とある惑星に、神化の光が降り注ぐ。
彼はその力を得た内の一人であり、その力に溺れた唯一の人であった。
自身の行いを正義と信じて止まず、衝動のまま破壊と殺戮を繰り返した彼は、ついに同胞達から追放されてしまう。
力の一部とかつての姿を失った彼は、この世ともあの世とも知れない荒野に飛ばされ、永遠に漂い続ける。
――はずだった。
彼は諦めてはいなかった。
むしろ、追放を受けたことで屈折した正義感はさらに歪み、己の力への信奉はより強固となった。
彼は力なくして尚“敵”を求め、数多の神性・巨獣――あるいは己と同じような存在――を見つけては戦いを挑む、宇宙の殺戮者と化していく。
そして、敵を滅ぼし続け、本人さえかつての姿を忘れる程の月日がたったある頃、彼はある星へ“三つの脅威”が近づいている事を察知する。
新たな強敵、新たな危機……そして新たな戦場。彼は己の欲するものを求め、その惑星系へと向かった。
しかし星へ降り立つ際、彼は妨害に会う。それは当時の星の支配者たる神々――彼らはこの殺戮者の来訪を予期し、拒み、結託し、攻撃を仕掛けたのだ。
彼は怒り狂い、あらんばかりに暴れまわる。その怒りの果てについに彼は力尽き、この宇宙の裏側へと隔絶されてしまう。
無論、彼は諦めるはずがなかった。
永きに渡り、彼は世界の裏側でもがき、抗い続け、ようやく宇宙の裏側から精神だけを目覚めさせる事に成功したのだ。
星に目を向ければ、神々は去り、人類と呼ばれる種が生まれ、文明が生まれ、神秘は去っていた。
あまりにも長い時が過ぎていた。
彼はしばらく星を――地球と名付けられた星を見つめ、宇宙を漂う。地球には彼と比べるにはあまりにも小さな生命が息づいていた。
そこで彼は、改めて己が手にした力について、己が同胞達から追放された意味を思索する。
だが、その安息の時は長くは続かなかった。
地球は狙われている。
あまりにも多くの敵が飛来し、侵略を始めようとしている……!
その事に気づいた彼は、今一度戦いに身を投じることを決める。
封印された肉体は、いつの間にか地球に生じていた“サーヴァント”という概念を借りることで無理矢理解決?した。
その際、地球にある
信仰と自身を結びつけ、失った名の代わりにもう一つの名を得た。
そして彼は、脅威が地球へと届く前にこれを撃破する抑止の守護者として、今一度戦いに身を投じる事となったのである。
今日も宇宙のどこかで、彼の叫びが木霊する。
「■■■・■■■■!!」
* * *
便宜上、
星の戦士と似た信仰を持つサーヴァントを名乗ってはいるが、その実全くの別物。
周回軌道の外側に乗り、頼んでもいないのに勝手に地球を守護する謎の来訪者。
戦う度に宇宙がちょっとずつおかしくなっていく。それを本人が知っているのかは不明。
とりあえずそれで出てきた何かも殺す。負のサイクルである。
その上で戦闘力だけは高いのがかなり理不尽。