学校では教わることのない日本の自虐史観を省いた歴史を年表にまとめたもの。

開会式に於ける日本全権の声明


日本全権は本会議に於いて必ずや支那と爾余諸国との間に共通の目的及び相互の諒解に向かって何等確定的結果に到達し得へしとの真摯なる確信を以て爰に来り会いせり。
吾人は右目的の為衷心協力すべきことを誓言すると同時に吾人は本会議の討議が総ての方面に於いて国際会議の成功を収める必須条件たる公正穏健の精神竝簡明直截の手段に依り終結せむことを確信す。
日本は正当なる国民的要望を実現せんとする支那国民の努力を切実且不断の興味を以て常に注視し来れり。
日本自身嘗て財政及び司法行政上其の行動の自由に対し片務的束縛を被り来れり。
現在支那国民がこれらの束縛を除去せんとする努力は日本の歴史に又其の形跡を求め得へき所なるを以て今日吾人の注意を惹きつつある同様の問題の解決に付日本の辿れる道程を回顧し爰に之を要述するも徒爾ならざるべし。
日本は1858年始めて外国貿易の為に開港し当時締結せられたる通商条約に依り治外法権を許与し且関税事項に対し片務的協定をなすの巳むなきに至れり。
1866年に至り右条約は改訂せられたるも輸入税率は爾後33年間一律従価五分の協定税率を維持せり。
尚同様の制限は輸出に対しても加えられたり。
日本国民は此の如き協定に対し不満を抱きたるも同時に自己の欠点を自覚したり。日本国民は其の対外的地位の弱点は即ち其の国内的弱点に起因するものなるを看得し、従って先ず其の原因を除去するに非ずんば如何に其の結果を是正せんとするも
徒労なるべきを知り右確信の下に日本国民は必要なる内政改善の完成を目標として静かに着々而も深き決意を以て其の事に当たれり。
1894年の改訂条約は大体従価五分より一割に至る差等税率を規定し右新税率はこれ等改訂条約調印の日より五年を経たる後に実施せられ爾後12年間其の効力を存続することとなりたり。即ち改訂条約は近世の所要に順応すべき解決に向て一歩を
進めたるものなるも、列国側に於いて何等いわゆる対償を約定することなく依然片務的のものなりき。次いで日本は1899年列国の快諾を得たる上其の国内に於ける治外法権の撤廃を円満に完成したるも1911年の条約の改正に至り初めて片務的協定税率に
代うるに更に公正なる互恵主義に基づく変務協定を以てすることを得たり。
即ち日本は53年の長年月の間穏忍して諸般行政の釐革に対して極力努力を来れるなり。
支那は今なお吾人が嘗て踏み来れる道程を辿りつつあり支那が今日痛感する各種の艱難障碍及び困惑は嘗て吾人の親しく嘗め来れる所なり。
日本全権は同情と了解竝支那の立場に対する友好的理解を以て本会議の諸問題に莅むべし。

日本全権は会議の劈頭に於いて支那全権の提出に係る議題中にある関税自主権問題に対し極めて友誼的考慮を加えるに十分の用意あることを声明し得るを欣幸とするものなるも只茲に会同せる吾人の差当たり処理すべき問題あり。
抑今回の会議は支那の関税に関する1922年華盛頓条約の規定に従い招請せられたるものなる処該条約の目的は支那の財政整理を援助する為同国関税収入の増加を規定するにあり。
本会議は右の規定に依り特に左記二事項を考量すべし。

第一、同条約第二条は本会議に於いて支那と列国間の現状条約に規定する付加税を賦課する目的を以て右条約に規定する釐金の急速の廃止及び他の条件の履行に付準備を為すが為直ちに適当の措置を執るべきことを定め、

第二、同条約第三条は釐金廃止に先立ち適用せらるべき暫行規定を考量し及び従価一律二分五厘又は或種の奢侈品に付二分五厘以上五分を超えざる付加税の賦課を認むべきことを定む。

関税条約第三条に規定する付加税は二分五厘と規定せられ居るを以て右税率は同条約の規定を定むるに非ざれば之を変更することを得ざるは明なり。華府会議の際の算定に依れば本付加税は約2900万元の増収を生ずべく算定せられ
右増収額は支那海関報告の証明するが如く貿易額の自然膨張と共に遞増すること言を俟たざる所にして其の外海関収入を担保とする現存の債務を償還したる後毎年相当の関税剰余を生ずべし。
我財政専門家はこれ等の新財源を以て支那政府の必要なる行政費に充つると同時に其の一般的財政整理を促進し得べき実行方策を樹立すること難事に非ざるべしとの意見なり。
日本全権は他日本会議に於いて本問題に関する具体的提案を為すの光栄を有することあるべし。
然れども吾人は二分五厘以上相当率の増微を目的とする提議あるときは之を考量するに吝かなるものに非ず斯くの如き提議は関税約条第二条の規定の範囲内に属するものと見るべきものにして右は釐金の完全なる廃止に至るまでの
中間的方法たるべきを以て支那は先ず少なくとも釐金の一部廃止を為すと共に支那と列国間の現存条約に規定せらるる或種の条件を実行することを要すべし。

関税自主権の問題に関しては日本全権は前述の如く之に対する国民的要望の実現を目的とする支那政府の合理的計画に対し同情的且援助的考慮を加うるに躊躇せず。勿論右の目的は順序を趁うて始めて之に到達し得べきものなること
明らかなるを以て吾人は列国が即時且無条件に現存条約の権利を放棄せむことは支那自身措置として左記の方法の何れかに依らむことを茲に提議す。

(一)公正且合理的基礎に立つ国定税率を定め之を一般に適用し別に特殊貨物に関しては当該関係国との間に特別の税率を協定して之に依らしむるか又は
(二)平均一割二分五厘を超えず且関税条約第二条の規定と矛盾せざるが如き方法に於いて列国の満足すべき差等税率を定むること。

支那に於ける関税自主権の設定は充分鞏固なる統一政府の樹立を必要とするの外支那と他国との交通及び通商の自由を阻礙すべき一切の制限を完全に除去すべきことを前提とするものなる処吾人は顕著なる自主的政治能力を有する支那国民が
現在全国に瀰漫せる澎湃たる国民主義の発展に促され克く其の所期の目的の遂行に成功せむことを深く希望するものにして右改革は実に支那国民自身の為のみならず各国民の共同利益の為にも亦好ましきものなり。
加之支那が前記実際的措置の実行に依り確実に且自他ともに何等害ふ所なく健全且科学的の基礎に基づき其の財政改革の偉業を完成し以て民国隆昌の時代を創建し得むことは日本全権の信じて疑わざる所なり。
終いに臨み余は茲に日本全権を代表して此の重要なる会議が友誼の精神を以て終始せむことを重ねて声言すると同時に本会議が真摯なる討議善隣の協同相互の協助と互譲と而して自他の権利利益の尊重とに依り其の議題に対し各国の満足すべき
公正なる解決に到達し以て共存共栄の精福を発揮すべきことを衷心深く切望に堪えず。

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