学校では教わることのない日本の自虐史観を省いた歴史を年表にまとめたもの。

昭和八年十月二十五日後九時〇〇分
広田大臣

在英 松平大使
在米 出淵大使

合第一九五一号(極秘)
本月三日より総理外藏陸海五大臣五回に亙り外交と国防との相関関係より諸重要問題に付話合をなし大体意見一致を見るに至れるをもって本月二十一日閣議の席上総理の報告に引続き本大臣は口頭をもって大要別電第一九五二号の趣旨を報告せり
右に関し右閣議において

一、国際関係は世界平和を念とし外交手段に依りてわが方針の貫徹を計ること
二、国防に関しては他国よりの脅威を受けず外侮を蒙ることなきを期するとともにわが国力に調和せしむることに留意すること

を申合せたる旨発表せり
なお右話合に基づく具体的方策は関係省間において随時協議の上これを行うこととせり
右貴官内密の御含みまで
あて先 英、米

別電ともに英より佛伊獨露白に転電ありたし又蘭及び土耳古へは佛をして信頼すべき方法に依り託送せしめられたし
別電とともに米より紐育へ信頼し得べき方法に依り託送ありたし

昭和八年十月二十五日後九時〇分
広田大臣

在英 松平大使
在米 出淵大使
(五相会議決定の外交方針に関する件)

合第一九五二号(別電)(極秘)
帝国は満洲国建設により世界に大なる波紋を惹起したる次第なるが今日の急務はまず満洲国の健全なる発達を計りもって東洋の平和を確保し且つ一九三五年前後における国際的紛糾を未然に防止するために早きに迨び外交的工作を施し主要列国との間に親善関係の確立を図るを肝要とす而して満洲事変により国交関係に変態を来したるものの中主要なるものは支那ソ連邦及び米国の三なるがこれ等の国は将来あるいは国際会議において互いに連結して帝国に当たらんとするやも測られず仍ってわが方においては予め外交的工作によりその全部ならずとも出来得るだけ多くわが方に牽付くるを得策とす右趣旨によりこれ等諸国に対する方策を定むること大要左のごとし

対支方策
一、満洲国の発達完成のため同国経済統制及びわが国との経済的調節を計り帝国指導の下に日満支三国の提携共助を実現しこれにより東洋の恒久的平和を確保し惹て世界平和の増進に貢献するを要す
二、現下の日支関係を観察するに北支地方においては停戦協定の成立以来漸を逐うて好転の機運あるもその他の方面に在りては蘆山会議において両国関係の打開方針を決議せるやの情報もあり一般に好転の徴候なきに非ざるも具体的には格別これを証するに足るの
  現象を認めざる実情なり
三、従ってわが方としては前記北支地方の好転機運を助成すべきは勿論なるも一般的には彼をして反日政策を放棄し排日運動を根絶せしむるため常に厳粛なる態度をもってこれに臨み現に存在する各種具体的案件の解決については我方針の是正なることを徹底せしめ
  彼の自覚反省を促すに努むるとともにその間苟も我に於いて両国関係の改善を焦るが如き印象を与えるはこれを避くるを要す而して支那側にして現実に誠意を示すに於いては我方またこれに相応ずる好意的態度を執るを可とす
四、尚最近帰任せる蒋作賓公使が我方に対し何等か期待又は希望等を申出することある場合右申出にして東亜の大局に即し且将来に於ける日支関係の調整上有効なるものなるに於いては我方はこれに対し好意的考慮を加えるを得策とす

対米方針
帝国政府に於いては一九三五年海軍軍縮会議に対する関係もあり米国に対し我方の立場を有利ならしむるため準備的外交工作をなす必要あるのみならず近時満洲問題より発生せる同国人の対日悪感情を融和し又同国の対極東政策を出来得るだけ再検討せしむること等の必要あるをもって旁々適当の時機に於いて篤と先方と打合せの上特派使節の派遣あるいはその他の方法に依り同国との間に前記諸問題につき十分なる相互的了解を遂ぐること得策なり而して我方より進んで彼に対し構えるの意図なきは勿論なるも右に拘らず彼に於いてなお何等危惧の念を抱くに於いてはこれを除去するため何等かの具体的方法を講ずること必要なるべし

対ソ方策
日ソ両国関係は国体及び建国の根本思想を異にし融和し難きものあり尚ソ連邦は他国に間隙あらば之に乗じて悪宣伝を為し又其の遺り方は外の文明諸国と異なるものあるをもって之に対する我方の態度も自ら他国に対すると異なり十分警戒を加えざるべからず但し同国との間には国交を開き居り種々の懸案もあり殊に又帝国当面の急務として満洲国の健全なる発達を計るの必要あるをもって日ソ及び満ソ間の関係を円滑ならしむるを可とす依って客年八月閣議決定の通り我方としては軍事外交其の他内外諸般の準備を確立するとともに現下の国際関係に鑑み此の際はソ連との衝突を避くること極めて肝要なり
従って先ず日ソ間に存在する各種懸案の解決を促進することとし北満鉄道買収の如きも帝国政府の閣議決定及び之に関連して為されたる満洲国側の決定方針に基づき早目に之が解決を計ることとし尚又北樺太石油利権並びに極東ソ領水漁業問題其の他西比利亜大陸に於ける利権獲得に付解決の歩を進むることとし更に何等かの方法に依り極東方面に於けるソ満国境の兵備の緩和を講ずること肝要なり

其の他の諸国に対する方策
帝国は満洲事変以来外国より危惧の念をもって迎えられ居るのみならず日本商品の海外市場進出により経済関係に於いても悪化せり其の主なる国は英国なるが目下日印通商関係に就きては「シムラ」に於いて会商し其の調節を計らんとしつつある次第なるが故に成るべく同会議は之を成功せしめ英国との間に経済関係を調節し両国の親善関係を確立するの必要あり
次に獨逸は最近軍縮会議及び連盟より脱退を敢行せるが右に関連し同国は我方に接近せんとする模様ありと伝えられ之とともに其の相手国たる佛国にも又我に接近説ありとのことなるが帝国としては欧州諸国と親善関係を持続することは固より望ましき次第なるも之が為欧州問題にまで巻込まるるが如きことは厳に之を避くるの必要あり尚和蘭は東洋に植民地を有する関係上帝国に対し相当危惧の念を有し居りし処現内閣に於いて蘭国との間に仲裁裁判及び調停条約を締結し先方の危惧を除去せることは誠に結構なることなりと思考す従って此等条約の批准は成るべく速やかに之を進むることと致度


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