埼玉県営公園における水着撮影会の中止は、2023年6月10日に開催予定だった『フレッシュ撮影会』と『ミスヤングアニマル2023撮影会』、同月24日と25日に開催予定だった『近代麻雀水着祭2023』が中止を要請された事例。
経緯
イベントと会場の概要
中止要請までの経緯
中止要請の撤回
ルールの整備
未成年者の出演
渋谷水着パレード
参考：各種法令との関係
都市公園法
埼玉県都市公園条例
児童ポルノ禁止法
埼玉県少年健全育成条例
過去の類似事例
埼玉県営公園での水着撮影会の中止に関するファクトチェック記事
経緯 
イベントと会場の概要
『フレッシュ撮影会』*1は株式会社エーテルが企画、運営を行う撮影会である。撮影会は「ダイサツ」と「コサツ」、「セッション」に大別され、「ダイサツ」では参加者は参加料金を支払うことで出演するモデルの写真を撮影することが出来る*2。中止されたイベントも「ダイサツ」として企画されており、中止されたものと同様のイベントが同会場では少なくとも6月3日と4日に行われていた*3。
『ミスヤングアニマル2023撮影会』は東京Lilyが企画、運営を行う撮影会で、同様に参加料金を支払った参加者が出演するモデルを撮影できるものだった*4。屋外会場での同様の撮影会は確認できないが、スタジオでの撮影会が6月に複数回実施されていた*5。
『近代麻雀水着祭2023』は近代麻雀学院が企画、運営を行う撮影会である。2023年の撮影会の公式サイトは閉鎖されているが、少なくとも2022年9月に4日間開催されたイベントは上掲の撮影会と同様の形式だった*6。
『フレッシュ撮影会』の会場となっていたのは川越水城公園*7であり、『ミスヤングアニマル2023撮影会』と『近代麻雀水着祭2023』の会場となっていたのはしらこばと水上公園*8である。いずれも公益財団法人埼玉公園緑地協会*9が管理する県営の施設である。
『ミスヤングアニマル2023撮影会』は東京Lilyが企画、運営を行う撮影会で、同様に参加料金を支払った参加者が出演するモデルを撮影できるものだった*4。屋外会場での同様の撮影会は確認できないが、スタジオでの撮影会が6月に複数回実施されていた*5。
『近代麻雀水着祭2023』は近代麻雀学院が企画、運営を行う撮影会である。2023年の撮影会の公式サイトは閉鎖されているが、少なくとも2022年9月に4日間開催されたイベントは上掲の撮影会と同様の形式だった*6。
『フレッシュ撮影会』の会場となっていたのは川越水城公園*7であり、『ミスヤングアニマル2023撮影会』と『近代麻雀水着祭2023』の会場となっていたのはしらこばと水上公園*8である。いずれも公益財団法人埼玉公園緑地協会*9が管理する県営の施設である。
中止要請までの経緯
6月8日、『フレッシュ撮影会』の運営はTwitterで6月10日のイベントが会場からの申し出により中止になったことを告知した*10。同日、『ミスヤングアニマル2023撮影会』の運営もTwitterで会場からの申し出によりイベントが中止になったことを告知した*11。9日には『近代麻雀水着祭2023』の運営もTwitterで同様の理由でイベントが中止になったことを告知した*12。
中止要請の理由について、埼玉県公園緑地協会はJ-CASTニュースの取材に対し、しらこばと水上公園で開催予定だった水着撮影会が『モデルに18歳未満の女性を含み、過激なポーズや衣装が見受けられる』とする県民からのメールがあったこと、『使用許可を出す際に過激なポーズや過激な水着はだめだと伝えておりますが、それが守られていない』こと、『水着撮影会は「主催者が参加者をコントロールすることが困難である」と判断』したことを挙げた*13。
中止要請に先立って、6月6日と8日に、日本共産党埼玉県議会議員団は撮影会について都市公園法第1条に反することを理由に会場の貸し出しを禁止するように県に申し入れていた*14*15。なお、共産党県議団が言及している撮影会は『近代麻雀水着祭2023』のみである。ただし、中止の理由について、埼玉県公園緑地協会と埼玉県公園スタジアム課はそれぞれ、共産党の要望によって対応したのではなく、『マイクロビキニやそれに準ずる露出のある水着を着用したモデルの写真や、過激とみなされるポーズを取っている写真があるなど、規約が守られていない事例が』あり、『ここ数日の間、貸し出しの許可条件に反する事例があったという報告があがったため』としている*16。なお、埼玉県公園緑地協会はデイリー新潮の取材に対し、2023年1月に撮影会での過激な衣装やポーズを禁止するルールを設け、6月上旬に未成年の出演を禁止するルールを設けたと回答している*17。
大野元裕埼玉県知事は6月9日、Twitterで『県営プールは、指定管理者である埼玉県公園緑地協会が管理運営。撮影会の開催許可も協会が行い、主催者に対し過激な露出の水着やポーズを禁止することを条件に許可して』いたこと*18、『過去の撮影会の参加者のネット投稿内容等から、主催者が許可条件に反する行為を行っていたことが判明したため、協会では今後同様の撮影会は許可しないこととしたと聞い』たことを明らかにした*19。
中止要請の理由について、埼玉県公園緑地協会はJ-CASTニュースの取材に対し、しらこばと水上公園で開催予定だった水着撮影会が『モデルに18歳未満の女性を含み、過激なポーズや衣装が見受けられる』とする県民からのメールがあったこと、『使用許可を出す際に過激なポーズや過激な水着はだめだと伝えておりますが、それが守られていない』こと、『水着撮影会は「主催者が参加者をコントロールすることが困難である」と判断』したことを挙げた*13。
中止要請に先立って、6月6日と8日に、日本共産党埼玉県議会議員団は撮影会について都市公園法第1条に反することを理由に会場の貸し出しを禁止するように県に申し入れていた*14*15。なお、共産党県議団が言及している撮影会は『近代麻雀水着祭2023』のみである。ただし、中止の理由について、埼玉県公園緑地協会と埼玉県公園スタジアム課はそれぞれ、共産党の要望によって対応したのではなく、『マイクロビキニやそれに準ずる露出のある水着を着用したモデルの写真や、過激とみなされるポーズを取っている写真があるなど、規約が守られていない事例が』あり、『ここ数日の間、貸し出しの許可条件に反する事例があったという報告があがったため』としている*16。なお、埼玉県公園緑地協会はデイリー新潮の取材に対し、2023年1月に撮影会での過激な衣装やポーズを禁止するルールを設け、6月上旬に未成年の出演を禁止するルールを設けたと回答している*17。
大野元裕埼玉県知事は6月9日、Twitterで『県営プールは、指定管理者である埼玉県公園緑地協会が管理運営。撮影会の開催許可も協会が行い、主催者に対し過激な露出の水着やポーズを禁止することを条件に許可して』いたこと*18、『過去の撮影会の参加者のネット投稿内容等から、主催者が許可条件に反する行為を行っていたことが判明したため、協会では今後同様の撮影会は許可しないこととしたと聞い』たことを明らかにした*19。
中止要請の撤回
大野知事は6月11日、しらこばと公園では2022年12月に詳細な許可条件を定めた*20一方で川越水上公園ではそうしたルールを定めていなかったこと*21、しらこばと公園が中止要請をした3社のうち1社は条件への違反が見られなかったこと*22、この1社と川越水上公園で中止要請をした3社は要請を取り消すように指導したことを明らかにした*23。なお、大野知事は、これらの判断に際し特定の政治団体等の意見に左右された事実はないともした*24。
近代麻雀学院は14日、イベントの中止について、未成年の出演は警察に確認を取ったうえで行ったこと、4月29日と30日に開催したイベントでルールの徹底が行われていなかったことを明らかにした*25。
近代麻雀学院は14日、イベントの中止について、未成年の出演は警察に確認を取ったうえで行ったこと、4月29日と30日に開催したイベントでルールの徹底が行われていなかったことを明らかにした*25。
ルールの整備
7月19日、埼玉県公園緑地協会は水着撮影会向けの暫定的なルールを定めた。正式なルールは専門家の意見を聞いたうえで翌年2月までに決定するとしている。*26
未成年者の出演
日本共産党埼玉県議会議員団は、『近代麻雀水着祭2023』に未成年者が出演するという情報については調査中であるとしている*27一方、しんぶん赤旗の報道によれば、過去の撮影会には未成年者の出演があったとしている*28。
過去の参加者のツイートにより、少なくとも2023年4月29日開催の『近代麻雀水着祭2023』の撮影会に中学生のモデルが2名出演していることが明らかになっているほか、『フレッシュ撮影会』においても未成年の出演があったことが指摘されている*29。
中止されたイベントに関しては、サイトが閉鎖されたため現在は確認できないが、『近代麻雀水着祭2023』には中学生が少なくとも3名出演予定だったことが指摘されている*30。
過去の参加者のツイートにより、少なくとも2023年4月29日開催の『近代麻雀水着祭2023』の撮影会に中学生のモデルが2名出演していることが明らかになっているほか、『フレッシュ撮影会』においても未成年の出演があったことが指摘されている*29。
中止されたイベントに関しては、サイトが閉鎖されたため現在は確認できないが、『近代麻雀水着祭2023』には中学生が少なくとも3名出演予定だったことが指摘されている*30。
渋谷水着パレード
6月18日、タレントのあおちゃんぺが主催者となり、水着撮影会の中止に反対するパレードが実施された。関係者によれば参加者は約400名*31。パレードの支援には荻野稔大田区議がかかわっていた。
なお、パレードの参加について、2023年の統一地方選で世田谷区議候補だった政治家女子48党の吉川はすみんは少なくとも参加タレントにギャラが支払われていたことを明らかにしている*32。この点について、あおちゃんぺは『職業支援なのでギャラも出し』たと主張している*33。
同月27日には、パレードの影響で神奈川県由比ヶ浜のイベントが中止になったことが出演モデルのTwitter投稿で明らかになった*34。投稿によれば、中止の理由はパレードを見た主催者が客層を心配したためだとされている。
なお、パレードの参加について、2023年の統一地方選で世田谷区議候補だった政治家女子48党の吉川はすみんは少なくとも参加タレントにギャラが支払われていたことを明らかにしている*32。この点について、あおちゃんぺは『職業支援なのでギャラも出し』たと主張している*33。
同月27日には、パレードの影響で神奈川県由比ヶ浜のイベントが中止になったことが出演モデルのTwitter投稿で明らかになった*34。投稿によれば、中止の理由はパレードを見た主催者が客層を心配したためだとされている。
参考：各種法令との関係
都市公園法
埼玉県都市公園条例
埼玉県都市公園条例*38は第八条において『都市公園においては、みだりに次に掲げる行為をしてはならない』としており、その中には『その他都市公園の設置の目的に反する利用をすること』が含まれる。
児童ポルノ禁止法
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号、通称児童ポルノ禁止法)*39は、第二条において、児童ポルノを『写真、電磁的記録（電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。）に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの』と定義している。なお、『次の各号』は『児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態』、『他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの』、『衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位（性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。）が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの』のいずれかを指す。
埼玉県少年健全育成条例
過去の類似事例
2015年8月12日、愛知県で、18歳未満の女子高生を自らが経営するスタジオで行われる撮影会に参加し水着姿などでモデルをするように勧誘したとして、愛知県青少年保護育成条例違反の疑いで男性が逮捕された*42。条例は『個室または屋外において、客に女子従業員の制服姿やコスプレ、水着姿等を撮影させるサービスを提供すること』を『有害役務営業』のひとつと定め、従事することへの勧誘などを禁じていた。
埼玉県営公園での水着撮影会の中止に関するファクトチェック記事
このページへのコメント
sienteは弁護士等も関与して居た様に思うのですが、サイトには代表しか記載されて居ませんね。であれば不要か。
ttps://twitter.com/sientejp/status/1667185451122278403