Part 2. “辞書にない英語” http://wiki.livedoor.jp/yushinhozumi/d/

　英文翻訳のお仕事をされている保住有信さんが、辞書に載っていない英語（単語・熟語）の意味をメモするために使っていらっしゃるWikiです。
　Wikiにメモすることで、記憶が残りやすくなったとのこと。個人で、特に語学の学習のためににWikiを使う場合のヒントになるかも。

“辞書にない英語”のトップページ。 シンプルなページで、左サイドバーにジャンル別の索引がある。

Wikiについて

――Wikiという形式を選んだ理由は？

　辞書形式のコンテンツを管理するのに最適だと思ったからですね。ページ数も勝手に増えるし、HTML 手書きだと自分でやらなくちゃならない、カテゴリ分類とか並べ替えとかも自動でやってくれるわけですから。

――livedoor Wikiを選んだ理由は何でしょうか？

　これは、始めた当時フリーで利用できる wiki が他にあまりなかったから、という以外の理由はありません。ただし、livedoor さんが他社に先駆けて wiki のサービス提供を始めたということについては評価できると思います。

――livedoor Wikiが使いやすい部分、逆に使いにくい部分があれば教えてください。

　使いにくいのは、なんと言ってもカテゴリ分類(^^)。カテゴリが多すぎるし、順不同で表示されるので、選択するのが非常に面倒です。これだけはなんとかしてほしいですね。

　あと、HTML なら書けるけど Wiki だと書けない、ということがわずかながらあるような気がするんですけど。

　たとえば、以前にスパムについての記事を書いたとき、仮想の URL を文字列として書きたかったのに、勝手にリンクに変換されてしまうので困ったことがあります。これは、もしなんか回避する方法があったらぜひ教えてください(^^)。

　あと、Google Adsence みたいに、スクリプトを使うアフィリエイトは、記事の中には貼り付けられないですよね。右側の空き領域は、livedoor さん専用みたいだし(^^)。

「本当に辞書に載っていないかどうかは、複数の辞書を使って確かめる」と保住さん。

自分と他者の編集について

――コンテンツのうち、ご自身が編集した部分は何%くらいですか？

　コメントを除けば 100% です。

――wiki管理者以外の他者が編集することを想定していますか？編集できる設定にしていますか？

　これに関しては、ずいぶん迷ったし、いまだに迷っているんですが、いまのところ、他者が編集できる設定にはしていません。

　内容を充実させるためには、大勢で編集した方がよいのでしょうが、不特定多数の人が参加すると、その分質が低下するおそれがあるので。

　特に、この「辞書にない英語」では、「辞書にない」という判断がかなり微妙なんですね(^^)。普通の中辞典とかに載っていない用語なんて星の数ほどあるので、ある程度専門的な辞書にも載っていない、というのを基準にしたいのですが、一般の方で私のようにたくさん辞書を持っている人はそうはいないので、そういう微妙な判定ができる人はあまりいないでしょう。

　そうすると、投稿してもらった後に、その記事が掲載するのにふさわしいかどうかを誰かがチェックしたりなんかして管理する必要がありますよね。

　でも、さすがにそこまでしているヒマはないので、仕事の片手間でできる範囲を維持するには、現在のかたちで仕方ないかなあと、今のところは思っています。

――他人によって、自分の意に沿わない編集がされたことはありますか？逆に有益な情報を追加してくれてよかったと思ったことはありますか？

　前述の通り、直接の編集は許可していないので、いまのところはありません。コメントで情報をくれる方はたまにいらっしゃいますが。

参考になったサイトなど

――よくご覧になるWikiサイトがあれば教えてください。

　なんと言っても Wikipedia ですね。

――運営の参考になったWikiサイトがあれば教えてください。

　特にありません。

――その他、運営で工夫している部分があれば教えてください。

　工夫というほどのことではありませんが、なるべく少ない負担で、共有知識のプールに貢献し、なおかつ多少の宣伝にもなるというのが狙いなので、無理をしないということを重視しています(^^)。無理しないで運営できるのが Wiki のいいところじゃないでしょうか。

　あと、たまにウケ狙いでアダルトネタとかを集中的に載せることがあります(^^)。案の定てきめんにページビューが増えるのが興味深いです(^^)。

その他

――このWikiを、どのように仕事に生かしていますか？

　もともと、仕事の過程で調べた情報を、自分だけで秘匿しているのがもったいないと思ったのがこの Wiki を始めた発端なので、Wiki を仕事に生かすというより、仕事を Wiki に生かすという意味合いの方が強いですね。

　ただ、今までだと、仕事が終わったとたん片端から忘れてしまうような情報も、記録が残るようになったので、忘れにくくなったり、後で思い出しやすくなったり、という効用はあります。

　たまに、Google 検索かけたら、自分の Wiki にヒットして、「そうだ、前に自分で調べた単語じゃん」とか思うこともありますよ(^^)。

　あと、この Wiki から自分のホームページにとんでくるトラフィックもけっこうあるので、それなりに宣伝にもなっているのではないでしょうか。

livedoor Wikiスタッフより

　「仮想の URL を文字列として書きたかったのに、勝手にリンクに変換されてしまうので困った」とのことですが、例示のためのURLを書きたいということであれば、example.com(net/org/jp)を使うのがおすすめです。これらのドメインは例示のために用意されているものなので、リンクしても、偶然実在する誰かのページにつながってしまって困る、ということはありません（解説）。

　それとは関係なく、「URLを書いたときにリンクさせたくない」という場合は、「URLを書くだけで簡単にリンクさせたい」という場合もあると思うので難しいですが、今後も「直感的に表現できる簡単さ」と「好きなように表現できるカスタマイズ性」の両立を目指してやっていきたいと思っています。インタビューに応じていただいてどうもありがとうございました。今後も、辞書に載らないようなニッチな知識をWikiで蓄積していってください！