正しいかもしれないメイキングの見方

アニメ「ストロベリーパニック」のDVD第一巻のうち販売用の初回限定版(メディアファクトリー製品 ストロベリー・パニック Special Limited Box 1 6月23日発売)には、いくつかの映像特典が含まれているが、その中には麻衣ちゃんと愛ちゃんが演じて話題騒然となった「秘密ドールズPV」の、メイキング映像が収録されている。

私は、放送や録画でも見られる本編のアニメはともかく、ここでしか見られない事になっている二人の姿に大いに興味があったため、この限定版の購入を決定した。

メイキング映像の中から、このサイト的に押さえておきたいポイント、となると、やはり二人の仲良しシーンになる訳だが、特に目立つものが二つばかりある。

一つは、控え室があると思われる2階から、白い衣装に着替えた二人が、抱擁やキスのあるシーンの撮影のために、手に手を取ってゆっくりと階段を降りてくる場面。

そして、その直後には、二人してベッドの上に寝転がった後、少し不安も見える麻衣ちゃんを落ち着かせるかのように、愛ちゃんが麻衣ちゃんの髪をそっと撫で、一方、麻衣ちゃんは目を閉じ、それを最大限に感じ取ろうとしているような場面がある。


私も世の中の平均を知っている訳ではないが、二人と同じ年齢の女性同士が同じ状態に置かれた時、こうも自然に、このようなコミュニケーションを取るとは思えない。

多分、意識してそう動こうとする方が恥ずかしいのではないか、とまで思える訳だが、この二人は本当にナチュラルに、それが当然あるべき姿のように動く。

それはもう、周りからどう見えるか、などという事とは一切関係のない、二人だけの世界を持っていて、単純に相手が望む通りに動いているだけなのかしれない。

素直に、萌え。と言っておこう。


さらに進めば、やはり目を奪われてしまう存在として出てくるのが、二人のキスシーンだ。

PVで見せた、モノクロームでソフトフィルターのかかったようなフィルム調のアップとは異なり、今回は、ある程度遠いところから自然なアングルで撮影された、ビデオ調の、シャープで通常の色調の映像として収録されている。

メイキング映像らしく、抱擁から始まる一連のシーンの動きを事前に二人で何回か確認したあと、徐々に顔を近付け始める二人。

可愛い二人だから、キレイだし、なんかこれはPVよりも安心して見ていられるな、と思った所で、若干の違和感に気付く。

何か違う。あれは安心して見ていられるようなものじゃなく、もっと大きなメッセージ性のような物を持っていた気がするのだが、目の前の二人は、カットの声でぱっと身を離した後、最後には吹き出してしまっている。

私の感覚では、あの本気の塊のようなシーンの後で吹き出すのは、ありえない反応としか思えないのだが、現実にそういう内容の映像になっているものは仕方ない。

ネット上を見ても、やはり数人が、それぞれのブログや掲示板で、笑い出す二人にがっかり、という感想を出しているのが見つかったが、彼らが言わんとする事も、多分、私と似たようなものだったのでは、と思う。


何かがおかしい。二人が吹き出す理由を知りたい。

そう思って、このメイキングを、プレーヤの特殊再生機能も利用しながら何度か見ていると、ある瞬間に一つの仮説が成り立ち、そして、そう考えながら見ると、そのような映像に見えてくるし、同時にいくつかの矛盾点が消え、笑いに繋がるオチも見えて来た。
多分、これで合っていると思うので、以下に続けてみる。


まず言える事は、メイキングのものは、注意してよく見ると、実はPVとは別のテイクのシーンと判る、という事で、これは、麻衣ちゃんと触れ合う瞬間の愛ちゃんの髪の房や口の様子を比べてみれば良く判る。

メイキングでは、ずっと口を閉じてる愛ちゃんの上唇に対し、目標を外さないように、そっと麻衣ちゃんが唇を載せる、いわゆる擬似キスで始まっている。

擬似と言っても、麻衣ちゃんがずらしているのは、距離にしてたった1〜2センチのことなので、実質的には唇を重ねたという表現にある程度該当する訳だが、衆人環視の中で本当にキスするのとは、感覚的に随分違うはずだ。

なのだが、しかし、その擬似キスの途中で、なんと、愛ちゃんが、悪戯なのか、無意識なのか、うっかり顔を少し上にずらしてしまうので、最後には、本当のキス同然の状態に。

だから、この後すぐかかるカットの声で離れる時に、愛ちゃんは照れ笑いで一人で突っ伏してしまうし、撮影中に唇を奪われちゃった麻衣ちゃんは、「愛ちゃん!」と抗議してる訳ですね。

気がついた時には、まず笑えてきたし、その後、大いに萌えさせて頂きました。
もう、このバカップルは、本当に仲いいんだから。(笑)

ずっと口を閉じてる、と解ってはいても、いろんな所で、相思相愛のお似合いカップルとして扱われている二人のこと、頬を染め、目を閉じてくっついているだけでも、リアリティーは十分あるので、やっぱり興奮は興奮として隠せない。

でもね、愛ちゃん。それが悪戯だったにせよ、無意識の動きだったにせよ、それは「麻衣ちゃんとは時々キスします。」って言っちゃった事になりませんか?

なんにせよ、可愛い。微笑ましく、安心して見ていられる「お友達キス」でした。



にも関らず、PVには、あの「恋人キス」が収録されてしまっている訳だが、それについては、また別な話として。

残りの映像特典コンテンツとしては、アニメのOP/EDのノンテロップバージョンと、「秘密トーク1、同2」なる、麻衣ちゃんと愛ちゃんの3〜4分のフリートーク2本を収録。

このトークは、二人の衣装とか会話の内容からすると、2月26日のストパニのイベント「聖アストラエア合同入試」の日の、開始直前に収録されたものですね。

内容的には、至って普通のフリートークで、以下のような内容が収められています。


  • ラフに構えて座る麻衣ちゃんの横で、姿勢正しくちょこんと座り、目を伏せがちに、うつむき加減で話す愛ちゃん。

  • 3分半のトークのうちたっぷり3分間、優しい表情で愛ちゃんの顔を見つめながら話し続ける麻衣ちゃん。

  • 最近可愛くなくなって来たと漏らす愛ちゃんに、今でも十分可愛いと真顔で断言する麻衣ちゃんと、それを聞いて、妙に恥ずかしがり続ける愛ちゃん。

  • 結局、平均すると、15秒に一回、愛ちゃんに可愛いと言い続けた麻衣ちゃん。


どう見ても、至って普通の恋人同士の会話です。本当にありがとうございました。


それにしても、トーク1の最後は意味深。
2006年07月04日(火) 20:15:12 Modified by rttbl




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