巻頭詩(スィンパ)

 それはしののめ迫る夜明け前
 気ままに集まる彼ら
 瞼二つとも眠たげに
 海辺の街に日の昇るまで
 ささやかな歓談を絶やさぬようにと
 言葉遊びに戯れて

 始まった深夜のノリ!こんな時間に
 こんな夢見る闇夜のもとで
 どんな話になるとも知れぬ
 物語の内容を決めるとは!
 でもこの愉快なネタ一つ
 面白気な声に逆らえましょうか?

 真剣な顔の一人がまずは唱える
 その宣告は「なべさんが女王」
 すこし迷いつつ二番手の意見
 「ぶちさんをいれること」
 そして三番手が話を脱線させること
 五分に一度は与太話

 すぐに、とつぜんの閃きが降り
 幕引きは仮面の雪崩れと決まる
 ドジっ娘が7chの混沌の地で
 翻弄され走り惑い
 有象無象と親しく語る――
 そしてそれを奔放にまとめあげ

 そしてやがて、ふと我に返ると
 想像の葉は青々と茂り
 そして疲れた誰かが
 そろそろ寝ようと思いかければ
 「つづきはあした――」「あしたっていまさ!」
 と一人が嬉しそうに叫ぶ。

 かくして不思議の7chのお話が育ち
 ゆっくり、そして一つ一つ
 そのけったいな世界が形作られ――
 そしていつかは話は終わり
 そしてみんなでおやすみを言う
 陽気なブリーダーたちが夜明けの港で

 いぶち! つぎはぎ合わせた童話をとって
 朝と夜の境目の
 眠気のたゆたう地に手を滑らせておくれ
 結末の当てのない混沌の中
 ほんの一握り迷い込んだ
 常識の草臥れたでろーんのように

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