ポマレ3世
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otonjji256 2022年10月05日(水) 19:54:39履歴
ポマレ3世 Pomare �� | ||
|---|---|---|
 | ||
| 出生 | 1733年8月3日 | |
| 出身地 | ラピタ王国タアロア | |
| 死没 | 1807年9月11日 | |
| 称号 | 全ラピタのアリイ | |
| 配偶者 | カアフマヌ | |
| 親族 | ポマレ4世他多数 | |
概要 
ポマレ3世はポマレ朝ラピタ王国の第3代国王（アリイ）（在位1754年-1807年）。政治手腕に優れた明君として知られ、政治面・文化面でも王国の最盛期を築く。
50年を超える在位記録は王朝史上最長であり、今なお国民の崇敬を集めている。
50年を超える在位記録は王朝史上最長であり、今なお国民の崇敬を集めている。
来歴
王位継承まで
ポマレ2世21年（1733年ごろ）、ラピタ王国の首都タアロアの王宮で第三王子として生まれる。本名はマヒヌラニ・ハアタカラウア。母親は2世の異母妹であるハイアワサ王女であった。
同32年、父王が次兄アホエイトゥ王子とその家族を謀反の疑惑で粛清。長兄は既に逝去していた為、彼が後継者候補となった。
同40年、ハワーラのアリイに任ぜられる。その2年後、父王が暗殺され、ポマレ3世として王位に着いた。
同32年、父王が次兄アホエイトゥ王子とその家族を謀反の疑惑で粛清。長兄は既に逝去していた為、彼が後継者候補となった。
同40年、ハワーラのアリイに任ぜられる。その2年後、父王が暗殺され、ポマレ3世として王位に着いた。
治世初期
21歳で王位についたポマレ3世であったが、その前途は多難であった。父であるポマレ2世は暗君では決してなかったが、冷徹で残虐な君主であり、長きに渡って過酷な粛清と重圧によって民を統治してきた。その怨嗟は彼の死をきっかけに既に暴発寸前となっており、いつ若き新王に向けて火を吹いてもおかしくはなかった。
また、中央政界においても2世によって抑圧されてきた腐敗や政争の芽が顔を出しつつあり、外の暴発と結び付けば王朝そのものが吹き飛びかねない危険性を孕んでいた。
その様な状況下で国の舵取りを強いられたポマレ3世は、第一に父の姿勢を改めるところから出発することとした。
在位2年、彼はまず父によって粛清されたラピタ島のアリイ達の名誉を回復し、大規模な鎮魂祭を執り行った。この祭りは国王自らが祈りの言葉を述べ、神殿に額ずき赦しを乞うた点で今までとは大きく異なっていた。
5年、続いて今度は島外の指導者達の鎮魂祭と赦免が行われ、父が行った公的な粛清は全て誤りとする勅命を布告した。また、彼は自らの統治の基盤を「慈悲と親愛」に置くことを宣言し、減税や恩赦、貧者への施しなどを積極的に進め、祖父と父の代まで残っていた戦国時代的な気風を一掃した。
また、中央政界においても2世によって抑圧されてきた腐敗や政争の芽が顔を出しつつあり、外の暴発と結び付けば王朝そのものが吹き飛びかねない危険性を孕んでいた。
その様な状況下で国の舵取りを強いられたポマレ3世は、第一に父の姿勢を改めるところから出発することとした。
在位2年、彼はまず父によって粛清されたラピタ島のアリイ達の名誉を回復し、大規模な鎮魂祭を執り行った。この祭りは国王自らが祈りの言葉を述べ、神殿に額ずき赦しを乞うた点で今までとは大きく異なっていた。
5年、続いて今度は島外の指導者達の鎮魂祭と赦免が行われ、父が行った公的な粛清は全て誤りとする勅命を布告した。また、彼は自らの統治の基盤を「慈悲と親愛」に置くことを宣言し、減税や恩赦、貧者への施しなどを積極的に進め、祖父と父の代まで残っていた戦国時代的な気風を一掃した。
大行幸
在位10年、ポマレ3世は俄かにアリイ直々の行幸を行うことを宣言した。その対象は当時王国が統治していたあらゆる土地とされ、また謁見するのもアリイや神官だけでなく庶民にも広くその門戸を開くことも付け加えられた。
この行動は今までの王国の伝統に激震をもたらすもので、神聖にして不可侵なアリイの権威を損なうものとして大きな批判を浴びた。
加えて言えば、未だ各地には中央の王家に恨みや不満を持つ者が多く残っており、地方では暗殺の危険性も無いわけではなかった。
だが、彼は決して引くことなく命令を徹底的に周知させ、妻と王子達を連れて行幸に出た。同年4月のことである。
タアロアを出た王の一行はまずマタバイ平野を巡り、その後ラピタ島各地を約2年かけて巡幸した。
彼は訪れた先々で親しく民衆と交歓し、その不満や意見に耳を傾けた。年代記によれば、彼は高貴な身分でありながら、村に病人がいれば看病に加わり、子のいない老人がいれば世話を焼き、逆に親を亡くした孤児がいれば自身の側仕えとして取り立ててやったという。
12年、ラピタ島の全ての村々を回ったポマレ3世は、続いて船に乗って各地の島を訪れた。ライアテア島、マナルウイ島、ボラボラ島だけでなく、数十に及ぶ小さな属島にも彼は足を伸ばし、その旅程は全ての国民の顔を合わせたという伝承も嘘とは思えぬ程隈無く国土を巡っていた。
この旅はラピタ島の様にそう簡単には行かず、10年近い歳月と十数人の従者の殉職者を必要とした。旅を終えて彼がタアロアに帰還した時、彼は新たに2男1女を子供の列に加えていた。3人にとって、その生涯の全てはまさしく旅であり、一番下の王女に至っては海上で生を受けた程である。
懐かしい首都に戻った時、彼は次の様に語ったとされる。
「余はこれからは、この国の未来へ向けて果てなき旅に出る。船に乗ることも輿に乗ることもないが、何よりも厳しい旅になるだろう」
この行動は今までの王国の伝統に激震をもたらすもので、神聖にして不可侵なアリイの権威を損なうものとして大きな批判を浴びた。
加えて言えば、未だ各地には中央の王家に恨みや不満を持つ者が多く残っており、地方では暗殺の危険性も無いわけではなかった。
だが、彼は決して引くことなく命令を徹底的に周知させ、妻と王子達を連れて行幸に出た。同年4月のことである。
タアロアを出た王の一行はまずマタバイ平野を巡り、その後ラピタ島各地を約2年かけて巡幸した。
彼は訪れた先々で親しく民衆と交歓し、その不満や意見に耳を傾けた。年代記によれば、彼は高貴な身分でありながら、村に病人がいれば看病に加わり、子のいない老人がいれば世話を焼き、逆に親を亡くした孤児がいれば自身の側仕えとして取り立ててやったという。
12年、ラピタ島の全ての村々を回ったポマレ3世は、続いて船に乗って各地の島を訪れた。ライアテア島、マナルウイ島、ボラボラ島だけでなく、数十に及ぶ小さな属島にも彼は足を伸ばし、その旅程は全ての国民の顔を合わせたという伝承も嘘とは思えぬ程隈無く国土を巡っていた。
この旅はラピタ島の様にそう簡単には行かず、10年近い歳月と十数人の従者の殉職者を必要とした。旅を終えて彼がタアロアに帰還した時、彼は新たに2男1女を子供の列に加えていた。3人にとって、その生涯の全てはまさしく旅であり、一番下の王女に至っては海上で生を受けた程である。
懐かしい首都に戻った時、彼は次の様に語ったとされる。
「余はこれからは、この国の未来へ向けて果てなき旅に出る。船に乗ることも輿に乗ることもないが、何よりも厳しい旅になるだろう」
治世後期と文化の興隆
首都に戻った後もポマレ3世は勢力的に政務に励み、全土に善政を敷いた。行幸で示した慈悲深く、親愛に溢れた政治は最後まで続けられ、「飢える者、盗む者、傷つける者は居らず、山賊や海賊は姿を消した。誰もが笑顔のうちに暮らし、子供達は親を連れずとも攫われる心配は無かった（年代記）」という平穏な時代が全土に到来したとされる。
また、彼の治世の後期はその安定した時代もさることながら、その優れた文化的功績に焦点が当てられることが多い。
在位30年以降の時代は、ラピタ王国における文化史の黎明にあたり、各地で現れていた芸術の萌芽が一斉に花開いた最初の時代であった。この時代には、後に王国の政治や思想に大きな影響を与える重要な傑作が次々と発表され、その多くはポマレ3世本人かその王子王女、或いは周辺に形成された宮廷サロンによって作られた作品であった。
「初期王朝文化」と総称されるこの作品群のうち、特に注目されるのは文学面の発展であり、韻文ではポマレ3世本人によって完成した凡そ200の詩歌からなる「ピリカ叙事詩」、散文では第七王女リコ・ティナ・ポマレによって初の歴史書「ポマレ年代記」が編纂された。
これらの文学作品は、リコ王女によって発明されたラピタ文字によって記述され、今までの伝統的概念や世界観を根底から覆すと共に、後の時代においては、彼らの同じ民族・国民としての連帯を喚起させる不可欠の素因となった。
故にこの時代は「王朝文化の黄金時代」と称されると共に、口承と並ぶ記述という「第二の語り部」が生まれた時代と評されている。
また、彼の治世の後期はその安定した時代もさることながら、その優れた文化的功績に焦点が当てられることが多い。
在位30年以降の時代は、ラピタ王国における文化史の黎明にあたり、各地で現れていた芸術の萌芽が一斉に花開いた最初の時代であった。この時代には、後に王国の政治や思想に大きな影響を与える重要な傑作が次々と発表され、その多くはポマレ3世本人かその王子王女、或いは周辺に形成された宮廷サロンによって作られた作品であった。
「初期王朝文化」と総称されるこの作品群のうち、特に注目されるのは文学面の発展であり、韻文ではポマレ3世本人によって完成した凡そ200の詩歌からなる「ピリカ叙事詩」、散文では第七王女リコ・ティナ・ポマレによって初の歴史書「ポマレ年代記」が編纂された。
これらの文学作品は、リコ王女によって発明されたラピタ文字によって記述され、今までの伝統的概念や世界観を根底から覆すと共に、後の時代においては、彼らの同じ民族・国民としての連帯を喚起させる不可欠の素因となった。
故にこの時代は「王朝文化の黄金時代」と称されると共に、口承と並ぶ記述という「第二の語り部」が生まれた時代と評されている。
最期
在位53年目の9月にポマレ3世は病に倒れ、タアロアの宮殿で亡くなった。
晩年は第一王子に先立たれるなど、長生き故の不幸が彼を襲い、無限と目されていたその活力も尽き果てた様に見えたという。
その後、島を挙げた盛大な葬儀が執り行われ、多くの民衆がその死を悼んだ。
王位は第六王子のポマレ4世が継ぎ、リコ王女の手で王位継承の儀式が執り行われた。
晩年は第一王子に先立たれるなど、長生き故の不幸が彼を襲い、無限と目されていたその活力も尽き果てた様に見えたという。
その後、島を挙げた盛大な葬儀が執り行われ、多くの民衆がその死を悼んだ。
王位は第六王子のポマレ4世が継ぎ、リコ王女の手で王位継承の儀式が執り行われた。
エピソード
・思慮深く、温厚な王としてのイメージがあるが、意外と抜けた部分もあったらしく、後世オウムアムアによってまとめられた説話集では、とんちでやり込められるエピソードが多く収録されている。
・タアロアに帰還した際、彼が王宮を見て「懐かしい」と漏らしたところ、たびの途中で生まれた3人の子供の1人であるモモ王子がこう叫んだ。
「お父様！今回の宿はこんなに大きいんだね！」
彼はタアロアはおろかラピタ島に足を踏み入れたことさえなかったのだ。それを聞いて、ポマレ3世は苦笑いしたという。
・タアロアに帰還した際、彼が王宮を見て「懐かしい」と漏らしたところ、たびの途中で生まれた3人の子供の1人であるモモ王子がこう叫んだ。
「お父様！今回の宿はこんなに大きいんだね！」
彼はタアロアはおろかラピタ島に足を踏み入れたことさえなかったのだ。それを聞いて、ポマレ3世は苦笑いしたという。
名言
Ua Mau ke Ea o ka ʻĀina i ka Pono（直訳は「土地の生命は正義によって永続される」。「正義によって永らえる」、など表記揺れあり。現代ではより踏み込んだ意訳として、「国の主権は正義によって永続する」とも）
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