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K-014

レイとラウの心情は・・・


2006/03/24

ガンダムAの脚本家インタビュー抜粋読んで、嫌な気分になりました。

.・・・「実はこうだったんですよ」など、今更後付けされても困る。議長とラウとレイとシン(とタリアとそのほか)が何を考えていたのかを読み取るのは、写ったものがすべて、映像から最大限読み取るべきで、その解釈は、創造主様と違っていようがなんだろうが、かまわない。

.・・・・・だって、レイが「抱きしめられる」=「愛されてる」ことがなかったって、どういう発言でしょう。19話でギルに抱きついてたのは幻ですか? 抱きしめてましたけどね、議長は? 愛されている子供の顔じゃなかったですか、レイは? 議長の思惑は知らないけど、・・・・・・・レイがギルのことを信じていたのは、10年間、愛を持って育ててくれた人(と思ってた)だからこそ、ですよ。
.・・・というか、お母さんがいなけりゃ子供は不幸だっていうのかね? 父さんや兄さんじゃだめなのか? だったら、お母さんがいない子になってしまった、タリアの息子はどうする気だよ。

.・・・でも、「レイにとってのシン」は、誰かに添削してもらったのでは?・・・と言われてたのがぴったりな位、まともな答えですね。そこだけ切り取って頭の中に納めておくか・・・・・叶うならばそばにいたいと思ってたなら、最後シン達の元に帰る道はなかったのかと泣きたくなったけど。

.・・・・・・・そもそも、クローン告白も・・・あそこでレイが「俺はクローンで、もう一人の俺はこの世のすべてを呪って、フリーダムのパイロットと戦って死んだ。だから同じ存在である俺もその通りに生きて、死ぬべきなんだ」とかそーいう「最終話での錯乱したレイ」として喋ってたらな・・・・・・

シンはバカだから、「コーディネイターじゃない。しかも、長く生きられない。お前に未来を託す」とかいきなり言われちゃって、混乱した・・・平和な世界を造る為に尽力するというのはシンの望みだけど、その後も「レイの代わりに」議長の下で頑張ってくれ、というのは全く考えていなかった事態だったから、頭が飽和状態になったんだな。「はぁ?」ってのは、視聴者の代弁者としては正しいんだが(苦笑)。

シンはあの本編でのセリフだけじゃ・・・・・レイがそんな最終話的錯乱した考えを持っていたなんてわからなかったんですよ。(っていうか、真逆の意識で喋ってたじゃないか、あの告白・・・・・・・)
生まれがクローンだからって・・・少なくとも議長に家族としてかわいがられて育ってきた(はず)ということを知ってるシンとしては、「自分が自分として必要とされていなかった。間違った存在だから、キラ・ヤマトとともに死ぬべきだ」とレイが思ってたなんて、気づきようがないんだ。
それをレイが言ってたら、「バカなこと言うな! レイはレイだろ! お前がどんな生まれかなんて関係ない! 他の誰でもない、俺はお前しか知らない! ルナだって、ヴィーノやヨウラン、そのほかミネルバの皆だって・・・俺たちの大事な仲間の、レイ・ザ・バレルを必要としてるんだ! だから、たとえ・・・たとえ、短い命だとしても、精一杯最後まで生き抜くんだ! 死んでも良いなんて、死ぬなんて言うなよ!」って、シンは言ったはずなんだけど・・・orz

なんで、キラに「君は君だ」なんてこと言われなきゃいけないのか・・・・・小さい頃から何一つ悩まず幸せにぬくぬく暮らして、周りをすべて肯定してくれる人々ばかりで固められた人に、何がわかるっていうのか・・・・・というか、種最後、クルーゼが語ってた厭世論だけで、クルーゼのすべてを理解したような気にならないでくれ。(ムウもそうだが・・・種小説5巻の、ムウの意識はむかつく)


クルーゼは・・・ラウは・・・・・・愛を知らなかったから、自分を肯定してくれる存在が誰もいなかったから、ああいうことを言ってたんじゃないんだ。
自分が必要と言ってくれる人がいたって、それでも人類に絶望する気持ちは止められないってのは・・・そりゃ、真面目に考えたらそうなるのは当たり前の話なんだよな。滅ぶ速度を速めるのに手を貸しただけで・・・どうせ滅ぶなら、自分の目の前で事態を動かしてやろう、っていうのは、確かに悪役の意識なんだけど。
このままでは人類が滅ぶのは間違いなくても、自分が生きている間だけはそんなことにならないだろう・・・と、問題を先送りにして生きているのが、我々だから・・・・・なのに、いきなり「無駄な足掻きをしないでとっとと滅べ」と言われたら・・・「い、いやいや、ちょっと待て」なんだけど。

ただ、キラは本気で「人類には希望がある。そんなことにはならない」と思ってたなぁ・・・・・いや、子供向けアニメで厭世論を肯定しちゃダメなのはわかってますが(笑)・・・それにしても・・・・・いや、無印種時のキラ達は、一応その論理で思想と行動が一致してるので、許容出来ますけど。

種の時はともかく・・・種運命のラクス、カガリご一行様は、徹底的に破綻した行動しかとってないので始末が悪い。限られた富を独占して享受する立場の人間は、「そうでない人々」の事など考えていないからこそ、ああいう「自分達が正義」と思いこめる。「明日を生きられるかわからない人々」という存在は、誰も気にしないのだな・・・・・「果てない戦いを続けるより、制限された状態でも平等にご飯を食べる事が出来る世界の方がいい」と思う人間が多数存在する、という意識はキラ達の頭の中には全くないからなぁ。

だいたい、運命プランを否定したのだって、「遺伝子解析されたらカガリが今の地位を続けることが出来ない」=「僕たちの気楽な豪遊生活が出来ない」ってことだし・・・実力で国のトップにいる訳じゃない社会体制の国(生まれと名前だけでその地位につく)だからこそ、運命プランに反対しないとダメだった、という話でしたね。


真面目すぎたんだよな、ラウは・・・・・ギルもけっして楽観主義じゃないから、コーディの未来を語ったら、なおさらラウの意識がさらに悪い方へ転がってしまったのに気づきながらもどうすることも出来なかった。・・・でも、戦死したという報告を聞いた時、そして同時期に評議会議員として選ばれた為に・・・友に語ることは出来なかった楽観主義的なプラン・・・・・デスティニープランを実行すれば、人類は救いを得られるかもしれないという・・・・・夢想家としてのギルが表に出てきたんだろうか?
(ナチュラルとの融和を模索する、ということ自体はラウに語ってたと思うけど・・・政治家じゃなくて遺伝子工学者のギルの場合、デスティニープランが実現可能な話のわけがないので)

遺伝子の資料もすべてそろって持っていただろうギルは、「最高のコーディネイター」と言われたキラ・ヤマトは「最高の人形」でしかなくて、「最高の人間としての精神」は、キラ・ヤマトには存在しないことを知っていた。・・・だからこそ、その凶悪兵器は出来ればこちらが管理しないとダメなわけで・・・「平和主義の仮面をかぶった、最悪のロゴス」であるラクス・クラインが所有しているという状態は、怖かったんだろうなー・・・・・・。

ラウの描写は、種時代はしょうがない、レイもギルもいなかったんだし・・・と、一応無理矢理納得してますが、しかし・・・種運命小説2巻最初の、キラとカリダの描写が許せない。「憎しみのみ抱えて散った、あの男と自分は違う」って、どこまでラウを貶めれば気が済むんだろうか。
客観的に見れば、どう見てもキラは「最上級の幸せな育ち方をした子供」なのに・・・「もっと不幸な生まれ育ちのキャラ」に対して、侮蔑の念しか持たないってのは・・・何処が傲慢じゃないっていうのだろう、こういう心理描写されてるキラが。
種では、自分の矛盾した考えに気づかない、気づこうともしないで、自分は正論を述べているつもりのヴィアが描かれてましたしね・・・

比較対象として、シンやルナ達の両親の描写が一切ないことが惜しい・・・のか、なくて良かった・・・のか、判断つきにくい・・・・・・orz

そういえば、ニコルパパって、戦犯として牢に入ったあげく(ここまでは確定らしい)に、獄中死したという噂なんですが・・・・・アスランって、よくニコルの墓に行けるよな。息子が戦死した上に、夫が息子の無念を晴らす為、戦争を早く終わらせる為に仕方なく開発したMSを、事もあろうに息子の友達に持ち逃げされて&戦火拡大という最悪の経過を辿った、さらに夫はそのせいで戦犯になって苦しんだ・・・って、ニコルママは精神的に大丈夫なのだろうか?

2006/4/21 追記

スーツCD10によれば、ニコルの両親は健在のようです。
しかも、アスランがニコルの両親に会って、生前書いていた楽譜を受け取ったとのこと。
ラクス達の汚点を残さないようにするのは結構ですけど、ニコルの両親にわざわざアスランを会わせるって、(そういう話にしろと指示した人間or脚本家は)どういう神経してるんだろ。

「過去に囚われるな」とはよく言ったもんです・・・アスラン達が喋っていた言葉は、もはや聞くに堪えない話だったらしいし。
こんな裏切り3人組の為に、レイも議長も犠牲になって、シンが屈服させられたと思うと。

スーツCDは6だけしか買っていませんが、あれが、あれだけが価値あるものだったとの認識でいいや。



2007/1/23 追加

レイが好きだ。
自分の能力を最大限生かす為に努力しているのが好きだ。
自分の先が長くないことを知っても、強くあろうとした姿勢が好きだ。
自分がどんなに辛くても、決してそれを表に出さない、出そうとしなかった点が好きだ。
自分の立場が恵まれていることも自覚していて、そうでない立場の人々の為に精一杯出来る限りのことをしている点も好きだ。
自分のそういった境遇を生み出した社会に憎悪を向けるという負の方向ではなく、それを変えようとする正の方向に動いていた点が好きだ。

そういう人間が好きだし、そういう人間でありたい。
だから、そうでない人間の気持ちもわからない。
恵まれた境遇にいることを自覚せず、不幸に酔っている人間は嫌だ。
だから、キラは嫌いだ。

……恵まれた境遇というのは、相対的なものだけど。上ばかり見て、嘆くのではなく。

「自分さえよければよい」を突き詰めていく世界で、世界を絶望的な見方で見ない方がおかしい。

ラウのあの憎悪は、世界への絶望…………どう足掻いても変えることなど出来ない世界を深く考えてしまえば、「今ここで滅んでしまえば苦しみが長引くこともない」という意識に到達するのは、責められない。
ただ、ラウにはそれを実行出来るだけの能力と運が最高レベルで揃ってしまっていたから、それを実行出来ただけ。

だから、レイは好きだけど、それと同じ位、ラウも好きだ。
ふたりとも、人に弱みを見せなかった、弱音を吐かなかった、という点は同じだから。

でも、物語としては救いを求めるから、それを変えようとする人々の物語が見たい。
「人が、自分の出来ることを、出来る範囲で精一杯行える、それが認められる世界」を、議長が目指していたという考察になったのは、そういう社会を夢見ているから。
そして、そのために頑張っていた、そういうレイが「正当な評価」を受けて欲しい、受けるような世界になって欲しい。

受けられなかったあの世界など、ラクスが君臨するあの世界など、滅んでしまえばいい。

…………うん、まぁ、やっぱりAAアンチの考えを表に出さずというのは難しい。

だって、あの世界って本当に絶望的世界なのに、変える手段を提示してたギルを極悪人扱いして葬り去るんだもの…………あの世界の存続なんて願えない。
レイがいない、レイが思い出されることもない世界なんて、たとえレイはそんなことを望んでいなくても、「滅んでも良い」意識になってしまう。

……基本的に私は、レイに憧れるラウ思考なのか…………(苦笑)。


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2007年01月23日(火) 19:51:36 Modified by reyz




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