{クレイニア王国


    (国旗)          (国章)
王国の標語Vox Populi, Vox Dei. (ラテン語「民の声は神の声なり。」)
国家元首ヤコバン・エーリ15世国王
宗教キリスト教(クレイン教会、聖公会)、イスラーム(スンニー派)、ユダヤ教
通貨クレイニア・グラン
公用語クレイン語、ゲールラント語、西部ミド語、北部ノルトラント語
首都シュターゼンヴュルク市

クレイニア王国はソリシア大陸ムラビア地方に位置する立憲君主制・議院内閣制国家。首都はシュターゼンヴュルク市。

   目次





隣接する国家

イシュヴァク共和国、中央ソリシア連邦、南ムラビア人民共和国(未承認)

歴史

旧石器時代・新石器時代

クレイニア王国の位置するムラビア地域では、B.C.13000年頃から人類が居住していた考古学的証拠が多数発見されており、原始的な狩猟採集生活を営んでいたと考えられている。

古代

前4-3世紀頃に古代ムラビア文明が勃興し、各地にソトンやケーイア等の都市国家が形成された。各都市国家は農地を開拓した結果領域国家的な部分が発達し、やがてB.C.1世紀頃には領域国家同士の連合体が形成された。歴史家達はこの連合を便宜的にレノイ連合と呼ぶ。レノイとは、ムラビア神話に登場する王国の名である。A.D.2年、ソトン王国のリュガ王がレノイの長となり、各国を治めた。リュガ王の死後、その一族がレノイの長を務めたが、やがて連合の体制は形骸化し、各国が強力な権威を持つ様になった。2世紀初頭に各国の間で戦乱が起きるが、315年、ルガリア王国のヴァド王が統一し、封建制を敷いた。390年、ルガリア王国にキリスト教が公伝し、国王の承認の下、王宮のあるシハムに初の教会が設置され、布教が行われた。402年、ルガリア王国はキリスト教を国教化した。

中世

610年、ゲールラント公メネン・トールが反乱を起こして王権を簒奪し、トール朝が発足。トール朝時代には様々な文化が発達し、代表的なものを挙げれば、メネンヘンクのサント・ヨハナン大聖堂の建設や、詩人リューラ・ギルタによる宗教詩「マリア讃歌」の成立等があった。684年、王の側近で宗教的な相談役である国王付司祭を解雇された隠者アリグ=トゥーヴェロインが民衆を率いて反乱を起こし、自らが王に即位して独裁を行ったが、701年に死去し、政権は元の王家に戻った。745年の農奴大乱を皮切りに王国では政変とそれに伴う分断が相次ぎ、8世紀後半から9世紀にかけて、ルガリア王国はゲールラント公国、ミドニア王国、ヴェールタニア王国、ノルトラント王国の四国に分裂し、更にそこにゲルマン人が建国したディルムント王国と西ファーレン王国が加わり、ムラビア地域には六つの国が存在した。10世紀中頃にはディルムントと北ファーレンが滅亡してそれぞれミドニアとノルトラントに吸収され、985年にはヴェールタニアが王国を再統一し、再び封建制を敷いた。1138年、王位継承争いによってヴェールタニアは南北に分裂。南北朝時代は約300年間続くが、1378年南朝のマーザ伯ヨセヨ・ラウネン将軍がゲッティバークの戦いで勝利し、ヴェールタニアは再統一に向かった。その後当時の王シュターズ・グール7世は王宮をラギアに遷し、彼の死後都の名はシュターゼンヴュルクとなった。

近世

15世紀にはルネサンスの潮流がヴェールタニアにも及び、各地で写実的な絵画や彫像、ルネサンス様式の建築が発達した。1548年、南流トール朝の王家が途絶え、隣国のロディアからアンクルト王を迎え、新たにムラブ王国を建国。然し16世紀後半、王国の主要民族であるクレイン人の間で民族意識が高まり、外国人の血を引くムラブ王家を打倒する気運が高まった。1699年には南流トール朝最後の王ピリピノ5世の傍系子孫であるルガール侯ヤコバン・エーリ1世が蜂起し、1704年、ムラブ王国を打倒して現在のクレイニア王国を建国した。1815年には飢饉や反乱が発生し、国庫は底をつき、更に宮廷や諸侯は腐敗していた。これを受けて当時の国王ヤコバン8世は改革を行ったが、あくまでも宮廷内に留まった。

近代

1818年に即位したヤコバン9世は、元老院を通じて「王国の再建に関する7箇条の誓文」を発布し、国庫の再生、農地改革、反乱の鎮圧、民主主義政策を推進した。1822年には議会を設置、翌年からは「憲法制定の詔勅」を発布して一般民衆の代表者を参加させた憲法制定議会が召集され、1824年「クレイニア王国憲法」が公布・施行された。ヤコバン9世は生涯改革の中心におり、1858年崩御した。王国は第一次世界大戦では連合国側に付いたが、資金や武器の供与に留まり、自国の軍を前線に参加させることはなかった。

現代

第二次世界大戦では連合国側に付き、冷戦中は西側諸国の一員だった。1978年からNATOに加盟、2001年からはEUに加盟しているが、シェンゲン協定には批准せず、通貨同盟にも加わっていないため、同じEU圏内の国でも国境検査が必要で、通貨はユーロではなくグランのままである。2012年には中央ソリシア連邦、クルート共和国と共にソリシア諸国家連合条約に調印し、USN(Union of Solisian Nations)を設立した。2004年、南部のアレーン州でムラビア社会主義者同盟によるテロが発生し、アレーン州の州都ウルギの州政府庁舎で南ムラビア人民共和国として独立宣言を行ったが、現在朝鮮民主主義人民共和国と沿ドニエストル・モルドヴァ共和国の二国からしか承認されておらず、国際的に国家と見なされていない。2023年には第14代国王ヤコバン14世が生前退位し、現在は第15代国王ヤコバン15世がクレイニア王国の元首となっている。

政治

クレイニア王国は立憲君主制である。王国議会と宰相府の関係は議院内閣制とされるが、王国宰相は国民による選挙結果に従って任命される。合衆国大統領のように国民による選挙で選出するが、飽くまでも議会との繋がりはある。王国法院が裁判を行う。

国家元首

国家元首はクレイニア王国国王であり、現在はヤコバン・エーリ15世。憲法に規定される、国王の大権は次の通りである。
1.王国議会の召集
2.議会の承認に基づく政策の立案(但し政策の決定・立案は国王の特権ではなく、主に議会が行う)
3.称号及び栄典の授与
4.大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の認証
5.各大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状の認証
6.外交文書の批准
7.外国の大使及び公使の接受
8.戴冠式等の国家的式典

立法

クレイニア王国議会が「臣民の権利の行使の最高機関であり、唯一の立法機関」である。議会は二院制で、民議院と元老院に分かれている。民議院の優越が原則とされるが、宰相の任命権は一方的に元老院にある。然し前述の通り宰相は選挙によって選出されるため、権限は形式的な物である。両議院の議員の兼職は禁止されている。

民議院
議長:マテウ・ヴァ―リ
議席:470
選挙制度:大選挙区制(各選挙区から2名ずつ)
任期:5年
解散:あり
その他:国王が批准した外交文書と、宰相府の予算及び人事を承認する。宰相の解任権がある。

元老院
議長:ガタリ・ミグール
議席:100
選挙制度:各州から2名ずつ
任期:8年(4年毎に半数改選)
解散:なし
その他:形式的な宰相の任命権がある。

行政

行政権は宰相府が司る。首長である王国宰相が各大臣の任命権と罷免権を持つが、その半数は必ず各議院から任命される。
王国宰相:ナタナウル・グルアン
内務大臣:マルヤ・ダキヤ
外務大臣:フィリポ・アルール
法務大臣:リュガ・ハヴァイク
財務大臣:ジームン・ソール
宮内大臣:ヨセヨ・カウバ3世
国防大臣:ムゼス・ドゥルナー
産業大臣:アバラル・クルーディー
商務大臣:シャハ・カーラ
科学大臣:シャフラム・ホセイニー
教育大臣:アレハンドラ・マリ
警察大臣:ガエシャロ・トゥール2世
防災大臣:イシュア・ルマーン
福祉大臣:マウナ・ヴェーラ
環境大臣:カウラ・ニュグ

司法

王国法院が審判を行う。地方審判所で一審を行い、次に高等法院、最高法院と続く。王国法院の裁判官を法官と呼び、裁判員を審理員と呼ぶ。
王国法院長官:ヨップ・ハン
法院事務総長:ヨナハーナ・ヴァーグ

外交

主な外交は外務省が行う。また国王が大使、公使、国公賓を接受する。

外交方針

第二次世界大戦以降の外交に於ける国是として、「民主主義、自由主義国家との協調・平和外交・ソリシア諸国としての立場の堅持」がある。2024年の王国の外交・安全保障の目標は、「USN加盟国・EU加盟国・NATO加盟国とより友好関係を深め、脅威的国家又は勢力への対策を強める。また南クレイニア(※)との交渉を続け、平和的な王国統一を実現する」。
(※)・・・南ムラビア人民共和国の、クレイニア王国側の呼称。また国際的にもこの名が広く使われる。

国防

文民である国防省が軍事を指導する。

陸軍

文民である陸軍長官の下で、陸軍元帥が最高司令官を務める。

海軍

文民である海軍長官の下で、海軍元帥が最高司令官を務める。

空軍

文民である空軍長官の下で、空軍元帥が最高司令官を務める。

治安・防災

警察

警察省が国内の治安維持の最高機関である。州警察に分かれ、更に市警察から群警察に分かれる。広域捜査の際には州警察同士が協力したり、警察省が直接動くこともある。

消防

消防活動や救助活動には防災省が携わる。被災地での救助活動や復興支援には軍や警察が協力することもある。

経済

王国は資本主義経済を採用しているが、大きな政府寄りの政策が目立つ。近年では長らく停滞していたGDPがIT産業の発達によってプラスに成長中である。

貿易

食品や家電、電子機器の輸出、半導体等の輸入が主である。

工業

自動車や家電、電子機器を主に生産している。

農業

食料自給率は105%とかなり高い。伝統的な酪農の他に、麦や米、トウモロコシ、豆類、芋類の生産、その他野菜・キノコの生産が盛んである。

水産業

王国の北部は大西洋に面しており、北大西洋海流の影響で豊富な海産物が獲れる他、魚やエビ、貝等の養殖も盛んである。

サービス業

近年IT産業が非常に発達し、スマートフォンの保有率は92%。VadoやRenoi等、世界的に活躍している企業も存在する。

交通

鉄道

王国では王立鉄道が全国に延びている他、東クレイニア鉄道やミド鉄道等の民間企業も鉄道を運営している。特別鉄道という日本の新幹線にあたる高速鉄道や、王国を南北に縦断するクレイン鉄道がある。

道路

全土に張り巡らされている王立道路は普通道路と高速道路の二種類に分けられる。

水運

大西洋に面する北部には港湾都市が多数あり、国内外への水運の起点となっている。また、貨物船や観光船が国内の自然河川や運河を利用することもあり、中には古代・中世に造られた運河もある。

空運

首都シュターゼンヴュルクにはシュターゼンヴュルク国際空港があり、王国の空運の中心となっている。その他メネンヘンク国際空港、ノルトラント北部中央空港等、84の空港が存在する。

民族

人口の6割がクレイン人である他、ゲールラント州にはゲールラント語を話すゲールラント人、ミド州西部には西部ミド語(ディルムント語)を話すディルムント人、ノルトラント州北部には北部ノルトラント語(西部ファーレン語)を話すファーレン人が存在する。ゲールラント人は2世紀頃にクレイン人から分裂した集団から発生した民族と考えられており、ディルムント人とファーレン人は六国時代にムラビア地域に王国を建国したゲルマン人達である。また、前1世紀頃からユダヤ人の入植があり、土地に深く根付いている。21世紀に入ってからはイランやモロッコからの移民が増えており、科学相シャフラム・ホセイニーはイラン系である。

言語

言語は公用語であるクレイン語、ゲールラント語、西部ミド語、北部ノルトラント語の他、最近では移民の増加によりペルシア語やベルベル語も使用されている。

宗教

キリスト教

クレイン教会
王国には伝統的にクレイン教会が存在する。クレイン教会は1823年までは国教であった。基本的な教義はカトリックと変わらないが、クレイン人の精霊や祖霊への崇拝と習合した独特の信仰がある。
■聖公会
近代以降外国からの布教によって広まった。

イスラーム

王国内では近年イランやモロッコからの移民の増加によって、スンニー派ムスリムの人口が増えており、布教活動も盛んである。クレイン人の間にもイスラームに改宗する者が出てきている。

ユダヤ教

ムラビア地域には前1世紀頃にユダヤ人の入植があり、その信仰は土地に深く根付いている。

医療

王国には無償で医療を受けられる王立病院の他、医療費が必要な民間病院が存在する。

福祉

福祉は福祉省が司る。高齢者、母子、障害者等に向けた社会福祉制度がある。他にも軍人や退役軍人に向けた年金制度や保険制度がある。

教育

教育は教育省が司り、義務教育は高校までで、以下の学校に分けられる。

小学校5年間
中学校4年間
高校4年間
大学3〜6年間

文化

西欧やアフリカの影響を受けながら、キリスト教文化、クレイン独自の文化、ゲルマン的な文化が混ざった独特のムラビア文化を共有している。精霊や祖霊に関する伝承や信仰が各地に残っており、近代以降はこれらの民俗文化の研究が進んだ。またイラン人街やモロッコ人街では母国の文化を保持している。

祝祭日

1月25日 王国議会記念日
2月24日 建国記念日
3月3日 憲法公布記念日
5月7日 憲法施行記念日
5月14日 誓文発布記念日
5月30日 ヤコバン9世誕生日
8月14日 戦勝記念日
8月24日 王妃誕生日
10月15日 国王誕生日
11月8日 詔勅発布記念日

スポーツ

王国では近年サッカーやテニスが競技や趣味として人気である。

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