kagemiya@ふたば - 染伊芳乃

基本情報

【氏名】染伊芳乃そめいよしの
【性別】女性
【年齢】15歳
【出身】日本
【身長・体重】145cm・38kg
【肌色】色白【髪色】黒【瞳色】青
【スリーサイズ】71/53/75
【令呪の位置】左胸

【属性】秩序・善
【魔術系統】神樹魔術
【魔術属性】地
【魔術特性】循環
【魔術回路】質:C 量:D 編成:正常
【起源】断絶

【契約サーヴァント】サモナー

魔術・特殊技能・特性など

分枝掌握パラダイム・グラヴ

分かたれた枝、平行する可能性を掴み取る大魔術。平行世界に移動するのでは無く、平行世界を此方側に引き寄せるという異常。
即ち、数多ある中から最も都合の良い未来を選び取り、現実へと上書きする、限定的な未来改変。原理としては第二魔法のミニチュアライズに当たる。
一見して神の如き万能の技だが、可能性を上書きするというその性質から、発動にはあくまで下敷きとなるべき「正しい未来」を必要とする。放たれた矢が命中する可能性を引き寄せる事は出来ても、そもそも放たれていない矢を命中させる事は出来ない、と言う様に、起こり得ない事象に起こった事象を上書きする事は不可能。
芳乃は主に加工した樹木に予め術式を刻む形で使用しており、この為、単一の効果しか発揮できない。 また、術式の成功率にも著しく問題を抱えており、十全に扱えるとは言い難い。

対消滅アナイアレイション

分枝掌握によって引き寄せた可能性が、元の未来に上書きされない事で起こる破壊現象。
複数の可能性が同時に重なり合うように存在すると言う異常を、抑止力は肯定しない。重なり合う可能性は諸共に消滅し、世界の構成そのものに穴を空ける。それは即ち、世界の穴を埋めるために生ずる歪み。空間そのものを割く亀裂となって発生する。

礼装・装備など

神樹の矢

アスタルティア邸を覆う木々、神樹を削り出して作った礼装。
二種が存在し、ひとつは放つ事で『分枝掌握』の術式を起動、狙った地点に必ず命中する効果を持つ。即ち、放たれたこの矢はあらゆる回避行動を無視し、平行する枝から命中の可能性を引き寄せる、必中の矢。
もうひとつも『分枝掌握』を発動するが、その効果は中途で停止する。これにより放たれた矢は複数の可能性を内包し、『対消滅』を引き起こす。空白を埋めるように歪みうねる空間は、そこにあるものを巻き込み、破壊を齎す。
実のところ前者は成功作、後者は失敗作と言う位置付けであり、『対消滅』の矢はそもそも狙って作り出したものではない。成功の為に積み上げた数多の失敗。不出来故に生み出された武器。
成功作である必中の矢は、数本程度しか有しておらず、あくまで奥の手として用いられる。

クロスボウ

神樹の矢を撃ち出すための武器。これ自体には特殊な魔術等は仕込まれていない。

刻印種

肉体に埋め込まれた樹種。魔力増幅、身体強化の効果を発揮する。

赤い首輪

なんの変哲もない、真新しいペット用の首輪。
どうしてこんな物を持っているのかは分からないけれど、なにか大切なもののような気がしたので左手首に巻いている。


外見・容姿の詳細など

黒い髪に白い肌。飾り気のないボブカット。日本人形のような雰囲気に違う、透き通るような青い瞳。目鼻立ちは整って少女らしい愛らしさを持つが、固い表情と睨めつけるような目付きは見る者によっては悪印象を与える。
外出時には常に学校指定の制服姿。丈がやや大きく、袖口も長い。着るというよりも着られている、という印象。夜間の行動時には制服の上からフード付きの黒いローブを纏う。
見た目の印象に違わず、制服の下に隠された身体のラインも少女らしい未成熟さを備えている。

人物像

火蜥蜴学園一年生。嘗て土夏市に『聖杯』を齎した御三家の内の一つ、アスタルティアの魔術師。第五次聖杯戦争における小聖杯の、直接的な管理者。
幼い頃から魔道を歩むが、魔術師としては未だ半人前。精々が二流半、と言ったところで、そもそも魔術師としての才もごく平凡。魔術回路に特出した所は無く、魔術の扱いにも秀でたセンスは無い。ただし魔術使いとしては天性の物を持っており、手段として魔術を用いる才能には優れる。意図せず戦闘に特化した魔術師。魔術刻印はごく一部引き継いでいるものの、未だアスタルティアの姓を名乗る事は許されず、母方の姓を名乗っている。
現在は高校に通いながら、土夏市内のマンションに一人暮らし。習慣的にアスタルティア邸に通い魔術を学ぶが、父からは半ば放任気味。それでも父に対する敬愛は深く、彼に倣って「正しくあること」が生きる上での方向性、原動力となっている。


ある夜、自室で目覚めた時から記憶には欠落があり、見知らぬサーヴァントを抱えたまま聖杯戦争へと臨む事になる。
遭遇した敵サーヴァントとの戦闘で呆気なく死亡した事で、一日目へと帰還。これを己のサーヴァントの能力と認識し、繰り返しの四日間へと挑んでいく。


イメージカラー:灰
特技:木造彫刻
好きなもの:味の濃い食べ物、ボリュームのある食事
苦手なもの:コミュニケーション
天敵:ゼロ師匠クラウス・アスタルティア
願い:■■■■■■

【一人称】私 【二人称】貴方 【三人称】彼、彼女

台詞例

来歴

クラウス・アスタルティアが第四次聖杯戦争の後に作った娘。
魔術師として完成するまではアスタルティアの名を受け継ぐ事叶わぬ、と言う父の方針に従い、母の姓を名乗りながら、幼い頃から魔術を学ぶ。父とは言葉を交わす事すら少なく、母に育てられるもその母からすら満足な愛情を与えられず孤独な幼少期を過ごしてきた。
それでも折れずに前を向いて生きられたのは、常に正しくあれと言う父の教えがあったから。正しい事だけを選び続け、いつか一人前の魔術師として父に認められるのだと、その決意が胸にあったからだった。
中学入学を前にして、元々身体の弱かった母が死去。それから間を置かずして、父から次代の小聖杯である黒猫の姿の使い魔を与えられ、聖杯戦争について教えられる。以降も父と言葉を交わす事は少なかったが、時折教えを受けるようになる。孤独の中に僅かばかりの光と、確固たる目標を得た。
高校入学を期に、アスタルティア邸を出て、新土夏内の高層マンション、ロゴス土夏において一人暮らしを始める。生活資金は十分与えられたし、独りでいるのには慣れていたので、苦にはならなかった。
そして、七月。第五次聖杯戦争の開始を目前として、アスタルティア邸へと呼び出される。
令呪の前兆は既にあり、小聖杯は完成の域にある。きっと染伊芳乃はこの戦いに勝利し、聖杯に正しい願いを託し、そして父に認められるだろう。


記憶は断絶する。



そして、目を覚ます。
ここにある染伊芳乃の正体は、今際の際に過った「死にたくない」と言う願いをみしゃぐちが汲み取ったカタチ。
元々有していた、可能性を引き寄せるという力が拡大された結果として姿を為した、本来は存在しない染伊芳乃の生存の可能性。本来の染伊芳乃が死亡している以上、下敷きとなるべき生存の可能性は何処にも存在せず、それ故に何処にも到達出来ない可能性の残骸。唯一つの躯。
繰り返しの四日間を続ける事で己の死という記憶を取り戻した後は、この四日間を延命し続ける事を望み心を閉ざす。

それでもまた、正しい事を選ぶのだと。それが染伊芳乃と言う人間だけの、他の誰にも真似できない生き方なのだと告げられる事で閉ざされた繰り返しの聖杯戦争は終わりを迎える。
そして、未だ染伊芳乃と言う人間は生存しており、だからこそ生存の可能性を実現する事は出来なかったのだと知る。既に叶っている願いを叶える事は、それだけは神様にだって出来ないことだった。
かくして約束の四日間は終わり、少女は五日目を生きる。心地良い安寧にさよならを。苦しみに満ちた、針の筵に向かって少女は歩む。

性格

真面目。頑固。攻撃的、且つ自虐的。常に憮然として愛想が無く、辛辣な毒舌家。「正しいこと」を何よりも重要視して、間違った物事に我慢が効かない。
その精神性は少なからず父からの影響を受けているが、根底にあるものは自戒。誰からも愛されず、認められず、不出来な己を恥じ、何よりも自分で自分の価値を認められない故に、自分を律し続けなければ安心できない。常に追い立てられるような焦燥感に駆られ、針の筵に座るような生き方。
このように人間として未熟である為に、正しさを計る天秤は不安定で脆い。達観とは程遠く、魔術師らしい常人とかけ離れた視点も持たない。あくまで未成熟な感性しか持たず、ごく一般的な良識に基づいてしか正しさを決められない。
きっとどこにでもいる、不器用なひとりの少女。誰でもない誰かになりたい、誰でもない誰か。

行動規範・行動方針

聖杯戦争に勝利する。

参戦理由

父に認められる為。

サーヴァントへの態度

役どころ・コンセプトなど

因縁キャラ

サモナー
繰り返しの4日間で契約を結ぶ事になるサーヴァント。
未成熟な子供のような精神性、あまりに頼りない戦闘能力を見て取って、それでもなお聖杯戦争に勝利せんと共に戦うことを選ぶ。
はじめは契約上のものに過ぎず、歪だったその関係は、サモナーが確固たる自我を得て行き、また少しずつ対話を重ねることで信頼関係へと変わって行く。
掴みどころなんてない、眩しい何かにそれでも手を伸ばす。ひたすらに前向きにも映る、その在り方こそが眩しかった。
しかし、芳乃の死、或いは四夜の終わりを以て繰り返される聖杯戦争、はじめはサモナーの宝具によるものと思われたその真相を知る事で、芳乃の心は泥底へと沈んで行く。
だって、良い事なんて一つもなかった。
どんなに頑張っても、どんなに苦しくても。誰も認めてくれなかったし、誰も助けてくれなかった。
繰り返しの四日間。終わることのない聖杯戦争。それを、永遠に引き伸ばし続ける。それだけを願いとして、サモナーとの関係さえも断ち切り、世界は継続される。

―――ひとつだけ、許せないことがあった。

弐號
自身の毛髪から作り出され、魔力を与える事で育ててきた使い魔。
共に暮らすうちに親愛の情を抱いたが、道具に過ぎぬモノに特別な感情を持つことは正しく無いと考えその想いを封じ、名前すら与えずに冷淡に接していた。
とは言えそれは本人の視点であり、弐號(イリス)からすれば割とダダ漏れだったらしい。
彼女に与えたいと願って与えられなかった赤い首輪は、常に引き出しの中に仕舞われていた。
クラウス・アスタルティア
お父様。
実の父。敬愛し、彼に認められる事だけを目標として生きていた。
しかし、クラウスにとって芳乃はただの道具として作成したに過ぎず、魔術師としての才能に欠けることに気付いてからは、道具としての価値すら認めていなかった。処分することが無かったのも、魔術を学ぶ事を認めていたのも、気に掛ける価値すら見出だせなかったと言うだけの事。
自身の肉体の劣化が致命的な段階に至った事に伴い小聖杯の管理を任せるが、完成の段に至った段階で最早芳乃は不要であり、第五次聖杯戦争を目前として処分に乗り出す。
最後に娘に告げた言葉は、「お前を愛した事など、ただの一度も無かった」。
染伊八重
お母様。
幼少期を共に過ごした母。
生来身体が弱く、出産を機に更に体調を悪化させたが、最後までアスタルティア邸で暮らす事を望んだ。芳乃の中学入学を前にして死去。
娘に対しては、生きる為の必要最低限を与えたが、それ以上の何かを注ぐ事は無かった。
悪人では無いが、弱い人。
最期に娘に告げた言葉は、「アンタなんか産まなければ良かった」。
十影典河
母の死の直後に一度だけ出会った相手。
路傍にあった野良猫の死体を供養する姿は芳乃の心を動かしたが、殆ど言葉を交わす事すらなく別れる。高校入学時に再会するも、典河の側からは記憶されていなかった。
始まらなかった関係。初恋にもなれなかった何か。
イリスが典河にだけ懐かなかったのは、芳乃の魔力供給を受け続ける事で、その記憶と感情を感じ取っていた為だった。