政治経済法律〜一般教養までをまとめます

  • 類型
 能率という言葉はさまざまな意味を持って使われている。西尾勝によれば、能率概念は
  1. 民主主義と対立する官僚制の原理として使われる場合
  2. 投入と産出の比率として使われる場合
  3. 組織への満足感を判定基準として使われる場合
の3つに大別できる。(能率概念
  • 官僚制原理としての能率概念
 第一の能率概念は、民主主義と対立する意味で使われる場合の能率である。この場合、能率は、権力の集中、一元的な指揮に基づく整然とした秩序、迅速な決定、専門家による最善の方法の選択などといったイメージで語られる。「現代国家においては政府は民主的であると同時に能率的でなければならない」などといわれる場合の能率観がこれに当たる。能率を民主主義と対立する原理としながら、この2つの原理が調和された状態を理想としているが、ここで能率原理とされているものは官僚制原理にほかならない。
  • 投入と産出の比率
 第二の能率概念は、ある活動に投入される資源量とその活動から産出される成果量との対比をさすものである。最小の労力・資材で最大の成果を達成する方法が最も能率的な方法ということになる。H.A.サイモンは行政の活動を経費(expenditure)、作業(effort)、事業(performance)、効果(effect)という4段階に区別して、投入された経費量に対して産出された作業量、投入された作業量に対する産出された効果量など6種類の能率を分けて考えることを提唱した。*1
  • 満足度としての能率
 第三の能率概念は、組織活動に従事している人が組織活動に対して抱く満足感を究極の判定基準とするものである。この能率概念は、作業の能率は職員の勤労意欲に依存し、勤労意欲は職員の満足感に依存しているという認識に立って、能率を根源にまでさかのぼって測定しようとするものである。M.ディモックのいう社会的能率がその代表的なものである。

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