イングランド商人育成ガイド 3

2-4 相場を見極めよう

会計スキルを覚えてから、交易所では相場を見ることができます。
この相場を見てどのように行動するかを考えられるようになれば、一人前の商人と言えるでしょう。

ここからは、この相場の見方について書いていきます。

2-4A 相場の変動

交易品の相場は、時間によって変わっていきます。

※ ロンドン交易所。相場が変動すると、交易品により1～10%の値動きがある

相場は、通常およそ一時間に一回変動します。
交易所での取引が活発になってくると変動までの時間は60→40…15分と、徐々に短くなっていきます。
また、交易品ごとに一回の変動で、何%動くかの変動率が決まっていることを覚えておくといいでしょう。

特に高価な交易品ほど変動率が高く、安く仕入れにくくなっています。
購入するときと売却するときの、おおよその傾向をまとめると、以下のようになります。

購入	100%を基準に、必ず10回上昇して最高相場に達する。その後10回下降して100%に戻る。 100%に降下したあとも、5回まで相場が降下するのが確認されている。しかし、必ず下がる訳ではなく、取引が活発なほど上昇に転じる確率が高くなる。
売却	100%を基準に、必ず5回下降して最低相場に達する。その後5回上昇して100%に戻る。 100%に上昇したあとも、6回まで相場が上昇するのが確認されている。しかし、必ず上がる訳ではなく、取引が活発なほど下降に転じる確率が高くなる。

例えば、ダイヤであれば、変動率は8%です。
購入するときは、最高で180%まで上がったら下降に転じ、ごく稀に60%まで下がることがあります。
売却するときは、最低で60%まで下がったら上昇に転じ、ごく稀に140%まで上がることがあります。

しかし、そこまで上昇する機会はそう多くありません。
取引が活発になるほど相場の向きが反転する確率が高くなり、相場変動までの時間が短くなります。
そのため、良い相場になるまでじっと待つよりも、次の交易に向け早めに終わらせるのも良いでしょう。

※ 通常の相場変動でここまで上がるのを確認できるのは、滅多にない

このSSでは、メースが159%まで上昇したのが確認されています。（撮影時は相場が反転して150%に落ちています）
宝石が暴落していることから、香辛料の暴騰による相場の上昇ではなく、変動変動による上昇と推測されます。

相場変動を応用すれば、買い相場が100%から2回下がってから上昇に転じれば、相場変動の周期が20+4回となります。
そうすれば、何ごとも無ければ次の日も同じ時間に買い相場がやってくると判断できるようになります。

しかし、全ての交易品がこのように変動するとも限りません。あくまで参考程度に考えてください。

2-4B 暴落と暴騰

相場の動き方を掴んでも、相場変動の時間が短縮されたり、別の要因で交易が上手くいかないことがあります。
ここからは、その最大の要因である暴落と暴騰について、書いていきます。

※ 大量の売買が行なわれると、その交易品の相場は暴落してしまう

暴落（暴騰）とは、ある種類の交易品が大量に取引されたときに発生するものです。
暴落では交易品の相場が大幅に下がり、暴騰では交易品の相場が大幅に上がります。
人為的な原因で発生した暴落・暴騰は不利益になることが多く、敬遠されています。

※ 暴落が発生する前後の相場は、これだけ落ちてしまう

これらの暴落（暴騰）は発生してから解消されるまで、数回の相場変動を待たなければいけません。
暴落であれば「大暴落→だぶつき→解消」、暴騰であれば「大暴騰→売り時→解消」と変化していきます。
暴落の様子を図にしてみると、以下のようになります。

大暴落してるよ！
（大暴落1回目）

大暴落してるよ！
（大暴落2回目）

だぶついているぜ
（暴落1回目）

だぶついているぜ
（暴落2回目）

いらっしゃいませ
（暴落解消）

このうち、大暴落（大暴騰）の2回目は発生せず、だぶつき（売り時）に飛ぶこともあります。
だぶつき（売り時）は、ほぼ確実に相場2回変動まで解消されることはありません。
暴落（暴騰）が発生したら、3～4時間は続くと覚えておくといいでしょう。

暴落・暴騰の中には、人為的な原因以外で発生するものもあります。
これらは一般的に自然暴落（暴騰）と呼ばれ、人為的なものとは分けて考えられています。

また、暴落・暴騰も起こっていなかったのに、急に「だぶつき」状態が発生することもあります。
こちらは、同一の文化圏にある他の街で起こっている暴落等の情報が伝播して発生するようです。

2-4C 暴落耐性と暴落調整

さきほど、大量に交易品が取引されると暴落（暴騰）が発生すると書きましたが、例外もあります。
まず一つ目が、暴落耐性と呼ばれるものです。

例えば、イングランドと相性の良い宝石交易で説明してみましょう。
宝石交易は利益が高いため、ある程度の数を売却すると比較的簡単に暴落してしまいます。
しかし、同じ宝石である孔雀石を取り扱っているプリマスで売却すると、暴落することはありません。

※ プリマス交易所。孔雀石の宝石耐性と同様、両手剣の武具や石墨の工業品にも耐性がある

同じように、酒を売っている街で酒を、火器を売っている街で火器を売ったとしても、暴落することはほぼありません。
これを暴落耐性と呼びます。（ただし、自然発生や伝播による暴騰・暴落は起こります）

また、もう一つは暴落・暴騰を起こしたくないときに行なう暴落調整です。

暴落や暴騰には、別の交易品の暴落等が起こっていると、取引をしても発生しないという特徴があります。
それを利用して、あらかじめ別の交易品で暴落させておけば、目的の交易品をいくら売っても暴落は発生しません。

※ ドーバー交易所。香辛料暴落中のため宝石を売ったとしても暴落せず、大量に売りつけられる

イングランドであれば、ロンドンやハンブルグで青銅を青銅像に加工する調整が有名です。
アパルタメントに貯めておき、いざというときに取り出して美術品暴落を起こせば交易や生産を続けるのに便利でしょう。
相場が暴落することもなく、皆で交易品を売れる協力プレイの一種にも繋がります。これを暴落調整と呼びます。

暴騰を予防することもできるので、ピーク時間に取引が殺到するベルベット生産交易でも使われます。
こちらは、マスリパタムの石炭と合わせて作るアルケブス銃や、アチンのサイカクで行なうのが有名です。

場所によって集めやすく作りやすい交易品を探すのが、手早く暴落調整をするコツになります。

3 生産マイスターになろう

序盤では港間を移動して交易品を買い足しつつ上げていた生産スキル。
資金に余裕が出てきて買い集めたり、造船ロットで集められるようになったカテを使えば、かなり楽になります。
ここからは、生産R15になるまでの注意点や、買い揃えたい装備などについて、書いていきます。

3-1 ブースト装備を考えよう

生産スキルや取引スキルには、装備するとスキルランクを補正する効果のあるものが存在します。
集めれば、交易品をより多く買えたり、自分のスキルより高い生産品が作れたりと、非常に効果的です。
資金に余裕があれば、買い揃えることも検討してみましょう。

生産	生産スキル装備		取引スキル等装備
調理		ベルベットのリボン【調理+1】神秘の香辛料【調理+5】		熟練猟師釣具【釣り+1】真珠のアクセサリ【香辛料取引+2】
縫製		竹ぼうき【縫製+1】		水晶のアクセサリ【繊維取引+2】
鋳造		船大工の金づち【鋳造+1】		銀のアクセサリ【鉱石取引+2】アポロチョウのブローチ【工業品取引+1】
工芸		船大工ののこぎり【工芸+1】		琥珀のアクセサリ【酒類取引+2】アポロチョウのブローチ【工業品取引+1】
保管		宝石箱【保管+2】他

店売りの宝石アクセは使用時効果があるので、持ち歩いても、耐久が減ることはありません。
その代わりに保管料が高いので、何回か使用して耐久を減らしておくと、保管料が安くなります。
高価なものなので、使わないときは金庫にしまっておくといいでしょう。

3-2 生産スキルを育てようその2

1-5に引き続き、生産スキルを上げる手順の一例を紹介します。
ただ、生産スキルランクが高くなってくると、上げるのに適する場所は世界各地に散らばります。
そのためこちらでは、北海での活動だけを重視していません。

スキル		コメント
調理	※		調理スキルはR10を超えると、生産販売が主体になる。神秘の香辛料を使えばR+5できるので、スキルを上げるのに急ぐ必要はあまりない。調理スキル優遇の職業で遊び続けるのが、一番の近道になるだろう。
	R10～		定番料理の代表、魚介のピッツァ。食料品取引だけで作れるのも、人気の理由。
	R10～		艦隊回復料理なら、マグロのオリーブステーキ。釣りスキルが重要になるので、釣り優遇の調理師がおすすめ。
	R12～		魚肉と木の実だけで作れる、塩漬け魚の木の実添え。プライベートファーム等で木の実を調達できれば非常に作りやすく、効果も高い。
	R14～		一番人気、鶏丸焼きニンニク詰め。作りやすさ、効果、熟練のバランスが良く、買い手と作り手の両方から選ばれている。しかし、イングランドではやや作りにくい。
縫製	※		縫製スキルはR10になると、オスロでレースを織れるようになり、一気に楽になる。ベルベットが織れるようになれば、マイスターは目の前に。
	R10～		オスロの亜麻をレース、羊毛をツィードに加工する。オスロは耐性がなく、織物暴落と美術品暴落が交互に発生するので気をつけよう。
	R13～		カルカッタの生糸を、ベルベットに加工する。相場次第では、生産スキルを上げるためサテン・ジョーゼットも織ってみよう。
鋳造	※		鋳造スキルは、高ランクの交易品が少ないので、スキル上げが少し苦しい。鉱石・工業品・貴金属取引など、取引を上げつつのんびりやっていこう。
	R7～		ダブリンで、アルケブス銃の加工を続ける。火器暴落が起こりやすく、青銅像で暴落調整をするのに工芸がほしい。
	R8～		リューベックで、真ちゅうの加工を続ける。暴落調整の心配なくスキル上げを続けられるが、鉱石取引しか上がらない。
	R12～		白い鉱石を採集して行なう生産交易。セイロン郊外が有名。白い鉱石は採集しやすく、装備が揃っていれば優遇である必要性は少ない。他の鉱石の加工もできる両替商等がおすすめ。
	R13～		カリブで買った砂金をハバナで加工して、北海で売る生産交易。貴金属取引が主体になるので、鋳造・貴金属優遇の両替商がおすすめ。
工芸	※		工芸の高ランク生産品は採集スキルが必要なものが多く、手を出しづらい。持っているスキルによって、調理ならシェリー、鋳造なら石像を選ぶといいだろう。
	R8～		ボルドーで、シェリーの加工を続ける。シェリーは生産数が多いので熟練も高く、酒類耐性もあるのでやりやすい。工芸・酒類・嗜好品優遇のソムリエがおすすめ。
	R10～		オスロで、石像の加工を続ける。オスロは耐性がなく、織物暴落と美術品暴落が交互に発生するので気をつけよう。工芸・工業品優遇の両替商や宝石商がおすすめ。
	R12～		ダブリンから持ち込んだ石炭で、トルヒーヨのローズウッド板を硬化する。グランドケイマンに納品すると、国家貢献勲記が貰える。マイレシピ・オプションスキルなど、勲記が欲しいときに利用するといいだろう。
保管	※		ニワトリ・卵の養鶏も、ランクが高くなると頭打ちになる。そこからは、採集・調達・保管優遇の釣り師になり中米で染料・香辛料を作ろう。
	R11～		調達した奇妙な実を、オールスパイスに加工する。
	R11～		採集した樹皮を、ログウッドに加工する。
	R13～		採集した巨大な葉を、コチニールに加工する。