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作者:名無し

 青年からの一撃を受け、彼女の身体が夜闇を切り裂くように吹き飛ぶ。
 その勢いまま、店を閉めるために下ろされたシャッターに鈍く大きな音を立てて背中から突っ込んだ。

(……っっ、効いたぁ)

 摩天楼の先に見える月をボンヤリと見上げながら、テリジアはその痛みを噛みしめる。
 最後にもらった一発は妙に効き、身体に力がまったく入らなかった。

 一方の彼女を倒した張本人、最近S-Forceに入隊したばかりの青年は何か信じられないものを見るような表情を浮かべてテリジアを見ている。

 テリジアがようやく顔を上げても呆けたままだったのだから、よほど自分の勝利が信じられなかったのだろう。

(骨のある奴だと思ったんだが、見込み違いか――?)

 それはそれで何だか腹立たしく思えてきて、テリジアは突っ立っている男に声をかけた。

「おい、アンタ。S-Forceの隊員だっていうのに、アタシを捕まえなくていいのかい?」
「そ、そのつもりなんスけど――」

 青年は何かを隠すかのようにテリジアから視線を逸らす。
 しかし、それでも彼女の一部に向かってチラチラと注がれていたものだから、テリジアは分かってしまった。
 彼がテリジアの太ももを強く意識していることを。

(おいおい、マジか――)

 確かにケントレギナに比べれば肌を晒してはいるが、動きやすいように髪を短くしつつ一本に束ね、両手には大きな爪、後ろには尻尾があるような自分だ。
 人間の男から女として意識されるようなことがあるとは、考えたこともなかった。

「……初心なのか?」
「しょ、しょうがないんスよ。自分、入隊するまでずっと男ばかりの環境にいたから……どうにも慣れなくて。しかも、最近は同期の小夜丸さんがよく絡んできてくれるから、なおさら――」

 言いながら青年は溜め息を吐く。よく分からないが、彼には彼なりの苦労があるらしい。
 だが、そんな苦労はテリジアの知ったことではない。
 知ったことではないのだが、自らをこうして倒した男の弱い部分というのは彼女の闘争心というか嗜虐心に火をつけるには十分だった。
 テリジアは誘惑するように太ももを擦り合わせる様を青年に見せる。

「そんなに興味があるなら、おねーさんのココで気持ちよくなってみるかい?」
「い、いいんスか……!」

 先ほどまでの躊躇いはどこに行ったのやら、青年は嬉々としてテリジアに駆け寄って来る。
 ズボン越しにも形が窺えるほどに屹立した肉棒を露わにすると、それを彼女の太ももの間に突っ込んだ。

「っ……あっつぅ♡」

 初めて知る人間の男の熱にテレジアの口から声が漏れた。
 青年は腹部のアーマーを手で押さえ、そのまま腰を振り始める。先走り汁とテレジアの汗も相まって、滑りは良好のようだ。

「はぁ……はぁ、テリジアさんの太もも……っ、ムッチリしていて最高っス……!」

 欲望に呑まれながらも、青年はテリジアを気遣うようにおっかなびっくり腰を振る。
 あるいはそれは彼がただ下手なだけだったのかもしれないが、自分を倒した雄が見せる優しさにディノサウロイドである彼女の胸は激しく打れていた。

 テリジアの太ももの間で肉棒が大きく膨張する。
 その直後、最奥まで突っ込まれたそれが暴発したように宙に向かって白濁液を吐き出す。脈打つ勢いが太もも越しに伝わって、テリジアの口からは恍惚とした吐息が漏れた。

 暴発が終わって青年は太ももの間から肉棒を抜くと、その先端は白く汚れていた。

「ほぉら、まだ残ってるぞ♡」
「テ、テリジアさん……っ!?」

 青年が困惑するのを他所に、テリジアは屈み込んで硬さを誇ったままの肉棒を躊躇いなく咥える。
 屹立したそれに舌を這わせながら、首を動かして綺麗にし始める。

「ぎゅぷ……♡ じゅぷ、ぬちゅ、ぴちゃぁ……♡ れろぉ……、きゅぷぅ、きゅぽんっ♡♡」

 お掃除を終えてテリジアが解放する頃には、肉棒は彼女の唾液に塗れ切ってテカテカになっていた。
 雄としての象徴を眼前に晒され、テリジアは酔ったように熱を帯びた息を吐く。
 その吐息が当たって彼の肉棒が嬉しそうにピクピクと震えた。

「テリジアさん、俺……」
「あぁ、お前の子種をアタシにくれ♡」

 テリジアは身体を起こすと左足を誘うようにグイっと持ち上げる。
 そんな体勢でも顔色一つ変えずに立っていられるのは彼女が古代生物の末裔であるが故なのだろう。
 青年はテリジアの衣装をずらして彼女の秘裂に肉棒を埋没させる。

「っあ♡ ああ……っ、んっ、ああ♡♡」

 初めての痺れるような刺激に彼女は柔らかな胸を突き出すように身体を仰け反らせた。
 青年は感じてくれているテリジアの反応にあらためて昂りながら、彼女を突き上げるように腰を振る。

「あ……っ、あ゛ぁっ♡ そうやってグリグリされるとぉ……♡ このまま形を覚えてしまいそう……っん、あぁ、あ゛っ♡」

 夜更けの誰もいない街にテリジアの叫ぶような嬌声が響く。
 青年は顔を寄せて彼女と口づけを交わす。

「じゅぷ……っ、ちゅぷ、れろっ♡ ぴちゃ、ちゅぷ、ぬぷぅ……♡♡」

 唾液を交換しお互いの舌を絡ませ合う。
 口元が唾液で汚れるのを気にせず続いた激しい口づけは息が続かなくなってしまって、青年の方から顔を離した。
 顔を紅潮させて蕩けた眼差しを見せるテリジアに向かって青年は叫ぶように告白する。

「テ、テリジアさん。チョロいって思われるかもしれないですけど、俺……テリジアさんのことを好きになった思います!」
「あ……っ、あぁ……んっ、それは……チョロすぎだぁ……♡」

 呆れた調子のようでいて、テリジアの口元は楽しそうに緩んでいた。
 いまはその微笑みを見ることができただけで満足だと青年は得心して、ラストスパートと言わんばかりに腰を突き上げる速度を速める。

「あ゛っ、あ゛あ……っ、ああん♡ あ゛ぁっ、ああ゛っ♡♡ あ゛あ゛っっ、ああああ〜〜〜っっっ♡♡♡」

 限界まで膨らんだ青年の肉棒が彼女の膣内に白濁液を注ぎ込む。
 幾度にも渡って吐き出されるそれをテリジアは響き渡るような嬌声をあげながらしっかりと受け止めた。



 結局のところ、青年はその日ダイノルフィア・テリジアを捕まえられなかった。
 当然の成り行きとして、彼と彼女はその後もS-Forceとダイノルフィアという相容れない立場同士で幾度も相まみえることになる。
 その一方で一人の男と女としても逢瀬を重ねることになるのだが――、それはまた別のお話。

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