FFシリーズ総合エロパロスレのまとめ

ブルメシアは今日も雨。
その雨粒の中、女は高く舞った。
得物を手に、所詮は闘いの技でしかないにも関わらず、美しいという印象さえ
与える事が彼女達竜騎士が誇り高い一因なのかも知れない。
「更に磨きがかかったな」
愛しい男の声に、女−フライヤ・クレセントは宙で翻り石畳の地に舞い降りた。
凛とした佇まいが彼女の気品を感じさせる。
「まだまだ、フラットレイ様に比べれば、赤子のようなものございです」
「じきに強くなる雨だ。フライヤ、そろそろ戻ろうか」
フラットレイは灰の天を見上げた。ゆっくりとだが、より厚い雲が近づいて来
ている。
「はい。ではフラットレイ様、どうか最後にお手合わせを」
恋人の女らしさのない要望に苦笑しながらも、フラットレイは木の棒を手に取
った。これがフライヤで、こうした関係が心地良い。きっと前もこうだったの
だろう。フラットレイは記憶を無くしたことを、少しだけ後悔した。
「加減は無しだぞ」
「勿論でございます」
言うなり、二人は音も立てずに宙へ跳び、空を裂いて打ち合った。


さすがに強い。まるで自分の意志が漏れているようにフラットレイはフライヤ
を攻撃に転じさせない。打ち込もうとした瞬間、その狙った先からフラットレ
イの棒が迫っている。
一旦退くしかない。フライヤはそう悟り、着地と同時に大きく跳び退いた。
背が壁に触れた瞬間、それを蹴り、再び宙を舞う。それだけに集中した。
フラットレイ。全て見透かされていた。跳んだ先、フライヤの上で既に槍を構
えていた。
「50点だな。相手からは一瞬でも目を離すな」
光。閃光が一条と通ったかと思うと、フライヤの体は衝撃を受けて落下した。
落ちる。フライヤはなんとか体勢を立て直そうとしてみたが、そう時間も無い。
「っ!…?」
落ちない。痛くない。雨に濡れたタイルの冷たさと対照的な柔らかな暖かさを
感じた。
「そなたを叩き付けると思ったか?」
固くつむった目を開くと、フラットレイの顔が写りこんできた。浮いている。
所謂、お姫様だっこ。フライヤは自分がどうなってるか悟ると、現実から逃避
するように顔を伏せた。
「も、申し訳ありません…あの」
「どうした?」
「助けて貰っておいて何ですが…下ろしては頂けないでしょうか?」
「はは、気にするな。好きでやっているのだからな」
「いえ、ですからフラットレイ様のご迷惑になるとかではなく、私自身が恥ず
かしいので…」
フライヤはうつむいていたから気がつかなかった。フラットレイがらしくなく
俗っぽい笑いを浮かべたことに。
「もう放したくないからな。いっそずっと抱き留めていようか?」
「ひャッ!?」
フラットレイがフライヤ神経を直接に蕩かすような言葉の後に、急に跳ぶので、
上ずった情けない声を挙げてしまった。
「フライヤ」
「はい」
「今夜は抱くぞ」
風がバサバサと反響する中で、確かに聞こえたフラットレイの声に、フライヤ
はゆっくりと頷いた。


その日、二人は久しぶりに葡萄酒を飲んだ。肴もなく様々な事を語らう内に三
本も瓶を空けていた。絶望から酔いに逃げた時期が酒に強くしたようだ。
「まばゆいな」
酒が入るとフラットレイは大胆になる。
フライヤの銀の髪を、優しい手つきで撫でてから、そっと頬に手を添えて引き
寄せる。フライヤも抵抗することなく愛しい男に唇を寄せた。
「…ん」
互いの口に広がる葡萄の芳醇な香りに、フライヤは溺れてしまいそうだった。
たまらず、キスをしたまま席を立ち、溺れぬようにとするかのように、フラッ
トレイにしがみついた。掻きむしらんばかりに服を掴む。そうでもしなければ
すぐにでも気をやってしまいそうだった。
「ふぅ…っ」
絡み付く、舌。ときに柔らかに、ときに硬く激しい動きに、フライヤの口内と
理性はなされるがままに蹂躙されていく。自分は愛する者に染められている。
それがどうしようもなく嬉しかった。
舌が離れ、薄い陶器でも扱うように寝台に寝かせるフラットレイはどこか奥ゆ
かしい。
「フフ、もっとフラットレイ様のしたいようになさってよろしいのですよ」
「む?そうしているつもりだが…」
そう言いながら、フライヤの衣服を取り払うフラットレイの手はどこまでも優
しく、たぎる情欲を必死に抑えているようだった。
「フラットレイ様…お慕いしております」
上気した頬と露になった素肌に、ブルメシア特有の冷えた空気が心地良い。
「フライヤ…」
唇から流れる至高の媚薬。フライヤは抗する術もなくゆるやかに混ざった唾液
を飲み下した。喉や胃、それが通ったところから、身を焼かれたような情欲の
熱が走った。フラットレイの舌が首筋を這うと、涙が零れそうにすらなった。
垂れる、愛液。それを求めてフラットレイの指が秘裂を割った。
「…ぅぁ…アぁ」
上ずった声が抑えられずに漏れる。はしたないとは分かっている。分かってい
が、抑えようとすればするほど、声帯が震えた。
塞ごうにも塞げない口が、ひくひくと震えているのが、男の性をくすぐるとも
知らずに、フライヤはただ喘いだ。
絹を愛でるが如く優しく撫でたかと思うと、戦士を鼓舞する楽如く激しく攻
め立てる。その手技に、歴戦の女竜騎士は鳴いた。
「あぁん!あぁっ!!」
飛んだ。寝台からは少しも離れていないのに、闘争の際に跳ね上がるよりずっ
と高く浮いている感覚。ひどく疲れたが、気持ちいい。それだけが頭に浮かぶ。
「フライヤ!」
「!?はい…。えっ?」
「ふぅ、気がついたな?私が分かるか?」
この時フライヤははじめて自身が果てた事を悟った。同時に際限ない羞恥心が
沸き起こり、眦を涙で濡らしさえした。
「申し訳ありません」
「なにを謝ることがある?」
「その…あまりにふしだらで…」
ぼそぼそと言いにくそうに謝罪するフライヤが無性に儚く思えて、フラットレ
イは力強く抱きしめた。
「まったく、どこまでも愛おしくさせおって」
フラットレイの下半身が当たる。冷静に振る舞ってはいるが、それは滾り、抑
えるはけ口を求めていた。擦れ合う度にびくびくと脈打っていた。
「私に、貴方を…貴方をくださいませ」
一瞬広げ冷たさを感じた秘所に一転、火箸を捩込まれたような熱。身を焼かれ
る錯覚に声にならない声が挙がる。
ネズミ族も前戯はしたが、挿入したならば本能のままに後背位での性交が常で
あった。フライヤはそれをひどく嫌った。恥ずかしい顔を見られようとも、愛
する人を確かめていたかった。もう居なくならないと分かっているが、目で確
かめていたいのだ。
「っフラットレイ様ぁ…手を…はぁん!」
すがるように伸ばした手を、フラットレイはしっかりと握り返した。
手、口、腹部から脚にそ、して結合した性器。全てが絡み合いながら、フラッ
トレイ更に快感を与えた。引いては打ち込む度に降り懸かる途方もない甘美な
感覚は鉄の尾であっても息を弾ませるには充分な代物だ。
フライヤもいつもの気丈な姿はなく、今はただ組み敷かれ抱かれることに喜び
を感じている一人のか弱い女でしかない。
「ひぅ!あっ!なぁぁ!!」
自分にしか聞かせない声。自分にしか見せない顔。自分にしか向けない表情。
全てがフラットレイを掻き立てる。
「フライヤ、フライヤ!」
「フラッ…トレイ様!もう…!!」
精を貪らんばかりに道が引き締まり、それに応じてフラットレイのモノも限界
に加速していく。
「は!あっ…あぁあんん!!!」
背を反らし、喉を震わせるフライヤにフラットレイは得も言われぬものを感じ
種を吐き出した。


「焦ることもあるまい」
そっとフライヤの髪を撫でながらフラットレイが言った。子の事だろう。フラ
イヤも子はほしかったが、未だ懐妊の兆しはない。
「もう私はどこにも行かないさ」
「いいえ、どこへでも行ってよろしいのです。どこまでもお供させていただき
ます」
「…少し冷えたな」
フラットレイは自分の腕の中にフライヤを引き寄せてしっかりと抱き留めた。
「離さんぞ」
フライヤは顔をフラットレイの胸に擦り寄せて返事とし、幸福のうちに眠りに
ついた。



ATE:スタイナー空回り

『アトラ:ユウレイはエッチ!?
ブルメシアは今日も雨クポ。洗濯はここでは至難クポな。
この前、寝付けない夜に散歩をしていたら声が聞こえてきたクポ。最初はユウ
レイかと思って立ちすくんだら、エッチな声だったクポ。さらに驚いたのは、
そこが、竜騎士のフライヤさんの家だったクポ!人は見かけによらないクポ〜』


「こ、こ、これは何であるか〜!!」
興奮と驚きに男−アルデバート・スタイナーが跳びはねる度に彼の鎧がガシャ
ガシャと音を立てた。
「クポ〜…まさかの失態クポ」
アレクサンドリアに住み着くモーグリのクポは手紙を落とした事を心底悔いた。
さらにクポにとって不幸だったのは、その手紙を拾ったのがプルート隊隊長で
実直純情で知れたスタイナーだった事だ。しかし、過ぎた事はしかたないと素
直に答えるしかなかった。
「どうもこうもそういう事クポ。最近アトラは倦怠期に入ったから熱々が羨ま
しいとも言っていたクポ」
「むう…あのフライヤ殿が…」
「みんなそうクポ。ラブラブならエッチなことはしたいクポ」
(ひぇ〜言ってしまったクポ〜。怒られるクポ〜)
「皆?…やはり皆根源的にはそうなのか?」
(?風向きが変わったクポ)
「う〜む。なるほど、なるほど。…うむ!見聞が広まった、手紙はお返し致す」
堅物らしくクポに敬礼をすると、何か思い立ったように駆けて行った。


「ベアトリクスは居るか?」
「あら、スタイナー。どうか致しましたか?」
「うむ…今夜、自分の部屋に来てくれまいか?抱かせてくれ!」
ベアトリクスは口をパクパクとさせて立ち尽くす。ここは兵舎で彼女の部下も
居るのだ。
「ス、スタイナー…」
「返事は言わないでくれ!自分は待っている!では」
「時と場所をわきまえなさい!!」
−なぜ自分は上手くいかんのだ?−
薄れゆく意識ではスタイナーは答えを見つけること敵わなかった。
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