あいつのことか
　ああ　知っている

　話せば長い
　そう　古い話だ

　知っているか？
　エースは３つに分けられる

　強さを求める奴
　プライドに生きる奴
　戦況を読める奴
　この三つだ
　あいつは――

　彼女は『帝国の竜神様』と呼ばれたドラゴン
　彼女を支配した男

『博之よ。いい眺めじゃ』
『日米合同機動部隊　13隻の正規空母は壮観だな』
『ここから見れば、人も竜も大して変わらん』

　私は彼女を追っている
　あれは、青空がまぶしい冬の日だった

『真珠湾で大規模な戦闘！』
『援軍？帝国か！』

『日本戦闘機隊へ　撤退は許可できない』
『だとよ。遠藤』
『給料上乗せだな。真田』
『ワイバーン風情に人間も何を難儀しているのやら』
『『黙ってろ。馬鹿竜』』

『こちら合衆国戦闘機隊。歓迎する。ようこそ。ハワイの竜狩りへ！』
『どうもありがとうよ。で、晩餐は残っているんだろうな？』
『博之。狩られているのは彼らではないのか？』

『落ちるなら、わらわのいない所で落ちるが良い
　目の前で博之を落とされてたまるか！』

　第二次世界大戦には謎が多い
　誰もが敵となり
　誰もが味方となる
　そして誰かが被害者で
　誰が加害者か

　一体『竜』とは『異世界』何か？

『ワイバーン接近』
『全機撃墜し空母に近づけるな』
『真珠湾からお出迎えだ』

　アメリカ合衆国　ハワイ諸島　――通称『真珠湾』
　俺達に与えられた舞台

『ワイバーン狩りだ』

『真珠湾の竜だ！油断すんな』
『竜がなんだ　俺がやってやる！』

『戦争にルールは無い』
『竜が消えたら日本にも退場してもらうさ』
『この戦いは人か竜かが滅びるまで終わらない』

　人は彼らを『真珠湾の騎士』と呼んだ
　
『受け入れろ　人間』
『これが狩りだ』

　変わる運命

『帝国の竜が！』

　変われない世界

『わらわに構わず撃て！博之！！』

　あれは、青空がまぶしい冬の日だった


　帝国の竜神様　


　竜と人の絆はただ一つ


『一緒に帰るぞ！撫子！！』


　共に生きたい



帝国の竜神様　ぼつ話