ゴブリンは現存していない
シャロッツに似た
彷徨いの月の小人族が、歪みによって変化したと言われています。体格は小さくやせ型で、目がぎょろりと大きいのが特徴です。耳も
エルファのようにとがっています。皮膚の色は茶色か緑で、体毛は薄く、手の爪はやや大きいです(データ的に特に有利なほどではありません)。夜目が利くので基本的に活動時間は夜ですが、昼間の行動も特に支障はありません。寿命は
人間と同程度です。
性格は業突く張りで、盗めるものなら何でも盗んでしまいます。それは物品に留まらず、知識や技術といった抽象的なものにまで及びます。彼らの基本的な考えは「必要なものはあるところから盗んで来ればいい」です。
また彼らは、魔法に対して強い興味を示しており、2匹に1匹程度の割合で呪文を1〜2個習得しています。魔法の素質を所持して生まれてくる個体も、
人間より多めです。しかしゴブリン部族内では、習得している呪文の量で地位が決められるため、互いに教え合うことはまずなく、他種族からの習得の機会を逃しません。種族全体で情報共有し、全体を強くして文明力を高めようという発想は、盗癖のあるゴブリンの価値観からは縁遠いものです(これが文明発展の妨げになっています)。
彼らはそこそこ頭が良く、自力で文明レベル2程度の生産力をもっており、弓矢や鉄器、スケイル・アーマーあたりならば生産できます。しかし基本は、人間社会などから強奪した物資を優先的に使うため、文明レベル3の品も特に問題なく使いこなせます。またそれらの修繕技術を、
人間や
ドワーフの見よう見まねで行いマスターする者もいます。
たいていは険しい山奥や大きい洞窟内に100人前後で群れて生活しており、狩猟採取生活と略奪行為で生計を立てています。
人間の村を奪って自分たちの村にすることもあります。こうして奪った村を「ゴブリン村」と呼称され、
黒の月の種族にとって文明を維持するための重要拠点となります。その際、捕虜にした人間は貴重な技術者なので、通常は殺さず奴隷にします。
そうした村は、奴隷によって農場が経営されるようになるため、食糧供給面で安定し、そこそこの戦力を保持する事が可能になります(そうなると
人間の国家の討伐対象になってしまうわけですが…)。