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軍貫マン
「今日は私たちの大願を成した記念すべき日です。いまこうして皆様と喜びを分かち合えていることを嬉しく思います」

雪女のこもることのない澄んだ声が魔妖と

妖怪族にまっすぐと響き渡る

「多くの犠牲を払いましたが、それがあったからこそ私たち魔妖と妖怪族は手を携え共に歩んでいくことを誓うことができたのです」

ちらりと雪女の瞳が赤鬼を捉える

まっすぐに向けられたその視線に赤鬼は動じることなく雪女を見つめ返す

「堅苦しいのはここまでにしておきましょうか」

雪女は魔妖や妖怪族たちを見回すと満足そうに微笑む

「では皆様、杯をお持ちください。今宵は宴です。明けることのない夜を共に祝いましょう」

雪女は手に持つ杯を掲げた

魑魅魍魎たちの宴会も人間とは変わらぬもので酒肴に舌鼓を打ちながら騒いぎ、時には踊り、時にはつまらぬことで喧嘩する

赤鬼はそんな喧騒と少し離れた場所で雪女の同胞たちとゆったりと杯を交わしながら歓談をしていた

雪女の同胞たちは彼女についての事柄を赤鬼に話すことは口止めされていた

彼ら曰くその禁を破ることは不知火流のものの太刀を浴びるよりも恐ろしいという

ふと、雪女の存在が気がかりになった赤鬼は周囲を見渡すと彼女の姿は見えず様子が気になった

同胞たち曰く雪女はこういった場で騒ぐのはあまり好まないらしくいつもどこかに姿を消しては一人でひっそり月や花などを眺めたりしているらしい

赤鬼は雪女を探すために宴会場を離れた

雪女は宴会場から離れた宵闇に包まれた冬桜の園にいた

雪女は冬桜の木にもたれかかりながら物思いに耽っている様子で夜空と冬桜の鮮やかな景色も彼女の前では恥じらっているように見えた

雪女は赤鬼に気づいたようでふわりと微笑んだ

「旦那様、来てくださったのですね」

雪女は赤鬼の隣に腰を下ろすと盃を差し出した

「どうぞ。飲んでください」

赤鬼はそれを受け取り一気に飲み干すと盃を空にした

「ふふ、良い飲みっぷりですね。さあ、夜は明けませんから、存分に楽しみましょう」

雪女は盃に酒を注ぎながら言う

赤鬼は空になった杯を雪女に向けると彼女はそこに酒を注ぐ 二人は月と桜を眺めながら静かに酒を酌み交わした

赤鬼は尋ねる

1人で居たのなら声を掛けても良かったのではないかと

「いえ、旦那様も宴の最中です。私が独占してしまっては皆さまに申し訳がありません」

雪女は首を横に振りながら答える

「それに旦那様はこうして私の元に来てくれたではありませんか」

雪女は赤鬼の肩に頭を乗せるとそっと寄りかかる

「私はこうして旦那様と一緒に居るだけで……それだけで幸せですから」

赤鬼は雪女の頭に手を置きそっと撫でた

「ふふ……それと私の同胞たちはなにか旦那様に粗相をしませんでしたか?」

雪女は心配そうな表情を浮かべた

「そうですか……それならば良いのですが」

雪女はホッとした様子で息を吐くと微笑んだ

すると遠く離れた宴会場から一際大きな歓声が聞こえてきた

離れているために具体的になにをしているのかまではわからないが時折ガシャンとなにかが割れる音や燃え上がる音や笑い声などが響き渡る

「まったく、あのものたちは……私がいないとみればすぐに羽目を外してしまうのですから」

雪女は呆れながらため息をつく

「ですが私も同じ穴の狢なのでしょうね」

雪女は赤鬼に抱きつくとひんやりした感触が酒で火照った身体に心地よい

「このような場所ではしたないとわかっています。ですが、この悦びを、この昂ぶりを旦那様と共有したいと求めずにはいられないのです」

雪女は赤鬼の手を握ると自らの胸に押し当れば早鐘のように鼓動する彼女の心臓の音を感じ取ることができた

夜空の下にある桜花は心を惑わす妖しさに満ちている

そこに最愛の妻と二人きりでいて赤鬼が何も思うところがないわけがない

「んっ……旦那様、んんっ」

どちらからともなく見つめあい、唇を重ねた

唇や舌の動きに激しさはないが、じっくりと溶け合うように互いの唇を、舌を、唾液を味わう

「ああ、旦那様……もっと深く……」

雪女は赤鬼に身体を預けるようにしなだれかかり懸命に舌を伸ばす

赤鬼もまたそれに応えるように彼女を受け止める

「んっ……旦那様……」

二人はしばらく互いの舌を絡め合い深い口づけを交わした後、唇を離せばところどころ玉となった銀色の糸がかかっていた

もう時間を気にすることはないのだから後は帰ったらゆっくりと、そう告げようとした赤鬼に雪女は秘かに耳打ちする

「ここで愛しあうことは叶いませんか?」

雪女の囁きに赤鬼は息を呑む

「このような美しい場所で、私の一番美しい姿を旦那様にご覧いただきたいのです」

雪女はすがるような眼差しで双眸を震わせる

少女の姿をしているときに見せた儚さと、それとも違う妖艶さを孕んだ表情に赤鬼は抗うことができなかった

赤鬼は頷き、覚悟を決めると万が一のことがあっても必ず守ってみせると約束する

「旦那様……ありがとうございます」

赤鬼は雪女の着物に手を掛けるとゆっくりと慣れた様子で脱がしていく

赤鬼がこうやって丁寧に脱がせることがあったのは雪女だけだった

無理矢理脱がせたり強引に剥ぎ取った女の記憶はとうに露へと消えていた

ひとつひとつと解かれては芝の上へと舞い落ちると白く美しい肌が露わになっていく

「旦那様……」

まっすぐに赤鬼を見つめる雪女の瞳は自信に満ち溢れている

当たり前であるが冷えた外気に晒されても震えも鳥肌も見られない

はにかみながら両腕で乳房と秘部を隠すその仕草が裸体により艶を加えている

色っぽさといじらしさが両立した姿は赤鬼の情欲をかき立てる

雪女は知っているのだ

自身の魅力を

どうすれば夫が応えてくれるのかを

赤鬼はゴクリと唾を飲む

今すぐ雪女を押し倒したいという欲望が心の中で渦巻く

しかし、雪女はそんな赤鬼はくるりと背を向ける

「旦那様、私を捕まえられますか?」

雪女はそう言って不敵な笑みを浮かべると赤鬼から逃げるように駆け出していく

雪女は足元に散った桜の花びらに構うことなく踏みしめていく

赤鬼はしばらく思わぬ悪戯をする妻の姿に呆気にとられるもハッとなり追い始めた

雪女が走ると躍動する尻たぶに赤鬼は理性を掻き乱されながらも夢中になって追いかける

「きゃっ……ふふ、捕まえられてしまいましたね」
元よりふざけ半分の戯れ

雪女は簡単に手を取られると柔らかな女体は赤鬼の腕の中で抱きとめられる

「信じていましたよ。旦那様ならきっと私を追いかけてくださると」

雪女は赤鬼の腕の中で甘えるように身を預ける

雪女の瞳には確かな愛慕が宿っており、その視線に赤鬼の欲望がますます昂ぶっていく

彼女はいつもそうだ

口では夫を立てる3歩下がった妻のような素振りを見せるくせに時に行く手を阻むものを払い除けて我が道を全力で走り出す

それに加えて純真な笑みを貼りつけて愛の言葉を囁きながら自分も一緒に走れと誑かす悪女

彼女の心は見た目の美しさほど清廉ではない

だがそれでも愛おしさが込み上げてくるのだ

もし雪女が見た目通りに儚げで初めて出会った時に怯えながら慈悲を乞うような女であったならここまで心を奪われることはなかったからだ

それが彼女のなによりの美しさだと心から思える

「あなたと夫婦になれて、私は幸せです。旦那様、どうかこれからも私をお側においてください」

赤鬼は自分も同じ気持ちだと口づけし、桜の木の下へと雪女をゆっくりと押し倒した

「ふうぅ、んんっ……ああっ」

柔肌に貼りついた花びらを払いながら赤鬼は妻に優しく愛撫を加えていく

乳首を指先で弄り、じわりじわりと勃ち上がらさせる

「んっ……旦那様……あっ、はぁあんっ」

赤鬼の指が徐々に下へと近づく毎に雪女の喘ぎ声も大きくなっていく

いきなり秘部は責めず脇腹や太腿などをゆっくりとなぞりながら焦らしていく

「ああっ、旦那様……焦らさないで」

雪女は腰を浮かせて快楽を求めてくるが赤鬼は素知らぬ顔で愛撫を続ける

「ううっ、ひどい……」

雪女が恨めしそうに見ると赤鬼は仕返しとばかりに笑いかける

そして焦らしに焦らされて切なさを堪えられなくなった雪女の秘部に手を伸ばし指を差し入れた

「ふぅっ!?んあぁっ!!」

水音が立つほどに指二本でかき回せば雪女は何度も腰を浮かせて弓なりにのけぞった

「はあ、溢れて……」

雪女の秘部からは愛液がとめどなく流れ出し、指を抜けば糸が引いていた

赤鬼はそこに顔を埋めると舌先で舐め取り、秘芽を啄む

「んっ……んんっ、旦那様、そこ……いい……」

濃密な匂いと味が赤鬼の味覚と嗅覚を支配する

こうなってしまうと雪女は以外の何物も欲しくはならなくなってしまう

「あっ、あぁあんっ!!もうだめぇ!!」

雪女は首を激しく横に振ると体を硬直させたままビクビクと震え続ける

「はあ、はあ……旦那様、私はもう……」

雪女は息を荒げながらも立ち上がると桜の木にしがみついて、わずかに腰を揺らして誘惑する

太腿から膝裏、ふくらはぎを伝い、踵まで零れ落ちた愛液はひどく淫靡で赤鬼の肉棒ははち切れんばかりに膨張する

赤鬼は雪女の腰を摑むと亀頭で秘裂をなぞるように擦り上げる

「んんっ、旦那様の熱くて、硬い……」

蜜を滴らせ、腰が揺れる度に粘着質な水音を立てる秘部にゆっくりと挿入していく

「あぁ……」

待ちわびたものを味わうかのように雪女は恍惚の表情を浮かべる

雪女の秘部はすんなりと赤鬼の肉棒を受け入れた

「ああっ、あつい……」

雪女は恋しそうに結合部を見てから肩越しに赤鬼に振り返る

「私は旦那様と交わることが大好きです。いつも旦那様は私を想って優しく抱いてくださいます。それがとても嬉しいのです……が」

雪女は声色は悲しげなものになる

「それは同時に私が旦那様に我慢を強いているということ。なにせかつてはあのような身体でしたから旦那様は気苦労も多かったでしょう」

魔妖

夜でなければ力を発揮できない繊細な身体を赤鬼はこれまで傷つけぬようにと壊さぬように接してきた

「いいのですよ。私をめちゃくちゃにしても……もう私と旦那様を遮るものは存在しないのですから」

その言葉は引き金だった

理性の鎖が引きちぎられ、雪女に覆いかぶさると獣のように腰を打ちつけ始めた

「ああんっ!!はぁ、んっ!もっと!もっと激しく!!」

赤鬼は乾いた音を立てて雪女の柔肌を打ち付けて前後への律動が激しく始める

尻を打つ乾いた音と、胎内を抉るような粘着音が交互に鳴り響き、雪女は子宮口を亀頭で責められて悦びの声を上げる

「いぃ、いいっ!!そこ、いいです!!旦那様……ああっ!もっと刻みつけでください!」
幹に押し付けられて形を変える乳房を鷲掴みにすれば、一層激しく雪女は嬌声を上げ続ける

「んあっ、ああっ!!旦那様っ、旦那様ぁ!」

雪女の胎内が求めるように波打つと赤鬼は昂ぶりを増してさらに動きを激しくする

今が夜なのか、朝なのか?まだ宴会は続いているのか?もしかしたら誰かが近くにいるのかもしれない?

2人の中で浮かんだ疑問も快感と愛おしさの前では搔き消されて泡のように弾けて消えていく

「はぁ、あぁっ!旦那様ぁ!」

赤鬼の限界が近くなると雪女はそれを察して嬌声を更に甘く淫らなものへと変える

「きて、ください!私の膣内にっ」

2人は手をしっかりと握りしめ合い絶頂へと上り詰めていく

赤鬼が最奥まで突き入れ、精を吐き出すのと同時に雪女も大きく背筋を仰け反らせ、身体の中で迸る熱いものを受け止める

「ふふっ、綺麗ですね」

赤鬼と雪女は余韻に浸るように肩を寄せ合って空を見上げる

暗雲とした夜空にしとしとと雪が降り注ぐ

それは人間にとっては苦難の幕開けであるが、この夫婦には輝かしい未来の始まりに思えた

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