FFシリーズ総合エロパロスレのまとめ

 月明かりの差し込む小さな部屋で、ベイオウーフとレーゼはじっと見つめ合っていた。
 二人の間に言葉はなく、ただお互いの瞳の奥を見据えていた。つい先程まで二人は窓辺に立って他愛無い世間話を楽しんでいたのだが、ふとした拍子に会話が途切れてしまうと途端に空気が変わってしまったのであった。
 今この瞬間、二人の間に流れる空気はまさしく夜の恋人たちのそれであった。
 少し長い沈黙の後、ベイオウーフはレーゼの背中に手を回し、ゆっくりと自分の唇を相手の唇に近づけていった。
 だが、二人の唇が重なろうとしたその瞬間、
「ダメぇっ!!」
 顔を俯け、レーゼは拒否した。
 再び二人は沈黙した。今度は二人とも俯いていた。
「ご、ごめんなさい。でも私……」
「いや、いいんだ。まだ人間に戻ったばかりだしね。こっちこそ君の体調も考えず、すまない」
 ベイオウーフは微笑みながら明るいトーンで言ったが、その言葉と笑顔は何処かぎこちなかった。レーゼは敏感にそれを感じとっており、またベイオウーフ自身もその言葉とは全く別の感情が自分の中にあるのを感じていた。
「また来るよ。おやすみ」
 レーゼを軽く抱きしめながらそう言うと、ベイオウーフは部屋を出て行った。
「あ…………おやすみなさい」
 レーゼは一人になった後、消え入りそうな声でドアの方に向かってそう呟いた。
 翌日、ラムザ一行は小さな宿場町を立ち、チョコボ車で次の目的地へと向かっていた。
 二日前に難所の一つであるフィナス河を越え、今日中には自治都市ベルベニアへ着く予定だ。
 ガタゴトとチョコボ車に揺られながら、ベイオウーフはここ最近あった事を思い出していた。
「はぁ…」
 ホーリードラゴンの姿のレーゼに再開したのが一ヶ月ほど前。
 そしてネルベスカ神殿で聖石「キャンサー」の力を借りてレーゼを人間の姿に戻したのがちょうど半月前。
 長い間見ることのできなかった「人間の」彼女の姿は以前愛し合っていた時と同じ、いやそれ以上に美しかった。当然その日にでも彼女を抱きたいと思った。
 しかし人間に戻った後、彼女は昨晩の如くベイオウーフを拒み続けていた。
 もちろん他の仲間の前では二人は仲睦まじくしていたし、二人きりの時でも愛を確かめあう会話はあった。だが、何故か彼女は決して体を許さなかった。引き離される以前は毎晩のように激しく愛しあい貪りあっていたにも関わらず、である。
 最初の内は「体調が悪いから」とか「月のアレが来てるの」とか理由をつけていたが、ここ数日はただ「ごめんなさい」と謝るばかりだった。
「どうかしましたか、ベイオウーフさん」
 溜息をつきながら考え事をしているベイオウーフを見て、隣に座っていたラムザが尋ねた。
「いや、何でもない」
 昨晩と同じような、自分でもその不自然さが実感できてしまう笑顔を作ってベイオウーフは答えた。
 その日の内に無事にベルベニアに着いた一行は、その日泊まる宿のフロントでラムザが部屋割りを発表するのを待っていた。
「えーと、ラファとメリアドールさんは四十二号室、それからマラークとムスタディオは……」
 発表された順にメンバーは各々の部屋に上がっていく。
「それから、ベイオウーフさんとレーゼさんは四十七号室です」
 ラムザがそう言った瞬間、レーゼは申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさいラムザ、今日ちょっと風邪気味なのよ……。伝染すといけないし、どこか個室に変えてもらえるかしら?」
「は、はい、わかりました。えーと、じゃあレーゼさんは三十二号室を使ってください」
「ごめんね、無理言ってしまって。じゃベイオウーフ、そういう訳で……残念だけど」
「ああ、それより体の方は大丈夫かい?」
「ええ、でも一応用心しないとね」
 言うなり、レーゼはそそくさと階段を上っていった。
 にこやかに会話を交わしたが、ベイオウーフはレーゼの病気が仮病であることに気づいていた。レーゼもまたベイオウーフが自分の仮病を見抜いていると気づいていた。
 ラムザや他のメンバーはいつも気を遣って二人をダブルの部屋に泊めようとしてくれていたが、レーゼはいろいろと理由をつけて断っていた。今日のように体調が悪いと言うこともあれば、まだ新顔だから女性陣と同室になって親睦を深めたいとか言うこともあった。
「…………お大事に」
 上っていくレーゼに向かって、ベイオウーフは少し冷たい口調で言った。一瞬レーゼは立ち止まったが、何も言わずそのまま階段を上がっていった。
「はあああいルェーゼさーん、ぐいっと飲んで飲んでー!!!」
「ぐいっと、ぐうぃっとー!!」
「じゃ、じゃあ少しだけ頂くわ」
 レーゼは呂律の回っていない女騎士二人に酒を注がれた。
「ラヴィアン、アリシア!レーゼ殿は風邪気味なのだぞ。酒など…」
「だーいじょぶですぅー。ちょっとくらい飲んだ方が薬になりますよぅ。隊長はだーまっててくださあい」
「だぁいたい隊長はいぃっつもラムザの方ばっかり見てるくせに、こおいう時だけ真面目なんだからぁ」
「な、ななな何を!!そんな事は………」
「見ーてーるっ!!見ーてーるっ!!」
 その夜、宿屋の酒場で一行は酒盛りに興じていた。
 普段なら異端者であるラムザの一行が酒場でバカ騒ぎなど考えられないが、ここベルベニアは教会の権力が他の都市ほど及んでいない自治都市。それほど危険ではないので今夜は飲もうという提案が誰からともなく出され、皆それに賛成した。  
 久しぶりの酒に皆かなり酔った様子で、ただの酔っ払いと化したラヴィアンとアリシアに勧められるままに、レーゼも注がれたブドウ酒をぐいと飲み干してしまった。
 ベイオウーフは少し離れた所に座り、オルランドゥやラムザと酒を酌み交わしながらその様子を横目に見ていた。
 しばらくすると酔いに頬を赤く染めたレーゼがいきなり立ち上がった。
「あ、あの…。私やっぱりちょっと体調悪いみたい。先に部屋に戻ってますね。皆さん、おやすみなさい。」
 にこっと笑うと、彼女は部屋へと戻っていった。
 それまでバカ騒ぎしていた面々は一瞬静かになり、おやすみ、お大事にね、などと言ったが、すぐにまたざわつき始めた。
 レーゼと同じテーブルにいた面子も、「お前らが無理に飲ませるからだ」とか「ちがうよお〜隊長が眉間にシワ寄せてるからだよ」などど、先程の調子で騒いでいた。
 しばらく黙っていたベイオウーフだったが、
「すいません。彼女が心配なので、オレもお先に失礼します」
 と言って、レーゼの後を追っていった。
「レーゼ、入るよ?」
 ノックしながらそう言い、返事を待たずにベイオウーフは部屋に入った。後ろ手でそっとドアを閉め、部屋の様子を伺う。ランプは消されており、またカーテンも締め切られているらしく、部屋の中は殆ど真っ暗である。
 ベイオウーフは手探りで壁に手を置きながら部屋の奥の方へ歩き始めた。
「レーゼ、もう寝たのかい?」返事はない。
 暗闇に目が慣れて来て少しずつ部屋の様子が分かるようになってきた。ベッドの布団は人の形に膨らんでおり、レーゼが頭まで布団に潜っているのが分かる。
「レーゼ、いるなら返事くらい…」と言いながらベイオウーフは近づいていったが、
「来ないで」
 突然レーゼから発せられたこの言葉に立ち止まり、少し上ずった声で聞き返した。
「レーゼ。一体どうしたっていうんだい?元に戻ってからの君は…」
「お願い、何も聞かないで。出て行って」
 遮るように、冷たい口調でレーゼが言った。
 少し長い沈黙の後、ベイオウーフはふう、と大きく溜息をついてから次の言葉を発した。
「……ねえ、レーゼ。オレはゴルランドの坑道で君を見つけたとき、すごく嬉しかった。やっと会えたぞってね」
 軽く笑ってベイオウーフは続けた。
「たとえこのまま君が人の姿に戻れなかったとしても、もう二度と離すもんかって思ったよ。だから…………いや、自分でも何が言いたいのかよく分からないな。…すまない、これ以上嫌われる前に帰るよ」
 空元気なのか自分への嘲笑なのかよく分からない笑顔を作り、ベイオウーフは部屋を出て行こうとした。だがドアノブに手をかけようとしたその瞬間、
「待って!!」
 レーゼが突然放った一言にベイオウーフは手を止めた。
 少しの間を置いて涙まじりの声でレーゼが続けて言った。 
「違うの…あなたを嫌いになった訳じゃないの……」
 ゆっくりと体を起こすと、レーゼはベッド脇のテーブルの上にあるランプに火を点けた。部屋がランプの柔らかい光に包まれていく。
 レーゼは腹の辺りまで布団の中に入っていたのだが、布団の外に出ている上半身には何も身に付けていなかった。うつむき加減で両腕を胸の前に当て、乳房が露わになるのを防いでいた。
 長年見ていなかった美しくも艶かしいレーゼの肢体――――ベイオウーフはしばし言葉を失っていた。
「見て………」
 そう言うとレーゼは体を捻った。彼女は腰から下も裸だったので、肩から殿部までちょうど背中全体が見える体勢になった。
「レ、レーゼ!!」
 思わずベイオウーフは声を上げた。レーゼの美しい背中、肩甲骨の辺りに手の平くらいの大きさの翼が二枚生えていた。少し下に目をやると丸みを帯びた尻の少し上には小さな尻尾が生えていた。
 形こそ違えど、美しい紫の鱗を持つそれらはレーゼが元の姿に戻る前に持っていたものと同じだった。
「私、完全に戻ってないの…。ふっと気が緩んだときこれが出てきちゃう事があるのよ。ぐっすり寝た後の朝とか、トイレの時とか、今日みたいにお酒飲んだ時とか。今日なんて服が破れそうになったわ」
 話を始めたレーゼの肩は声と同じように震えている。
「私だってあなたとしたいわ。………でも、こんな竜女じゃ嫌でしょ!?」
 震えた声で言うと同時に、レーゼの目から流れ出した大粒の涙が膝の上にぽたぽたと落ちた。
 部屋の中には、ぐすっぐすっとすすり泣く音だけが響いていた。 
 ベイオウーフはゆっくりとレーゼの傍に寄ると、後ろからレーゼを抱きしめた。
 目を閉じたベイオウーフはレーゼの肩に顎を埋め、さらに強くレーゼを抱きしめる。首筋に熱い吐息がかかりレーゼは思わず「あっ」と小さく喘いだ。
「ベ、ベイオウーフ?」
 頬を赤く染めレーゼが言った。こんな風にぎゅっと抱きしめられるのは久しぶりである。横目でベイオウーフを見ながら、レーゼの心臓は乙女のようにドクン、ドクンと速いリズムで脈打ち始めていた。
「どうして言ってくれなかったんだ。こんな大事なこと一人で抱えこんで…………」
「あ、だって…」
「でもよかった。嫌われたわけじゃなかったんだな」 
 優しい声でベイオウーフは言った。ベイオウーフが言葉を発するたび首筋に吐息がかかるため、レーゼは背を反らしてもぞもぞとしている。
 ベイオウーフは左手でぐいとレーゼの顔を自分の方へ向けさせ、肩越しにそのまま唇を重ねた。乱暴に貪りつくようなキスに頭が蕩けそうになったレーゼは侵入してくる舌にそのまま自分の舌を絡めた。
 唇が一旦離れると今度は肩をぐいと引き寄せられ、ベイオウーフの正面を向く体勢となった。
「さっきも言ったろ?もし君が元に戻らなかったとしてもって。どんな姿をしててもレーゼはレーゼさ。……ずっと君の傍にいたいんだ」 
「ベイオウーフ…」
 二人はお互いを強く抱きしめながら再び唇を重ねた。
 ベイオウーフは手早く服を脱ぎ、レーゼの上に覆い被さって抱きしめると再び唇を重ねた。
 二人はもぞもぞ動いて体を擦り合わせたり脚を絡めあったりしながら、無心でお互いの唇を貪りあっていた。
 久々に体を重ねたせいだったのかもしれないが、それだけの刺激でベイオウーフの陰茎は痛いくらいに怒張していた。またそれが当たっているレーゼの下腹部と太腿の付け根の一帯も愛液でぬるぬるしていた。
「あんっ!」ベイオウーフが唇を離すとレーゼは物足りないという表情で声を発した。少し怒ったように見つめてくるレーゼの眼は涙で潤んでいた。
 その時ふと気づいた。彼女の翼が先程よりも大きくなっている。淡い光を発しているその翼はベッドからはみ出しそうになっていた。
 少し驚きつつも無言のまま上体を起こし女の秘所の方へ手を伸ばした。濡れそぼったその場所に少し指先が触れただけで、美しい曲線を描く腰がびくっとくねった。ベイオウーフは指先で触れるか触れないかぐらいの加減で陰唇を擦り始めた。
「は、早く入れてぇ………」切なげな声でレーゼがねだった。
「だめだ。さんざんオレに御預け食らわせた罰だ」
 そう言うとベイオウーフは中指をその中に挿し入れ激しく動かし始めた。
 それと同時に、すぐ上の陰核を舌で舐め始めた。
「あっ!!やんっ!!だ、だめぇっ、だめぇぇっっっ!!」
 すぐにレーゼは達してしまった。
 一瞬背中がそり返ってそこから生えている両翼も硬直していたが、すぐにダラリと脱力した。
「やっ!あっっっくぅぅっっ!!」
 ベイオウーフはひたすら無言でレーゼの体を指と舌で責め続けていた。秘部は当然のこと、乳首、背中、太腿や下腹部、首、あらゆる箇所を舐めては吸い、擦っては揉みしだいていた。 
 だが、自分の陰茎は一度も腟内に入れようとしなかった。
「いやあああっっ!!ひあっ!……羽が動いちゃう………んっ」
 レーゼは既に何度もオルガスムに達していた。
 今や翼は自分を包み込んでしまえる程大きくなっており、尻尾は脚と同じくらいの長さにまでなっていた。これ以上は大きくならないようであるが、ベイオウーフの責めに合わせて時おり翼が羽ばたき、尻尾がくねってしまう。
 早く入れて欲しいと何度も懇願したが、ベイオウーフは無言で自分の体を舐め回し続けた。
「お願い、お願いだから早く入れてぇぇっ!!!!!」
 懇願の言葉を発するのも辛くなるほど快感に侵され意識が途切れそうになったその時、奇妙なものがレーゼの視界に入ってきた。はっはっと小刻みに息をつく度に、自分の白い吐息がキラキラと光っている。氷だ。氷の粒が吐息に混ざって舞っている。
 それはドラゴンの吐くアイスブレスであった。さらに少し経つと今度はボッ、ボッと吐息の中に炎が混ざるようになった。小規模ではあるが紛れもなくファイアブレスであった。
 ベイオウーフもすぐにこの異常な事態に気づいた。
「そろそろ限界かもな。キスしてる時はそれ吐かないでくれよ」
 返事をする余力もないのか、レーゼは息を荒げて虚ろな眼で何もない空間を見つめていた。
「入れるよ、レーゼ……………」
 太く硬い物がレーゼの腟内に入れられていく。そこに抵抗はなく、むしろ湿った肉の襞がそれを招き入れているかのようである。すぐに根元まで中に飲み込まれてしまった。 
「あ…………ベイオウーフの……入った」
 うっとりした表情で眼を潤ませてレーゼが言った。ベイオウーフは今までの欲求不満を全て解放するかの如くいきなり激しく前後動を始めた。ぱん、ぱん、と小気味のいい音が室内に響く。
「あ、ああっ!あっ!あっ!いやぁ!気持ちいっっ……んっ!んっ!」
 ベイオウーフの腰のリズムに合わせてレーゼの口から嬌声が漏れる。ブレスが出るのではと少し心配になったが、レーゼの腟内の艶かしい束縛には抗えずひたすら腰を振り続けた。まだ一度もしていなかったベイオウーフは程なく限界に達し子宮口の付近に大量の精液を出した。
「や……ん………中にドクドクって……あ……」
「はは、情けないな。…ガキみたいにすぐイって」
 照れくさそうにそう言いながら、硬さを失いつつある自分の陰茎を抜こうと腰を引いた。
「だめぇ!!」レーゼが叫んだ。「抜いちゃイヤぁ!…そのまま……もう一回……」
 子供が甘えるように言ったその淫乱な言葉は陰茎の硬さをすぐに取り戻させた。ベイオウーフはふっと鼻で笑い、抜けかかった陰茎をそのままの位置にキープしながら言った。
「レーゼ、何を抜いちゃだめなんだ?何をもう一回なんだ?」
「も、もう。意地悪しないでぇ……それを…おちん……を………」
「ハッキリ言ってくれないと分からないなあ。とりあえず、もう抜くよ」
「いやぁっっ!!抜かないで!ベイオウーフのおちんちんで私のアソコをかき回してぇぇ!!」
 もう一度ふっと鼻で笑うと、ベイオウーフは再び前後に動き始めた。 
「あ、あんっ!!あ……ちょ、っっっ……だめっ……やんっ!!」
 ベイオウーフはレーゼの両膝を腕で抱えるようにして覆い被さり腰を振り続けていた。時には円を描くように動かしたり、上下に動かしたりしてレーゼを犯した。
「そんなに気持ちいいのかい?羽と尻尾がヒクヒクしてるよ」
「や…あ……そんな事ない……あんっ!!んぅっ!!」
 レーゼの腟内では精液と愛液が混ざり合ってドロドロになっており、肉の襞が縦横無尽にベイオウーフのそれを捏ねくりまわしていた。
「君の中、すごい事になってるよ。全く、スケベな穴だな」
「ち、違…う……ベイオウーフのが私の中をぐちゃぐちゃにしてるのぉ……」
「ほら、おまんこがジュルジュル音を立ててる」
「いやっっ!!!違うっっっのぉっっ………あっ!やっっ!」
 ぱん、ぱん、という叩くような音とじゅっ、じゅっ、という湿った音が響く。
 言葉でも責めていたベイオウーフだったが、限界が近づき次第に無口になっていった。
「う、そろそろ……イキそうだ…」
「わ、私もぉ……おちんちん……いいのぉ…」
 限界を間近に迎え、さらに腰を振るスピードが上がる。
「い、イクよ…レーゼ!」
「あ、ベイオウーフ、あ、や、だめっ!!イッちゃう!!あああああっっっ!!!!!」
 腟内に熱い精液が注がれると同時にレーゼは反りかえった。同じように大きな翼も反りかえった。しばらくピクピクと痙攣していたが、やがて全身の力が一気に抜けて崩れ落ちた。
 二人は狭いシングルのベッドに抱き合って横になっていた。
 レーゼの翼と尻尾は縮んでしまい、ただの小さな出っ張りになっていた。
「ねえ、ベイオウーフ。どんな姿をしてても私は私って言ったわよねえ。もしも私が竜の姿のままだったとしても貴方はこういうことしたのかしら?」
 意地悪な笑顔でレーゼは言った。
「そ、それは………す、する、さ……」ベイオウーフは言葉に詰まった。
 レーゼは返事に窮するベイオウーフを見て笑顔で言った。
「うふふっ。無理しなくてもいいわよ。でも………ありがと……」
 そう言うとレーゼはベイオウーフの唇に軽く口付けした。

 現在レーゼは翼や尻尾の発現を自在に制御する術を身に付け、何ら困ることなく普段の生活を送っている。その夜偶然にも吐いてしまったブレスのコントロールも確実なものとし、三種のブレスを用いて戦闘において大きな貢献をしている。
 またこれ以降、ベイオウーフとレーゼは必ず二人部屋に宿泊という習慣が自然とラムザ一行の中で定着した。
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