ポマレ8世
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otonjji256 2022年10月03日(月) 19:07:33履歴
ポマレ8世 Pomare �� | |
|---|---|
 1892年ごろ撮影。開国前では最後の写真 | |
| 出生 | 1872年2月3日 |
| 出身地 | ラピタ王国タアロア |
| 死没 | 1913年3月1日 |
| 称号 | ラピタ王国のアリイ・ヌイ |
| 配偶者 | ロト・カプワイア |
| 親族 | ポマレ9世?（息子）他 |
概要 
ポマレ8世はポマレ朝ラピタ王国の第8代国王。王国史上2人目の女王であり、現状最後の女王である。
父王ポマレ7世の暗殺により僅か3歳で擁立され、その生涯を憲政政府や国軍に裏から支配される傀儡としての国王として送った。
その治世は「暗赤色の40年」と呼ばれ、政治的には粛清と退行、禁圧が敷かれた暗黒時代として記憶されている。
一方で、女王本人の人気は高く、その美貌と慈悲深い性格から多くの文化作品のモチーフとして取り入れられた。
父王ポマレ7世の暗殺により僅か3歳で擁立され、その生涯を憲政政府や国軍に裏から支配される傀儡としての国王として送った。
その治世は「暗赤色の40年」と呼ばれ、政治的には粛清と退行、禁圧が敷かれた暗黒時代として記憶されている。
一方で、女王本人の人気は高く、その美貌と慈悲深い性格から多くの文化作品のモチーフとして取り入れられた。
即位まで
ポマレ8世は父王在位12年、タアロアの王宮で生まれた。本名はラハイナ・カラニヌイアヒラパラパ。
憲政施行後初めての王女誕生は各地で熱烈に歓迎され、王宮では盛大な祝賀が行われた。
誕生の翌日には、議会が王女を事実上の太子とすることに同意し、10歳になるのを待って正式に王太子に冊立することと決められた。
14年、将来の王配としてパペーテのアリイであるカイウィカプ・ポマレと婚約。また、王太子格としてハワイキ宮殿に移住する。
憲政施行後初めての王女誕生は各地で熱烈に歓迎され、王宮では盛大な祝賀が行われた。
誕生の翌日には、議会が王女を事実上の太子とすることに同意し、10歳になるのを待って正式に王太子に冊立することと決められた。
14年、将来の王配としてパペーテのアリイであるカイウィカプ・ポマレと婚約。また、王太子格としてハワイキ宮殿に移住する。
父王暗殺と即位
ポマレ7世在位15年、憲政施行10周年を祝う式典に向かう途中、ポマレ7世が反動派の支持者によって投げつけられた爆弾により暗殺される。
この暗殺事件は憲政政府、及びその下で危ういバランスの上に成り立っていた秩序に大打撃を与えた。
特に致命的だったのは、この暗殺の直後から国王暗殺が憲政政府の陰謀によるものである、という真偽不明の噂が広がったことであり、これを受けた保守派支持者が各地で武装蜂起の機運を見せたのである。（その後の調査により、暗殺犯は反動派の支持者であり、実は摂政を狙ったが誤解により果たせなかったことが判明した）
憲政政府摂政のケクウァノアは、急遽3歳のラハイナ王女をポマレ8世として即位させ、彼女を強引にハワイキ宮殿からクルルヌイ宮殿へ移送した。その後、クルルヌイに新王宮を置いた憲政政府は、ロト・カプワイア・ポマレ王子が率いる新設されたばかりの王国軍と、各部族の戦士達に動員令を下すと共に、ポマレ8世の名で政府に立法、行政、司法の全権限を付与する緊急勅令を公布した。
軍隊が着々と首都に集結する間にも情勢は緊迫し、王国全土に戦乱の足音が響きつつあった。そして、国王暗殺から2ヶ月後、ついに事態は急転する。
この暗殺事件は憲政政府、及びその下で危ういバランスの上に成り立っていた秩序に大打撃を与えた。
特に致命的だったのは、この暗殺の直後から国王暗殺が憲政政府の陰謀によるものである、という真偽不明の噂が広がったことであり、これを受けた保守派支持者が各地で武装蜂起の機運を見せたのである。（その後の調査により、暗殺犯は反動派の支持者であり、実は摂政を狙ったが誤解により果たせなかったことが判明した）
憲政政府摂政のケクウァノアは、急遽3歳のラハイナ王女をポマレ8世として即位させ、彼女を強引にハワイキ宮殿からクルルヌイ宮殿へ移送した。その後、クルルヌイに新王宮を置いた憲政政府は、ロト・カプワイア・ポマレ王子が率いる新設されたばかりの王国軍と、各部族の戦士達に動員令を下すと共に、ポマレ8世の名で政府に立法、行政、司法の全権限を付与する緊急勅令を公布した。
軍隊が着々と首都に集結する間にも情勢は緊迫し、王国全土に戦乱の足音が響きつつあった。そして、国王暗殺から2ヶ月後、ついに事態は急転する。
国軍クーデター
暗殺から2ヶ月後、混乱の中にあった国土に対し、王国軍総司令官ロト・カプワイアが次の様に布告した。
本日王国軍は、国王陛下への忠節を全うすべく、先王弑逆を実行した憲政政府を名乗る反徒を討伐する戦闘に入れり
王国軍造反である。ロト・カプワイア率いる王室親衛隊は、瞬く間にタアロアの全域を制圧し、憲政の象徴たるクルルヌイ宮殿へと迫った。これを受けてケクウァノア摂政は、女王と閣僚と共に山岳地へ逃れ、自らが治める首長国で抗戦すべく行動したが、この時幼い女王の侍女が機転を利かせ、彼女を台所の調理台の下に隠したことから、拉致は失敗に終わる。
その後、突入した親衛隊によりポマレ8世は保護され、憲政政府は正式に賊軍と宣言された。一方ケクウァノアは、自らが治めるアスタ国とその周辺の国々を纏めて徹底抗戦の姿勢を見せ、王国軍を逆に叛乱者として糾弾した。
後の世に言うアスタ戦争の幕開けである。
本日王国軍は、国王陛下への忠節を全うすべく、先王弑逆を実行した憲政政府を名乗る反徒を討伐する戦闘に入れり
王国軍造反である。ロト・カプワイア率いる王室親衛隊は、瞬く間にタアロアの全域を制圧し、憲政の象徴たるクルルヌイ宮殿へと迫った。これを受けてケクウァノア摂政は、女王と閣僚と共に山岳地へ逃れ、自らが治める首長国で抗戦すべく行動したが、この時幼い女王の侍女が機転を利かせ、彼女を台所の調理台の下に隠したことから、拉致は失敗に終わる。
その後、突入した親衛隊によりポマレ8世は保護され、憲政政府は正式に賊軍と宣言された。一方ケクウァノアは、自らが治めるアスタ国とその周辺の国々を纏めて徹底抗戦の姿勢を見せ、王国軍を逆に叛乱者として糾弾した。
後の世に言うアスタ戦争の幕開けである。
アスタ戦争
内戦開始直後、王国軍は想定したほど有利な立場には無かった。何故ならば、兵力こそ優ってはいるものの、ラピタ島以外の諸島のアリイ達が当初静観し、どちらにも与することが無かったからである。
ロト・カプワイアは王命によってライアテア島や、マナルウイ島のアリイ達に出兵を促したが、彼らは病や不吉といった理由を付けて出兵を拒み、かと言って憲政政府へ味方することを表明もしなかった。
また、ラピタ島のアリイ達も一枚岩というわけではなく、アスタ国と縁戚関係を持つ国々は攻撃に対し慎重であった。
故にロト・カプワイアは、まず自前の戦力で勝利を得なくてはならなかったのである。
彼率いる王国軍は手始めにアスタ国に味方するケルベレン国に対して攻勢をかけてこれを奪取すると、主に山岳地帯の交通要衝地を抑えて敵を分断する作戦に出た。
ケルベレン国は制圧された後、村単位のアリイは赦されたが国を治めるアリイは一族もろとも斬首刑に処され、国名は断絶の刑を受けた。しかし、これは却って賊軍の結束を固めて態度を硬化させる結果となり、戦争の長期化を生んだと批判の対象になっている。
その後彼は山地の諸国を懐柔して兵を出させつつ賊軍の支配領域を締め上げ、実質的な兵糧攻めによって降伏を促した。特に岩塩に乏しいラピタ島の山岳地では、平地との交易で得られる塩は生存に必要不可欠であり、これらを絶たれた賊軍諸国は降伏するか内部の反乱によって次々と瓦解していった。
そして、内戦の開始から1年が経過した頃遂にケクウァノアは味方によって暗殺されアスタ国は崩壊。これを受けて各地の首長はロト・カプワイアとポマレ8世の秩序を承認し、ハワイキ宮殿において即位式が挙行された。
ロト・カプワイアは王命によってライアテア島や、マナルウイ島のアリイ達に出兵を促したが、彼らは病や不吉といった理由を付けて出兵を拒み、かと言って憲政政府へ味方することを表明もしなかった。
また、ラピタ島のアリイ達も一枚岩というわけではなく、アスタ国と縁戚関係を持つ国々は攻撃に対し慎重であった。
故にロト・カプワイアは、まず自前の戦力で勝利を得なくてはならなかったのである。
彼率いる王国軍は手始めにアスタ国に味方するケルベレン国に対して攻勢をかけてこれを奪取すると、主に山岳地帯の交通要衝地を抑えて敵を分断する作戦に出た。
ケルベレン国は制圧された後、村単位のアリイは赦されたが国を治めるアリイは一族もろとも斬首刑に処され、国名は断絶の刑を受けた。しかし、これは却って賊軍の結束を固めて態度を硬化させる結果となり、戦争の長期化を生んだと批判の対象になっている。
その後彼は山地の諸国を懐柔して兵を出させつつ賊軍の支配領域を締め上げ、実質的な兵糧攻めによって降伏を促した。特に岩塩に乏しいラピタ島の山岳地では、平地との交易で得られる塩は生存に必要不可欠であり、これらを絶たれた賊軍諸国は降伏するか内部の反乱によって次々と瓦解していった。
そして、内戦の開始から1年が経過した頃遂にケクウァノアは味方によって暗殺されアスタ国は崩壊。これを受けて各地の首長はロト・カプワイアとポマレ8世の秩序を承認し、ハワイキ宮殿において即位式が挙行された。
暗赤色の40年
内戦終結後、王配及び摂政の地位に就任したロト・カプワイアは国内秩序の再編と、鎖国体制の構築に取り掛かった。
諸国の貿易商人は2年以内に国内を退去すること、貿易に関する損害は王国政府が補償するが、退去期限後も居座ったことによる被害は保証できないと彼は宣告し、大部分の商人はこれによって交易を諦めて退去して行った。
また、一部の商人は本国に訴え出ようとしたが、時は国際秩序緊迫の時代であり、諸外国列強は世界の片隅の先住民国家に注意を払うことは無かった。
長年に渡り交易を続けてきたマウサネシアの商人さえも対象となった禁圧的な鎖国令は、「さしずめいじけた子供の様」（クリストファー・O・ポマレ）であると後の歴史家に評され、同時に国内では徹底的に外国文化の「洗浄」が行われた。
これにより外国から輸入された書物や思想書、或いはその影響を受けて作られた芸術作品は焼却や廃棄の対象となったが、一部の王族が神殿にこれらを奉納したり、芸術家王として名高いポマレ6世の作品と主張することで迫害を逃れるなど、様々な対応で生き残りが図られた。
ポマレ8世はこれらの生き残り作戦に加担し、密かに作品を収集し、離宮に保管していたと言われている。
諸国の貿易商人は2年以内に国内を退去すること、貿易に関する損害は王国政府が補償するが、退去期限後も居座ったことによる被害は保証できないと彼は宣告し、大部分の商人はこれによって交易を諦めて退去して行った。
また、一部の商人は本国に訴え出ようとしたが、時は国際秩序緊迫の時代であり、諸外国列強は世界の片隅の先住民国家に注意を払うことは無かった。
長年に渡り交易を続けてきたマウサネシアの商人さえも対象となった禁圧的な鎖国令は、「さしずめいじけた子供の様」（クリストファー・O・ポマレ）であると後の歴史家に評され、同時に国内では徹底的に外国文化の「洗浄」が行われた。
これにより外国から輸入された書物や思想書、或いはその影響を受けて作られた芸術作品は焼却や廃棄の対象となったが、一部の王族が神殿にこれらを奉納したり、芸術家王として名高いポマレ6世の作品と主張することで迫害を逃れるなど、様々な対応で生き残りが図られた。
ポマレ8世はこれらの生き残り作戦に加担し、密かに作品を収集し、離宮に保管していたと言われている。
国家再建
1年間に亘る内戦は、ラピタ島だけでなく、王国各地に傷を残した。近代的な職業軍人の存在しない王国では、戦いに参加する戦士たちは同時に別の生業を持つ生産者であり、その死は地域の産業や人口に直接打撃を与えることに他ならない。
一説には両軍合わせて2万人に及ぶ兵が参加したとされる内戦の結果、王国の人口構造は極めて歪な瓢箪型になったと考えられ、産業の発展に暗い影を落としたのだった。
ロトは女達を組織化して男に代えて生業を担わせた他、ボロボロになった各地の行政機構を王族によって立て直すなどの策を進め、辛うじて王国の制度を維持することに成功した。
が、内戦終結から数年の間は、この傷によって王国は苦難の時代を迎え、各地で餓死者や少ない資源を巡る争いが起き、国は乱れた。
在位15年ごろからこれらの悪影響は徐々に薄れていき、人口も再び安定的な増加に転じた、と実録は伝えている。
一説には両軍合わせて2万人に及ぶ兵が参加したとされる内戦の結果、王国の人口構造は極めて歪な瓢箪型になったと考えられ、産業の発展に暗い影を落としたのだった。
ロトは女達を組織化して男に代えて生業を担わせた他、ボロボロになった各地の行政機構を王族によって立て直すなどの策を進め、辛うじて王国の制度を維持することに成功した。
が、内戦終結から数年の間は、この傷によって王国は苦難の時代を迎え、各地で餓死者や少ない資源を巡る争いが起き、国は乱れた。
在位15年ごろからこれらの悪影響は徐々に薄れていき、人口も再び安定的な増加に転じた、と実録は伝えている。
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