最終更新:ID:6AT5Mo2BFQ 2020年03月14日(土) 09:35:24履歴
No.387 エンジン・サマー
はるかな未来。機械文明は崩壊し、さまざまな遺物のなかで、独自の文化が発達した世界。少年“しゃべる灯心草”は、みずからの旅の顛末を語りはじめる。
聖人になろうとさまよった日々、“一日一度”と呼ばれた少女との触れあい、“ドクター・ブーツのリスト”との暮らし、そして巨大な猫との出会い―そこからじょじょに浮かびあがってくる、あざやかな世界。
彼の物語は、クリスタルの切子面に記録されていく…いまも比類ない美しさを放つ、ジョン・クロウリーの幻想文学の名作。(「BOOK」データベースより)
聖人になろうとさまよった日々、“一日一度”と呼ばれた少女との触れあい、“ドクター・ブーツのリスト”との暮らし、そして巨大な猫との出会い―そこからじょじょに浮かびあがってくる、あざやかな世界。
彼の物語は、クリスタルの切子面に記録されていく…いまも比類ない美しさを放つ、ジョン・クロウリーの幻想文学の名作。(「BOOK」データベースより)
ジョン・クロウリーの名を決定的に知らしめた名作ファンタジー。日本でも人気が高く2008年に文庫本として再版されるほど。
とても美しく牧歌的な世界観と叙情的な文体が特徴で、主人公の少年ラッシュが片思いの少女ワンスアデイを追い続ける切ない青春小説としての面もある。
ここで重大なネタバレをするが、この部分こそがこの小説の特殊性・実験性と言えるので解説する。
物語のラストにラッシュは水晶に自分の記憶を転写するが、実は今までこの物語を語っていたのは主人公のラッシュではなく、水晶に転写されたラッシュの記憶を体験している別の人間であることが判明する。
つまりワンスワデイに対する恋心など今まで経験してきた内容はただの虚構・フィクションでしかなった。
もちろんこの小説自体もフィクションだが、その中にさらに物語を入れることで、二重の喪失を感じさせるような印象的な最後を作り出している。
とても美しく牧歌的な世界観と叙情的な文体が特徴で、主人公の少年ラッシュが片思いの少女ワンスアデイを追い続ける切ない青春小説としての面もある。
ここで重大なネタバレをするが、この部分こそがこの小説の特殊性・実験性と言えるので解説する。
物語のラストにラッシュは水晶に自分の記憶を転写するが、実は今までこの物語を語っていたのは主人公のラッシュではなく、水晶に転写されたラッシュの記憶を体験している別の人間であることが判明する。
つまりワンスワデイに対する恋心など今まで経験してきた内容はただの虚構・フィクションでしかなった。
もちろんこの小説自体もフィクションだが、その中にさらに物語を入れることで、二重の喪失を感じさせるような印象的な最後を作り出している。
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