FFシリーズ総合エロパロスレのまとめ

「うっ……!」
ラムザは扉を開けた途端に呻いた。
死体の山。
それもただの死体では無かった。体の至るところが潰され、臓器が溢れたように飛び出していた。
今まで多くの死体を作り、見てきたラムザでさえもぞっとする光景だった。
むせかえるような血の匂いに吐き気を催し、ラムザは口を覆った。
「来たか、ラムザ」
突然声がした。ラムザははっとして周りを見回す。いつの間にか、死体の山に囲まれた血の海の中に一人の男が立っていた。
「ウィーグラフ!!」
ウィーグラフと呼ばれた男は一歩踏み出した。ぴちゃと水音と共に血が跳ねる。
「さあ剣を抜け、ラムザ。我らの間に言葉は要らないだろう」
ウィーグラフは濁った目を笑みの形に歪めラムザに向けた。ラムザは動かない。
「どうした?来ないならこちらから行くぞ」
「…………だ」
「ん?」
「あなたは……本当に哀れだ。ルカヴィに魂を打ってまで復讐を果たしたいとは……。ミルウーダが聞いたらどんなに悲しむことか」
ウィーグラフはラムザの言葉を黙って聞いていたが、突然肩を震わせた。
「ふ…ふふ…はーはっはっはっは!!」
「な……?」
ラムザは呆然とする。
「ははははっ!ミルウーダの仇などどうでもいい!私が望むのはただ一つ。この世に混沌をもたらし、脆弱な人間共の悲鳴を聞くことだ!」
「ウィーグラフ……!」
奥歯がぎりと音を立てて軋む。
「闘う気になったようだな、ラムザ。行くぞ!」
「来い!ウィーグラフ!」
ぱしゃぱしゃと血が跳ねる。頭の無い死体を蹴り飛ばし、ウィーグラフは剣を下段に構えラムザに突進する。
ラムザは正眼で構え、ウィーグラフの斬撃を受け流すつもりだ。
「はあっ!」
ガチィッ!
「ぐっ!」
受け流せなかった。ウィーグラフの方が一瞬早く、剣と剣がかち合う。
お互い僅かににらみ合った後、ラムザが引いた。力勝負は不利と考えたからだ。
ウィーグラフの追い討ち。ラムザは横薙ぎを伏せてかわす。髪の毛が僅かに切られた。
「はあっ!」
ラムザの下からの刺突。
ギィンッ!
ウィーグラフに弾かれて、反撃のはずが逆に窮地に追い込まれた。
ウィーグラフは、弾いた体制から切り下ろし。ラムザは間一髪で横に避けた。すぐ耳元で空気が焼ける。
ラムザは不利と感じて、一旦間合いを取った。
「どうした、ラムザ!随分必死だな!」
「くっ……」
ラムザは、剣に魔力を込める。狙うは腕だ。
「はああっ!」
ラムザは思い切り地面を蹴り、一瞬で間合いを詰めた。
「ふっ、奇襲か」
ウィーグラフは全く動じない。だが、ラムザもこの一撃で仕留められるとは思ってはいない。
ピシィッ!
「ぐっ!?」
かわされたが確かな手応えがあった。その証拠にウィーグラフは腕を押さえている。
「くっ、これはパワーブレイクか……」
「そう。魔力で筋肉や精神にダメージを与える技だ」
「……腕をあげたな、ラムザ。ナイトの技をこれほど早く使いこなすとはな」
「僕だって遊んで訳じゃない」
「だが……腕をあげたのはお前だけじゃない」
ウィーグラフはラムザ同様に間合いを取る。そして、剣を構え目を閉じる。ラムザが訝しがる。しかし、すぐさま顔色が変わった。
(まずい!この力の込め方は……!)
「天の願いを胸に刻んで心頭滅却!聖光爆裂波!」
ウィーグラフが剣を振り下ろすのと同時に、不可視の衝撃波が一直線にラムザを襲った。
「うあああっ!!」
ラムザは大きく後ろに吹っ飛んだ。アグリアスと一緒に戦っているお陰で、ウィーグラフの聖剣技を感知できたのだ。あと一瞬防御が遅れていたら、バラバラだっただろう。
「ぐっ…くそ……!」
倒れたままポーションを取り出し、一気に飲み干す。体の痛みが僅かに引いていく。どうにか立ち上がれた。
「はははっ!あの女騎士に感謝するんだな」
「……笑っている暇があるなら、さっさととどめを刺すんだったな」
「何?」
「大地の怒りがこの腕を伝う!防御あたわず!疾風、地裂斬!」
ラムザが石畳を殴ると、ウィーグラフに向かって地面が裂けた。石畳を破壊しながら衝撃波はウィーグラフに直撃する。
「うおおおっ!?」
ウィーグラフは紙切れのように宙に舞い、血の海に落ちた。
「ごほっ!」
ウィーグラフの吐いた血は、死体の血と混ざりすぐにわからなくなった。
ウィーグラフの側には、既にラムザが立っていた。
「僕は油断なんてしない。アルマを返せば、これで終わりにしよう」
ラムザはウィーグラフを見下ろす。
「は……はははっ!相変わらず甘いな!そんなだから妹一人守れないんだよ!」
「……っ!」
ウィーグラフはラムザに切りかかる。ラムザは一瞬遅く、剣を振るった。
勝負は見えていた……はずだった。
「な……!!」
ウィーグラフは固まり始め、ぬかるんだ血に足を取られた。
ウィーグラフの剣がラムザに届くより早く、ラムザの剣がウィーグラフを鎧ごと切り裂いた。
「がっあああっ!!」
「僕の勝ちだ、ウィーグラフ。大人しくアルマを返せ」
「……くっ…くくく……」
ウィーグラフは、壮絶な笑みを浮かべた。
「僕の勝ち……だと?笑わせるな。いいだろう。貴様ごときこの体でも殺せると思ったが、少々侮っていたようだな」
「何を言っている……」
ラムザは気付いた。ウィーグラフの懐からおぞましい光が漏れているのを。
「ラムザ……貴様には特別に悪夢を見せてやろう。醒めることのない現実の悪夢をな……!」
ウィーグラフが言い終わった途端、懐の光が爆散した。ラムザは吹き飛ばされ、そのままゴロゴロと転がる。
ウィーグラフの姿は光に包まれていて見えない。
もう一度光の炸裂。
「な……!」
そこには数秒前まであった男の姿はなく、巨大な醜悪な牛の頭を持つ魔神が立っていた。
「ラムザァッ!!」
扉がいきなり開いた。そこにはアグリアスや、ムスタディオ達が並んでいた。
だが一瞬で、その威勢も消え去る。
「な…なんだ……これは!?」
「う、うああっ……!」
「いやぁ……!」
皆、一瞬にして気圧される。ラムザも同様だった。忌まわしき不浄王キュクレインを思いだし、体が震える。
「我が名は魔神ベリアス。キュクレインと同じルカヴィだ。最もあんな奴と同等とされてはたまらんがな」
ラムザの歯がかちかちと鳴る。人知を超えた者との対峙に恐怖しか沸いてこない。周りを見回すと、仲間も同じようだった。キュクレインよりも圧倒的に強いことが、身にまとう邪気でわかる。
「ラムザ…仲間共々ここで葬り去ってくれる。出でよ!我が忠実なる僕よ!」
ベリアスの背後に、これまたおぞましいモンスターが召喚される。

「さあ、始めようか………!」
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