FFシリーズ総合エロパロスレのまとめ

 どうせ電話したってまた出ないだろうと思っていたから、出られてビックリ。んで、
「かめ道楽にいる。何か食べようと思って……」
って台詞でさらにビックリ。そんなわけで、今アタシは自宅近くの居酒屋で、ちょっと辛気臭い男と向かい合っている。
 昼間には定食を出しているこの店はアタリハズレがあって、アタシはエビフライ定食がお薦めだと言っているのに、酢豚定食を頼んで酢が強いしパイナップルが入ってるしで食べられないとか言っているけど、無視無視。
「配達屋っていうのは、各地にポスター貼って回るのは仕事じゃないような気がするんだが……頼まれてしまって……どうしたものかと……」
難しい顔をして、考えているのはそんな事かいっ? っと軽く突っ込んでやりたいとも思うけど、面倒臭いし、まぁいいか。
「報酬次第っ! 商売なんだから、儲かるかどうかで判断したら?」
アタシの的確なアドバイス、どうよ?
「……ああ」
って、そんだけかい。相変わらず、なんだなぁ……。
「わざわざ陸続きでもないウータイに仕事を執りに来ちゃったんなら、そんだけで赤字なんだから、ガンガン貼りまくってすっごい額の報酬を手に入れるべきだと! アタシは思うねっ!」
「……ああ」
打っても響かず。そんなヤツと食べる料理は、たいして美味くはない……こともないけど。ああ、やっぱりエビフライはウマい。っていうか、久しぶりに会えたことが、うれしい。
 いつからだったっけなぁ。アタシ、コイツちょっと好きかもって思ったの。足止め食らったゴールド
ソーサーで『遊びに行こ〜っ!』って言いたかったのを、エアリスに先越されちゃった時のあの気持ち。
決戦前夜にティファと一緒だったって知った時のあの気持ち。あ〜あ、アタシったら蚊帳の外ってカンジ。
「……」
そんなこと思い出したら、なんだか胸が痛かったりする。なんだか辛かったりする。
「……う〜……こんなのアタシじゃないっ!!」
自分で自分に喝っ!! 楽しくいこう、楽しく!! とりあえず、今、目の前にいるじゃん!! それで
よしっ!! んで、勢いよく立っちゃってテーブルを両手でバンッとか叩いちゃって、その拍子にウーロ
ン茶がこぼれちゃってまぁ大変。
「な……んだよ、急に」
「いやーぁ、ゴメンゴメン!」
頭を掻きながら、とりあえず謝っとけ。酢豚ウーロン茶和え定食、マズそっ。
 外は暑い。レッドの赤鼻が乾いちゃいそうなくらい暑い。酢豚ウーロン茶和え定食には
やっぱり手を付けずに店を出た。
 ウチのオヤジが元気なこと、アタシは相変わらずマテリア探ししてること、たまにシド
やリーブさんと電話で話すこと、そんな他愛のない話をしながら歩く。アタシばっかり喋
ってる。アタシだって聞きたいんだ。ティファと暮らしてるって聞いたんだ、どうなの、
まさかケッコンッとか、色々さ。……も〜、バカみたいに太陽が照り付けてて、蝉もうる
っさいっ!!
「なのに、暑っ苦しいカンジなんだよね、その袖っ!」
左腕に付いてる長袖が黒いから暑そうで暑そうで、でもヒラヒラしてるから風通しはいい
んだろうかなんて思って、思ってる間に行動に出る素早さがアタシの専売特許ということ
で、袖を捲り上げてどんな素材なんだろうと確認してみようとして……言葉が出なくなっ
ちゃいそうだった。
「……見ちゃってゴメン……って、謝るのもヘンだよね?」
「……そうだな」
「それって……星痕……?」
「……ああ」
治らない? 治らないよね? それって罹っちゃったら、もう……ダメ……なんだよね?
そんなこと本人には聞けないよね? どうするの? どうする気なの?
「ウー……」
ウータイにも、星痕に罹ってる子供が結構いるんだよ。そう言おうとし
て、だから何だよと思って、飲み込んだ。
 アタシはガキだ。こんなとき、なにをどうすればいいのか、どう言え
ばいいのか、分からない。黙りたくない。喋ってたい。どうすればいい? 
頭が痛い……痛いよ……。
「熱中症、だそうだ」
額のタオルの冷たさで目が覚めた。アタシの乱雑な部屋の天井が見えた。
「ねっちゅうしょう?」
「歩いてて、急に倒れたんだ」
心配そうに覗き込んでくる顔を見てふと思った。そうだ、倒れるほど暑かったなら、この
眼を見てればよかったんだ。涼しそうな色の、キレイな眼。
「……ごめん……ひょっとして、ここまで運んでくれた?」
「ああ」
「太ってはいないから、そんなに重くはなかったと思うけど……ってそういう問題じゃな
いか、ははは」
「軽かったが、肉付きが足りなさ過ぎて、骨があたって痛かった」
冗談だと言いながら、ほんの少し笑顔を見せた。それを見て、なんでか自分でも解からな
いけど、腹が立った。起き上がった拍子に額のタオルが布団の上に落ちて、水分を含んだ
重い音を立てた。
「どうせ子供だよ、どうせね、ええ、色気のカケラもありゃしないってことでしょ? こ
こ一番ってときに言葉が出なくて、でもくだらない話ならベラベラ喋って、ぶっ倒れて迷
惑かけて、ええ、すいませんねぇホントに! ティファならこうじゃないもんねぇ!」
口をついて出た台詞に自分自身が驚き! 本当に自分でも何がなんだか解からない。まいっ
たなぁ、どうしたアタシッ!?
「冗談だと言っただろ? なんでそこでティファなんだ?」
なんだか少しおろおろしているように見えて、そこがまた腹立つんだ、コイツ。
「あっかんべ〜!!っだ! ふんっ!!」
って、舌出してそっぽ向いて、なにやってんだアタシッ?! ふたりで会えたこ
とを楽しもうって思ってるのにああああ、もうっ!!
「……ユフィ?」
どんな顔して、そんなやさしい声出してんだよ? ここで例えばウチのオヤジな
ら『がっはっは』っつって笑うだけだろうし、んと……シドなら『うるっせぇな
このガキッ』っつって怒鳴るだけだろうし、あと……ヴィンセントなら……んー
……似てるっぽいから解かんないな……あと、誰だ? 想像できそうな奴って限
られるなアタシの場合。
「ユフィ……気分を悪くさせたなら謝る。悪かった」
別にアンタは悪くないし。ってか……アタシが……ヘンなだけだし。
「この腕、見たろ? 気が滅入って……何となく……会いたくなったんだ……ユ
フィに」
会いたくなった? アタシに?
「会えてよかった。楽しかったよ、ありがとう」
こんなに、やさしく、穏やかな声で話すヤツだったっけ?
「少し、元気……というか……うん、分からないけど、もらえた気がするよ」
ねぇアタシ、そっぽ向いたままでいいわけ? なんか、このまま帰っちゃいそう
じゃない? なんか、それは嫌……イヤだってばっ!!
「クラウドッ!!」
帰んないでっ! ここにいれば? 元気くらいやるやる、いくらでも! 心の中
でそう言いながら……アタシってば、いつの間にか振り返って……腕をクラウド
の首に廻してる。たぶんこれ、ギューッって音が聞こえるくらい、強く。
 アタシの初めてのキスは甘くて、なんだかものすごくやわらかい。くすぐったいような
気持ちがいいような。唇が触れるか触れないかくらいの曖昧な感じにされたり、まるで隙
間なく押し付けられたり……ひと言でキスって言っても、いろんな仕方があるんだなぁな
んて思いながら、クラウドの息遣いを感じてる。ねぇ、もうどれくらいこうしてる? 長
いようで短いのかな。このあとどうなるのかな。クラウドはアタシを好きでいてくれてる
からこうしてるのかな。それとも……なんとなく、流れで? 興味ないねって、そんな感
じで? そんな風に考えたら、それだけでまた胸が痛い。『コイツちょっと好きかも』じゃ
ない。とっても、かなり、ものすごく、超、好きなんだ。……そうか、だからヘンなのか、
アタシ。だんだん力が抜けてく。
「……んっ」
突然の不思議な感覚。あったかくて、でも湿ってる。クラウドの舌がアタシの口の中をか
き混ぜるみたいに動く。どうすればいいの? 分かんないよ。分かんないけど応えたい。
「んぁっ……クラ……ド……ぁっ」
ほんの少し離れる瞬間に聞こうと思うのに声にならない。アタシの口元を、唾液が濡らし
ていく。舌を、絡めとられる。
「は……んっ」
どうしてこんな声出ちゃうんだろう? 冷静になったとき恥ずかしくって顔見れなくなっ
ちゃうよぉ……。ずっとこのままがいいよ。ずっとこうしてたい。なのに、ゆっくり唇が
離れてく。
「クラウド……大好き」
心の中でだけ想っていようって決めてた気持ちを言葉にしてしまった。キスしかしてない
のにものすごく疲れちゃって、吐息まじりで小さな声で……。
「大好き」
辛くなるかな? このひとは帰ってく。ティファだってきっと、このひとが帰ってくるの
を待ってる。アタシはティファのことだって好きなんだ、大切な仲間だもん。アタシがやっ
てること、間違ってる?
「……俺は、病気だし……治療法もないなら……だから……なのに、そんな言葉聞かされ
たら……もう引き返せない」
ゆっくりと布団に横たえられた。この先なにをするのか分からない、なんて思わない程度
にはアタシは子供じゃない。
「くすぐったい……よ……ぁ」
クラウドの唇がアタシの首筋を這う。少しずつ、下へ。
「あっ……やっ……」
鎖骨から、胸へ。自分でもね、分かってるんだ。クラウドのおっきな手にすっかり収まる、
色気なんてまるでない、ちっちゃい胸。だから、そんなに大切そうに扱わなくていいよ。
……どんな風にされてるんだろう? 恥ずかしくって目も開けられない。くすぐったい?   
……違う……なんか、ヘン……。
「んっ、あっ……」
誰にもね、見せたことなんかないんだよ。誰も、アタシがこんな声出すなんて知らないん
だから。クラウド、だけなんだから。
 アタシの身体をコワレモノのように扱ってくれる。ゆっくり、やさしく。でも、何ひとつ
言ってはくれないんだな……。だから、アタシの堪えきれない声だけが部屋に響いてる。
男の人って、みんなこうなのかな。……他の男性を知るつもりは、今のところ、ないけど。
脇の下、脇腹、おへそ。……くすぐったいんじゃないんだ。
「ぁんっ……は……んっ」
……気持ちイイ……どうしよう……。
「……ユフィ」
「んっ」
あっ、ヤダ止めないで! どうして止めちゃうの? どこでもいい、どんな風でもいいから
……続けて、お願い。
「は……んっ」
……身体の芯に、今までの快感とは違う衝撃……やだ、そんなトコやだ……イヤじゃない……
ダメ、やっぱり……でも……。
「だめ……クラ……恥ずかし……んっ……汚い、よ……あっ」
自分の声以外の音が聞こえる。……水が、鳴るような、音。ものすごく深い快感の海に溺れる
感じがする……。
「……ユフィ?」
気づけば耳元でかすれたような声がする。でも快感は減ってない……長くて、きれいな指が、
アタシの一番敏感なところで動き続けてるから……。
「ふぁっ」
指とは違うものを、やわらかいところに押し当てられた。気持ちが、快感から緊張に変わった。
自分の鼓動が聞こえる。……怖い。
「ユフィ、力抜いて……任せておけばいいから……ゆっくり、行くな?」
「……うん……」
クラウドの首に腕を巻きつけて、ギュッと目を閉じた。『ひとつになる』ってこういうことなんだ……。
 恥ずかしくて、起き上がれない。
「シャワー、借りるな?」
「ん」
シャワールームに向かう後ろ姿を眺めて、やっぱり止めておけばよかったと思ったら、
少し涙が出た。帰っていく、離れていく。きっと……アタシは辛くなる。ヤバい、涙が止まんない。
自分の肩を抱きしめて、辛くない、後悔してないって言い聞かせる。
「ユフィ?」
バカッ! 出てくんの早いよっ! 急いで布団で顔を隠して、涙を拭いた。
「何?」
いつものアタシに戻らなきゃ。『元気をもらいに来た』って言ってたもんね?
「ティファの家は、出たんだ。……関係ないかもしれないけど……」
「……ん」
関係なくはないけど、なんだかうれしいけど、言葉は出てこない。
「……で、ポスター貼り、どうすればいいと思う?」
「……はぁ?!」
まだ考えてたんだ……本当、面倒臭いヤツッ!! でもこれは、きっと照れ隠し。顔見れば分かるよ。
だから、アタシだって乗ってやんなきゃ、だよね?
「あっ!! いいこと考えたっ!!」
「……何?」
昔よく見た、怪訝そうな、信じてなさそうな顔をされた。そうそう、これが『コイツ好きかも』って顔。
うん、アタシたちはきっと、変わらない、ね?
「マテリア探しのついでに、アタシが貼ってあげるよ。んで……星痕の治療法とか、絶対見つけてみせるから!」
「……マテリアのついでにポスターで、そのまたついでに病気の心配なんだ……」
「あっ! イヤ別に、そういうワケじゃないんだけどなぁ」
「冗談だよ。……ありがとう、ユフィ。ポスターは自分で貼るよ。報酬次第! な?」
そんな笑顔見せられたら、アタシまでうれしくなるなぁ。
「そ! 報酬次第!」
帰っていく。でも、また会ったときに、今日みたいな気持ちで過ごせるなら、それでもいいかって思ってみる。
うん、そう思うことにする。
「また、電話、するね?」
「ああ」
「出ろよな! 留守電男」
「……うん」
「また元気がなくなりそうだったり……こりゃヤバいってことがあったら……言って?」
「ん?」
「そしたらアタシ、マテリア持ってバビュ〜ンと助けに行ってあげるから!」
「マテリア持ってバビューンか。らしいな」
「でしょ?」
ふたりで笑う。こんなのも、いいじゃない?
「じゃあ、何かあったら言えよ。代わりに考えてやるから」
「……それはアタシが考えられないおバカさんだからってことっ?!」
「バカとは言ってない」
……言われてる気がするけど、まいっか。


 あの日より空は低くなって、色も少し重いみたい。朝晩は肌寒くて、でもアタシはこのくらいの季節が好き。
 あれから一度も電話しなかった。なんとなく、だって……ベタ惚れじゃん俺に、とか思われてなるものかっ!! 
と。悔しいじゃんか、なんとなく。でも、
「困ってるんだよぉ! 出ろよ電話ぁ〜っ」
事件が起こって、とうとう今日電話している。
『留守番電話サービスです』
やぁっぱり出ないんじゃんっ! この留守電男っ!! ハ〜ッと大きく息を吸い込んで、吹き込み用意。
いつもの自分で。いつものアタシの調子で。
「ひさしぶり! ユフィちゃんだよ! ウータイから子供たちが……」
きっとクラウドなら、どうにかしてくれる! よね?
「情報ちょうだい! お願いだよ!」
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このページへのコメント

WNVY5R Thanks for sharing, this is a fantastic blog.Thanks Again. Really Cool.

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Posted by awesome things! 2014年02月06日(木) 10:30:56 返信

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