あにまん掲示板の各種スレッドに掲載されているR-18小説を保管するためのwikiです。

艶っぽい熱の篭った息遣いが耳に響いている。
くぐもった声には、時折甲高い嬌声も混じっている。
どちらも目の前の女性から発せられていた。
その女性は顔を枕に埋めて俯せになってお尻を高く上げていて、普段両サイドにシニヨンで纏められている蒼髪は解けて身体の動きに合わせて踊っている。
女性のお尻に勢いよく腰を押し付ける。
肉同士がぶつかる音。お互いの喘ぎ声。ベッドが軋む音。結合部で泡立つ体液の水音。
何度も、何度も聴いた音が繰り返される。
引き抜いて再び強く打ちこむ。
女性は仰け反って、悲鳴のような嬌声を上げた。

「あっ♡そこいい♡もっと突いて♡」

要望通り突くと女性の身体がびくびくと震えた。
女性に覆いかぶさって力一杯に奥を突く。

「ん♡二十回♡おめでと♡あと少し♡がんばれ♡がんばれ♡」

僕のアレを包み込んでいる肉襞が突然締め付けてきて、耐えきれずに吐き出してしまった。
女性は折れそうなほど激しく身体を仰け反らせて、硬直した。
どうやらイったみたいだ。
アレを引き抜くとぽっかりと開いた肉穴からどろりと吐き出したものが流れ出てくる。
女性はベッドの上に身を投げ出して、痙攣している。
女性の上に倒れ込もうとすると、別の女性に受け止められた。

「びくびくって、いっぱい出たねぇ。今回もできなかったんだ。先はまだまだ長そうだね」

セアミン君──と声を掛けられて振り向くとそこには紅髪の女性がいた。
彼女は僕に腕を絡みつけると耳元で言った。

「次私の番だよ。頑張ってね」




テーブルの向かいに座っている二人の女性──蒼髪のほうがリィラ、紅髪のほうはキスキルというらしい──がまじまじと僕を見つめている。
テーブルの上に置かれたティーカップからは薄らと湯気が立ち上っている。

「キスキルさんとリィラさん、でしたよね。ありがとうございます、公演、観て下さって」
「ううん。こっちこそお茶、付き合ってくれてありがとうね。やっばー、セアミン君みたいな有名人と一緒だなんて、皆に自慢できるかな。ねえリィラ」
「そうだけど。というかキルばっかり喋りすぎ。彼も聴いてばっかりだと退屈。ずっと見てるだけじゃない」
「そんなことない、です」

よくぼーっとしているとか、ふわふわしていると言われるが、今も似たような感じだったのだろう。
自分としては別にぼーっとしているわけではなく、色々頭を回転させているつもりなのだが、どうしても上手く言葉にできなかったり、行動がワンテンポ遅れてしまう。
舞っているときはそんなことはないのに。
ただ今日は少し違った。
ここ数日、殆ど寝ずに振り付けを考え確かめていた。
ワゴンやスパイダーからはちゃんと休めと言われていたが、どうしても夢中になってしまう。
結果今にも寝てしまいそうな頭で、ふらふらとした足取りで歩いているところをこの二人に捕まったというわけだ。

「確かにそうかも。ごめんねアタシばっかり。そうだ、冷めないうちに飲んで飲んで」

キスキルは眼前で両手を合わせるとウインクをしながら言った。
勧められたのでようやく珈琲を一口飲んだ。
口の中に苦味と強い香りが広がっていく。
一瞬顔を顰めてしまった。
どうやらこの店の珈琲は自分には少し苦すぎるらしい。
といっても普段飲んでいるのは楽屋にあるインスタントだから、ちゃんとしたものはこういうものなのかもしれない。
ただ、眠気は吹き飛んだ気がする。
それから三人でしばらく他愛もない話をした。
二人は配信者らしく結構際どいこともやっているらしい、ということが話の中で分かった。
僕も興味が湧いてきたので話を聴きたいというと、二人とも饒舌に語った。
あれやこれやと次々エピソードが飛び出してくる。
配信をしているというだけあって、二人とも結構な話上手だった。
聴いているうちに僕も楽しくなってきて、気がつけばテーブルに身を乗り出すほどだった。

「でしょでしょ。すっごい危なかったんだよね、あれ」
「うん、キルのせいで酷い目に遭った」
「ちょっと元はといえばリィラのせいでしょ」
「いいやキルのせい」
「二人とも、止めて──」

ヒートアップしてきた二人を止めようと立ち上がると眩暈がした。
ぐらりと世界が回転して、真っ暗になった。



目を覚ますと知らない部屋だった。
天井の照明からは暖色の光が部屋中に注がれている。
ベッドに寝ていたらしく背中は柔らかな感覚で包まれている。
上半身を起こすとどたばたと騒がしい音がして誰かが抱きついてきた。
ふわりと舞った紅髪でようやく抱き着いてきた人物がキスキルだと分かった。
ほんのりと良い匂いがした。

「やっと起きたねセアミン君、おはよう。さて早速ですがここはどこでしょーか?」
「キル、それは流石に意地が悪い。大丈夫? 何本かわかる?」

リィラはキスキルを引き剥がすと人差し指と中指を立てた。
二本と答えると、大丈夫そうだねとリィラが呟いた。

「ここはね──」
「あー! リィラ言っちゃうの? 面白くないじゃん!」
「面白い面白くないじゃない。私は早く始めたい」
「ちぇっ、結局は自分が一番乗り気なんじゃん」
「悪い?」
「悪くない」
「なら問題ない。ここはラブホテル、わかる? 男と女──たまに男同士だったり女同士だったりするけど。が、絡み合って体液を垂れ流す場所」

言い方ぁ──とキスキルが呆れたように呟いた。

「流石にそれくらいは知ってるんじゃない。だってもう十●歳だよセアミン君」
「そうだけど、知らないかもしれないし。君は店で倒れちゃったからとりあえずここに連れてきて休ませてたの。近くに休めそうな場所、ここくらいしかなかったから。忙しかったのかな。疲れてたんだね。静かにずっと寝てるから心配したよ」
「可愛い寝顔が見れたのは嬉しかったけどね」

とりあえずほっとした。
思ってたより優しい人達のようだ。

「ありがとう、ございます」

そう言って頭を下げようとするとキスキルが勢いよく抱きしめてきた
柔らかい胸が頭を包み込んで、甘く心地いい匂いが漂ってきた。
後頭部を優しく撫でられる。

「いいのいいの。セアミン君みたいなかわいい子のためならお姉さん、なんだってしちゃうよ」

抱きしめる手に力が入った。
顔を包み込む胸の感触がさらに強くなる。
沈み込んでいくような感触にお腹の奥が締め付けられて、股間に熱が集まってくる。
居心地が悪くて忙しなく腰を動かしていると急にキスキルが離れ、怪訝そうな顔をしてこちらを見つめてきた。

「どうしたのセアミン君」
「いえ。なんでもない、です」

そう返すとキスキルはニヤニヤと笑みを浮かべながら四つん這いになって僕の股間に手を置いた。

「ああ、そういうことね」
「あのですね」
「大丈夫気にしないで。恥ずかしくないって。うんうん。おっぱい押し付けちゃったからね。セアミン君くらいの歳ならこうなるのも当然だよね」

硬くなったアレを擦りながらケラケラと笑った。

「お姉さんがなんとかしてア・ゲ・ル♪」

いいよねリィラとキスキルが大声で叫ぶと、いいんじゃないとリィラが返答した。
キスキルは慣れた手つきで着物を開けさせると、タイツに手をかけた。

「セアミン君って下着も女物なんだね。役に入り込むためかな」

まずいと思い、下ろされないよう必死にタイツを押さえつける。

「駄目、ですって」
「いいのかなー? 本当にやめちゃっていいのかなー?」

タイツから手を離したキスキルは布越しにアレを擦りだした。
想定外の刺激に身体がびくりと反応する。
自分で触るよりずっと気持ちよくて、頭がぼうっとしてくる。

「我慢しなくていいんだよ? ほらお姉さんに任せて」

着物はもう殆ど腕に引っかかっているだけの状態で役割を果たしていない。
アレから出てきた体液がタイツまで染み出してきた。
下着はもうぐっしょりだ。
我慢できず小さく頷くとキスキルは小首を傾げた。

「んー? お姉さん分からないな。ちゃんと言ってくれないと」
「──します」
「聞こえないよ」
「お願い、します。僕のあそこ、触ってください」
「よく言えました」

脱がしやすいように腰を上げるとタイツと下着を纏めて脱がされた。
待っていましたとばかりにアレが勢いよく跳ねた。
衝撃で体液が飛び散ったがキスキルは気にしている様子はない。

「うわっ、おっきいねえ」
「うん、顔に似合わず凶悪。なのに先っぽまで皮被ってる。かわいい」

リィラがキスキルの肩越しに覗き込みながら言った。
流石に恥ずかしくなってきた。

「ごめんね。じっと見られるのは嫌だよね。というかリィラ、準備できたの」
「うん。ここならばっちり」
「じゃあはじめよっか。まーずーはー?」

二人は服を脱いで下着姿になった。
装飾の多い下着に目が釘付けになる。

「やだー、ガン見じゃん。流石にお姉さんも恥ずかしいなー。ひょっとして女の子とエッチするの初めてだったりする?」

こくりと頷く。
キスキルは驚愕の表情を浮かべて、

「うっそ。有名人だからもう入れ食いだと思ってた。アタシたちがハジメテだなってうれしいなぁ」

と言った。
キスキルは桃色のブラジャーを脱ぐと、僕の頭の上に置いた。
脱いだばかりのそれは、手に取るとほんのりと温かかった。
手中のそれに目を奪われていると、キスキルは悪戯っぽい笑みを浮かべて白い胸をブラジャーの上に乗せた。

「そっちもいいけどさ。ほらほら、女の子の生おっぱいだよ。どうかな?」

白い肌に一点だけ綺麗な桜色の乳輪。ピンと立った乳首。ブラジャーの生地越しでもわかるほどの柔らかさ。
意識するとアレが痛くなった。

「あはは、コッチは素直だねぇ。で、このおっぱいをね」

キスキルはベッドを降りると両手で胸を抱えた。
何をするんだろうと見ていると、胸を抱えたままあひる座りになって上半身を傾けた。
その先には僕のモノがあって、それを胸で優しく包み込んで上下に動かす。

「うりうり。どう柔らかいでしょ?」

柔らかい。そして、温かい。
背筋がぞくぞくする。

「ひっ♡ あっ♡ こ、これぇ♡」
「気持ちイイよねぇ? ハジメテでこんなことシてもらえるなんて、なかなかないよ?」
「は、はい♡ きもち、いい♡」
「またおっきくなってきた。流っ石男の子、正直だねぇ」

ぐにぐにとおっぱいがアレを呑み込んでいく。
気持ち良くて腰が震えそうになるのを我慢していると、顎を掴まれて横を向かされた。
間髪入れず口の中に温かくて弾力のあるものが入ってきた。
視界一杯にリィラの顔が広がっていて、ようやくキスをされたのだと理解した。

「んっ、じゅる、じゅる、ぷはぁ」
「キルばっかり見ててずるい。私も見て」
「あーっ! リィラずるい! アタシもセアミン君とキスしたい!」
「ならそっち代わって」
「ぐぬぬ、仕方ないなあ」

不承不承といった様子でキスキルが立ち上がって僕の隣に座った。
代わりにリィラが目の前に来る。
リィラの肌もキスキルに引けを取らないくらいの白さだ。
触ったらふんわりとしていそうなおっぱいを重そうに持ち上げる。
ひょっとしたらキスキルより大きいかもしれない。
ただ、乳首の色だけはキスキルと違って濃い茶色をしていた。
前に誰かが言っていたのを聞いた気がする。
女はなちょっとくらい遊んでそうなほうがいいんだぜ。乳首とか黒ずんでるくらいがだな。
そう言った本人はディアノートにサイテーと吐き捨てられて沈んでいたが。
全部信用するわけではないけれど、ひょっとしてリィラも遊んでいるのだろうかとそんなことを考えてしまう。

「君、今すごく失礼な事考えてたでしょ」

頭の中を見透かされたような問いかけに、びくりと身体が震えた。

「まあいいけど──っと」

答えられずに俯いていると、リィラはキスキルと同じようにアレをおっぱいで包み込んで動かしだした。
キスキルよりほんの少しだけ高い体温が心地いい。

「むぅ、セアミン君。リィラばっかり見てたらやだよ」

頬を膨らませたキスキルに唇を塞がれる。
舌が入ってきて口の中を弄る。
れろれろ、じゅぱじゅぱと水音。
ぷはぁ、すぅと息継ぎの呼吸音。
さっきの店で飲んだ珈琲の香り。
色々なものが混ざり合って、感覚が鋭敏になっていく。
絡んだ舌を引きずり出されて甘噛みされたかと思うと、歯茎をつつ、となぞられる。
目を閉じてなされるがままになる。
蕩けてなくなりそうになったところで唇が離れた。

「ぷはぁ、どうかな。アタシも上手でしょ?」
「はい」

それはよかった、とキスキルはころころ笑った。
頬は熱をもち、視界は溜まった涙で崩れて歪んでいる。
気持ちいいってこういうことだったんだ。

「次はこっちだよ」

声の方に目を向けるとリィラが上目遣いでこちらを見ていた。

「まったく、忘れるなんてひどい」
「忘れてなんて」
「いいよ。こっちも気持ちよくしてあげる」

そう言ってリィラはおっぱいから飛び出ているアレの先端に唇を近づけた。
少しだけ開いている皮の先端を唇で咥える。

「ふぃふぇふぇ」

ぐい、と一気に皮を剥かれた。
強い痛みの後に強烈な快感が襲ってきた。
耐えきれずに身体が大きく仰け反る。
同時に気持ちいいものがアレに集まって、熱さの塊になって一気に出ていった。

「んぅ!?」

リィラの驚いたような声。
口を半開きにしながらリィラのほうを見ると、彼女の顔に白濁色のどろりとした液体が付着していた。
その液体は鼻が曲がりそうな強烈な臭気を漂わせている。
なのにリィラは恍惚としたような表情を浮かべて、顔に付いた白濁液を指で掬い取り、口の中へと運んだ。

「すっごい臭いと味♡ これが十●歳の精液♡ カリの裏も恥垢がびっしりですごく、イイ♡」
「アタシにもちょーだい?」
「駄目。これは私の」

リィラは再び指で精液を掬って舐め取った。
今度はわざとらしく、赤い舌を見せつけながら。
その光景を見てアレが痛いほどに硬くなる。

「興奮しちゃったんだ? わかる、わかるよ。リィラのアレすっごいえっちだもんね。アタシも見ててぞくぞくしちゃったもん。でもね──」

忘れちゃやだよ──と耳元で囁かれた。
ねとっとした温かい感覚が耳を弄ってくる。

「んっ♡ れろぉ♡ はむ♡」
「ひゃっ♡」

耳たぶを唇で挟まれて情けない声が漏れる。

「耳弱いんだぁ。いっぱい舐めてあげるね」

耳の端から円を描くように舐められる。
どんどん穴のほうへ近づいていく。
自分の意志とは関係なく熱っぽい吐息が漏れ出ている。

「ねえ君、こういうのはどう?」

リィラがおっぱいで挟んだアレの先端を舐めた。
舌が蛇のようにちろちろとアレの先端にある割れ目を這っていく。
舌が通った後にはてかてかと唾液が輝いている。
切なさがアレから腰へと、腰から背筋を通って頭へと伝わっていく。
リィラみたいな美人が僕の汚いところを舐めているという光景が信じられない。

「ひっ♡ だめ♡ だめです♡ 二人ともぉ♡」
「なにが駄目なのかなぁ」
「なにも駄目じゃない」

二人とも舌を止めようとしない。
キスキルの舌は耳の穴の周りを焦らすように攻めてくる。
リィラの舌はアレのおしっこが出る小さな穴をとんとんと叩いている。

「だめだめ♡ きちゃう♡ さっきの♡」
「きちゃっていいんだよ?」
「いっぱいびゅーびゅーして?」

耳の穴とアレの穴、両方同時に舌が入ってきて、決壊した。

「クる♡ キちゃう♡ ダメェェェェ♡♡♡」
「「イっちゃえ」」

込み上げてきたものが一気に噴出する。
びゅるびゅるという音が聞こえそうな程勢いよく出たソレは、全てリィラの口によって受け止められた。

「はーっ♡ はーっ♡ はーっ♡」

息を整えているとリィラはベッドの上に乗ってきた。
舌を出して先程と同じように精液を見せつけてくる。
いつの間にかキスキルがリィラの隣に移動していた。

「りーらっ♡」
「ん♡」

目の前で二人がキスをした。
僕の出した精液を分け合うように、互いに貪り合うように、絡み合っている。
二人とも目を閉じて。
水音と息継ぎの音。
どちらもたまらなく色っぽい。
いつの間にかお互い抱き合って、股の間を相方の脚に擦り付けるように腰を動かしていた。
この光景から目を離せなかった。

「「ぷはっ」」

気がつけば二人は唇を離していた。
二人揃って浅く荒い呼吸で、目はとろんとして、頬は薄らと赤く染まっている。
二人はゆっくりと僕の方へ向き直った。

「どうだった? アタシたちのキス」
「女の子同士なんて信じられない?」
「「って聞くまでもないか」」

四つん這いで両側から迫ってくる。
言葉が詰まって出てこないが、アレは僕より雄弁らしく、また硬くなっていた。
口元を歪めて皺を作った二人は顔を合わせて相談し始めた。

「どっちがハジメテ貰おっか?」
「私」
「え、ズルい。リィラ初物フェラしたじゃん」
「キルだってパイズリした」
「でもアタシ、まだセアミン君の出してもらってないし」

頬を膨らませたキスキルが両手を振り上げた。
綺麗に剃られた腋が丸見えになる。
白い肌の窪みに影が落ちていて、魅入られる。
街頭に集まる蛾の引き寄せられていく。

「あれ、セアミン君どうしたの?」

くんくんと犬のように匂いを嗅ぐ。
少し汗臭かったが、それがとても良い匂いのような気がした。

「ほ、本当にどうしたの? 犬みたい──ひゃんっ!?」

キスキルが言い終える前に腋を舐めた。
しょっぱくて、おいしい。
剃り残しの全くないきめ細やかな肌は舌に吸い付いてくるようだ。
目を閉じて一生懸命に舌を動かす。

「あはは。君、面白いね。なら私も──」
「ちょ、ちょっと! リィラ!? ひいっ! きゃん♡」

リィラも反対側の腋を舐めているようだ。
二人でキスキルを攻めたてる。
身体を捩らせて刺激から逃れようとしているようなので、抱き着いて動けないようにする。

「ひゃっ♡ やだ♡ 汗臭いでしょ♡」
「それが、いい、です」
「うん、同感」
「ちょっと二人とも♡ あんっ♡」

腋を唾液塗れにしたところで、肩を軽く叩かれた。
何事かと目を開くとキスキルの身体越しにリィラと目が合った。
指先で何かを指し示している。
目で追うとそこはキスキルのお臍だった。

「いいこと教えてあげる。キルはね──」

「駄目っ! それだけは駄目!」

大声で遮ろうとするキスキルだが、リィラは気にせずに続けた。

「お臍が弱い。どうかな、やってみない?」

頷いてキスキルの目の前に移動する。
見上げるとキスキルがこちらを見つめていた。
目は潤んでいて口はぽかんと開いている。
腕はいつの間にかだらんと力なく投げ出されていた。
お臍を広げるべく両手をお腹に置いた。
細くて、柔らかくて、力を入れたら折れてしまいそうな腰。
両方の親指でお臍を広げる。
顔を近づけると皺まではっきりと見えた。

「やだぁ、恥ずかしいよ」

羞恥のせいかキスキルの顔は真っ赤になっている。
彼女のような美人でもそんな表情をするんだな、と思った。
そして自分がその表情を浮かべさせているのだと思うと、お腹の奥がきゅんとしてきた。
意を決してお臍に舌を捻じ込んだ。

「ひゃあん♡」

少し舐めただけだというのに、キスキルの口から嬌声が漏れた。
色っぽい声で興奮してくる。

「もっとやってあげなよ。悦んでるみたいだよ」

リィラから声がかかる。
意地が悪いとは思うが、先にやってきたのはキスキルのほうだ。
さっきの仕返しとばかりにゆっくりとお臍を舐る。
皺の一本一本に、丹念に唾液を染み込ませていく。
頭上では甲高い喘ぎ声が絶えず流れている。
粗方舐め終わる頃にはその声も小さく掠れたものに変わっていた。
仕上げにお臍の奥を舌で強く押す。

「ひゃぁぁぁぁぁん♡♡♡♡」

キスキルの身体が大きく仰け反って激しく痙攣した。
彼女の座っているところはお漏らしでもしたかのようにシーツが濡れていく。
キスキルはベッドに力なく仰向けに倒れ込むとぎろりと目線だけをこちらに向けて、

「やってくれたなぁ?」

と言った。
どきりとした。
確かに、少しやりすぎたかもしれない。
経験豊富そうだからこれくらいなら、と思っていたが。

「えっと、その──」

「ねえリィラ、アタシが先でいいよね?」

リィラは不満顔でしょうがないなと言わんばかりに肩を竦めた。
にたりと笑ったキスキルが僕の腰に脚を絡みつけてきて、バランスを崩して彼女の上に倒れ込んだ。

「セアミン君があんなに容赦ないとは思わなかったなー。アタシの痴態を見てこんなにガチガチにしてるわけだし?」
「キスキル、さん?」

ぐいと抱きしめられる。

「どうかな、このままそのおちんちんで、いっぱいシよ? 女の子とスるのは初めてでしょ?」

耳元で囁かれて、背筋がぞくぞくした。
キスキルは脚を離すと腰を浮かせてショーツを脱ぎ去った。
そのままM字に脚を開いた体勢になって両手で割れ目を開いた。
割れ目の奥には小さな穴と大きな穴があった。
大きな穴──膣穴はぱくぱくと開閉しながら、さらさらとした液体を垂れ流して物欲しそうにしている。
小さな穴の上には小さな肉の芽のようなものがあった。
半分ほど皮を被ったそれは充血してピンと立っている。
何故だか、物凄く興奮している。
初めて生で見る女性の性器だから、ということだろうか。

「ほら、ここに挿れるんだよ」

キスキルは膣穴を指差した。
喉を鳴らして唾を飲み込む。

「ねえ、セアミン君。あなたのソレで私を──」

串刺しにして──と。
今まで見てきた快活さに溢れた彼女とは全く違う淫靡な顔で言った。

「ほらほら早くシて♡」
「──はい」

アレを宛がって一気に奥まで押し込んだ。

「ああっ! セアミン君のおちんちんきたぁ!」

初めての女性のナカは熱くてきつくて、何だかよく分からない気がした。
ただひたすらに気持ちいい。
伝わってくる快感で頭がどうにかなってしまいそう。
こんなの経験してしまったら、もうこのことしか考えられなくなりそうなくらい。
もっと、刺激が欲しくてゆっくりと引き抜いていく。

「ああっ♡ カリぃ♡ ひっかかってるぅ♡」
「キスキルさん、これぇ♡」

キスキルの頬は紅潮してだらしなく開いた口からは唾液が垂れている。
目はとろんとしていて快楽の虜になっているのは明白だ。
膣肉が逃がすまいと引き抜かれていくアレに引っ付いて伸びている。
すごく、えっちな光景だ。
力を込めて腰を強く押しこむ。

「ああっ♡ いい♡ セアミン君の♡ いいよぉ♡ もっと♡ もっとぉ♡」

引き抜いて突く度に短い吐息のような喘ぎ声が漏れるている。
キスキルの両手は必死にシーツを掴んでいる。
奥へ奥へと進めると、こつんと少し弾力のあるものに当たった。

「ひぃん♡ そこ奥だめ♡ あかちゃんの♡」

あかちゃんと聞いて。脳裏に大きくなったお腹を抱えた笑顔のキスキルが浮かんだ。
自分の妄想でアレが更に大きくなる。
限界を超えて大きくなったせいで、いつ精液を吐き出してもおかしくない。

「やだ♡ まだおっきくなってる♡」

一旦逃れようとして腰を引いたところを、キスキルの脚が絡んできた。
そのまま脚に力を込められて再び奥まで戻ってしまった。

「だめ♡ 離れちゃだめ♡」

脚の動きに合わせてきつく締め付けられた。
耐えきれずに射精した。

「だめ♡ でるぅ♡ イくっ♡」
「んんんっっ♡♡ あついのきたぁっ♡ アタシもイっちゃうぅぅっっ♡♡♡」

奥に熱いものをたくさん吐き出すとキスキルは身を屈めて硬直した。
肉襞がもっとよこせとアレを扱いてきて、尿道に残った分まで根こそぎ奪い取られた。
疲労感と脱力で起きていられなくなり、キスキルの身体の上に倒れ込んだ。
柔らかなおっぱいがあったのでそこに顔を埋める。
また硬くなると思ったが、流石にもう最初の時ほど硬くはならなかった。
半分大きくなったという程度だ。
なんとか腰を浮かせて引き抜いた膣穴からは精液がどろりと零れ出た。
穴からお尻へと伝ってシーツへと落ちていく。

「はーっ、はーっ♡ すごっ♡ お腹たぷたぷだよ♡」
「僕も、もう」
「いっぱい出したもんね。えらいえらい♡」

抱きしめられて頭を撫でられた。
おっぱいに包まれて撫でられるなんて、まるで赤ん坊みたいだ。
恥ずかしくなって離れると、キスキルは唇を尖らせてから、まあいっかと言った。

「しっかしいっぱい出したね。ほらほらリィラ」

キスキルは脚を大きく開くと精液が溢れている膣穴をリィラに見せつけた。
リィラは覗き込んで

「うわぁ、沢山出したね。デキちゃうんじゃない?」

と呟いて指を突っ込んだ。

「ひぃっ♡ あっ♡ らめ♡ イったばっかり♡」
「あ、そうだ。ちゃんとアップで撮らないと」

リィラは持っていたスマホをキスキルへと向けた。
乱暴に精液を掻き出されているというのに、キスキルは気持ちよさそうにしている。

「だめだめだめ♡ イくぅぅぅぅぅッッッ♡♡」

キスキルが絶叫した。
仰向けに倒れ込んだ彼女は白目を剝いて打ち上げられた魚のようにぴくぴくと身体を痙攣させている。
音を立てて透明なおしっこのような液体をアソコから撒き散らしている。
リィラは指を引き抜くと、自分の手にかかったその液体と掻き出した精液を丹念に舐めとった。

「何を、してるんですか」
「何って、撮ってたの。君とキスキルのセックス」

そう言ってリィラはスマホの画面を見せてきた。
画面の中には僕とキスキルが映っていた。
キスキルに覆いかぶさっている僕は一心不乱に腰を振っている。
傍目から見たら女の子同士にしか見えないが、キスキルのアソコに突き刺されているグロテスクなアレが辛うじて男女の交尾だということを示していた。
スピーカーからは喘ぎ声と肉がぶつかり弾ける音が流れている。

「花形美少年役者のハジメテ暴走えっち。うん、再生数伸びそうだね」
「ちょっと、消してくださ──」
「やだ」

スマホを奪い取ろうとするとリィラは高く掲げた。
僕が飛び跳ねて、リィラが避けて。
数回繰り返したところでキスキルが起き上がってきた。
体力を使い果たしているのか相当しんどそうに見える。

「キル起きたんだ」
「大丈夫、ですか? あとキスキルさんも、言ってください。動画消して、って」
「ああ、それね。ごめんね。今はまだ消せないかな。どうかなリィラ、上手く撮れてた?」
「うん。ばっちり」
「よかった。途中からそのこと気にする余裕なくってさ、心配だったんだよね。というかリィラ? あんなに乱暴にしないでよね。壊れちゃうかと思ったじゃない!」
「私だって愉しみたい。初物なら猶更」
「これから代わるところだったんだから、少しくらい我慢しなさいよ。それで、セアミン君はこの動画を消してほしい。リィラは消したくない。そうでしょ?」

僕とリィラ、二人揃って首肯する。

「なら、ゲームしようよ。大丈夫怖くないから」

楽し気に笑うキスキルとは対照的にリィラは呆れ顔だ。

「ゲームって、なんですか」
「なに簡単だよ。セアミン君のそのおちんちんでアタシとリィラ、ゴムを着けずに両方のおま〇こを百回ぱんぱんできたら消してあげる。勿論白いおしっこはぴゅっぴゅしちゃダメだよ?」
「エッチしろ、ってことですか?」
「そういうこと。何回チャレンジしてくれてもいいし、好きな時に好きな場所に呼び出してくれていいよ。今みたいにホテルでもいいし、アタシやリィラの家でもいい。なんなら公園でも。おっぱいを使ってもいいしお尻でシてもいいよ」

キスキルは人差し指をピンと立てて顔を近づけてきた。

「たーだーし! タイムリミットを設けます。それはアタシたちが妊娠するまで! それまでに達成できなかったらセアミン君の負け。この動画はアタシたちの好きにさせてもらいます」
「あと責任も取ってもらうから」

突然リィラが話に割り込んできた。

「責任?」
「私の彼氏にでもなってもらおうかな。でも、罰ゲームのときは妊娠してるわけだし籍も入れて貰わなきゃ。彼氏ってよりは旦那様かな」
「ちょっと、リィラだけじゃなくてアタシも、アタシも!」
「じゃあ二人の旦那様ってことで」
「オッケー! それ採用ね! どうかな?」
「わかり、ました。やります」

とにかく動画を消してほしくて、僕は二つ返事で答えた。

「「そうこなくっちゃ」」
「ちなみにアタシは女の子の日が来たの二週間前だし、暫くは安全だからガンガンヤっちゃってかまわないからね」
「私そろそろ危険日なんだけど」
「なら今日ヤっておあずけかな?」
「別に私は構わないけど」
「リィラはともかくセアミン君が構うでしょ。ノーチャンスなんて可哀想じゃん」

二人はガヤガヤと騒ぎ立てていた。



「あっ♡ イイ♡ もっとぉ♡ ヤバ♡ ボタン押したらみんなに見られちゃう♡ アタシとセアミン君の生交尾♡」
「だからって、押さないで、くださいよ」
「わかってるてばぁ♡ そんなに怒っちゃやーよ?」

キスキルがマウスに手を掛けようとしたので強めに突いたら、きゃん♡と大きな嬌声が上がった。
今日はキスキルとLive☆Twinの配信部屋でセックスしている。
机に上半身を乗せた彼女に僕が後ろから挿入する形だ。
肉襞がいかないでと出ていこうとするアレに吸い付いてくるのを無視して、無理矢理引き抜いた。
身体に流れていた快感が弱くなってようやく一息つけた。
しっとりと濡れている膣内は入れているだけで出してしまいそうなほどだ。
呼吸を整えて再びゆっくりと挿入する。
お尻の穴がひくひくと誘っていたので親指で撫でると仰け反った。

「ひぃん♡ セアミン君♡ 何時の間にそんなことぉ♡」

間髪入れずに再び奥を突くと、悲鳴染みた声が部屋に響いた。

「きゃっ♡ よくもやったなぁ?」

一際強く締め付けられたかと思うと、キスキルは自らお尻を動かしはじめた。
その動きは円を描くようなものだったり、前後にグラインドするものだったりと様々だ。
締まったり、弛んだりとあの手この手で搾り取ろうとしてきている。
少しでも動いたらあっという間に射精してしまうだろう。

「キスキルさん、それ、やめて♡ 出ちゃう、から♡」

「んー? ほらほら♡ 出すの我慢して動かないと♡ 百回ぱんぱんするんでしょ♡」

結局、その後一度も突くことができず限界を迎えてしまった。



「楽屋でなんて、君なかなか変態だね。呆れた」

椅子に腰を掛けた僕に跨りながらリィラが言った。
だが言葉とは裏腹に彼女はどこか嬉しそうな空気を醸し出している。
公演中にするのもどうかと思ったが、最早日課のようなものでシないと落ち着かないというのもある。
今日はキスキルは来ていない。
なんでも、少し気になることがあるそうだ。
女の子の日以外でしないのは珍しい。
危険日は避けてあげるね──とキスキルも最初のうちは気にしてくれていたが、一月も関係が続けば危険日も安全日も関係なくなっていた。
女の子の日だけは、僕が血が苦手というのもあってお休みにしてもらっている。
ヤったときは僕が気絶してしまって大変だった。
目を覚ました時には、キスキルもリィラも柄にもなくオロオロとしていた。
顔を真っ青にしたリィラと下半身を血塗れにして半泣きのキスキルに心配したんだよと抱きしめられた時は、この人たち案外悪い人じゃないんだなと思ったくらいだ。
そのあとシーツに出来ていた血溜でまた気を失いかけたのだが。

「しっかし、また女物の服だね。いつも着てない?」

身体を揺らしながらリィラが言う。

「好きなんです。女物の和服」
「下着も?」
「流石に、下着は。女形の時、だけです。うっ♡」
「ふーん、そうなんだ。形からってわけなんだ。プロだね。おっぱい吸う? 好きでしょ?」

目の前によく育ったおっぱいが差し出された。
話の繋がりが全く分からなかったが、せっかくなので頷いてから乳首に吸い付く。
顎を使って舌で硬くなった乳首を転がすと甘い声が響いた。

「んっ♡ 吸い方がえっちだね。君みたいな歳の子がしていい吸い方じゃないよ?」
「ぷはっ、誰が、そんなふうに、したんですか」
「私たち──かな?」
「悪びれないで、下さい」

再び乳首を口に含むと犬歯を立てて噛みついた。
リィラの口から甲高い声が漏れた。
アレを包んでいる肉が締め上げてくる。

「ごめんって。でも、ムキになってるのもかわいいよ?」
「うれしく、ないです」
「そういうとこ。かわいいなぁ本当に」

不貞腐れたように口を尖らせるとリィラはころころと笑った。
抗議の意味を込めて膣奥を力いっぱい叩く。

「ひんっ♡」
「随分と、かわいらしい声が、出るんですね」
「そうだよ。悪い?」
「いいえ。かわいいと、思います」

君に言われてもなあ、自信なくすな──とリィラは小さく呟いた。
口角が上がっているところを見るに悪い気はしていないのだろう。
リィラは身体を揺すってアレの先端を奥に擦り付けている。
じっくりと味わっているのだろう。
この動きは僕としても甘々な感じがして嫌いではない。

「さて、お喋りはお終いだよ。なるべく長く頑張ってね」

リィラの動きがゆったりとしたものから激しいものへと変わる。
突然の緩急の切り替えにあっという間に限界を迎えて膣内を精液で溢れ返した。

「あーあ、残念。まだ先は長そうだね」

僕の上から降りたリィラは背伸びをしながらそう言った。
内腿には吐き出した精液と愛液が伝っている。

「相変わらず量は凄いんだね。こんなに溢れちゃってる」

流石にそのままにするのもどうかと思い、目の前の机にあったティッシュを何枚か抜いた時、がちゃりとドアから音がして誰かが入ってきた。

「忘れ物、忘れ物っと。あれ、セアミンまだいたの?」

入ってきたのは双子の姉──ディアノートだった。
瓜二つと言っても過言ではない顔が僕に向けられる。
まずい、見られた。
どう言い訳しようか考えていると、どうしたのと声を掛けられた。

「またぼーっとしちゃって。何かあった?」
「え、ううん。なにもないよ。ちょっと寝てただけ」

当たりを見渡すとリィラは何処かに消えていた。
とりあえずこの爛れきった関係がバレたわけではなさそうだ。
太腿にこそばゆい感触が走る。
机の下を見るとリィラが僅かな隙間に入り込んで悪戯っぽく笑っていた。
彼女は人差し指と親指で輪っかを作ると口を開けて舌を出した。
そのまま、まだ愛液と精液で濡れているアレを口に含んだ。

「んっ♡」
「どうしたの? 本当に大丈夫?」
「大丈夫、だから。忘れ物、あったの?」
「んー、このへんだと思うんだけど」

リィラは音こそ立てないものの、激しく攻めたててくる。
舌はカリの裏をなぞるように移動し、拭い去っていく。
リィラは口を離すと裏筋に舌を這わせる。
目をきつく閉じて快感に耐える。
指を噛んで声が出ないようにする。

「〜〜〜ッ♡」

「んとえっと──あった! あったあった。セアミンあったよ」

リィラが再びアレを口に含んだ。
今度は尿道へと舌を捻じ込もうとしてくる。
これをやられるとすぐに射精してしまう。
間違いなく僕の弱点だ。

「よかった、ね。遅く、なるまえにっ♡ 帰ったほうが、いいよっ♡」
「うん、そうするね。ところでセアミン、何かこの部屋変な匂いしない? なんかこう──」
「さっき! 寝ぼけて、飲み物零しちゃった、から♡ それじゃ、ないかな?」

ディアノートはそうかなと怪訝な顔をしたが、まあいっかと言ってドアの方へと移動した。
そしてドアの向こうに半身を隠しながら、

「セアミンも早く帰ってくるんだよ? あんまり遅くなると危ないからね。襲われちゃったりするかもしれないんだからね」
「それは♡ ディアノートも、だよ♡」
「そうだね。じゃあお先にね」

パタンと音を立ててドアが閉まる。
同時にリィラの口の中へと勢いよく射精する。
リィラは喉を鳴らして口内のものを飲み込むと、机の下から四つん這いになって出てきた。

「今の子、君のお姉さんなんでしょ。びっくりしたね」
「誰の、せい、ですか」

完全に腰砕けになって立てそうにもなかった。
リィラも僕が立てないのを理解したのか、くすくすと笑った。

「ごめんね。お詫びに帰り道は私が抱っこしてあげる。お姫様がされるようなやつ」

「──結構、です」



二人から呼び出しがあって向かった先は、初めて彼女たちと会った喫茶店だった。
あの時と同じ席に座り、同じ珈琲を頼んで飲んだ。
今度はあの時ほど苦くはなかった。

「前は顔を顰めてたのに、今は平気なんだね」
「成長、したんです」
「あー、それなんだけど」

ばつが悪そうに二人が目を逸らす。

「ごめん、薬盛ってた」
「ハァ!?」
「すごく苦かったでしょ? あれ、薬のせい。本当にごめん」
「じゃあ、倒れたのも?」
「あれは違うよ。アタシたちが盛ったのはただの媚薬だから、倒れたのは純粋にセアミン君の過労だよ。実はリィラがセアミン君のファンでさ。ずっとお近づきになりたいって言ってたの。それで街で見かけたからつい声掛けて、たまたま手元に使う予定のない媚薬があったから──ってわけ」

「ちょっとキル!」

勢いよく立ち上がったリィラがキスキルに詰め寄った。
思わず吹き出してしまった。

「まったく、酷い人たち、ですね」
「いやまあ、それに関しては本当に全くもうおっしゃる通りで」
「絶対、許さない、ですから」

言葉とは裏腹に僕の顔は緩んでいる。
二人も僕が怒っていないことが分かったのか、くすくすと笑った。

「そうだね、ちゃんと責任とるから」
「だから、これあげる」

テーブルの上に一台のスマホが差し出された。
例の動画を撮っていたものだ。

「ちゃんとSDカードも入ってるよ。クラウドにも上げてない。正真正銘データはここにあるだけ」
「でも、まだ、百回できて、ないです」
「あーそれに関してはね──」
「キル、まだそれは秘密」
「そうだね。やっぱりまだ言えないや。とにかく受け取って?」

達成できたわけでもないのに受け取るのには抵抗があった。
けれども、ここで受け取らないのも彼女たちに悪い気がする。
きっと二人で散々話し合って決めた事だろうから。

「はい、確かに、受け取りました」
「うんうん。今までごめんね。あ、でもその動画オカズにしちゃダメだよ?」
「しません!」

袖にスマホをしまった。
たぶん動画を撮った理由も僕との関係を繋ぎ留めたかったとか、そういうことだろう。
ちょっと自意識過剰かもしれないけれど。

「ところで、それ飲み終わったら行こっか」
「行くって、どこへ?」
「勿論ホ・テ・ル。あ、でも今日はエッチはなしね」
「私も、今日はなしで」
「どうしてですか?」

二人とも女の子の日はまだ早いはずだ。

「ちょっと気になることがあってね、セアミン君にも確かめてもらいたいんだ」

キスキルはテーブルに頬杖をつきながら笑顔で言った。
リィラも頷く。

「僕に、ですか」
「そう、君に」
「はあ。なんですか? その、確かめて、ほしいものって」
「それはヒミツ」

残った珈琲を一息で飲み干して、ホテルへと向かった。
前と同じ部屋をとったようで、キスキルは懐かしいねと忙しなく部屋中を見て回っている。
促されたのでベッドに腰を掛けると、右隣にキスキルが、左隣にリィラが座った。
二人揃って僕へとしなだれかかってくる。

「いやー、色々あったし色々シたよね、アタシたち」
「うん。初めて会ったときは君がこんな変態さんだとは思わなかった」
「変態って」
「お姉さんの前でフェラしたり」
「それは、リィラさんが、自分から、したんです」
「そうだったかもしれない」
「アタシはそういうのなかったよ? いつもホテルかアタシたちの家だったし」
「家の外は、流石に、駄目だと、思います」

僕たち、有名人です、から──というとキスキルは優しく頭を撫でてきた。
抵抗せずに頭を差し出すともっと撫でてくれた。

「うんうん。セアミン君はやさしいね。でも、二人とも一つだけ今でも怒ってるのがあるんだからね」
「キルあれは──」
「湯舟の中で出すだけ出してそのまま掃除もせずに出てきたら怒るに決まってるでしょ。危うくそのまま浸かるところだったんだから!」
「ごめん、なさい」
「──確か前も謝ったよね?」

三人で笑った。
ところで──とキスキルが話題を変えた。

「確かめてほしいんだよね」
「ここで、ですか? なにを?」
「んーここだと流石になー」

トイレはどうとリィラが訪ねると、トイレに狭いから三人はちょっととキスキルは難色を示した。
一体何をするつもりなのか見当もつかない。

「じゃあお風呂は?」
「やっぱりそこしかないか」

諦めたように二人は肩を竦めた。
結局三人で浴室へと向かった。
脱衣所で脱いでいると後ろから抱き着かれた。
冷たい手で胸をさわさわと弄られる。
視界の端に蒼髪がちらりと見えた。

「ん♡ やめて、ください♡」
「まるで本物の女の子みたい。こっちがなかったらわからなかったかも」

そう言ってリィラは股間へと手を伸ばそうとしたが、キスキルによって止められた。

「ほーらやめなって。それやったらセアミン君もリィラも我慢できなくなるでしょ」

リィラは渋々といった様子で離れた。
それを見届けたキスキルは床に置いた鞄の中身を漁りだした。
立ったまま腰を曲げて前屈姿勢になって、お尻を突き出す形で。
当然、デリケートなところが丸見えなわけで。
ほんのりと濡れた割れ目は幾度となく僕を受け入れたとは思えないほど綺麗なサーモンピンクをしている。
ゆらゆらとお尻が揺れて誘われているかのようで、目が離せない。

「えっち」
「えっち、って」
「気持ちは分かるけどね。自分のオンナがああやって挑発するようにお尻を振ってるんだもの。私だってムラムラしちゃうよ。でもね、キルのあれは無自覚の天然だよ?」
「リィラさんのは、違うんですか」
「私がやるならね。見たい?」
「そんなわけ、ないです」

そっぽを向くと背後からリィラに抱きしめられた。
先程のように身体を弄るわけではなく、優しく壊れ物でも扱うかのように。

「いいよ、今度やってあげるから。ああ、でもひょっとしたら──」
「ねえねえ二人とも何の話してるの」
「なんでもない」
「なんでも、ないです」
「ふーん? 変な二人。ところでセアミン君に確かめてほしいものってこれなんだ」

キスキルは僕の目の前に中心部に小窓のようなものがある細長い棒を差し出した。
胸を張ってキスキルは続けた。

「これはですね、妊娠検査薬です。実はアタシもリィラも、直近の女の子の日が来てないんだよね」

さっと血の気が引いた気がした。
こんな日が来ることは分かっていたのだが、わざと気が付かないように目を背けて、心の奥底に仕舞い込んでいたのだ。
それを無理矢理表舞台に引き出されて、動揺しないはずがない。

「おしっこをかけて一分待つとデキてるか分かるんだよ。でも判定自体は十分ももたなくてね。実物を見せるには目の前でやるしかないかなーって、リィラと相談して決めました。なので今日はセアミン君監視のもとこれを使おうと思います!」
「大丈夫? 顔青いよ」
「平気、です」
「平気に見えないから聞いてるの」
「本当に、大丈夫、です」
「ならいいけど。じゃあ浴室にいこ?」
「さっき渡したスマホも持ってきて」

急いで服からスマホを取りだすと、二人に手を引かれて浴室へと向かった。
目の前には紅髪と蒼髪の美人二人が、一糸纏わない姿で大股開きになって直立している。
片手には妊娠検査薬を握りしめ、もう片方の手は股間に添えられていて、人差し指と中指で秘所を大きく広げている。
羞恥からか二人とも顔は薄らと赤くなっている。
さっき受け取ったスマホで、僕は二人の姿を録画している。

「やば♡ 見られてると緊張しちゃって♡」
「でも、見られながらってものイイかも♡」

そう言ったリィラが身震いする。
膣穴からぽたりと音を立てて粘性の高い体液が床に落ちた。

「きたきた♡ 見ててね、アタシの一番恥ずかしいところ♡」
「私も♡ ちゃんと撮って♡」

じょろ。
じょろじょろ。
じょろじょろじょろ。
割れ目から溢れた黄金水は検査薬に当たって四方八方へと飛び散った。
十分と判断したのか二人は検査薬を引っ込めたが、勢いは止まらない。

「やだっ♡ 止まらない♡」
「私も♡ いっぱいでてる♡」

二人の足元へと黄金色の水溜まりが形成されていく。
じょろじょろじょろ。
じょろじょろ。
じょろ。
勢いを失った噴水は太腿を伝って、止まった。

「あは♡ 見られちゃったぁ♡ セアミン君に私のおしっこ♡」

恍惚とした表情を浮かべてキスキルはぺたりと湯気を漂わせている水溜まりの上に座り込んだ。
何故かなかなか立ち上がろうとしない。

「腰抜けちゃった? わかるよ、すっごく気持ちよかったもんね」
「うん。立てないや。ねえセアミン君これ、見てて」
「私のも」

二つの妊娠検査薬を渡される。
結果が出るまでの一分、気が気ではない。
じっと目を閉じて待つ。
浴室中に蔓延するアンモニア臭も、キスキルの発情しきった吐息も、リィラの気遣う声も、今の僕には響かなかった。
永遠とも思える時間を耐えていると、

「そろそろじゃない?」

と、リィラの声が聴こえてきて現実に引き戻された。
覚悟を決めて瞼を開いて検査薬を見ると、判定用の小窓には二本の線があった。
先程まではなかったものだ。
もう片方も同じだ。

「これって——」
「あはっ♡ おめでとセアミン君♡」
「一度に二人なんて欲張りだね、君は♡」

嬉しさと苦しさが入り混じったものが押し寄せてきて、ぐちゃぐちゃになっていく。
二人は嫌いではないし、惹かれているし好きなのも違いない。
けれどもまだ僕は十●歳なわけで──。
よくわからない感覚に立ち尽くしていると、ふらふらと覚束ない足取りでキスキルが、リィラが両側に抱き着いてきた。

「これからもよろしくね! マイダーリン♡」
「私もよろしくおねがい。旦那様♡」

ぎゅっと両腕を抱きしめられる。
二人は嬉しさに満ち溢れたような声色で言った。

「「げーむ・おーばー♪」」

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