シナリオ：化けの皮
最終更新：ID:siKjTSQZwA 2017年02月07日(火) 17:59:12履歴
概要 
製作：哀咲
プレイ時間：テキストオンセ6、7時間ほど
傾向：HO付、クローズド。
使用に関して：改変、リプレイ等公開自由。制作者もしくはwikiのURLを明記してください。
プレイ時間：テキストオンセ6、7時間ほど
傾向：HO付、クローズド。
使用に関して：改変、リプレイ等公開自由。制作者もしくはwikiのURLを明記してください。
シナリオ
＜あらすじ＞
大学のオープンキャンパスのアルバイトに来ている。前日の今日は、準備のために皆で集まっていた。
教授の指示のもと、準備を進めていくにつれて、足りない荷物を取りに行かねばならなくなった。
少し面倒に思いながらも足取りは軽やかに、探索者たちはその荷物を取りに行くだろう。
＜キャラシについて＞
ハンドアウト制である。人数に合わせてランダムで選出、他のPLに受け取ったハンドアウトの内容を明かさないように指示し、
新規作成もしくはそれに該当する既存探索者を出して貰うことになる。
推奨技能：探索三種
準推奨（振ることがある、使いどころがある）
：回避、歴史、オカルト、医学、生物学、地質学、化学、博物学
＜舞台＞
日本：大学キャンパス内
＜推奨人数＞
四人
○ハンドアウト
� ‖膤愆愀玄圈奮慇検�教授講師など） 二名。
一般人である。何も前情報もなく、巻き込まれるだけのPC。生還することのみが目的となる。
�◆．�カルト趣味 一名。
�，稜廟犬如▲�カルトに興味を持っている、所謂変人かもしれない。都市伝説などを良く知っている。
職業は�，汎瑛諭�<オカルト>技能をある程度取ること。
生還、あわよくば今回の現象の証拠品などを持ち帰ることができれば、素晴らしいことである。
�� 狂信者 一名。
とある教団の信者であり、今回の事象ことをある程度は知っている。事象を観測しつつ、要である「本」を持ち帰るよう厳命を受けている。
また、それを一般人に悟られないようにすることは当然のことである。……もしこちら側に近い者がいるなら、引きこんでも構わない。
<オカルト>やその他推奨技能は各種あるだけ良いだろう。
＜各種品目＞
『本』：��が探しているもの。いくつかの呪文が載っている魔導書であり、教団の所持品である。
今回の事象の要となっており、今回の事象のテストに使われているのを回収してくることが��の目的の一つである。ラテン語のため、大抵の人間は読むことができないはずだ。
『皮』：シナリオ中何度か手に入れるタイミングがあるだろう。呪文の副産物ともいえる。�△�これを回収して生還した場合、�△量榲�達成となるだろう。
『鈴』：シナリオ中に使用される鍵である。これも上記『皮』と同様、事象の副産物といえ、�△�回収すれば、貴重な経験の証になる。
＜友好＞
なし
＜敵対＞
（呪文で擬態した状態）食屍鬼：ルールブックp180
＜その他事項＞
上記のハンドアウトに従うため、SANチェックの数値が変わる場合がある。そのためチェックは各自秘匿で行う。
また、ハンドアウトに関わる技能行使なども同様に秘匿する。
また、ハンドアウトごとに前情報の有無、情報の発生量が異なるため注意が必要である。
＜穏やかなキャンパス＞
探索者たちは大学のオープンキャンパスのアルバイトに来ている。今日は前日で、オープンキャンパスの準備のためである。
責任者の教授の下、朝から準備を進めていて、あらかた下準備は終わり、次は資料や会場案内などの準備に入ろうとしている。
教授が「必要な品物が学生課に置いてあるんだ、取りに行って貰えないか」と探索者たちに声をかけた。
この人数が必要なほどの荷物、まあ、仕方もないだろうと皆で揃って会場となる四号館を出て、学生課のある三号館へ向かっていく。
その道すがら、ふらりと猫が現れる。珍しいことに通り過ぎるわけでも、こちらに気づいて逃げ出して行くわけでもなく、ただ探索者をじっ、と見つめるだろう。
ふと。探索者は我に帰ったように目を瞬く。そうして、周囲が静寂に包まれていることに気づくだろう。
人影は消え、目の前の猫はそれを見越したように、踊るような身のこなしで、姿を消してしまった。�´◆А�1/1d2）��：(0/1)
＜不穏に転がる＞
空は急激に赤く染まって行っている。何か、こう、言い表せぬ不安が心を過る。大学という人の多い場所にしては静寂を保っていて、森のようだと思う。
探索者たちはとりあえず、当初の目的である学生課のある三号館へ辿りついた。
�´◆Х�物の窓の向こうに人影があることに気づく。
��：事が始まったら、学生課へと指示を受けている。
学生課は三号館の一階にある。建物に入ることになるだろう。
○学生課（三号館一階）
窓から見えた人影は確かに人であったとまず安堵するかもしれない。入ればいつも通りの笑顔を見れるだろう。
��：この人々が、事の中心であるモノであると察している。警戒する。
<目星>：人々の動きが少し鈍いことに気づく。
<聞き耳>：いつも通り、人は多いが、大半はデスクに向かっている。そのため静かだ。
受付の女性に荷物のことを申し出ると、頷きを返し、その場全員が荷物を取りに行くと奥の扉へと消えて行く。周囲探索が可能になる。
□受付
ソファ、資料棚、カウンターなどが配置され、各相談ごとに応じて振り分けがされている。奥に扉があり、全員がそこに消えて行った。
◇資料棚
大学パンフレットや、博物館などのパンフレットなどが段ごとに綺麗に置いてある。
<目星>：メモを見つける。
<図書館>：何かの宗教団体らしいもののパンフレットを見つける。
・メモ
表には「二号館」 裏には「皮をかぶっている」と書いてある。
・パンフレット
�´◆Ц媚興�いものだなと思う。
��：自身の所属している教団のパンフレットだ。普段こういった場所には置いていないはずである。
追って<目星・秘匿>をすることで「開始する」という走り書きを見つけることができる。
◇カウンター
受付カウンター。いくつかに区切られている。
<目星>：多数の書面、ファイルが見受けられるが、どれもとても読めるとは言えない雑多な文字らしき線が走るだけである。
言いようのない不安が再び顔を見せる。(0/1)
＜始まる事象＞
奥のドアががたん、と鳴った。段ボールを抱えた職員が出て来て、探索者にその荷物を手渡してくれる。礼を言って、探索者はそれを受け取るだろう。
ふと段ボールの上が開いているな、と探索者のうちの一人が思う。
その開いた隙間から見えるのは、目の光だ。びくりと身体を跳ねさせてしまうと、段ボールが隙間を大きくする。
そこにいたのは猫だった。真黒な毛並の、燃えるような瞳を持った猫は真っ直ぐ見詰めてくる。(0/1)
その他の段ボールには雑多なものが詰め込まれているだけだ。
「猫」、そう言葉を発するだろう探索者。
その耳に入ってくる、ピキ、という罅が入るような音。その音に顔を上げれば、丁度猫の入った段ボールを手渡してくれた女性職員と目が合うだろう。
穏やかな笑みが、にたりとしたものに変わって行き…やがて、唇は大きく上下に割れた。鋭い牙が覗き、存在を主張する。人の顔はあっさりと崩れて、どこか犬染みたその顔付きのソレらは、牙を容赦なく剥いた。
�´�(1/1d4)、��(1/1d3)
→猫の段ボールを所持している探索者
<回避>。失敗した場合は1d3のダメージを負う。
この時点でとにかく探索者は逃げることを考えるだろう。
逃げる方向は二号館などの方面しかない。
・段ボール
雑多なものが入っている。大学パンフレット、チラシや飾り付け用のアレソレまで。<投擲>などに使えば1d6。
・猫入り
猫が入っているだけで、中身に変化はない。投げたりすると上記と同様。
＜縺れる足で逃げた先＞
必死に逃げた先は、最初の四号館である。一階がホールになっていて、二階は大講堂となっており、大人数の講義やガイダンスなどでよく使われている。
一階はすでに準備した長テーブルやパイプ椅子が置かれている。ただ、人の姿は無く、もちろん探索者に荷物を頼んだ教授の姿もない。
少し落ちつきを取り戻す探索者、ここから本格的な行動が可能となる。
◇黒毛の猫
黒毛赤目の段ボールに入っていた猫。大人しく、探索者について回る。よほどのことがない限り、行方知れずにはならない。余り鳴かない。
<目星>
�´◆у採錣別喨造伴麥悄�誰かの飼い猫だろうと思う。
��：首輪を良く見ると教団の刻印がされている。教団の所有物だ。
<生物学>：見た目だけなら現存する種類に思える、が、その種に黒毛はいただろうか。
<オカルト>：猫は吉兆でも不吉でもあることを知っている。また黒猫はイメージも相まって、その傾向が強いと感じているだろう。
◇一階ホール
現在、明日のオープンキャンパスのため、長テーブルやパイプ椅子が準備されている。広いため、二階ほどではないが大人数が収容可能、昼休みには大変賑わう。
窓が大きく明るい空間。奥には階段とエレベーターがある。
しばらくすると猫が駆けて、探索者の横をすり抜けていく。
追いかけた場合、下記に続く。追いかけない場合、当項最後。
→追いかける
猫は奥の階段を駆け上る。それを追いかけ、探索者たちも階段を上ることになるだろう。生憎、エレベーターはボタンを押しても反応を示さない。
上は薄暗く、足元が確かでない。それでも追いかければ、二階の廊下に出る。大講堂の扉が僅かに開いている。猫はそこから滑りこんだのかもしれない。
入る場合は下記。入らない場合は当項最後。
→入る場合 四号館二階大講堂
薄暗い大講堂。足を踏み入れるとうっすらとした冷気が襲ってくる。身震いをしながらも探索者はその薄闇の中に人の影を見る。
たたずんでいたその影は、ふと振り返った。何処かで見た顔をしている。きっとこの大学の何処かですれ違ったりしたのだろう……。
僅かな間に、変化が起こるのを見逃しはできない。
溶けるように、古くなった皮を脱ぎ捨てるように、顔の皮がずるりと剥がれ落ちた。再び覗いた犬のようなかたちと、その牙に探索者は肝を冷やす。
……猫の鳴き声がした。
黒猫が飛びかかった。人だったモノの額に爪を立てている。金切り声が辺りに木霊する。悲鳴だと気付くのに、少し、時間がかかった。
猫の爪が引っ掛かり、皮が、ずるずるとめくれていく。時折、びり、というような音も耳に投げかけられる。壮絶であった。
やがて、耐えきれなくなった皮が顔から離れ、猫は何事もなかったかのように床に降り立った。爪に引っ掛かったままの皮を、嫌がるように暴れる。
皮を剥がれたソレは、声を失い、ゆっくりと後ろに倒れ、それから動く気配はなかった。(1/1d6)
○皮の向けた人らしきモノ
動かない。どうやら死んだらしい。倒れたのは先程なのに、もうすでに身体が冷え切っている。元々生きているものではないかのように。
口から牙が覗いている。犬歯らしきそれは人間のものと比べるまでもなく鋭く大きい。爪も伸びていて、その様はどこかの肉食動物を思い起こさせる。
少し、背が曲がっている。(1/1d3)
<生物学>：人間と似ているが、骨格や皮の手触りに違和感を覚える。
<医学>：皮の剥けた顔を診るが、人間にしては鼻が突き出ている。耳も僅かにとがっているようで、牙や爪の硬質の度合いも人間ではないと思うに十分である。(0/1)
<目星>：猫が剥がす前に剥がれ落ちた「皮」を見つける。
・「皮」
�△量榲�物となり得るものの一つ。
<生物学>：生物の皮ではない。
<医学>：人間のものや、人工皮膚とはまた違うだろう。
<博物学>：ゴムに似た何かだと思う。
→追いかけない、入らない場合
そのまま自由行動となる。この場合、猫は特定イベントまで帰って来ない。
＜静寂と化けの皮＞
自由行動開始になる。探索有の場所のみ表記する。
・四号館一階
・保健室
・食堂
・図書館
・二号館
□四号館
すでに探索が済んでいるであろう場所である。が、二階でソレが倒された以上、ここには何も起こらない。猫を追いかけなかった場合も同様。安全地帯となる。
だが、イベント後の四号館内部でファンブルすると、化物に察知され、化物たちがガラスをべしべしと叩き始める。
ここで猫の鈴を使った場合、化物は呻いて、やがてべりべりっと耳障りな音と共に皮が剥がれ落ち、絶命する。（1/1d6）
□保健室
鍵が開いていて利用できる。安全地帯。ここで処置する場合、<医学>+10、<応急手当>+15、<精神分析>+5でそれぞれ振ることができる。
□食堂
鍵がかかっていて、入れそうにはない。外から回り込もうとしても同様に入れない。
だが、ガラス戸から食堂いっぱいに"化物"がいて、うろついているのを目にしてしまう。(1/1d3)
□図書館
大学に相応しく、建物一つが全て図書館である。四階建てだ。猫は上手く探索者の足元に、影に隠れて付いて来る。
貸出返却のための受付カウンターには人影がある。身構えながらも入って行けば、特に最初は何もなく通ることができる。
一階には自習のためのテーブルと、辞書や事典が多く並ぶ。
二階には政治経済、歴史などの本が並ぶ。
三階には化学、医学、数学などの本が並び、
四階には言語や大型本、小説などが並ぶ。
○四階
<目星>+<図書館>の組み合わせロールに成功すると、赤黒い革で装丁された「本」を見つけることができる。他の階では何も見つからない。
・「本」
��の目的である本。赤黒い表紙には何も記されていない。内容はラテン語のため、早々読むことはできないだろう。
中身は「ネクロノミコン」「エイボンの書」などの個人複製簡略化版のようなものである。神話+5が付与。(1d3/1d8)
��はこれを見つけた瞬間に、それが厳命された回収物であると気付ける。
→「本」を入手後、一階に戻る。
受付にいた数人がふらりと立ちあがる。来た、と探索者は思うだろう。徐に手を上げたと思えば、己の顔の皮を掴み、ずるりと剥いた。蜜柑か何かのように気軽に。
自らの本性を晒すのを悦ぶように。
�´�(1/1d3)、��(0/1d3)
この場で即逃走すれば戦闘処理せずに終わる。何かしらのせいでもたついた場合は、戦闘処理にする。
敵ステータスはルールブック「食屍鬼」を使用する。
□二号館
通常の講義棟である。他の建物と同じく四階建て、ほとんどが教室である。一階にだけ、教室のほか、相談室などの学生サポートの個室があり、簡易的なロビーが設置されている。
○一階ロビー
簡易的だが、ソファとテーブルがいくつかセットで置かれている。端を見れば、棚にコーヒーメーカーが置かれている。また、雑誌棚がある。
◇ソファとテーブル
<目星>：メモがソファに挟まっていることに気づく。
◇雑誌棚
<目星>：学生課にあったのと同じ宗教団体のパンフレットを見つける。
��：奥付に走り書きが残されている。（�´△�<目星>などで見つけられる）
・ソファのメモ
表「猫は我々の鍵である」裏「鈴の音は不吉の音」とそれぞれ書かれている。
・奥付の走り書き
「鈴付きの猫は確保して出口に向かうように」
○二階から四階までの階段
<目星>：猫らしき影が通りすぎる。
<聞き耳>：どこからか鈴の音が聞こえる。
上記で猫の気配を感じ、追いかける場合は自動的に四階に辿りつく。
○四階廊下
追いかけた先にいるのは白い毛並と青い目の美しい猫である。大きな鈴が首元で揺れる。黒猫が駆けて行き、白猫に頬を擦りつける。また、黒猫と逸れていた場合、ここで合流できる。
<目星>：猫の首元で大きな鈴が揺れている。銀色をしていて、音が軽やかで心地よい。
→鈴に対し
<地質学>、<化学>、<博物学>など：材質が銀であると気付く
→銀であることに対し
<歴史>、<オカルト>など：銀は毒に反応する。そして魔よけとされていることもあると思い出す。
白猫も黒猫と同様、大人しく後を付いて来る。抱かれても騒いだり暴れることもしない。
猫二匹を連れて降りて行くと、階下に"化物"が大量に溢れているのが見える。呆然としているうちに、白猫の鈴が鳴るだろう。
その音が軽やかに転がって行く。……どさり、どさりという音が輪唱してくる。
化物どもが、鈴の音を耳にした途端に倒れて行ったらしい。近付いても起き上がる気配はなく、顔の皮が剥がれ落ちて絶命している。(0/1d3)
<アイデア>でこいつらを相手取った際の鈴は、即死・瀕死の武器なのかもしれないと思うだろう。
○死体
<目星>：いくつかの死体がメモを握っている。
「帰り道は校門」「猫は抱えて愛でるべし」「猫は愛を知る」「鈴が鍵」とそれぞれ書かれているだろう。
＜鈴の音とともに＞
死体のメモで帰り道を把握した探索者はその通りにするだろう。
今まで大人しかった猫が騒ぎだし、途端に駆け出して行く。ふと眼をやれば、一号館から化物が溢れだしているのだ。(1/1d3)
ざっと見だけでも現状20体はいる。闘うなどという選択肢は危険であると探索者は察する。
猫は真っ直ぐ校門へと向かっている。
この状況で探索者が取れる行動は以下の三点だろうか。
・猫を追いかける、捕まえる→DEX16対抗
・校門へ走る→DEX*5を二回。上記選択後なら一回。
・他場所へ逃げる→逃げることはできるが、校門が包囲されてしまう。何らかの手段を見つけない限りは、校門を抜けることはできないだろう。
また、猫を失う可能性が高い。この際の処理をどうするかはKP判断による。
また、��はこの状況に対し、�´△魑樟靴箸靴討盥修錣覆ぁ�
以下、結果により各分岐へと分かれる。
・猫二匹を追いかける、もしくは捕まえて校門へ抜けた場合：A
・猫を放置（囮にするなどした場合のこと）、鈴のみ確保し、校門へ抜けた場合：B
・白猫のみ確保するなどし、校門へ抜けた場合：C
・黒猫のみ確保するなどし、校門へ抜けた場合：D
・猫、鈴ともに放置し、校門へ抜けた場合：E
＜吉兆の導き＞
ED分岐結果を記載する。
END A
白に包まれた視界。ざわめく周囲。その音に目をあけ、眩しさに細める。幾度かの瞬きで慣れた目が捉えるのは、腕の中の段ボール。
僅かな隙間の開いたそれから、黒猫と白猫がそれぞれ飛び出してきた。白猫の大きな鈴がちりんと軽やかな音色を響かせた。
猫は踊る様に寄り添いながら草むらへと身を投げていく。
人の戻った大学。いつもの光景。段ボールを抱え直して、探索者はふうっと息を吐いた。
夢だったのかもしれない。酷い夢だ。
まあそれならいいだろう。
さて、明日の準備が残っているんだ。急ごう。
探索者はそうして平穏へと戻って行く。
END B
白に包まれた視界。ざわめく周囲。その音に目をあけ、眩しさに細める。幾度かの瞬きで慣れた目が捉えるのは、腕の中の段ボール。
僅かな隙間の開いたそれから、ころりと銀色の大きな鈴が零れ落ちた。
あの軽やかではなく、鈍い響きを残す。
背筋が凍った。それでも、夢だったのかもしれないことに気を取られてはいられない。
戻ろう、明日の準備が残っているんだ。
そうして探索者は戻って行く。不気味な感触を背に抱えて。
END C
白に包まれた視界。ざわめく周囲。その音に目をあけ、眩しさに細める。幾度かの瞬きで慣れた目が捉えるのは、腕の中の段ボール。
僅かな隙間の開いたそれから、白猫が飛び出してきた。白猫の大きな鈴がちりんと軽やかな音色を響かせた。
けれども白猫は辺りを探し、寂しそうな鳴き声を上げる。時折不安そうに、困ったように探索者を見上げる。
悪い夢を見た。そう思うしかない。
探索者は白い猫を無視して、段ボールを抱え直した。
ふと、違和感を感じて段ボールを覗きこむ。
沢山の雑貨の中。
黒い軆が骸となって横たわっていた。
END D
白に包まれた視界。ざわめく周囲。その音に目をあけ、眩しさに細める。幾度かの瞬きで慣れた目が捉えるのは、腕の中の段ボール。
僅かな隙間の開いたそれから、黒猫が飛び出してきた。
辺りを見回して……猫は鳴いた。
瞬間、視界が暗転した。どこかで何かが倒れる音がした、たぶん自分自身。
少しずつ、重みに引かれるように、意識が遠のいて来る。
猫の鳴き声がした。
白猫の、鈴の音が鈍く。鈍く、聴覚を支配して止まなかった。
ちりん、ちりん、ちりん、ちりん……続く鈴の音にようやく目を開く。
ちりん、ちりん、ちりん、ちりん……体を起こす。
ちりん、ちりん、ちりん、ちりん……白猫が恨めしい目をして
そこにいる。
END E
白に包まれた視界。ざわめく周囲。
目は開かない。ただ、瞼の向こうの光を認識するだけだ。体が重い、動かない、重い、猫の鳴き声が聞こえてくる。ちりん、ちりん、ちりん、ちりん。
白猫の、鈴の音が鈍く。鈍く、聴覚を支配して止まなかった。
どうしてだか、少しずつ心地よくさえ思えて来て、ちりん、ちりん、ちりん、ちりん……猫の声が重なる。
少しずつ近付いて来る。
どうしてだか怖い、怖い。もう来る。もう来てしまう。けれども体は動かないのだ。
分かっているはずだ。
猫を見捨てたことの見返りを。
ちりん、ちりん、ちりん、ちりん……。
それが最後の音である。
＜ED報酬に関して＞
各種ENDの報酬を記載する。
また目的達成の報酬は
�¬榲�達成：オカルト+1d3 1d3+回収数のSAN
�Ｌ榲�達成：1d3、神話+3
で固定である。
END A
生還：1d6
二匹：1d3+1
銀の鈴：1d3
END B
生還：1d6
銀の鈴：1d3
END C
生還：1d6
黒猫の骸：-1d3
銀の鈴：1d3
END D
生還：1d6
不定発狂に陥る。
END E
ロスト。
＜その他＞
とにかく鈴を持っているかいないかが重要である。
黒猫は最初の入口の鍵役、白猫は出口の鍵役という設定と思えばいいだろうか。
�´△紡个鍬�の難易度が上がっていると予測できるので、PLの技量を鑑みたKPの調整を求む。
化物の「擬態」は呪文を持って行われているが、皮を一度剥いだ後再び剥ぐと即死と言う謎のマイナス要素がついてしまっている。
一度目の皮は被りものだが、二度目の皮は本物、つまり化物自身のもの。
皮を剥いで即死とか有り得ない……呪文で皮への依存度が上がったとかそんなところで。
HOの次第でPvPに直接的になるわけではないので、KPの練習としてもよいかと。
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