No.412 ヴァリス
友人グロリアの自殺をきっかけにして、作家ホースラヴァー・ファットの日常は狂い始める。麻薬におぼれ、孤独に落ち込むファットは、ピンク色の光線を脳内に照射され、ある重要な情報を知った。
それを神の啓示と捉えた彼は、日誌に記録し友人らと神学談義に耽るようになる。さらに自らの妄想と一致する謎めいた映画『ヴァリス』に出会ったファットは…。ディック自身の神秘体験をもとに書かれた最大の問題作(「BOOK」データベースより)
それを神の啓示と捉えた彼は、日誌に記録し友人らと神学談義に耽るようになる。さらに自らの妄想と一致する謎めいた映画『ヴァリス』に出会ったファットは…。ディック自身の神秘体験をもとに書かれた最大の問題作(「BOOK」データベースより)
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』等で知られるアメリカのSF作家フィリップ・K・ディックのSF小説。
原題『VALIS』は、"Vast Active Living Intelligence System"(巨大にして能動的な生ける情報システム)の頭文字を並べたもの。
この小説は作者自身が体験した神秘思想を基にしており、キリスト教神秘主義やグノーシス主義をモチーフとした作者独自の神学・哲学要素が盛り込まれている。
サイケデリックな小説が多いディックの作品の中でもとびきりオカルト要素が強く、その難解な作風もあってカルト的な人気を集めた。
同じく神秘体験を元にした続編の小説『聖なる侵入』と『ティモシー・アーチャーの転生』があり、この三作を合わせて「ヴァリス三部作」と呼ばれている。
なお『聖なる侵入』と『ティモシー・アーチャーの転生』は、本作に比べれれば難解さが薄れストーリーは分かりやすい。
余談だが2014年に山形浩生による新訳版が発売されていて、こちらは旧訳に比べると文体がくだけており読みやすくなっている。こっちの方が原文に沿った翻訳の仕方だったようだ。
ただ旧訳版の方が衒学的・オカルト的なので、奇書としての度合いでいうなら旧訳版の方が上かもしれない。
原題『VALIS』は、"Vast Active Living Intelligence System"(巨大にして能動的な生ける情報システム)の頭文字を並べたもの。
この小説は作者自身が体験した神秘思想を基にしており、キリスト教神秘主義やグノーシス主義をモチーフとした作者独自の神学・哲学要素が盛り込まれている。
サイケデリックな小説が多いディックの作品の中でもとびきりオカルト要素が強く、その難解な作風もあってカルト的な人気を集めた。
同じく神秘体験を元にした続編の小説『聖なる侵入』と『ティモシー・アーチャーの転生』があり、この三作を合わせて「ヴァリス三部作」と呼ばれている。
なお『聖なる侵入』と『ティモシー・アーチャーの転生』は、本作に比べれれば難解さが薄れストーリーは分かりやすい。
余談だが2014年に山形浩生による新訳版が発売されていて、こちらは旧訳に比べると文体がくだけており読みやすくなっている。こっちの方が原文に沿った翻訳の仕方だったようだ。
ただ旧訳版の方が衒学的・オカルト的なので、奇書としての度合いでいうなら旧訳版の方が上かもしれない。
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