GURPSよろず - ゴブリン

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ルナルのゴブリン 小鬼(こおに)

身体形状:
頭と目が大きく貧弱な体格の小人。シャロッツに似た種類の彷徨いの月の種族が歪んだもの。
支配領域:
山奥や大きな洞窟
使用言語:
〈悪魔〉語
社会形態:
100匹程度の群れで狩猟採取、もしくは流浪して略奪生活。
強力なソーサラーが率いると遥かに膨れ上がる事も。内部の地位は使える魔法の数に左右される。
一般的性向:
狡猾だが、策略が裏目に出る事も多い。魔法に執着する。
長所:
素早く頭も良い。黒の月の種族としては例外的に殺戮衝動を持たない。黒の月の魔法を多くの者が使いこなす。
短所:
非力。直情的で長期的計画には不向き。内部で魔法を覚え合う機会に乏しい。
命名法則:
「個人名」のみ。他の月の種族にとって不快な響きを持つ事が多い。
「小鬼」(こおに)の異名は本キャンペーン固有の呼称です。
カルシファードでは「大頭鬼」の異名を持ちます。
「小鬼」の読み方は、他種族と統一する為に、音読みの「しょうき」でも構いません。
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ゴブリン基本セット

本キャンペーンでのゴブリン。

★ゴブリン基本セット改(10CP)
体力-1(-10cp)、敏捷力+1(+10cp)、知力+1(+10cp)
暗視(+10cp)、鋭敏感覚L2(+10cp)
盗癖(-15cp)、強迫観念/魔法に対する偏愛(-5cp)

身長は同体力の6割、体重は身長から求めた値の8割。

彼らの大半は0〜25CPで作られ、優秀な個体でも50CP程度です。
稀に100CPで生まれてくる英雄は魔法の素質をもっており、広義のソーサラーとして君臨し、複数の部族を率いる王を目指します。

元ルールからの変更点。
旧版にあった「鋭敏視覚L2」「鋭敏聴覚L1」が完訳版では「鋭敏感覚L2」に統合されており、「魔法に対する偏愛」が完訳版では基本セットから消えています。
身長は「倭人症」クラスの低身長ですが、接近戦の命中修正や移動力や跳躍に影響しない長めの手足や跳躍力でプラスマイナス0と扱います。
ここでは、「直情」よりも「盗癖」の方がゴブリンっぽく、また黒の月の種族としての歪み方としても正しい(?)と思われるので、そちらに変更しています。魔法に対する偏愛も「強迫観念」という形で再現しています。種族セットに「やせっぽち」があるのもルール的におかしいため、取り除かれています。CPに少し余力ができた分、体力を-1まで買い戻してます(呪文を使うのに体力が必要なのに8ではあんまりなので)。

★ゴブリン基本セット旧版(5CP)ルナルモンスターp63参照。

★ゴブリン基本セット完訳版(10CP)ルナル完訳版p169参照。

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既存のゴブリン

冒険者の前に立ちふさがる、人を襲ったことのあるゴブリン。
「我慢強さ」を持っていないことが多いです。
命を懸けてまで戦おうとする気が無い場合、敗色が濃厚になったら逃げ出すか降参して命乞いをします。
ルナルでは情けをかけられることは無く、やられ役として盛大に散ってもらいましょう。
典型的なゴブリン(ルナルp423参照)

詳細

雑魚ゴブリン(ルナルコンパニオンズp70参照)

雑魚ゴブリンA詳細

雑魚ゴブリンB詳細

雑魚ゴブリンC詳細

雑魚ゴブリンD詳細

"赤き髪"セグト・オワ(ルナル完訳版p169参照)
"裂け鼻"ブゴック(ルナル完訳版p169参照)

他のゴブリン

 旧版基本セットを使用。総計25CP
 旧版基本セットを使用。総計100CP
 基本セット改を使用、完訳版ルールで作成されている。総計25CP
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背景

 ゴブリンは現存していないシャロッツに似た彷徨いの月の小人族が、歪みによって変化したと言われています。体格は小さくやせ型で、目がぎょろりと大きいのが特徴です。耳もエルファのようにとがっています。皮膚の色は茶色か緑で、体毛は薄く、手の爪はやや大きいです(データ的に特に有利なほどではありません)。夜目が利くので基本的に活動時間は夜ですが、昼間の行動も特に支障はありません。寿命は人間と同程度です。
 性格は業突く張りで、盗めるものなら何でも盗んでしまいます。それは物品に留まらず、知識や技術といった抽象的なものにまで及びます。彼らの基本的な考えは「必要なものはあるところから盗んで来ればいい」です。
 また彼らは、魔法に対して強い興味を示しており、2匹に1匹程度の割合で呪文を1〜2個習得しています。魔法の素質を所持して生まれてくる個体も、人間より多めです。しかしゴブリン部族内では、習得している呪文の量で地位が決められるため、互いに教え合うことはまずなく、他種族からの習得の機会を逃しません。種族全体で情報共有し、全体を強くして文明力を高めようという発想は、盗癖のあるゴブリンの価値観からは縁遠いものです(これが文明発展の妨げになっています)。
 彼らはそこそこ頭が良く、自力で文明レベル2程度の生産力をもっており、弓矢や鉄器、スケイル・アーマーあたりならば生産できます。しかし基本は、人間社会などから強奪した物資を優先的に使うため、文明レベル3の品も特に問題なく使いこなせます。またそれらの修繕技術を、人間ドワーフの見よう見まねで行いマスターする者もいます。
 たいていは険しい山奥や大きい洞窟内に100人前後で群れて生活しており、狩猟採取生活と略奪行為で生計を立てています。人間の村を奪って自分たちの村にすることもあります。こうして奪った村を「ゴブリン村」と呼称され、黒の月の種族にとって文明を維持するための重要拠点となります。その際、捕虜にした人間は貴重な技術者なので、通常は殺さず奴隷にします。
 そうした村は、奴隷によって農場が経営されるようになるため、食糧供給面で安定し、そこそこの戦力を保持する事が可能になります(そうなると人間の国家の討伐対象になってしまうわけですが…)。
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レポート【ゴブリン村】by Raid the Moon

 黒の月の下位種族のうち、自力で村を生成する能力を持つのは、知性の高い「ゴブリン」である。彼らが運営する村、通称「ゴブリン村」は、ゴブリンたちによって支配・運営されている。村といっても、大半は天然の洞窟や廃坑を使っているようだ。彼らに家屋を建造するだけの高度な技術を持つ職人がいるとは到底思えないし(頭が残念な種族が多い)、唯一の知的階級であるゴブリンは、魔法への偏愛に偏っており、なんでも魔法で片付けようとする。テクノロジーに目を向けようとしてない時点でお察しである。ただ、天然の洞窟利用は色々とメリットもある。何より安上がりで、拡張したければ掘るだけでいい。防御力が高く、隠蔽もしやすい。反面、日が差し込まない空間なので、食糧事情はあまり良くない。タンパク源はネズミ、植物繊維はキノコくらいしか入手できないし、普段からカビや害虫に悩まされ、栄養不足から発生する伝染病が蔓延する危険性もあり、あまり健全な生活とは言えない。
 一方で、人間が廃棄した山奥の村を再利用したり、果ては現役の人間の村を襲ってそのまま強奪するケースも考えられる。屋外の村を使う場合のメリットは、農耕によって小麦を収穫し、良質の食糧を入手できることだ。デメリットは洞窟の逆で、とかく外敵からの防御力に難点があること。天候に左右されやすく、木造の家屋などは台風などで被害を受けやすい。
 ゴブリン村には通常、奴隷としてのオークが従属し、生活維持に必要な肉体労働に従事している。また、捕えた人間は貴重な技術者なので、そのまま鎖につないで仕事に従事させていると考えられる。農業などもオークでは担えないはずなので、人間の奴隷が従事することになる。
 そして少数のホブゴブリンが、用心棒として雇われている事もあるだろう。食糧事情が良いゴブリン村であれば、オーガーの傭兵などもいるかもしれない。
 稀に支配者層のゴブリンの中からソーサラーが発生するケースがあり、そういう村は通常のゴブリン村よりも強い勢力を持ち、他のゴブリン村を併合して広範囲に勢力拡大することになる。
 またそうした強い村は、窃盗や野党の依頼を「外注」されて報酬を得る一方、その資金を元に人間の闇タマット組織と交流している場合があるかもしれない。要するに村ぐるみで闇タマットの手先となるわけだ。これは、人間の文明物を安定して入手できるメリットがあるので、ゴブリン村としても悪い話ではない。結局、人間頼みではあるが。
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