学校では教わることのない日本の自虐史観を省いた歴史を年表にまとめたもの。

(カタカナはひらがなに、句読点はUP主による)

南方軍命令 十一月二十日東京

一 大本営は帝国の自存自衛を完うし、大東亜の新秩序を建設するため、南方要域の攻略を企図せらる。
二 予は海軍と協同し、速やかに南方要域を攻略せんとす。
  主作戦を比島及び馬来方面に指向し、両方面に対する同時先制急襲を以て作戦を開始し、短期間に作戦目的を完遂す。
  海軍との協同に関しては、陸海軍中央協定及び総協第二号協定覚書に拠るべし。
  支那派遣軍総司令官、防衛総司令官及び台湾軍司令官は軍の作戦に関し所要の援助を実施す。
三 進攻(進入)作戦開始に関しては別命せらる。
  進攻(進入)作戦開始時に於ける南方軍軍隊区分別冊の如し(省略)
  指揮転移の時機は、現に第十五軍又は第二十五軍司令官に属するものに在りては、十二月一日零時、其他に在りては、別命したるものの外十一月二十一日零時とす。
四 第十四軍司令官は、左記に依り比島方面の敵を撃破し、其の主要なる根拠、特に首都「マニラ」を迅速に攻略すべし。
  イ)開戦劈頭「ルソン」島方面の敵航空勢力に対し先制空襲す。右航空作戦第一撃日時の繰下げ及び其の新たなる日時の決定は、総協第二号に依る。
  ロ)先遣諸隊を以て航空第一撃の前日夕以降、夫々其の集合点を出発し、「ルソン」島北部及び「レガスピー」付近に上陸し、航空基地を占領す。
  ハ)軍主力は右作戦の成果を利用し、作戦第十五日頃迄に主力を以て「リンガエン」湾付近に、一部を以て「ラモン」湾付近に上陸を開始し、速やかに「マニラ」を攻略す。第十四軍司令官は、軍主力の集合点出発迄の間、台湾に集合する他部隊の集合点に於ける警戒等に関し、之を区処すべし。
五 第二十五軍司令官は、「シンガポール」攻略の為、左記に依り先ず馬来方面に急襲上陸を敢行し、且つ努めて前方に地歩を獲得すべし。
  イ)有力なる先遣兵団を以て、作戦開始日零時以降泊地に進入し、中部馬来半島東岸に急襲上陸し、速やかに航空基地を占領し、且つ努めて南方に地歩を獲得す。
  ロ)情況に依り、右先遣兵団は少数の奇襲部隊を以て、第十五軍の一部と共に、作戦開始日零時頃以降努めて隠密に泊地に進入し、南部泰の航空基地を占領整備し、其の主力を以て、作戦第二日零時頃以降上陸を開始せしめらるることあり。
    右の場合に在りては、先遣兵団集合点出発前別命せらる。
  ハ)先遣兵団の残余は、成るべく速やかに、又軍主力は概ね作戦第二十六日頃迄に、夫々南部泰に上陸を開始し、当面の敵を撃破しつつ馬来西海岸方面を南下突進す。
六 第十五軍司令官は、左記に拠り泰国に進入して第二十五軍の作戦を容易ならしむると共に勉めて同国の安定を確保し且つ同方面よりする対支封鎖を実施し併せて「ビルマ」に対する爾後の作戦を準備すべし。
  イ)開戦初頭陸路及び海路より中部及び南部泰に進入し「バンコック」付近及び中、南部泰に於ける航空基地を確保すると共に「ビクトリアポイント」を占領す。
    特に海路より泰国に進入する作戦に関しては緊密に第二十五軍の作戦に協同す。
    開戦前に於ける部隊の移動は、厳に企図の秘匿に留意す。
  ロ)泰国進入作戦の実施に当たりては、勉めて友好関係を保持す。
    泰国軍抵抗せば、前項の要域を占領す。
  第十五軍司令官は「カンボジア」に於ける軍事鉄道業務及び作戦地域内泰国に於ける鉄道整備及び軍事鉄道輸送業務を担任すべし。
七 第十五軍司令官は、進入作戦開始時迄南総作命甲第一号の一に依る前任務を続行すべし。
  但し、印度支那の安定確保及び同方面よりする対支封鎖の任は、十二月一日零時を以て南方軍軍直部隊に、又印度支那に関する軍事要求の現地交渉其の他に関する事項は進入作戦開始時を以て総司令官の機関に夫々継承せしむ。
八 第三飛行集団長は、左記に拠り第十五軍及び第二十五軍の作戦に協力すべし。
  イ)第十五軍の一部及び第二十五軍先遣兵団の航行並びに泊地を掩護す。
  ロ)作戦開始日零時以降、主として英領馬来方面の敵航空勢力を先制空襲す。
  ハ)所要の地上勤務部隊を第十五軍及び第二十五軍先遣兵団と同航せしめ、速やかに馬来方面及び中部泰に航空基地を設定整備す。
  ニ)一部を以て「ビルマ」方面敵航空部隊を撃滅すると共に、第十五軍の作戦に直接協力す。
  ホ)馬来方面及び中部泰に於ける飛行場を占領せば、機を失せず先ず戦闘隊及び軽爆隊の一部を、次て集団の主力を馬来方面に、一部を中部泰に躍進せしめ、航空撃滅戦の成果を拡充すると共に泊地掩護及び地上作戦直接協力に任ず。
  ヘ)適時所要の兵力を以て、敵背後連絡線の遮断並びに「シンガポール」其の他の要地を攻撃す。
九 第二十一独立飛行隊は、依然前任務を続行すると共に一部を以て三亜、「ツーラン」付近輸送船団の防空に任ずべし。
十 第十五軍、第二十五軍及び第三飛行団長は相互緊密に協力すべし。
  第二十五軍司令官は、左記に関し第十五軍司令官及び第三飛行集団長を区拠すべし。
  イ)第十五軍の海路より「ナコン」(含む)以北の泰国に進入する部隊の船舶の行動。
  ロ)第十五軍の一部及び第二十五軍先遣兵団と同行する航空部隊の船舶の行動及び其の上陸。
  第十五軍、第二十五軍司令官は、中部泰及び馬来方面に於ける第三飛行集団の航空基地設定整備に協力すべし。
  第十五軍司令官は「ナコン」以北の揚陸の進捗に伴い配属独立工兵(丁)(資材共)の主力を第二十五軍司令官指揮下に転属すべし。
十一 第十六軍司令官は、速やかに一部を以て「ダバオ」「ホロ」島及び「タラカン」を次で「バリクパパン」「バンジェルマシン」を占領し所要の航空基地を獲得すると共に、資源要域を確保すべし。(以下省略)
十二 川口支隊長は開戦後集合点を出発し、先ず「ミリ」「セリヤ」を急襲占領して資源要域並びに航空基地を確保し、引続き成るべく速やかに「クチン」付近飛行場を占領すべし。
十三 米英蘭軍又は其の一国軍の攻撃を受けたる場合の自衛の措置に関しては、南総作命甲第一号の一に依るべし。
十四 船舶輸送司令官は、各方面上陸作戦に緊密に協同すべし。
   特に揚陸日数の短縮に努むべし。
   又輸送の現況を的確に把握し、情況の変化に即応する如く準備すべし。
   船舶輸送司令官は、海上「トラック」に依る輸送を統轄し、内約一万トンを第二十五軍に、約五千トンを第三飛行集団に配当し、夫々の作戦を容易ならしむべし。
   其の実施の細部に関しては相互協定すべし。
十五 比島、英領馬来、英領「ボルネオ」、蘭領印度及び「ビルマ」等の占領地に対しては、治安を恢復し、国防重要資源を取得し且つ軍自活の途を確保する為、第十四軍、第十五軍、第十六軍、第二十五軍及び川口支隊長は、夫々当該方面の軍政施行に任ずべし。
   軍政施行の細部に関しては別命す。
十六 作戦時刻は日本中央標準時に依るべし。
十七 予は東京に在り。
   十一月二十五日出発先ず台北に到る。
   南方軍総司令官 伯爵 寺内寿一

下達法
一、十一月十九日第十六軍参謀長を招致し口達、後印刷交付。
ニ、其の他に対しては発令の件を電報したる後、十一月二十日幕僚を派遣し船舶輸送司令部、第十四軍、第三飛行集団、川口支隊、第二十五軍、第十五軍、第二十一独立飛行隊の順序に印刷命令を伝達せしむ。
報告(通報)先 大本営(第二艦隊)


参考文献

戦史叢書 マレー進攻作戦

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