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軍貫マン
「フゥリさん、起きてください。もうアメリカですよ」
私は内なる神の啓示を受けて目を覚ます
御巫神楽によって私はオオヒメ様の神格を付与されたのだ
かつての私は恐れていた
自身は神として扱われ、誰も本当の自分を見てくれないのではないかと
そんな私を救ってくれたのはギークだった
ギーク
すこし変わったこの渾名は彼の相棒から授かったものであり、彼のアイデンティティだ
だから私もそう呼んでいる
遠く離れた異国の地から現れた彼は私自身が諦めていた「本当の自分」と「前に進む勇気」を与えてくれた
彼は私にとってのヒーローだった
今の私は内にあるオオヒメ様と対話し、わかり合うことができた
今こうしてアメリカに行けるのだってオオヒメ様が口添えしてくれたおかげだ
「それでは私は帰国まで意識を閉ざします。ギークさんとのアメリカ旅行を楽しんできてくださいね」
そう言ってオオヒメ様は眠りについた
好奇心旺盛なオオヒメ様もアメリカを楽しみたいはずなのに私を気遣ってくださっている
「フゥリさん、こっちです」
その言葉に私の心臓は跳ね上がる
ギークがこちらに手を振っている
彼の故郷であるアメリカに着いたことを改めて実感する
私はここに来る前に交わしたオオヒメ様との会話を思い出す
「フゥリさんはギークさんが好きなんですよね?どうして告白しないんですか?」
突然の質問に私は顔を赤らめる

「そっそれは恥ずかしいというかなんといいますか……」
「でもギークさんのことが好きだからこそ、今回の旅行を計画したんじゃありませんか?」
「たしかにそうですけど……」
私は怖いのだ
ギークは私にとって恩人だけれど、みんなのヒーローでもある
ギークにとって私は守るべき大勢の一部に過ぎないかもしれない
そう考えると勇気が出なかった
「もし告白してうまく行かなかったらって思うと怖くて……」
「でも一緒にいられるのは今の時間だけでしょう?」
その言葉に私は息を呑んだ
「人の命は儚く短い。当たり前だと思っていたものはある日突然失われてしまう。だからこそこの瞬間を大切にしたい。私はそう思っています」
多くの人と出会いと別れを繰り返したであろうオオヒメ様の言葉は重く響いた
そして彼女は優しく微笑む
「ありがとうございます。その……私、がんばります」
私は覚悟を決めた
「フゥリさん、どうしたの?さっきからぼーっとしてるけど?」
しまった
思い出に浸りすぎてギークのことをほったらかしにしてしまっていた
「ごめん。えっとなんだっけ?」
「行き先はフゥリさんに決めてもらおうかなと。僕も考えてはいたけど、みんなからはそういうのはもっと仲を深めてからやれって言われてて」
なんとなく言わんとしていることはわかる
ギークの趣味はちょっと独特で私には難しそうだし、私が行きたいところに連れて行ってあげたいということなのだろう
「それじゃ着替えたいな。ここだとこの和装は目立ちすぎるからさ」
御巫としての煌びやかな衣装は嫌いではないけれどこの国ではあまりにも浮いているし、今日の私は御巫ではなく普通の女の子としてギークと一緒に過ごしたかった
「それならあそこなんてどうかな?」
ギークが指差したのは大きなショッピングモールだった
「服とか見ながらゆっくり回ろうよ」
「うん!」
私たちは二人で歩き出した
「どうギーク、似合うかな?」
何度も吟味をした結果、選んだ服に袖を通した私は試着室のカーテンを開く
「かわいいと思うよ」
ギークはおしゃれには疎いようで、似合ってる、綺麗、かわいい、くらいしか言わないけど、それはお世辞ではなくて本心で言っていることが伝わってくる
ギークに褒められたことで私はすっかり上機嫌になった
「これ買っちゃおうかな」
「いいんじゃないかな。他にも見てみようか」
その後も何件かのお店を回ってショッピングを楽しんだ
ギークといると時間が経つのが早く感じる
「お腹減っちゃった。何か食べない?」
「うーん、近くにハンバーガーショップがあるみたいだよ。そこでもいい?」
「もちろん!私も食べたいし」
お店に入るとカウンター席に通された
迷いに迷って注文したチーズバーガーセットを受け取ると、ギークが隣の椅子を引いてくれる
「ありがと」
「どういたしまして」
普段食べるものとは違うジャンキーで濃厚な味に舌鼓を打つ
「おいしいね」
「気に入ってくれてよかった」
「ねえ、ギークのも食べていい?私の食べていいから」
そう言うとギークの顔が赤くなる
それで私もようやく自分が彼にとんでもないお願いをしていることに気が付いた
「あっ……その……えっと……」
慌てて訂正しようとする私の言葉をギークが遮る
「いいよ。はい」
ギークが差し出してくれたのは彼の頼んだキノコをフライにした少し変わったバーガーだ
「ありがとう」
私はそれを口に運ぶ
「おいしい」
カリカリとした食感の衣とジューシーで肉厚なキノコのハーモニーが口の中で広がる
「ギークにもあげるね。はい、あーん」
「えっ!?僕は自分で食べられるから大丈夫だって」
ギークが慌てる
彼のこんな表情を見るのは初めてかもしれない
私を救ってくれたときのギークはすごくかっこよかったけど、今の等身大なギークも素敵だと思う
「だめです。ほら、あーん」
観念したのか、ギークはチーズバーガーに齧り付く
「どう?」
「おいしいよ」
そう言って笑うギークを見て私は思った
やっぱり好きだなって、もしギークと恋人になってデートができたらきっと楽しいだろうし幸せだろう
「フゥリさん、次はどこに行こうか?フゥリさんが行きたいところがあったら遠慮せずに言ってね」
踊れる場所とかないかなと考えていると突然周囲から爆発音が響き、周囲から悲鳴が聞こえる
「くそっ、こんなときに」
ギークの視線の先にいたのは特殊な武装を身につけた男が暴れていた
ギークから聞いたことがある、彼らはスーパーヴィランと呼ばれる存在だ
「ギーク!私も!」
止めないと
そう思った私は一歩前に出てオオヒメ様を顕現し、アラヒメとしての力を解放しようとする、しかしその一歩が踏み出せない
怖い
他人に自分を委ねるのが今でも怖い
命がかかっているなら尚のこと、オオヒメ様を信じていないわけではないけれど、その一歩が踏み出せない
「大丈夫、任せて。全部僕が終わらせるから」
ギークは私の進む先を遮るように立って告げるとスーパーヴィランに戦いを挑み挑発的な言葉を投げかける
注意を引いて私や民間人から遠ざけるためだろう
結局私は動けないままギークは一人でスーパーヴィランを追い払った
「ギーク大丈夫!?怪我はない?」
ギークの元に駆け寄ると彼は優しく微笑んでくれた
「平気だよ。フゥリさんこそ怖かったんじゃない?」
ギークは私を安心させるように頭を撫でてくれた
その手つきはとても優しくて、胸の奥がきゅっと締め付けられるような気がした
「ギークごめんね。私なにもできかった」
「それは違うよ。フゥリさんは強い人だ。僕があんなことを言わなければフゥリさんは力を解放できたはずだ。これは僕のエゴなんだ」
「えっ?」
私はギークがなにを言いたいかわからなかった
「多分フゥリさんを頼ったほうがうまくいったのだと思う。でもそれはできなかった。あの時の僕はヒーローであることを忘れて、ただ君だけを守りたいと願ってしまったから。怖かった。もしフゥリさんが傷ついてしまったら、フゥリさんがいなくなってしまったら、また今日みたいに一緒になれないって考えたら……ごめん信じてあげられなくて」
ギークは私にとって眩しい人だった
家に縛られる私と違って自分から人々を救うために立ち上がったギークは迷いなんてないと思っていた
でもそれは違った彼も自分と与えられた役割の狭間で葛藤し、苦しんでいたのだ
ギークはそんな重荷を背負いながら多くの人を救うために戦っている
「ごめんね。変なこと言って。これじゃヒーロー失格だね」
「ギーク、私は嬉しいんだよ。そう言ってくれて」
もし私がただの一般人だったらギークはそんなことを言うことなくヒーローとして振る舞っていただろう
「不謹慎だと思うけど嬉しいの。ギークも一人の人間で悩んでいるんだってわかったから」
私はギークの手を握る
「私は頼りないかもしれないけど、ギークが辛いかったり、苦しいときは遠慮なく言ってほしいな……だって私……」
今ならこの言葉は言える
「ギークのこと大好きだから。私、もっといろんなギークを知りたい。御巫とししてでも、オオヒメ様の依代でもなくて、一人の女の子として。ギークが背負うものを一緒に支えたい」
それが難しいことはわかっている
ギークと私は住む場所も生き方も違う
それでも私はもう自分に嘘はつきたくなかった
「フゥリさん……」
ギークが私の肩に手を置いて真剣な目で見つめてくる
心臓がドキドキする

「僕もフゥリさんが好きだよ」
その瞬間私の心の中にあった不安も恐怖も全て吹き飛んだ
「本当?」

「うん」
嬉しくて涙が出そうになるのをぐっと堪える
「ねえ、私たち付き合おうよ。それでさ、いつか二人で暮らそうよ」
「うん、そうだね。そうしよう」
次いつ会えるかもわからない私たちがするには無責任な約束
でも私は信じてる
同じ場所を目指せばいつか辿りつけると
そこから私はしばらく言葉を交わさずに歩いていた
互いに自分が言ったことを思い出して恥ずかしくて顔を合わせられなかった
それでもこの時間が苦痛ではないのは繋がれた手と手が温かったからかもしれない
「ねえギーク、一緒に寝ない?」
「ええっ!?」
言ってしまった
でも言うしかなかった
相手が動かないならこちらから動くしかない
ギークは耳まで赤くなっているけど多分私も同じくらい真っ赤になっていると思う
ギークは動揺しながらも私を自宅に連れて行ってくれた
「片付けはしたんだけど……」
ギークの部屋には漫画やグッズが散乱していた
掃除をした痕跡はあるけれど量が多すぎるためかあまり整理整頓ができていない
「フゥリさん、シャワー浴びませんか?僕はその間に掃除を……」
「待てない」
「えっ?」
「わかってるの?私はいま大好きな人と結ばれて、二人きりで同じ空間にいるんだよ?我慢できないよ」
「ちょっ、ちょっとフゥリさん」
「んっ…」
ギークが慌てた様子を見せるが私は構わず彼に抱きついて唇を突き出しおねだりする
「ちゅっ…んむっ」
ギークが応えてくれる
「ギーク、もっと…」
それから私たちは何度もキスをした
はじめてのキスの味はよくわからなかった
キスという行為に頭がいっぱいでそれ以外のことを考える余裕がなかったから
「ギーク、好きだよ」
「フゥリさん、僕もだよ」
ギークの瞳に私が映る

「ギーク、お願いがあるの」

「なにかな?」

「私の初めてをもらってください」

私はそう言って服を脱いだ

「フゥリさん、本当にいいの?」

ギークは緊張しているようだった

伏し目がちに私を見ていて、視線が合うと慌てて逸らす

「うん、だからちゃんと見てね」

ギークの前で裸になるのはすごく恥ずかしいけれどそれ以上にギークに見てほしいと思った

「綺麗だよ」

「ありがとう」

ギークが私を褒めてくれて少しだけ自信がついた気がした

「触って…」

私はギークの手を取って自分の胸に誘導する

「柔らかい」

「あんっ」

ギークが私の胸に触れる

確かめるような慎重な手触りで胸の形が変わる

「ギークもっと強く揉んで」

「う、うん……」

ギークに胸を鷲掴みにされて形を変える

ギークは夢中になっているのか次第に指に力が入る

「ギーク……こっちもいじって」

「わかった」
ギークが胸の先端を摘まんだり引っ張ったりすると身体中に電流が走ったような快感が走る
「ああっ!」
思わず大きな声を出してしまう

「フゥリさん、気持ちいいですか?」
ギークは興奮を抑えられないといった表情で聞いてくる
優しい彼の瞳も今は完全に情欲に濁りきっており、どこか血走っていた
嬉しい
知らないギークを見れるのは
もっと彼と触れ合いたい、彼のことを知りたい
「はあん!そこぉ……すごいぃ……ああぁ!!」
ギークの愛撫によって敏感になった乳首に吸い付かれて私は絶頂を迎えた
初めての感覚で一瞬意識を失いそうになったけどなんとか耐えることができた
「はあ、はあ、ギークぅ……」
荒く息を整える私をギークは見つめる
「もっと私を見て、私自身も知らない私も知ってほしいの」

「わかった」
ギークは私を押し倒すと太股の間に顔を近づけて秘部を舐めた
「ひゃうん!?」
突然のことに驚いたがすぐに快楽へと変換される
「はう、ふわっ、あううう」
舌先が割れ目をなぞるように上下して、時折秘部をつつかれる

「だっ、だめぇ、そんなところ汚ないから、やめ、ああっ」
ギークはお構いなくずぶずぶと奥まで侵入してくる
「んっ、じゅぷっ、フゥリさんのここ凄く美味しいです」
「そ、そんなわけないでしょ、ばかっ」
ギークが私の膣内をかき回す度に淫靡な水音が響く
「ギークばかりズルい。私も触りたい」
「えっ?」
子供みたいに駄々を捏ねる私
以前の私には考えられない
昔の私は傷つくのを恐れて自分を諦めていた
自分の境遇に妥協と納得を折り重ねた私は目に見えた傷はなかったけれど、それは他人のものようによそよそしい
そんな内に閉じ籠もった私の世界を壊してくれたのはギークだ
私はギークと出会って変われたのだ
だから私はもう自分に嘘はつかない
私はギークのズボンに手をかけて脱がせる
「わあ……」
下着越しでもわかるほどギークの男性器は大きく膨らんでいた
「これが男の人の……」
恐る恐る触れるとビクンと震えた そのままゆっくりと擦ると先端から透明な液体が出てきた

「わっ」
驚いて手を離すとギークが言った
「ごめんなさい、フゥリさん、僕……」
「ふふっ、いいよ。続きしよう」
今度は直接握る
ドクンドクンと脈打つ鼓動が伝わってくる
「気持ちいい?」
「はい、フゥリさんの手でしてもらえるなんて……」
「良かった。そうだ!こっちも触っていい?」
私はギークの睾丸に指を差す
「えっ、そこは……」
「ダメ?」
「うっ……」
「お願い」
「フゥリさんがそう言うなら……」
「ありがとう」
私は優しく握りしめたり、手のひらで転がしたり、軽くつねってみたりした
私は暇になると球を指の上で回したりする手癖があるためか竿を刺激してる間もずっとギークの玉が気になって仕方がなかった「ギーク、これ楽しいね」
「そうですか…」
「またやってもいい?」
「えっと、たまにでしたら」
「やった!」
私は嬉しくなってつい睾丸を舌でチロチロと舐める
「うおっ」
ギークが身をよじる
「ギーク、可愛い」
「ああっ!」
さっきはあんなに私のあそこを舐められたから、今度は私がギークを可愛がる番だ
「ちゅぱ、れろ、ぴちゃ、んむ、はぁ、はぁ、ちゅる」
ギークのをしゃぶりながら頭を動かすとギークの反応が大きくなる
「フゥリさん、僕もう」
「いいよ。来てっ」
ギークから離れて、床に座り脚を開くと私の秘部は期待で濡れきっていた
「ギーク、早く」
「ちょっと待って」
ギークは慌てた様子でなにかを取り出す
それは新品で未開封の避妊具だった
「どうして持ってるの?まさか……」
「違います!無理矢理持たされて……」
ギークは慌てて釈明する
「それってファイアさん?」
「…………マジガールだよ」
「ええっ!?」
意外すぎる
どうしよう、今度あの子と会ったらどんな顔すればいいんだろう
「『ギークは魔法使いじゃなくてヒーローでしょ。だからこれでフゥリさんと卒業して』って言われて渡されたんだ」
「そうなんだ……」
「僕はフゥリさんしか見てないよ」
「ありがとう」
ギークは避妊具を装着する
震える指先から緊張が伝わってくる
ギークは真剣な表情で私を見つめるとゆっくりと近づいて肉棒を秘部に触れさせる
そして少しずつ挿入していく
「んんっ、はぁ、はぁ」
痛みはないけど圧迫感がある ギークのものが奥まで入ると二人は繋がった
「んあっ、思ってたより大きい……」
「その…ごめん」
「謝らなくていいから。動いて……」
ギークはゆっくり腰を動かし始める
「はあっ、あん、あぁ、んあぁ!」
ひくつきが強くなるのを感じる
愛液がとめどなく分泌されて結合部から溢れ出す
「っ!?」
奥に入っていくと、なにかが壊された感覚と共に血がゆっくりと秘部から流れるのを感じた
「痛くない?」
「大丈夫、嬉しいの。ギークと一つになれて」
「僕もだよ。フゥリさんにはじめてを捧げられてよかった」
ギークは動きを再開する
最初はぎこちなかった動きも徐々に激しくなる
「フゥリさん、フゥリさん」
ギークは夢中になって私の名前を呼んでくれる
オオヒメ様でもなくて、アラヒメでもない私自身の名前を
それがとても心地よくて愛おしい
「離さないでね。私のこと」
「もちろんです。絶対に離しません」
私たちはお互いを抱きしめ合う
身体だけじゃない、心も繋がっていると感じた
「フゥリさん、そろそろ」
「うん、出して」
「うっ……」
「ああぁ!!」
膣内で熱いものが弾けると同時に私も絶頂を迎えた
「はあ、はあ…」
二人とも息が荒くてしばらく動けなかった でも私は幸せだ
好きな人と結ばれたのだから
しばらくして呼吸が落ち着くとギークが口を開く
「なんだか現実感がないな。フゥリさんとこうしてるなんて」
「私もだよ。こんな生き方ができたなんてあの頃の私では考えられなかった。これもギークがいてくれたからだよ。私、ギークに出会えて本当に良かった」
再び唇を重ね合わせるとそれが夢でないことを実感できた
滞在期間はこの日だけではないけれどそこから先はあっという間だった
ギークと一緒に映画を観た
ヒーロー映画で最初はやたらグロテスクでどうかと思ったけど、すべてを終わらせて闇の中に消えていく主人公をそれに救われた人々の思いによって復讐者から守護者へと変わるシーンは感動したな
ギークがヒーローに憧れる気持ちがわかった気がする
ダンスホールで一緒に踊ったりもしたな
はじめは戸惑っていたギークも次第に周りの楽しそうな空気につられて慣れてきて最後は二人で笑いながら踊った
私に課せられた御巫としての運命は辛いことも多いけれどやっぱり私は舞うことが好きだと再確認することができた
マジガールちゃんの避妊具はすべて使い切った
私が何度もせがんだこともあるけど、ギークも一度覚悟を決めたらとことんまでやり通すタイプらしく、ギークの体力には稽古で鍛えられた私も驚かされるばかりだった
こうして私の夢のような時間は終わりを告げようとしていた
私はギークに別れを告げて、帰る準備をするため荷物をまとめて、部屋を出る前に鏡の前で最後の身だしなみチェックをした
久しぶりに袖を通した和装は懐かしさを感じるがきっとそれはまた日常に戻るということなんだろう
空港へと向かう私たちの足取りは普段よりすこしゆったりとしている
それでも私たちは歩みを止めることはなく時間通りに到着する
「ありがとうギーク、楽しかったよ」
「こちらこそ、来てくれてありがとう。いつになるかはわからないけどまた日本にも行きたいな」
「ギークなら大歓迎だよ。いつでも待ってるから。でもあまりにも遅かったら私の方からおしかけちゃうかも」
私たちは生きる世界が違うし、日本からアメリカへは遠い
でもそれは決して不可能な距離ではないし、私たちの心の距離は近いはずだ
「その、フゥリさん以外考えられないから…必ず幸せにしてみせるから」
「ありがとう。ギークならきっとできるよ。だってヒーローなんだもの、平和を守ることに比べたら私一人くらいどうってことないよね」
「……僕頑張るよ」
「ふふっ、楽しみにしてるね」
別れ際のキスは少し甘く感じた
飛行機に乗り込むとすぐに離陸する
「アメリカはどうでしたか?」
そこから私はオオヒメ様による怒涛の質問攻めを受けるのであった

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