No.195 後継者たち

作品基本情報

原題

The Inheritors

作者

ウィリアム・ゴールディング

発表年

1955年

媒体

小説

原語

英語

あらすじ

遠い遠い昔のこと。冬が去り、春が来て、首長のマルに率いられた一族は、海辺から山のなかへと移動してきた。平和で平穏な季節は過ぎ去った。
そして川の向こう岸には、彼らにとってかわろうとするかのように、新たなる者たちが現われていた…
ネアンデルタール人とホモサピエンスの遭遇、軋轢、衝突、そして闘争を描いた奇想天外なる寓話。『蝿の王』の著者にしてノーベル文学賞作家が人類の原罪を描く異色傑作。(「BOOK」データベースより)

奇書性・実験性・特殊性概要

ネアンデルタール人視点による小説

特筆すべき点

『蝿の王』で有名なゴールディングによる長編小説。
旧人類であるネアンデルタール人からの視点で綴られた小説という極めて珍しい形を取っている。
ネアンデルタール人の視点から風景や社会が描かれており、ネアンデルタール人は『絵』というイメージを共有しながら生活していく。
ただしあくまでネアンデルタール人からの視点なので、現人類の我々が読むと理解不能な部分も相当多く残るはずである。
平和的なネアンデルタール人はやがて賢くて残忍な現人類と出会い彼らによって駆逐されてしまう。作者はこの小説によって現人類が持つ「原罪」をも描いている。

入手するには

ハヤカワ文庫、中央公論社より発売。

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