源頼光
自分を調伏した相手であり特別気に入っていた人間。
かつて教えた雷光を今でも使ってると知れば機嫌が良くなる。
「ヨゥ。アンタはたしか源頼光だろ? ん? ……いいやオラァこれが初対面だよ。噂の英雄にひと目と思ってね」
源頼光(♀)
平行世界の頼光。
女になってるどころか自分との接点もないので釈然としない。
「ハナっから雷の呪法を使えるライコーはその……なんか、違う……」
渡辺綱
晴明の次くらいに気に入っていた人間。かつ元同僚。
腕ばかり切ってることは気になるがそれを除けばいい奴。
坂田金時
頼光の息子。同じく雷使いということで目をかけていた。
しかし彼の持つ酒呑への思いについては否定的。
「いいか金時。バケモンは結局バケモンだ。オレも酒呑もね。なら、ぶち殺すしかねェのさ」
他の四天王
元同僚の豪傑たち。それなりに交流はあったが友人というほどでもない。
安倍晴明
元主人。かつ呪術の師匠。
デカイ、うるさい、顔が怖いという三拍子だがロストは彼を頼光の次くらいに気に入っている。
というのも彼が狐の母から生まれ落ちた者でありそれが怪物である彼女の共感を呼ぶからである。
酒呑童子
双子よりも近く他人よりも遠い片割れ。化物である以上は情も何もない。
討伐隊にはロストも参加していた。
偽頼光
ロストが彼を見た時、童子切の呪いで完全に化物に成り果てた頼光を連想する。
彼の願いにも肯定的なため自分もその対象と知っていたとしても手を貸すだろう。
紀貫之
歌人の端くれとして、また、歌を言葉とする神/化物として密かに尊敬していたので今の姿を見ればショックで放心する。
別にYouTuberが駄目なのではない。が、TSしてる(?)だの崇敬がひっくり返された心象だのなんだの色々積み重なった結果なので仕方ない。
ロストは特に心を伝達するという歌の特性に敏感であり、ひとたび歌が紡がれれば誰が詠んだかくらい察知するので逃げ場はない。
紀貫之(水着)
卒倒した……というのは冗談としても立ちくらみは起こした。あれだ。夏のせいだろう。熱中症。
具体的にはインディーズ時代からファンだった歌手がお色気アイドル路線取り始めたような心持ち。
三日ほど寝食を忘れ悩みに悩んで、「……まあ、それもありなんじゃない?」と半ば自棄になりつつ結論を出す。
歌詞はいいから……と自分に言い聞かせ、チャンネル登録して踏ん切りのようなものをつけた。
和泉式部
生前の友人。前述の通りロストは歌の裏に隠された心を嗅ぎつけ個人すら特定できるため彼女の思慕にも気がついていた。
が、裏も表も心情を解していたため彼女の思いを尊重し敢えてそれには言及することもなく一友人として振る舞っていた。
またロストにとっては掛け替えのない同性の友人でもあるが、同時に尊敬する歌人の一人でもある。
【欠落したページ】
オラァなぁ。オマエらとずっと一緒に居たかったぜ。
でもオレは神でバケモンだ。オマエはオレをいつか殺しただろうよ。
それでも、ほんの少しだけ情みたいなモンはあったはずだ。
……それじゃあダメなんだ。
だから神代が斜陽を目前だったのはちょうど良かった。
人間が力を持ち、バケモンは掃討され、神は忘れられていく。
ロスト。忘却。失われるのが宿命だったんだよ、オレたち神ってのは。
大江山には竜神が二柱いた。八岐の血を継ぐ暴れ川。そして病を齎す水神。
片方は討伐され伝説にされた。じゃあ一度討たれたオレも裏側に消えるべきだ。
オレが司る天然痘がいずれはオマエたち人間に滅ぼされ忘れられるように。
……なァ、ライコー。オレたち神はもうオマエたちに手を貸せなくなる。
けどバケモンの全てが裏側に追いやられるってわけじゃねえ。鬼もまだまだ強いし他もいる。
かと言ってオマエが本物のバケモンになるのも論外だぜ。金時のヤツが泣いちまうからな。
人間は人間のまま、人間以外の全てを排斥し、滅亡させるべきなんだよ。
だったらオレというバケモンと共存してた記憶はオマエの剣を鈍らせるだけだ。
だから。忘れろ。何もかもを。
オレの痕跡も、記憶も、何一つ京からなくなって藤原保昌の名だけが残る。
呪術は苦手だったんだけどなァ、セイメイに頭下げてひたすら練習したよ。
そのカイがあってか雷以外にも使える呪いがやっと一つ増えたぜ。
もしかしたら戸惑うかもな? オレはセイメイと違ってヘタクソだから。
でも気にするんじゃないぞライコー。どうせすぐに忘れちまう瑣末事なんだ。
オマエはあの日オレにしようとしたように躊躇なくバケモンを殺せばいいのさ。
なァ、ライコー。オレ、オマエに惚れてたよ。
あの嵐の日。ひと目見たときからずっと大好きだった。だからこそ、これでいいんだ。