1486年生〜1545年没。
インドに実在した人物。スール朝の創始者。
シェールは虎を意味し、若き日に虎(シェール)を倒した逸話を持つ。
15歳の時に「自らの幸福を探すため」に故郷を旅立った。
その政治手腕は素晴らしく、時のムガル帝国皇帝
バーブルにも一時は仕えていた。
しかし、次代の
フマーユーンになると即座に独立を宣言。
一度は敗北し降伏するも、力を蓄え、
フマーユーンの統治の隙を突いて再度挙兵。
国力で上回るムガル帝国に対し、彼は各種軍略で上回り、チャウサの戦いで大勝利。
ガウルにて即位し、スール朝を創始する。
その後、カナウジの戦いでも大勝利。
アーグラに入城し、ムガル帝国の乗っ取りに成功する。
帝国を手中にした彼は優れた行政手腕を発揮し、行政分割、税金、道路、貨幣制度など様々な方面へと手を加え、インドの国家体制を急速に整備した。
これにより現代インドにおいても名君として
アショーカや
アクバルと名を連ねる存在となる。
絶頂期にあった彼であったが……
カーリンジャルを攻撃中に砲弾の暴発事故で死亡した。
「自らの幸福を探すため」に旅立った彼の不運な最期であった。