主に哀咲のTRPG(CoC)用wiki。ほぼ身内様向け。「そこのレディ、ティータイムの御供にクトゥルフ神話は如何かな」

概要

製作:哀咲
プレイ時間:テキストオンセ6時間〜(具合によって変動)
傾向:探索重視、戦闘有り。
使用に関して:改変、リプレイ等公開自由。制作者もしくはwikiのURLを明記してください。

シナリオ


<あらすじ>
友人が睡眠不足で悩んでいる。けれども原因はまったく思い至らない。
原因を探るうちに見えてくるのは、花に見せかけられた恋という悪意。

<キャラシについて>
日本国籍、探索技能、芸術・香り系技能が有効。必須:医学or応急手当

<舞台>
日本

<推奨人数>
〜四人

<友好>
林沢浅茅 (はやしさわ あさじ)

<敵対>
ヴルトゥームの化石化した花
(マレウス・モンストロルム p147):少し対抗、効果に関するものに改変を加えている。
石動 静(いするぎ しずか)

<その他事項>
「先天性中枢性肺胞低換気症候群(せんてんせいちゅうすうせいはいほうていかんきしょうこうぐん)」という実在の病名を使用している。
20〜50代の男性に見られる。脳幹部の自律神経中枢の先天的な形成異常、機能不全による重篤な呼吸障害であり、睡眠時に呼吸不全を起こすのが特徴。
略称CCHS、別名、オンディーヌの呪い(Ondine Curse)とも呼ばれる。
引用、wikipedia。詳細な症状などが必要な場合はKP各自の下調べを推奨する。

生理的には、高二酸化炭素状態や低酸素状態が起きると、肺に分布する化学受容器が
血中の酸素濃度や二酸化炭素濃度を感知して脳の呼吸中枢に信号を送り、換気を促す機能が備わっている。
このような呼吸反射は自律神経系が担っている。覚醒時にはこの生理的な呼吸機能が保持されているが、
睡眠時にはこの機能が麻痺して肺胞レベルでの酸素と二酸化炭素のガス交換が行われないため呼吸不全となる。
別名の由来は睡眠時に重篤な症状が起こることから、「眠ると死ぬ」という呪いをかけたオンディーヌ(ウンディーネ)である。

キャラロストの可能性はまずない。


<微かな異変>
たまたま友人の林沢浅茅に出会う。

NPC 林沢浅茅
HP15 MP13 SAN 65/65
STR14 CON13 POW13 DEX12 APP15 SIZ16 INT18 EDU18
回避 66% 精神分析 80% 心理学 80% 薬学 58%
身長180cmの長身の、インテリイケメン。

彼は若くして大学教授の地位を手にしている秀才であり、すらりとしたモデルのような佇まいで同世代からも人気を集める男だ。
少し乱雑なところもあるが、気も回るおかげでその容姿から変に敵意を向けられることもない。
その浅茅と久々に出会ったのだが、少し様子がおかしいと思うだろう。
いつでも綺麗に背筋を伸ばして堂々と歩くのが常であった彼が、背を曲げていかにも調子が悪いというようにいるからだ。
話を聴けば、最近よく眠れないらしい。突然呼吸が苦しくなって夜中に起きてしまうらしい。
他症状を話してくれるが、この話に対して<医学>を成功させれば様々な病名の中に「先天性中枢性肺胞低換気症候群」が思い浮かぶことだろう。
<アイデア>でオンディーヌの呪い、などという別称があることに気が付いてもいいかもしれない。
病院にかかったが、不眠症だとか先述した病名を言い渡され、薬を飲むようになったが改善は見られないらしい。
浅茅自身の専門でもある「精神分析学」の観点から分析していても自分が何か精神異常を起こしているようには思えないので、気持ちが悪いなと思っているようだ。
<聞き耳>、他<芸術:香りに関する技能>に成功すると、浅茅から何か花のような甘い香りがすると感じるだろう。
その花の香りはとても柔らかな甘いもので、心地よいものであるが、少し酩酊感を覚えるだろう。
また、続けて<アイデア>により、浅茅がそういった香水の類は使わない人だということに思い至る。
この花の香りに対し、何らかの技能を使用し、成功したとしても存知の花の名前は出てこないだろう。
また、本人にその自覚はなく、香りの判定はできない。

今のところはまだ仕事もしているそうだが、休職すべきかどうかと悩んでいるらしい。
その話をどうするかは探索者の自由ではあるが、医者といった職業者がいる場合は休めと言うはずである。
その場合は浅茅は素直に聞き入れてしばらく休養を取ることにする、と頷く。
また、変なことと言えば、と最近感じる気配について話もしてくれる。
道を歩いていると後を付いてきているような足音などが聞こえると言う。
振りかえるとそこに人の姿はないのだが、少し後戻りなどをすると走って逃げていく後ろ姿が見えたという。
ストーカーだろうと本人は言うが、つい最近からの付き纏いで、実被害もないために警察には話しづらいな、と話した。
この話の後、<目星>、<聞き耳>などをすると、近くの建物の陰に何か人影らしきものがあるのに気付くだろう。
捕まえようと動いたりなどするとその影はすぐに逃げ出して、消えてしまう。


<その影の主>
影を追って少しでも動くと、その影の主は落し物をしていく。それはなんと学生証でもある手帳であった。
その街ではかなりの知名度を誇る大学付属の私立高校のものである。その付属先の大学は浅茅の勤務先でもある。
手帳を開けば生年月日、住所など個人情報が盛りだくさんだ。名前は石動 静(いするぎ しずか)、眼鏡をかけ、大人しそうだが可愛らしい顔つきの少女の顔写真が載っている。
浅茅にその手帳を見せれば、名前に覚えがあるらしく少し考え込むしぐさをする。
その付属校の生徒はほとんど大学に入学してくることもあって、大学の講義見学、体験などを行う時もあるらしく、その時に俺の講義に来ていた気がする。
名簿もあって名前も記憶にある、ということらしい。流石に顔までははっきりと覚えてはいないが、その高校に行くなら同行するようだ。
浅茅がいればその高校に入りこむことも容易だが、浅茅がいなければ相応の理由がなければ難しいだろう。
もし高校に行き、学生に話を訊くなどすれば、そのうち彼女の友人や知人と出会い、「最近学校を休んでて、あまり見ない」と話してくれるだろう。
その際手帳の話をすれば返しておく、と受け取ろうとするだろう。渡さなければ不信感を抱かれ先生を呼ばれるかもしれない。特に行く理由はないだろう。

その手帳の住所先を訪ねれば、本人が丁寧に出迎えてくれる。手帳を拾ったので届けに来たとでも言えば礼も兼ねてお茶でもどうかと言われるだろう。
もしその場に浅茅がいれば、少し頬を赤くしているかもしれない。
家の中は至って普通の様子だが、高校生という年齢を考えれば玄関先に出ている靴の量が少ないと思うだろう。
本人に訊けば、両親が離婚して母と暮らしていること、その母は遅くまで働いていることを話してくれるだろう。


<静寂の少女>
探索者が家を訪ねた場合にこの項を使用する。石動家は閑静な住宅街でも山に程近い所にあり、裏口や何かがあればそこから昇っていけそうなぐらいである。
静は手帳をわざわざ返しに来てくれたことに礼を言う。
紅茶を出してくれると言って、キッチンに消えていく。この間に探索を許可しても良いだろう。残り時間をお湯を沸かすケトルの音で表現するといい。
ただ、流石に通されたリビング以外に行こうとすればそれなりの理由を告げてからではないと怪しまれるだろう。トイレを借りるとでも。
また、家に踏み込んだ瞬間から何か甘い香りが微かとはいえども鼻につくだろう。

以下、情報のある箇所のみを記載。

◇リビング
最初に通される。テーブル、ソファ、テレビなどと言った一般的だろうものが置いてある。
全体を<目星>:整理整頓されていて綺麗だが、香りの元らしい何かはまったく見受けられない。
<聞き耳>:とても静かだ。音を立てればすぐ聞こえてくるだろう。(探索で音を立てるようなことをすればバレる)

◇静の部屋
鍵はかかっていないので侵入は用意だが、下手に物を動かしたりすればすぐに侵入に気付かれるだろう。この部屋に入ると、家中に広がっている甘い香りが一層強くなる。
机、箪笥、本棚といった家具が置かれている。
全体を<目星>:箪笥の上にぬいぐるみの陰に隠すようになにか黒い石から削り出されたような見知らぬ花の置物がある。
石の花を<目星>:下、裏側にも近い部分の花びらが少しではあるがぽっきりと折られたような跡が二つある。
本棚に<図書館>:参考書の間に薄い小さめのノートが隠されていることに気付くだろう。

石の花を手に取ったりした場合は、何も技能なしに甘い香りはこの石からしていることに気が付く。(0/1)
また、石の花からの香りと浅茅から感じる香りは同一のものだと気付くのには<アイデア>。
ノートを読んでいて、上記アイデア成功した場合は、追加で0/1。
※RP的に察していないようだ、などとなった場合は適宜チェックなし等する。


○ノート
何かの結果を記録しているようである。
1m:効果あり、という風に記録されていて、1m増えるごとにその結果を記録している。
10mを越えたところから効果が薄れたという記録があり、21m時には効果が見受けられず、と記載されている。
使い方:お願いする、欠片を持たせる:本体と同効果と書かれている。


全ての探索を終えられるかどうかは探索者次第だ。頃合いに戻って来なければならない。交代でトイレというのも限度があるだろう。
出された紅茶は丁寧に入れられていて、香りもいいだろう。少し、花の香りがする。
もし、静に浅茅への付き纏いの件を追求すれば、すぐに頭を下げて謝罪をする。嘘偽りなく申し訳なく思っていたらしい。
片親ということ親と遊びに行くということもなく、寂しい思いに重なるようにたまたま参加した講義見学で浅茅に一目惚れをした。
見学後の質問にも真面目に受け答え、高校生にも丁寧に接してくれたことにすっかり気をよくしてしまっているようだ。
もちろん浅茅にはなんら他意はなく、単純に真面目な性格、育ちの良さの問題である。罪づくりだ。
他、何か探索結果を追求しても良いが、部屋侵入のことなどがバレれば怒りを買い、追い出されることだろう。警察に連絡されることはないが、警戒はされる。
また、花の香りのことは適当に誤魔化されるだろう。


図書館などに赴き、その香りなどについて調べる場合には<図書館>ロールののち、一冊の本に行きあたる。
花の香りについての本で、全体的には化学的な内容である。
花の香りの身体的作用は化学的に証明されつつあり、精神的な面に作用し、負の感情を取り払う効果がある。
それぞれ効果は変わって来るが、落ち込んだ気持ちを前向きにさせるといったものが見込める。と書かれている。
また、花別の効果一覧が載っているが、浅茅が悩まされているような不眠症の類や精神不安を引き起こすような香りを持つ花は記載されていない。


<見知らぬ花>
前項を終了した際に、時間を夜にして探索者を解散させること。
家に帰宅し、睡眠を取る探索者がいれば、夢を見る。

*白い靄がかかったような視界。夢だとなんとなくわかるのにどこからか薫って来る甘いこの香り。
花、というには青臭さもない、甘すぎて、頭がおかしくなるようなそれに鼻をつまんでも、その香りは容赦なく襲ってくる。
眉を顰めて辺りを見回せば、黄土色の地面に伝う美しい蔦。それに視線を這わせていくと出逢える水辺に根付く球根のようなそれ。
赤い萼から伸びる何かは少しずつ真珠のような白を宿している。やがて頂点を見据える時には、酷く驚くことだろう。
一言で言うならば花の精か。美しい均整の取れた身体を持った人型がゆったりと微笑みかけたからだ。赤い萼に足を取られたその精は動かない。
その白い身体を包み込む花びらは青白く風にたゆたう。
いつの間にか酷くおかしいとも思えた香りは薄らいで、心を高揚させるような、恍惚とする甘さに変わっている。
水は煌めいて、辺りは緑に包まれるなかその花の精が必死に手を伸ばしてきた。
求められているのだろうか……。(1/1d6)

夢見の悪い朝を迎えて…誰か一人に浅茅から電話が来る。応答しても音などは聞こえてこないが、どさり、と倒れる音が聞こえるだろう。(0/1)


<命削りの芳香>
浅茅の家に行けば、玄関は鍵がかかっている。庭などに回りこめば窓が開いているかもしれない。
そこから上がり込み、浅茅の部屋に行けば、うつ伏せに倒れている姿を見つけることが出来るだろう。
目星などをせずとも顔色は悪く、呼吸が浅いことに気付く。呼吸が少しずつ弱くなっていくのを見れば、明らかに危険な状態だと言うことを察するだろう。
探索者が駆けつけて<医学>などを施した場合、呼吸は安定するが、意識を取り戻すことはない。(医学、応急手当は数回許可すること)
浅茅の部屋の中は香りに満ちていて、昨夜の夢を思い出すだろう。(0/1)

◇浅茅の部屋
ベッド、机、本棚、箪笥、クローゼットと家具が多く存在し、少し広めだ。
全体に<目星>:香りの元になるものは見受けられない。
    <聞き耳>:机の方に強い香りを感じる。
机に<目星>:引き出しの中から眼鏡ケースを見つける。
本棚に<図書館>:専門である精神に関連する書物が多い。医学系も少しある。こちらからも強い香りがしている。
    <聞き耳>:とある本から香りがしていることに気付く。
本に<目星>:かなりの頻度で持ち出されているようで、擦れたような跡と付箋がたくさんある。

○眼鏡ケース
浅茅は特別目が悪いわけではないが、何か事務的なことをする際などには眼鏡を着用することを友人である探索者は知っている。
<目星>に成功すると、眼鏡、眼鏡拭きの下にあるクッションに少し膨らみができていることに気付く。
この下だ。クッションを取り外すと、セロハンテープで固定された黒い小さな石を見つけることが出来る。香りはここからだ。

○本
分厚い本だ。かなりの頻度で持ち出されているそれを見覚えがあるかもしれない。浅茅が講義などで参考資料としてよく使用しているものだ。
<目星>成功により、分厚い本の下側の表紙と裏表紙に挟まれ、背表紙で固定されて浮いている頁の僅かな隙間に、本当に小さな石がガムテープだろうか。
固定されているのを見つける。これからも香りは強く発せられている。

その石を捨てるなりなんなりすると香りが薄らいでいく。だが窓を開けたりしてもその香りはまだ強いと言えるほど居座り続けていて、解決には程遠いことを察するだろう。


<石の花を砕く>
探索に成功していれば、探索者たちは石動静の持つ石が原因だとはっきり認識しているだろう。
住所も知っている彼らが行くのはおのずと彼女の家だろう。
インターフォンを押しても応答はないが、<聞き耳>に成功すると何か音が聞こえて、行動を起こしていることに気づく。
<アイデア>でリビングと庭がすぐ傍で、庭の向こうには山が見えていたこと、塀を越えるにちょうどいいだろう木が根付いていることを思い出す。
庭に回りこめば、ちょうど彼女が塀の向こうに消えたところだった。
(今朝の時点で部屋に侵入されたことに気づいている)
母親の姿はない。誰に言われることもなく跡を追うことが出来るだろう。

山の中追いかける。思ったより少女は素早く山の中を駆けていくが、やがて逃げ道を失っていく。
静は錯乱していて手に石の花を握りしめながら、その香りで精神攻撃を仕掛けてくるだろう。

石動 静 HP10 MP13 CON10 DEX12
石の花の香り POW18との対抗ロール。失敗した場合、MPに1d3のダメージ
回避 24% パンチ 50%

彼女から石を奪う、気絶させるなどに成功し、石を叩きつければ呆気なくその花は砕け散る。
そうされてしまえば、香りは一瞬にして風に流されて露と消えるだろう。
だが、砕け散る石から何か悲鳴のようなものが聞こえ、探索者を恨めしく呪うようなそれに身震いすることになるはずだ。(1/1d3)
そのあと残った錯乱した少女をどうするかは探索者次第であるが、その後意識を取り戻す浅茅に問われた時に偽りなく伝えられる方が、後腐れもないだろう。


<香りの行方>
ED分岐点。

BE→浅茅に対し<医学>、<応急手当>といった手当てをしなかった、技能失敗し、呼吸を安定させていなかった場合。
静を追いかけている間に、呼吸不全により浅茅が死亡する。

NE→石の花を破壊するも、小石二つのうち、どちらか一個を取り除き損ねた場合。
浅茅が香りによる幻惑に落ち、睡眠中の呼吸障害により死亡。

TE→浅茅の部屋から小石二つを取り除いた上、静の持つ石の花を砕いた場合。
浅茅の睡眠中の呼吸障害が改善する。


<生還に関して>
BE
浅茅死亡に対するSANチェック:1/1d8

NE
浅茅死亡に対するSANチェック:1/1d8
小石一個を取り除いた:1d3

GE
石の花破壊:1d6
小石二つの除去:1d3+1


備考
NPCが死亡しやすいシナリオだが、PCロストはまずない。そのため初心者でも当たりやすくはあると思われる。KPにはある程度のアドリブ力などが必要になる。

静という少女は浅茅に惚れているが、少し歪んでいるため、たまたま拾ったといえど睡眠呼吸障害を起こすこのような石の花を使用している。
ヤンデレというやつである。他の奴見るくらいなら殺るタイプ。だが、石の花の香りとのPOW対抗に負けているとも言えるため、一存に静のせいとは言えない。KPに判断を任せる。

またシナリオ終盤、シナリオ二日目において浅茅が倒れるのは、香りに誘発されてではあるが極度の睡眠不足が原因である。
香り自体が原因ではなく、身体的な問題であるため、何かしら処置をしなければ石を砕くまで浅茅は持たない。BE分岐はこれが主な理由である。

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