学校では教わることのない日本の自虐史観を省いた歴史を年表にまとめたもの。

■第一 方針


軍は開戦初頭航空部隊及び海軍と協同し、主力を以て馬来半島頸部以南の地区に上陸し、英国軍を撃破しつつ「ペラク」河の線に向かい突進す。
第一次上陸に引続き逐次兵力を増強し、航空部隊と協同して「クワラルンプール」を経て「ジョホール」水道の線に進出し、諸準備を整えたる後「シンガポール」を攻略す。
この間、機を見て一兵団を馬来東海岸に上陸せしめ、軍主力の作戦を容易ならしむ。


状況に依り、軍主力を以てする第一次上陸困難なるを予察せらるる場合に於いては、一部を南部泰に進駐せしめ、同地付近に航空基地の進出を待って軍主力の上陸を実施することあり。

■第二 要領


第五師団を基幹とする軍主力部隊は三亜港に集合し、海軍護衛の下にx-4日同港を出発し、X日払暁主力を以て「シンゴラ」一部を以て「パタニ」に上陸し、夫々飛行場を占領すると共に、機を失せず国境を突破し、所在の敵を撃破して「アロルスター」及び「ベトン」方面より「ペラク」河の線に向かい突進し、該橋梁を確保するに努む。


「コタパル」支隊は三亜港に集合し、軍主力と共にx-4日海軍護衛の下同港を出発し、X日払暁「コタパル」に上陸し、所在の敵を撃破して同地付近の飛行場(「コタパル」東北側飛行場とし、状況之を許す限り速やかに「タナメラ」及び「クアラペスト」飛行場)を占領し、爾後軍主力方面の作戦進捗に伴い、逐次「トレンガヌ」及び「クワンタン」方面に機動して飛行場を占領す。
状況止むを得ざる場合に於いては軍主力の上陸に遅れて上陸することあり。


状況により軍主力を以てX日上陸困難なる際に於いては、一部を以て馬来半島頸部に上陸進駐せしめ、第十五軍と共同し、該地付近の飛行場を整備せしめ、航空部隊一部の躍進を待って其の掩護下に軍主力を上陸せしむることあり。


近衛師団は開戦初頭第十五軍司令官の指揮下に泰国に進駐したる後、陸路逐次馬来軍主力方面に転進し、第五師団の後方に集結し、状況により第五師団を推進又は超越突進す。
特に歩兵三大隊を基幹とする部隊を遅くもX+15日頃迄に第五師団の後方に集結せしむるに努む。


第三飛行集団はx-3日迄に南部仏印に展開し、一部を以て輸送船団の掩護に任ずると共に、開戦初頭海軍航空部隊と協同し、主として馬来北部の飛行場を攻撃し、敵航空機を撃滅して軍主力の上陸を掩護す。
爾後主力を以て敵航空を制し、一部を以て地上作戦に協力す。


第二次上陸部隊はx+3日迄に「カムラン」湾に集合し、x+8日頃「シンゴラ」「パタニ」「コタバル」に上陸し第一次上陸部隊を増強す。
軍主力は台湾及び広東付近に於いて集合し適時出発、海軍護衛の下にx+25日頃(一月二日頃)主力を以て「シンゴラ」一部を以て「パタニ」付近に上陸し第五師団に追及す。


「ペラク」河の線に進出せば、態勢を整えたる後「ペラク」河を渡河し(x+15日頃と予定す)「クワラルンプール」に向かい突進し、該地を占領したる後引続き撃破しつつ「ジョホール」水道に向かい前進す。
この間、一部を以て舟艇により西海岸を機動し軍の作戦を容易ならしむ。


第十八師団主力は、速やかに馬来半島頸部に上陸後「ペナン」島を攻略して「ペラク」河以北の軍の後方地区を安定確保し、該方面より「スマトラ」に向かう作戦を準備す。

十一
第五十六師団主力は、軍主力の作戦進捗に伴い「クワンタン」---「メルシン」間の地区に上陸し「ジョホール」方面に進出し軍主力の作戦に策応す。

十二
「ジョホール」水道の線に進出せば全戦力を集結し「シンガポール」攻撃を準備したる後、主力を以て陸橋以西の地区より「ジョホール」水道を渡河し「シンガポール」を攻略す。

十三
軍戦闘司令所は、x-13日頃サイゴン発三亜に至り、竜城丸に乗船し、第五師団第一次上陸部隊と共にX日払暁「シンゴラ」に上陸す。
爾後、状況の進展に伴い、逐次「タイピン」「クワラルンプール」「クルアン」に躍進す。

■第三 実施の細部

一 上陸点
(第一次)
(1)シンゴラ東側海岸(右翼隊)
   第五師団司令部、歩兵六個大隊
   砲兵四個中隊、戦車三個中隊、航空関係部隊
(2)パタニ河口西側海岸・一部タペー東側海岸(左翼隊)
   歩兵三個大隊、砲兵二個中隊、戦車一個中隊、航空関係部隊
(3)ケランタン河口東側海岸(コタバル支隊)
   歩兵第二十三旅団司令部、歩兵三個大隊、砲兵一個中隊、航空関係部隊
(第二次)
主力シンゴラ、一部パタニ及びコタバル
   第五師団主力の車輛、重砲一個大隊、戦車四個中隊、コタバル支隊の車輛及び馬
(第三次)
主力シンゴラ、一部パタニ
   第五師団の歩兵三個大隊、砲兵一個大隊、第十八師団主力(歩兵六個大隊、砲兵八個中隊)、軍直部隊、兵站部隊
(第四次)
シンゴラ方面
   近衛師団の一部(歩兵三個大隊、砲兵一個大隊)
(第五次)
状況により「クワンタン」「メルシン」間
   第五十六師団主力(歩兵六個大隊、砲兵二個大隊)

ニ 上陸開始期日及び時刻並びに上陸日程
(1)第五師団第一次上陸部隊
   X日〇三〇〇上陸を開始、払暁迄に二回揚陸し、一日半にて完了す
(2)コタバル支隊第一次上陸部隊
   X日〇一〇〇頃(状況已むを得ざればx+1日〇一〇〇以降)より上陸を開始し、払暁迄に三回揚陸し、輸送船団は「パタニ」方面に退避し、X日夜海軍兵力護衛の下に、更に「コタバル」泊地に進入し、払暁迄に揚陸を完了す
(3)第五師団及び「コタバル」支隊第二次上陸部隊はx+8日頃未明上陸を開始し、三日にて完了す

三 輸送船隊の船隊区分及び行動
(1)輸送船隊
   シンゴラ上陸部隊    十一隻
   パタニ、タペー上陸部隊  六隻
   コタバル上陸部隊     三隻
(2)輸送船隊の航路 別紙の如し(省略)
(3)速力
   強速力   十五節(侘美支隊分進以後、同部隊は十六節)
   原速力   十四節
   半速力   十二節
   微速力    九節

四 協力航空部隊
(1)兵力
   陸軍 四五九機(予備機一五三機)計六一ニ機
   海軍 一五八機(予備機ニ九機)計一八七機
   合計七九九機

五 使用基地(サイゴン協定の通り。省略)


参考文献

戦史叢書 マレー進攻作戦 166-169頁

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