最終更新: fferoparo1 2011年06月22日(水) 09:34:38履歴
当然だろう、と彼は久しぶりに入った彼女の家――今日は彼女の母は留守なのだ――の暖かさに身をゆだね、それでもタークス主任としての威厳を保ったまま、問いかけてきた少女に頷いて見せた。
今日は、どうやら少女は機嫌がいいようだ。一ヶ月ほど、仲間に監視役を任せた後の久しぶりの対面だったが、少女の笑顔が見れて些か、落ち着く。
「でも、つまらなくない? それって」
プロフェッショナルだからな。
と、少女……エアリスの問いに答えつつ、出されたハーブティーを一口味わう。
「誰がどうなっても、どうしてても? 何をしても、してるときも?」
タークスだからな。
そういって、二口目。
「……誰といても、そうなの?」
プロとはそういうものさ――
「……ふぅん」
これはカモミールだったか、と乏しい知識で考えているツォンを尻目に、エアリスは顔をうつむかせ、何かを思案しているようだった。
――と、不意に立ち上がって、エアリス。にこりと微笑む。
「じゃ、試しても、いい?」
試すとは?
「いいから、ね。痛いことは、しません」
そういって君は守ったことがない、何をする気だ、と聞いたところで、悪戯好きの彼女が教えるはずはなく。
おい、君は一体、と再度問いかければ、その柳眉が見る見るうちにつり上がる。
「うるさいなー、もう。黙らないと、ねじり切っちゃうわよ」
……ねっ、ねじり切るだなんて、一体どこからそんな言葉を!
「それっ」
ツォンが混乱した一瞬の隙をついて、エアリスはどこからか用意していた縄をツォンの体に絡ませた。
抗議する間もなく、一気に、縛り上げられる。
あまりの早業、神業に、しかしツォンは感嘆してはいられない。
「はいはい、おとなしく、ね」
足まできっちり椅子に括り付けられ、身動きできないツォンの前に仁王立ち。
――そしてエアリスは、下のジッパーに手をかけた。
……?
「あー、ツォン、トランクス派」
どこか嬉々とした声に、ツォンは。
「真ん中、開けてと」
……ようやく、己の置かれてる状態を理解した。
「はいっ、ご挨拶〜」
なな、何を、君は一体、何、そんな嫁入り前の、いやそうじゃなく、君は――
「わ、意外とおっきい」
己の半身が暴かれたことに羞恥と焦りを覚えるも、当のエアリスはどこ吹く風にはしゃいでいる。
止めろ、何を、と慌てたところでエアリスは止まらない。否、止めるつもりがないのだろう。
「はいはい大人しくしてね、ホントにねじり切っちゃいますよー」
セフィのとどっちが大きいかなー、とか聞いてはいけないような言葉を聴いた瞬間、股間に熱いものを感じ、ツォンは身を震わせた。
「……あっれー?」
つい、息子が反応してしまったことに愕然とする。が、吐息を吹きかけられれば息子がいきり立つのも無理はないことだろう。
「きゃー、やだ、ツォンたら反応しちゃってる?」
跳ね上がり、頭ももたげさせる一物に視線を注いだままはしゃぐエアリスを見て、ツォンは死にたくなった。
「だっらしない。女の子にいいようにされて、感じてるわけ?」
屈辱を感じ、身じろぎするツォン。それでも体は動かぬままだ。柔腕で結ばれたはずの縄は意外と強く、強固にツォンの体を縛める。
止めるんだ、とどこか弱々しく静止したとて、エアリスは手を止めない。
「止める?」
ちらりと相手の顔を覗き込むような所作。
昔からの彼女の癖に、ツォンはどこか安堵する……も。
「止めてって、ここ、言ってない」
敏感な箇所をまさぐられ、そんな生易しい感情など一度に吹き飛んだ。
「偉そうにいってるワリに、この様? それでもタークス? 主任さん?
まだタマタマしか触ってないですよー、だ」
揶揄するように、エアリスは指に力を込め、二つの玉を弄び始める。
予想だにしなかった展開に、弛緩しきった体は大きく反応してしまう。
「これでもまだ、声、出ないんだ?」
五指全てを使い、絶妙なタッチで竿に触れ、
「どこまで我慢、できるかなー」
玉と竿の付け根をときおりコリコリと揉み解し――
「これは、どう?」
指と指の間の腹に、竿と嚢を挟んでぎゅっぎゅっと締め付ける。
その、膣に入れた時のような締まり具合があまりに良くて、ツォンは無意識に拳をにぎりしめていた。
「うふふ、ねえ、感じる? 感じてる、よね?」
柔らかかった物に血が滾り、次第に膨らんでいく様子など見たくない。
耐え難い屈辱にツォンは顔を背け――が、次の瞬間には頭の向きを無理やり変えられて、その視界が固定されてしまう。
「ちゃんと、見なさい」
己の髪をつかみ、下を向かせる乱暴な所作に、ツォンは自然と喉を鳴らした。
――エアリスの目が、猛禽のように光っている。
獲物を捕食するときの、獣の瞳だ。ツォンが今まで見たことのない、雌としての表情だ。
「こんなになってるんだもん、感じてないはずない、よね?」
お返事はどうしたのかな、と笑うエアリスと目を合わせることが出来ず、また、襲ってくる快感に耐えるためにも、ツォンは眼を強く閉じるしかない。
「あらら、悪い子」
咎めるような口ぶり。と、そこに一物から届く激しい感覚に、ツォンの喉から呼気が漏れ出る。
エアリスの指が、細い指の腹が亀頭を包みだしたのだ。
「ここ、弱いんだ、ね」
喉をそらせる自分を、どんな目でエアリスは見ているのだろう。
エアリスの指は裏筋をなぞり、玉をもみ、尿道を爪の先で円を描くようになぞっていく。一方、もう片方の手は、竿の根元をつかんで離さない。
カリ首の根元をいじられているかと思えば、そのまま裏筋を攻められる。
指でリズムをつけて弾かれる竿。玉。指で作ったリングに締め付けられる根元――
「……わっ」
と、しばらく続いた快楽が刹那、途切れた。
「あーもう、このぬるぬる、イヤなのに!」
そして耳にする怒気の混じった台詞と、紙擦れの音。
大方どこかにあったティッシュを取り、カウパーのついた手を拭いているのだろう。
「……やっぱり、感じてたわけね。タークスの主任さん?」
嫌悪と興奮を声音に感じ取り、だからこそツォンは目を瞑ったまま、耐えていた。
幼い頃から見守ってきた少女の変容は、あまりに酷い。酷いとしか、言いようがなかった。
……何故、こんなことをしだしたのだろう。何か自分は言ってしまったのか、やってしまったのか。
いや、それより、一体、いつから、どこの誰に、彼女はこんなことをしているのだろう。
――じゅるっ。
強く深く苦悩するツォンの耳に、不意に、卑猥な音が届く。
「ん、ふ……ぁ、んむ……」
――なんだ、この……音は。
ちゅむっ……くちゅ、ぢゅ、れろっぢゅぶぶぶっ……
なん、だ――
本能を刺激するかのような声音に、ツォンは唇をかむ。
「はぁ、ん、んぁぁっ……」
ぶちゅ、ぢゅるっ、ちゅばっ、
そんな、蕩けるような喘ぎと興奮させるかのような音に呼応して――そうでないと言い聞かせても――頑なに閉じていたはずの瞼が、まるで光を得ようとするかのように開かれていく。
「ふぁ、んむー……ぅ」
……そうして目に入れた少女の痴態は、あまりにいやらしいものだった。
指を男の物に見立てるように、自ら舌を這わせるエアリス。
紅潮しきった頬、緩みきった悦びの顔、とろりとこぼれる粘着質な液体――
ちゅぽ、と音を立て、エアリスの唇から指が離れる。唾液の糸が陽に輝く、その淫らな光景に、ツォンは見とれた。
「そんな最低な、だらしないツォンには」
見とれて、しまった。
「……おしおき、ね」
――ツォンのペニスが、エアリスの濡れた両手に包まれる。
びく、と亀頭が跳ね上がり、
喜びの涎を漏らす己の半身に心のうちで呪詛を呟いては見るものの、それでもその柔らかく、温かい心地に全身の力が奪われてしまう。
「うふふ、可愛い」
からかうような口ぶりで、エアリスは【おしおき】をはじめた。
時折力を込め、緩め、強弱をつけながらストローク。
指先と手の肉を巧みに操り、乱暴に、そして急に優しく――
その絶妙な指使いと力の込め方は、とても素人とは思えなかった。
――ぬちゅ、ぬちゅと水っぽい音が部屋に響く。
自分の荒い息が反響する。
カウパーが涎と混ざり、ローションのようにペニスを覆う。
時折触れる柔らかな――すべらかな白い腕の肉に挟まれて、ツォンは体の奥底からマグマのような熱さがこみ上げてくるのを感じた。
くぁ、とこらえ切れない吐息を耳にした刹那、エアリスの表情が変わる。
「気持ち、いいでしょ」
淫雑な愉悦に満ちたその顔を、ツォンは死ぬまで忘れないだろう。
雌の顔で、少女は囁く。エアリスは胸を押し付けるかのように、ツォンの耳元に唇を近づけて。
「ツォンは気持ち、いいのよね。女の子にやらしーおちんちん触られて玉をクリクリ嬲られて、腰振ってイクのよね……?」
唾液にまみれたその舌が、耳の形をなぞっていく。
腕に当たる、二つの感触。
「玉ももっといじられておちんちん胸で挟まれて、ずりずりってしてして欲しい? ムニムニ胸のお肉と乳首で先っぽいじられてぬるぬる液を出してそれにまみれたいのよね?」
エアリスの舌が淫靡な音を立てている。
ふぁ、と艶っぽい喘ぎに、確かにツォンは――強く、情欲した。
「にゅるにゅるしたのもっと、欲しいんだよ、ね。ね。ホントはもっともっと舐めてしゃぶられてジュポジュポされて舌でこねくり回されて突き上げたいんだけど手で我慢してるのよねっ」
なんて言葉だと悲鳴を上げたくなるツォンの意志とは裏腹に、ペニスはますます滾り始める。
「硬いよ、ツォンのおちんちん。硬くて熱くて、ああ、もうわたしアソコがぐちゃぐちゃだよぉ」
堅く強く張り詰めてゆく物を感じてだろう、エアリスはサディスティックな笑い声を上げた。
「想像して、ね、ホラ、中に入ってる、突き上げてるっ、私の中に入ってるの、ツォン、もっと早く強く腰振って!」
心ならずも惹かれている女の声に、男は巧みに誘導されていく。
「いい、いいの、ツォンッ、おっきいの欲しいの、奥、奥まで、出して出してお腹の奥にびゅるるるってザーメン出してぇっ」
視界に入るエアリスの淫靡な腰つき。耳に届くいやらしい喘ぎ。そして襲い掛かる、絶頂への波。
限界だった。
「それ、出しちゃえ、いっちゃえ、ほら、ほらほらほらっ!」
爆発的とも言える快楽に、ツォンが一際強く腰を突き上げた瞬間――
「……ガクガク腰振ってチンポの先からビュービューザーメン発射するのよっ!」
――卑猥な言葉に導かれるように、亀頭の先から勢いよく、白濁した卵白のような液体が飛び散った。
……荒い息が、部屋の中にこだましている。
後悔と、倦怠感と、そしてどこからか湧き上がる被虐的な快感に、ツォンはしばらくそのままの姿で放心していた。
襟元をぬらすのは、いつの間にか吹き出た汗によるものだろう。
少し身を起こし、エアリスはツォンを黙って見つめている。
それに気付きいたツォンは、わざとらしく天を仰ぎ、深いため息をついてみた。
表情は、決して大きく崩さない。できるだけ調子を整えて、いつものツォンであろうと勤める。
「……あーあ」
そんなツォンをじっくり一分は見つめた後、エアリスはようやく体を離した。
これでも声を出さないなんて、ねとエアリスは鼻で笑う。
「随分ご大層な人間ですこと」
汚らわしいものを揶揄するその声音に、ツォンは耳を塞ぎたくなった。
――その後、エアリスはあっさり拘束を解いた。
何も言わず支度を整え、ツォンは玄関へと向かう。その後を追ってくるエアリス。
自分と少女の立ち位置は昔となんら変わらないのに、少女との心の距離はあまりに遠い。
ツォンは気だるい体を押し出すように、沈黙を保ったままで玄関の扉を開いた。
「……じゃ、またね」
また? とその言葉を聞き、止まる。
その台詞を聞いた瞬間、ぎくりと――確かにぎくりとし、どこかで、ほんの一瞬、期待した自分がいる。
再度こんなことをされるのだろうか。こんなことをしようとしているのか。自分はまたいいように弄ばれるのだろうか。また彼女は自分の物を手にしてあんな淫乱がするようなことを……
「ホント、可愛くない」
とめどない妄想と期待と恐怖とに満ちた思考は、エアリスの呟きに止められる。
我に返り、一呼吸置いたツォンは、誤魔化すようにわざとらしく、乱れてもいない襟元を正した。
そして、息を、吸い。
ツォンは、エアリスを見つめた。
エアリスもツォンを、見つめた。
そこにいる少女はまぎれもなく、彼の見知った少女だった。
ツォンはそれだけを確認し、……じゃあなと何事もなかったように、踵を返し――
「ねえ、ツォン」
……何だ、といささか意識しながらも律儀に振り向く男に、エアリスは手を振りながら、笑った。
「プロフェッショナルって、最低ね」
今日は、どうやら少女は機嫌がいいようだ。一ヶ月ほど、仲間に監視役を任せた後の久しぶりの対面だったが、少女の笑顔が見れて些か、落ち着く。
「でも、つまらなくない? それって」
プロフェッショナルだからな。
と、少女……エアリスの問いに答えつつ、出されたハーブティーを一口味わう。
「誰がどうなっても、どうしてても? 何をしても、してるときも?」
タークスだからな。
そういって、二口目。
「……誰といても、そうなの?」
プロとはそういうものさ――
「……ふぅん」
これはカモミールだったか、と乏しい知識で考えているツォンを尻目に、エアリスは顔をうつむかせ、何かを思案しているようだった。
――と、不意に立ち上がって、エアリス。にこりと微笑む。
「じゃ、試しても、いい?」
試すとは?
「いいから、ね。痛いことは、しません」
そういって君は守ったことがない、何をする気だ、と聞いたところで、悪戯好きの彼女が教えるはずはなく。
おい、君は一体、と再度問いかければ、その柳眉が見る見るうちにつり上がる。
「うるさいなー、もう。黙らないと、ねじり切っちゃうわよ」
……ねっ、ねじり切るだなんて、一体どこからそんな言葉を!
「それっ」
ツォンが混乱した一瞬の隙をついて、エアリスはどこからか用意していた縄をツォンの体に絡ませた。
抗議する間もなく、一気に、縛り上げられる。
あまりの早業、神業に、しかしツォンは感嘆してはいられない。
「はいはい、おとなしく、ね」
足まできっちり椅子に括り付けられ、身動きできないツォンの前に仁王立ち。
――そしてエアリスは、下のジッパーに手をかけた。
……?
「あー、ツォン、トランクス派」
どこか嬉々とした声に、ツォンは。
「真ん中、開けてと」
……ようやく、己の置かれてる状態を理解した。
「はいっ、ご挨拶〜」
なな、何を、君は一体、何、そんな嫁入り前の、いやそうじゃなく、君は――
「わ、意外とおっきい」
己の半身が暴かれたことに羞恥と焦りを覚えるも、当のエアリスはどこ吹く風にはしゃいでいる。
止めろ、何を、と慌てたところでエアリスは止まらない。否、止めるつもりがないのだろう。
「はいはい大人しくしてね、ホントにねじり切っちゃいますよー」
セフィのとどっちが大きいかなー、とか聞いてはいけないような言葉を聴いた瞬間、股間に熱いものを感じ、ツォンは身を震わせた。
「……あっれー?」
つい、息子が反応してしまったことに愕然とする。が、吐息を吹きかけられれば息子がいきり立つのも無理はないことだろう。
「きゃー、やだ、ツォンたら反応しちゃってる?」
跳ね上がり、頭ももたげさせる一物に視線を注いだままはしゃぐエアリスを見て、ツォンは死にたくなった。
「だっらしない。女の子にいいようにされて、感じてるわけ?」
屈辱を感じ、身じろぎするツォン。それでも体は動かぬままだ。柔腕で結ばれたはずの縄は意外と強く、強固にツォンの体を縛める。
止めるんだ、とどこか弱々しく静止したとて、エアリスは手を止めない。
「止める?」
ちらりと相手の顔を覗き込むような所作。
昔からの彼女の癖に、ツォンはどこか安堵する……も。
「止めてって、ここ、言ってない」
敏感な箇所をまさぐられ、そんな生易しい感情など一度に吹き飛んだ。
「偉そうにいってるワリに、この様? それでもタークス? 主任さん?
まだタマタマしか触ってないですよー、だ」
揶揄するように、エアリスは指に力を込め、二つの玉を弄び始める。
予想だにしなかった展開に、弛緩しきった体は大きく反応してしまう。
「これでもまだ、声、出ないんだ?」
五指全てを使い、絶妙なタッチで竿に触れ、
「どこまで我慢、できるかなー」
玉と竿の付け根をときおりコリコリと揉み解し――
「これは、どう?」
指と指の間の腹に、竿と嚢を挟んでぎゅっぎゅっと締め付ける。
その、膣に入れた時のような締まり具合があまりに良くて、ツォンは無意識に拳をにぎりしめていた。
「うふふ、ねえ、感じる? 感じてる、よね?」
柔らかかった物に血が滾り、次第に膨らんでいく様子など見たくない。
耐え難い屈辱にツォンは顔を背け――が、次の瞬間には頭の向きを無理やり変えられて、その視界が固定されてしまう。
「ちゃんと、見なさい」
己の髪をつかみ、下を向かせる乱暴な所作に、ツォンは自然と喉を鳴らした。
――エアリスの目が、猛禽のように光っている。
獲物を捕食するときの、獣の瞳だ。ツォンが今まで見たことのない、雌としての表情だ。
「こんなになってるんだもん、感じてないはずない、よね?」
お返事はどうしたのかな、と笑うエアリスと目を合わせることが出来ず、また、襲ってくる快感に耐えるためにも、ツォンは眼を強く閉じるしかない。
「あらら、悪い子」
咎めるような口ぶり。と、そこに一物から届く激しい感覚に、ツォンの喉から呼気が漏れ出る。
エアリスの指が、細い指の腹が亀頭を包みだしたのだ。
「ここ、弱いんだ、ね」
喉をそらせる自分を、どんな目でエアリスは見ているのだろう。
エアリスの指は裏筋をなぞり、玉をもみ、尿道を爪の先で円を描くようになぞっていく。一方、もう片方の手は、竿の根元をつかんで離さない。
カリ首の根元をいじられているかと思えば、そのまま裏筋を攻められる。
指でリズムをつけて弾かれる竿。玉。指で作ったリングに締め付けられる根元――
「……わっ」
と、しばらく続いた快楽が刹那、途切れた。
「あーもう、このぬるぬる、イヤなのに!」
そして耳にする怒気の混じった台詞と、紙擦れの音。
大方どこかにあったティッシュを取り、カウパーのついた手を拭いているのだろう。
「……やっぱり、感じてたわけね。タークスの主任さん?」
嫌悪と興奮を声音に感じ取り、だからこそツォンは目を瞑ったまま、耐えていた。
幼い頃から見守ってきた少女の変容は、あまりに酷い。酷いとしか、言いようがなかった。
……何故、こんなことをしだしたのだろう。何か自分は言ってしまったのか、やってしまったのか。
いや、それより、一体、いつから、どこの誰に、彼女はこんなことをしているのだろう。
――じゅるっ。
強く深く苦悩するツォンの耳に、不意に、卑猥な音が届く。
「ん、ふ……ぁ、んむ……」
――なんだ、この……音は。
ちゅむっ……くちゅ、ぢゅ、れろっぢゅぶぶぶっ……
なん、だ――
本能を刺激するかのような声音に、ツォンは唇をかむ。
「はぁ、ん、んぁぁっ……」
ぶちゅ、ぢゅるっ、ちゅばっ、
そんな、蕩けるような喘ぎと興奮させるかのような音に呼応して――そうでないと言い聞かせても――頑なに閉じていたはずの瞼が、まるで光を得ようとするかのように開かれていく。
「ふぁ、んむー……ぅ」
……そうして目に入れた少女の痴態は、あまりにいやらしいものだった。
指を男の物に見立てるように、自ら舌を這わせるエアリス。
紅潮しきった頬、緩みきった悦びの顔、とろりとこぼれる粘着質な液体――
ちゅぽ、と音を立て、エアリスの唇から指が離れる。唾液の糸が陽に輝く、その淫らな光景に、ツォンは見とれた。
「そんな最低な、だらしないツォンには」
見とれて、しまった。
「……おしおき、ね」
――ツォンのペニスが、エアリスの濡れた両手に包まれる。
びく、と亀頭が跳ね上がり、
喜びの涎を漏らす己の半身に心のうちで呪詛を呟いては見るものの、それでもその柔らかく、温かい心地に全身の力が奪われてしまう。
「うふふ、可愛い」
からかうような口ぶりで、エアリスは【おしおき】をはじめた。
時折力を込め、緩め、強弱をつけながらストローク。
指先と手の肉を巧みに操り、乱暴に、そして急に優しく――
その絶妙な指使いと力の込め方は、とても素人とは思えなかった。
――ぬちゅ、ぬちゅと水っぽい音が部屋に響く。
自分の荒い息が反響する。
カウパーが涎と混ざり、ローションのようにペニスを覆う。
時折触れる柔らかな――すべらかな白い腕の肉に挟まれて、ツォンは体の奥底からマグマのような熱さがこみ上げてくるのを感じた。
くぁ、とこらえ切れない吐息を耳にした刹那、エアリスの表情が変わる。
「気持ち、いいでしょ」
淫雑な愉悦に満ちたその顔を、ツォンは死ぬまで忘れないだろう。
雌の顔で、少女は囁く。エアリスは胸を押し付けるかのように、ツォンの耳元に唇を近づけて。
「ツォンは気持ち、いいのよね。女の子にやらしーおちんちん触られて玉をクリクリ嬲られて、腰振ってイクのよね……?」
唾液にまみれたその舌が、耳の形をなぞっていく。
腕に当たる、二つの感触。
「玉ももっといじられておちんちん胸で挟まれて、ずりずりってしてして欲しい? ムニムニ胸のお肉と乳首で先っぽいじられてぬるぬる液を出してそれにまみれたいのよね?」
エアリスの舌が淫靡な音を立てている。
ふぁ、と艶っぽい喘ぎに、確かにツォンは――強く、情欲した。
「にゅるにゅるしたのもっと、欲しいんだよ、ね。ね。ホントはもっともっと舐めてしゃぶられてジュポジュポされて舌でこねくり回されて突き上げたいんだけど手で我慢してるのよねっ」
なんて言葉だと悲鳴を上げたくなるツォンの意志とは裏腹に、ペニスはますます滾り始める。
「硬いよ、ツォンのおちんちん。硬くて熱くて、ああ、もうわたしアソコがぐちゃぐちゃだよぉ」
堅く強く張り詰めてゆく物を感じてだろう、エアリスはサディスティックな笑い声を上げた。
「想像して、ね、ホラ、中に入ってる、突き上げてるっ、私の中に入ってるの、ツォン、もっと早く強く腰振って!」
心ならずも惹かれている女の声に、男は巧みに誘導されていく。
「いい、いいの、ツォンッ、おっきいの欲しいの、奥、奥まで、出して出してお腹の奥にびゅるるるってザーメン出してぇっ」
視界に入るエアリスの淫靡な腰つき。耳に届くいやらしい喘ぎ。そして襲い掛かる、絶頂への波。
限界だった。
「それ、出しちゃえ、いっちゃえ、ほら、ほらほらほらっ!」
爆発的とも言える快楽に、ツォンが一際強く腰を突き上げた瞬間――
「……ガクガク腰振ってチンポの先からビュービューザーメン発射するのよっ!」
――卑猥な言葉に導かれるように、亀頭の先から勢いよく、白濁した卵白のような液体が飛び散った。
……荒い息が、部屋の中にこだましている。
後悔と、倦怠感と、そしてどこからか湧き上がる被虐的な快感に、ツォンはしばらくそのままの姿で放心していた。
襟元をぬらすのは、いつの間にか吹き出た汗によるものだろう。
少し身を起こし、エアリスはツォンを黙って見つめている。
それに気付きいたツォンは、わざとらしく天を仰ぎ、深いため息をついてみた。
表情は、決して大きく崩さない。できるだけ調子を整えて、いつものツォンであろうと勤める。
「……あーあ」
そんなツォンをじっくり一分は見つめた後、エアリスはようやく体を離した。
これでも声を出さないなんて、ねとエアリスは鼻で笑う。
「随分ご大層な人間ですこと」
汚らわしいものを揶揄するその声音に、ツォンは耳を塞ぎたくなった。
――その後、エアリスはあっさり拘束を解いた。
何も言わず支度を整え、ツォンは玄関へと向かう。その後を追ってくるエアリス。
自分と少女の立ち位置は昔となんら変わらないのに、少女との心の距離はあまりに遠い。
ツォンは気だるい体を押し出すように、沈黙を保ったままで玄関の扉を開いた。
「……じゃ、またね」
また? とその言葉を聞き、止まる。
その台詞を聞いた瞬間、ぎくりと――確かにぎくりとし、どこかで、ほんの一瞬、期待した自分がいる。
再度こんなことをされるのだろうか。こんなことをしようとしているのか。自分はまたいいように弄ばれるのだろうか。また彼女は自分の物を手にしてあんな淫乱がするようなことを……
「ホント、可愛くない」
とめどない妄想と期待と恐怖とに満ちた思考は、エアリスの呟きに止められる。
我に返り、一呼吸置いたツォンは、誤魔化すようにわざとらしく、乱れてもいない襟元を正した。
そして、息を、吸い。
ツォンは、エアリスを見つめた。
エアリスもツォンを、見つめた。
そこにいる少女はまぎれもなく、彼の見知った少女だった。
ツォンはそれだけを確認し、……じゃあなと何事もなかったように、踵を返し――
「ねえ、ツォン」
……何だ、といささか意識しながらも律儀に振り向く男に、エアリスは手を振りながら、笑った。
「プロフェッショナルって、最低ね」
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