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ガチャッ、と鍵の開く音が響く。
重い金属の扉、真っ暗な部屋、私の家。
今日もレッスンを終え、家に帰ってきた。
玄関に入り、照明を点けると

「くっ」

腕に抱えていた小さな生き物がぴょん、と飛びはねた。
この子の名前はちひゃー。私そっくりな、小さな生き物。
しばらく前に私たちの前に現れ、今はこうして一緒に暮らしている。
私だけではない、事務所の皆にそっくりな小さな生き物はいつの間にか
私たちの前に現れ、今ではそれがすっかり当たり前になった。
彼女たちの行動に最初は振り回されてばかりだったが、ようやくそれにも慣れてきた。
「くっ、くっくっ」
ぺしぺし、と脚をはたかれる。反対の手はお風呂の方向を指している。
「お風呂に入りたいのね、ちょっと待って」
くっ、と頷くちひゃー。私の言葉は分かるらしい。私はこの子の言っている事はわからないが…
荷物を居間に置き、寝間着を持って風呂場に向かう。一人用の部屋向けの小さなユニットバスだが
私とこの子で入るには十分の大きさだ。

しゃああああ、とシャワーの音が響く。
「あなたは、髪が長いから時間をかけないと」
「くうう…」
シャンプーを泡立て、ちひゃーの髪を洗う。髪を洗われるのは嫌いではないらしい、今は大人しくしている。
…この子が私のことをどう思っているかはよくわからないけれど、おとなしいこの子は好きだ。
鼻歌を歌っていると、併せてハミングしてくれることもあって、歌うことが好きなんだなと感じさせられる。

お風呂からあがる。ドライヤーで髪を乾かしながら梳いてあげると、この子はとても喜ぶ。
「くっ、くっくううっ」
「なぁに、ちひゃー」
ドライヤーを片付けていると両手を上げ、ぴょんぴょんと跳ねるちひゃー。抱きかかえて近くに引き寄せると

ちゅっ

「なっ…ちひゃー?」
頬にキスをされた。思わぬ不意打ち。
思いもよらず顔が赤くなってしまう。
「くうっ…」
ちひゃーも顔を赤らめている。恥ずかしかったのだろうか。
目をそらしているちひゃーの頬に

ちゅっ

私もキスをした。柔らかな頬の感触。
「くっ!?くっくくっ!?」
慌てた様子のちひゃー。
「おかえしよ、ふふふっ」
ちひゃーの様子に思わず笑ってしまった。良かった、私もどうやら好かれているようだ。
べしべしっと頬を叩かれるが、それも心地いい。
寝不足になったこともあったけれど、今はこの子との同居が幸せだ。

「ちひゃー、ずっと一緒よ?」
「くうっ!」

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