「もしかして議長の娘?」と知った位だから)
で、なんで「彼」がその名前を名乗った(名乗らされた)かと言えば、「コロニー独立の遺志を継ぐもの」によって攻撃するのだ、という意思表示の為らしいですね。

ともあれ、この二人の場合・・・・・
「その名前を名乗る前」は、「一人の人間として必要とされていた状態」ではなかった。
でも、劇中で様々な出会いがあって、「その存在に意味が出た」。
だから、彼らの名前は、偽名だけど偽名じゃない、「本当の名前」なんです。少なくとも関わりを持った人間すべて、彼らのことは「この名前でこの存在だ」という認識を持ってますからね。


SEEDは、ガンダムWと比較する意見が多いと思います。
それだけ、設定やシチュエーションに似通った部分が多いんですよ。
.・・・もし、ラクスがリリーナ様と同じような路線で頑張ったキャラだったら・・・・・二番煎じだと思っても、あんな拒絶反応は出なかっただろうな。少なくとも、SEED後半〜運命の彼女は、リリーナ様と比べること自体が間違ってると思えるほどの極悪キャラだしな・・・(溜息)。

(2006/1/10)

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2006年03月25日(土) 15:43:16 Modified by reyz




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