ポマレ4世
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otonjji256 2022年10月05日(水) 16:27:31履歴
ポマレ4世 Pomare �� | |
|---|---|
 | |
| 出生 | 1789年6月11日 |
| 出身地 | ラピタ王国ワイプキ |
| 死没 | 1844年3月7日 |
| 称号 | 全ラピタのアリイ |
| 配偶者 | ママラホエ |
| 親族 | ポマレ7世（ひ孫）他 |
概要 
ポマレ4世はポマレ朝ラピタ王国の第4代国王。父親は名君として名高いポマレ3世。今までの先例を破り、積極的に他国との関係を築くことを目指し、様々な改革を行なった。
が、それらが結果的に疫病の蔓延や保守派との対立など多くの問題を生み、最終的には廃位の憂き目にあった。
が、それらが結果的に疫病の蔓延や保守派との対立など多くの問題を生み、最終的には廃位の憂き目にあった。
来歴
王位継承まで
ポマレ4世はポマレ3世35年、都のタアロアに程近いワイプキ離宮で生まれた。母親は王の末の異母妹で、ポマレ2世とライアテアのアリイの娘との間に生まれた子供だった。本名はカワナナコア・ロノイマカヒキ。
幼い時の彼は、別の島から来た者たちと交流することを好み、小舟に乗って遊ぶのが常であったという。
彼が生まれた時、既に父王は多くの子女に恵まれており、その中には母親を同じくする妹の間に生まれた者も少なくはなかった。順当に行けば彼は地方のアリイとして生涯を終えたであろう。
しかし、彼は離宮に行幸した際持ち前の語学の才能を父王に認められ、今際の際に後継者に選ばれることとなった。
53年、偉大なる父ポマレ3世が亡くなると、彼はポマレ4世として即位を宣言した。
幼い時の彼は、別の島から来た者たちと交流することを好み、小舟に乗って遊ぶのが常であったという。
彼が生まれた時、既に父王は多くの子女に恵まれており、その中には母親を同じくする妹の間に生まれた者も少なくはなかった。順当に行けば彼は地方のアリイとして生涯を終えたであろう。
しかし、彼は離宮に行幸した際持ち前の語学の才能を父王に認められ、今際の際に後継者に選ばれることとなった。
53年、偉大なる父ポマレ3世が亡くなると、彼はポマレ4世として即位を宣言した。
開国
ポマレ4世は、即位したその日に「開国勅令」を発布し、港を開いて異文化の国々とも親しく交流することを宣言した。
元々ラピタ王国は周囲を流れる強力な海流、ジェニングス＝ベラミー海流によって守られ、外国船が周囲に姿を表すことはほぼ無かった。しかし、時代は既に近代に入り始め、優れた技術を持つ他国がちらほらと船舶を王国に向けて派遣していた。
今までの国王達は、そうした異文化の外国人を警戒し、外交関係や軍需品を除いた貿易の進展を図ることはあまり無かった。しかし、ポマレ4世はそうした姿勢を180度転換し、外国への開国和親を推し進めたのである。
手始めに彼は、最初に国を訪れたイオニア州の貿易商人に対し、王府の監督下での貿易を許可した。その見返りとして、外国の情報や言語・文化についての知識を提供するという条件付きでである。
これらの通称「開国免許」は、その後イオニア州外の諸国出身の貿易商にも与えられる様になり、マタバイ湾は俄かに外国商船で賑わい始めた。
程無くしてこの新しい国の情報は世界各国へと伝わり、幾つかの国は貿易商個人ではなく、国家単位での免許取得を申し入れてきた。
こうした申し出は無論ポマレ4世の望むところではあったが、彼は決して無原則に寛容であった訳ではなく、その国のもたらす知識や情報が国の益になるか、或いは害にならないかを精査し、また強力な海流を越えるための水先案内人の派遣を政府が元締めすることで、外国船の無秩序な流入を防いでいたのである。
こうした備えの上で行われた貿易圏の拡大と、諸外国に対する開国は比較的スムーズに進み、在位6年の頃には都の北に位置する外国人居留地には多くの商人が訪れ、舶来品の取引が大いに栄えた。
国王本人をはじめとしたアリイ達は、珍しい舶来品に魅了され、彼らを真似て洋装し、文化や言語などを積極的に学び始めた。この時に流入した知識は、のちに王国の発展に大きく寄与することとなる。
元々ラピタ王国は周囲を流れる強力な海流、ジェニングス＝ベラミー海流によって守られ、外国船が周囲に姿を表すことはほぼ無かった。しかし、時代は既に近代に入り始め、優れた技術を持つ他国がちらほらと船舶を王国に向けて派遣していた。
今までの国王達は、そうした異文化の外国人を警戒し、外交関係や軍需品を除いた貿易の進展を図ることはあまり無かった。しかし、ポマレ4世はそうした姿勢を180度転換し、外国への開国和親を推し進めたのである。
手始めに彼は、最初に国を訪れたイオニア州の貿易商人に対し、王府の監督下での貿易を許可した。その見返りとして、外国の情報や言語・文化についての知識を提供するという条件付きでである。
これらの通称「開国免許」は、その後イオニア州外の諸国出身の貿易商にも与えられる様になり、マタバイ湾は俄かに外国商船で賑わい始めた。
程無くしてこの新しい国の情報は世界各国へと伝わり、幾つかの国は貿易商個人ではなく、国家単位での免許取得を申し入れてきた。
こうした申し出は無論ポマレ4世の望むところではあったが、彼は決して無原則に寛容であった訳ではなく、その国のもたらす知識や情報が国の益になるか、或いは害にならないかを精査し、また強力な海流を越えるための水先案内人の派遣を政府が元締めすることで、外国船の無秩序な流入を防いでいたのである。
こうした備えの上で行われた貿易圏の拡大と、諸外国に対する開国は比較的スムーズに進み、在位6年の頃には都の北に位置する外国人居留地には多くの商人が訪れ、舶来品の取引が大いに栄えた。
国王本人をはじめとしたアリイ達は、珍しい舶来品に魅了され、彼らを真似て洋装し、文化や言語などを積極的に学び始めた。この時に流入した知識は、のちに王国の発展に大きく寄与することとなる。
「外国病」
上々な滑り出しの開国であったが、決して良いことばかりであった訳ではない。言語や習慣の違いからくるトラブルは多く、また国際慣行に無知なラピタの人々は時として極めて不利な取引を強要されることもあった。
また、開国に伴って流入し始めたソティル教といった外国の宗教は、現地でも信徒を獲得はしたものの、神官層などから強く忌避され、伝統を破壊する異教徒として糾弾の対象となった。
しかし、これらだけであれば時をかければそのうち収束したであろう。外国商人の来訪が始まってから5年後、最も致命的な事件が王国を襲った。
在位10年、俄かに国土を未知の疫病が襲った。当時在野の文人として種々の記録を残した、先王の王女であるリコ・ティナ・ポマレ王女は、次の様に残している。
奇怪な病が流行っている。罹患した者は熱を出して倒れ、二、三日すると恢復したように見えるが、また更にひどい熱を出し倒れる。その身体は悍ましい出来物に覆われ、酷く苦しんだ末に十中の七、八は死ぬ…
現在では天然痘と呼ばれるこの病は、免疫を持たない先住民の国であるラピタを席巻した。居留地から始まった大流行は直ぐに国中に広まり、大勢の者が病に冒されそのまま亡くなった。リコ王女とその家族も冒されたが、幸いにして彼女らは死の淵から生き延びることが出来た。
しかし、そうした幸運に預かれたのはごく少数であり、殆どの者は治療も受けられずにバタバタと死んでいった。
正確な死者数は未だに不明だが、一説によれば全国民の約八割が死亡し、住民が全滅した島もあったと言われている。（推定によれば、ポマレ3世時代の王国の総人口は150万人近かったとされているが、現在では100万人未満であり、依然として疫病による打撃から回復できていないことが読み取れる）
この疫病は国民から端的に「外国病」と呼ばれ、恐れられると同時に外国への怒りをかき立てた。また、神官達は疫病の蔓延は外国にかぶれ、伝統を蔑ろにする国王への神罰であると主張し、直ちに貿易と洋装をやめ、また異教徒を取り締まる様に要求した。
しかし、ポマレ4世はそれらの要求を拒否し、同時に外国から治療のための薬を輸入して、国民達の治療にあたった。これらの試みは少なくとも神官達の祈祷よりは遥かに効果をあげ、死の淵から多くの人間が救われたが、それも外国への恐怖と憎悪を和らげるには至らず、国民の怒りの温度は上がり続けるばかりであった。
また、開国に伴って流入し始めたソティル教といった外国の宗教は、現地でも信徒を獲得はしたものの、神官層などから強く忌避され、伝統を破壊する異教徒として糾弾の対象となった。
しかし、これらだけであれば時をかければそのうち収束したであろう。外国商人の来訪が始まってから5年後、最も致命的な事件が王国を襲った。
在位10年、俄かに国土を未知の疫病が襲った。当時在野の文人として種々の記録を残した、先王の王女であるリコ・ティナ・ポマレ王女は、次の様に残している。
奇怪な病が流行っている。罹患した者は熱を出して倒れ、二、三日すると恢復したように見えるが、また更にひどい熱を出し倒れる。その身体は悍ましい出来物に覆われ、酷く苦しんだ末に十中の七、八は死ぬ…
現在では天然痘と呼ばれるこの病は、免疫を持たない先住民の国であるラピタを席巻した。居留地から始まった大流行は直ぐに国中に広まり、大勢の者が病に冒されそのまま亡くなった。リコ王女とその家族も冒されたが、幸いにして彼女らは死の淵から生き延びることが出来た。
しかし、そうした幸運に預かれたのはごく少数であり、殆どの者は治療も受けられずにバタバタと死んでいった。
正確な死者数は未だに不明だが、一説によれば全国民の約八割が死亡し、住民が全滅した島もあったと言われている。（推定によれば、ポマレ3世時代の王国の総人口は150万人近かったとされているが、現在では100万人未満であり、依然として疫病による打撃から回復できていないことが読み取れる）
この疫病は国民から端的に「外国病」と呼ばれ、恐れられると同時に外国への怒りをかき立てた。また、神官達は疫病の蔓延は外国にかぶれ、伝統を蔑ろにする国王への神罰であると主張し、直ちに貿易と洋装をやめ、また異教徒を取り締まる様に要求した。
しかし、ポマレ4世はそれらの要求を拒否し、同時に外国から治療のための薬を輸入して、国民達の治療にあたった。これらの試みは少なくとも神官達の祈祷よりは遥かに効果をあげ、死の淵から多くの人間が救われたが、それも外国への恐怖と憎悪を和らげるには至らず、国民の怒りの温度は上がり続けるばかりであった。
廃位
在位16年、猖獗を極めた外国病が終結の兆しを見せ始めた頃、ポマレ4世は2つの勅命を起草した。それは治療薬の輸出への返礼として、諸外国と正式な国交を結ぶこと、今一つは治療に何ら効果をあげられなかった伝統宗教と訣別し、信教の自由を全国民に保障するものであった。
仮にこれらが実際に公布されていれば、立憲革命は更に早く達成され、また100年に渡る鎖国の時代も存在しなかっただろう。
しかし、これを諮問された大臣のアレカネテロ・ロラニは、国王の開明的な思想に同調することなく、むしろそれを諌めた。彼は長きに渡る伝統を尊重し、また外国を恐れる国民の心情も考え、少しずつゆっくりと改革を進めていくべきだと主張したのだ。
この考えは全くもって正当であり、急進的な改革による弊害を解消するには最も良い手段と言えた。しかし、国王はその諌言を拒否し、強引に勅令の公布を主張してアレカネテロを大臣職から更迭した。
これが決定打となった。アレカネテロは、国王の勅令の内容を神官達や保守派のアリイであるテ・ラウパラハに流し、これを防ぐ様にと主張した。
彼らは無論その主張を受け入れ、直ちに立ち上がった。9月9日の夜、「季節外れの火祭り」、と呼ばれる王国史上初のクーデターが勃発した。
叛乱者達は、正当性を担保する為に国王の娘であるカイウラニ王女を担ぎ上げた。彼女は16歳と若かったが、父に不満を持つ保守的な思想の持ち主であった為、擁立は極めてスムーズに行われた。
彼らは夜の闇を松明で照らしながら、直ちに落成したばかりの新王宮に進軍し、これを取り囲んだ。
ポマレ4世は、宮殿を脱出しようとしたものの果たせず、ついに捕らえられ、その場で廃位と流刑を宣告された。新女王となるカイウラニの意向により、死刑は免ぜられたものの、現役の国王が廃位の上島流しというのは前代未聞のことである。
そのインパクトは大きく、国民達は天地がひっくり返った様な面持ちでこの事件を見届けたと記録に残されている。
仮にこれらが実際に公布されていれば、立憲革命は更に早く達成され、また100年に渡る鎖国の時代も存在しなかっただろう。
しかし、これを諮問された大臣のアレカネテロ・ロラニは、国王の開明的な思想に同調することなく、むしろそれを諌めた。彼は長きに渡る伝統を尊重し、また外国を恐れる国民の心情も考え、少しずつゆっくりと改革を進めていくべきだと主張したのだ。
この考えは全くもって正当であり、急進的な改革による弊害を解消するには最も良い手段と言えた。しかし、国王はその諌言を拒否し、強引に勅令の公布を主張してアレカネテロを大臣職から更迭した。
これが決定打となった。アレカネテロは、国王の勅令の内容を神官達や保守派のアリイであるテ・ラウパラハに流し、これを防ぐ様にと主張した。
彼らは無論その主張を受け入れ、直ちに立ち上がった。9月9日の夜、「季節外れの火祭り」、と呼ばれる王国史上初のクーデターが勃発した。
叛乱者達は、正当性を担保する為に国王の娘であるカイウラニ王女を担ぎ上げた。彼女は16歳と若かったが、父に不満を持つ保守的な思想の持ち主であった為、擁立は極めてスムーズに行われた。
彼らは夜の闇を松明で照らしながら、直ちに落成したばかりの新王宮に進軍し、これを取り囲んだ。
ポマレ4世は、宮殿を脱出しようとしたものの果たせず、ついに捕らえられ、その場で廃位と流刑を宣告された。新女王となるカイウラニの意向により、死刑は免ぜられたものの、現役の国王が廃位の上島流しというのは前代未聞のことである。
そのインパクトは大きく、国民達は天地がひっくり返った様な面持ちでこの事件を見届けたと記録に残されている。
死没
廃位から14年後、ポマレ4世は配流先のマウピハア島で亡くなった。享年55歳。王妃と家族に看取られたという。
その後、家族らはそのままマウピハア島にとどまり、今も子孫が続いている。
その後、家族らはそのままマウピハア島にとどまり、今も子孫が続いている。
遺産
ポマレ4世は、積極的な外交政策で国の近代化を図ったものの、失敗した早すぎる王として記憶されている。
確かに彼の試みはラピタ王国で行うには性急に過ぎ、また疫病といった要素を考慮しなかった為失敗はある種必然のものであっただろう。
しかし、彼が外国に向けて門を開いたことは、後のラピタ王国の発展に大きく寄与したことは間違い無い。知識や政治思想の流入は、国内に新たな刺激を与え、立憲革命の下地を作り出した。
また、彼が建設した西洋式の王宮であるハワイキ宮殿とクルルヌイ宮殿は、南国に合わせた壮麗でありながらも、生活し易い機能性に富んだ建築として評価されている。
良くも悪くも、彼の存在はラピタ王国の歴史に欠くことの出来ない一ページを刻んでおり、それが大きな影響を与えていることは事実である。
確かに彼の試みはラピタ王国で行うには性急に過ぎ、また疫病といった要素を考慮しなかった為失敗はある種必然のものであっただろう。
しかし、彼が外国に向けて門を開いたことは、後のラピタ王国の発展に大きく寄与したことは間違い無い。知識や政治思想の流入は、国内に新たな刺激を与え、立憲革命の下地を作り出した。
また、彼が建設した西洋式の王宮であるハワイキ宮殿とクルルヌイ宮殿は、南国に合わせた壮麗でありながらも、生活し易い機能性に富んだ建築として評価されている。
良くも悪くも、彼の存在はラピタ王国の歴史に欠くことの出来ない一ページを刻んでおり、それが大きな影響を与えていることは事実である。
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