架空の世界で創作活動及びロールプレイを楽しむ場所です。

労働者の祖国であるレファル・ソビエト民主社会主義共和国の全国共産主義青少年連合の若年部代表フロルから、親愛なるラピタ王国のリリィ王女殿下へ。


こんにちは。今回、私たちがこのような形(マウサナ経由であること)でこの文書を送付した無礼を、深くお詫び申し上げます。
これは、ひとえに私たちと貴方の間に個人的信頼の上に成り立つ繋がりも、国交も存在していない為に生じてしまった悲劇です。
その為に私たちは、私たちと貴方の間に国交の樹立を要請します。

しかし、国交樹立の要請が今回のこの文書の目的ではありません。もし、それだけであるならば、私はこのような文書を書くこともありませんし、そもそも党がそれを認めないでしょう。

ではこの文書の目的とは?貴方はそう思うかもしれません。

ところで、貴方は社会主義または共産主義という概念をご存知でしょうか?
もし、ご存知であるのならば、以下十数行に渡る文章は目を通さなくても大丈夫です。

ここからは、貴方が共産主義と言う概念をご存知では無いと言う前提で話を進めますが、貴方とマウサナの間には強い結び付きがあると伺っております。最もイメージしやすい物は、彼らの奉る政治思想です。(しかし彼らの言うことを全て受け入れてはなりません!)

共産主義とは、あらゆる階級が撤廃され、人による人の支配が終焉し、窮迫と外的な目的への適合性とによって規定される労働が存在しなくなるところ、したがってそれは、当然に、本来の物質的生産の領域の彼岸にある、自由人による共同社会を目指す運動です。

それは、我々が我々自身ならびに我々以外の自然を支配することができ、その上で諸個人が共同関係の中で自分の能力を自由に発展させ、自己実現をめざして自由に活動することができる社会を目指すものなのです。

様々な制約の関係上、私はこの文章のみで、貴方に共産主義の素晴らしさの全てを記すことは出来ません(本当に悲しいことです)
ですから、この手紙のように、それぞれキリル文字とマウサナ文字で記された『共産党宣言』『資本論』の計4冊を共にお贈りさせて頂いております。よろしければ、それらを有効活用して共産主義についての造詣を深めて頂けると幸いです。

さて、ここでようやく本題を切り出しましょう。
私は、いや、私の祖国の多くの人々は、貴方が賢明なブルジョアであり、我々を導いたリューシンのように、あらゆる階級の人々を纏め上げ、真にプロレタリアートになることの出来る知識人であると信じています。

あらゆる階級が分裂している。それは、貴方の国でも同じように存在します。しかし、貴方の国家は、その地理的特色から、世界が資本主義に呑まれ、わずかに覚醒したプロレタリアートの国家である社会主義国家を除き、全世界の大半が暗黒に包まれた中にあっても、共同体的所有を維持することに成功し、その確固たる基盤の上に成り立った文化は、まさに我々が夢見る宇宙の根本的思想の中核に類似しているのです。

これを原始的共産主義の萌芽と言わずして何と呼称すれば良いのでしょうか?
ええ、私はそれを高く評価します。
何故ならば、資本主義によって疎外された労働は、貴方が維持した原始的共産主義に於いては、奴隷階級を除いて自身の中に存在します。

私有財産制は僅かな消費財産を除いて、共同体の中に埋没し、共同体によって各個人は支配され、それは決して資本主義のような貪欲な富の生産を生みません。つまり、人は富を産み出すための機械とはならず、確固とした類的存在であるのです。(しかし、それは一部を除きます。)

それらの伝統を守り、そして残していく事は困難でしょう。
私は、その伝統の保護のための絶え間無い努力を深く尊敬致します。

しかし、貴方が維持した伝統は大きな誤りを犯しており、だからこそより上位の存在に止揚されなければなりません。

先日、我々はマウサナが主宰した奴隷制に関する討論に、社会主義的観点からの奴隷制批判を行いました。
貴方がそれをお読みになられたかは不明ですが、お読みになられていないのであれば同封した物をお読みください。

そこでは奴隷制は、本来全ての人に保障されなければならない自由と平等が保障されていない為に放棄されなければならないと私達は記しました。そして、それは今も変わらない見解です。
しかし、そこには資本主義を経た社会主義への進展が言及されていましたが、貴方のラピタでは異なる可能性があるのです。

つまり、資本主義によって我々から失われ、私たちが今必死に取り戻そうと足掻いている精神が貴方にはあるのです。その精神は、資本主義を飛び越し直ぐに社会主義に進展できる可能性を秘めているのです。

資本主義の使命である生産力の向上は、私たちのレファルやソ連邦による経済的援助によって、それを私たちが犯した奴隷的労働からの搾取によって達成せずとも到達可能であるのです。

貴方はブルジョアですからそれを自覚していないのかもしれません。しかし、貴方が維持した伝統には決定的な過ちが存在します。
それは、結局のところ貴方が人々を搾取していることです。どうして、共に同じであるはずの勤労を行う人を、貴方を含めた王家とされる人は搾取するのですか?

私の祖国も、以前は王政の国家でありました。(それは私の祖父たちによって打倒されたのです!)その国家が崩壊したとき、かつての王家の一員は言いました。
「革命に感謝を!私は貴方(革命)によって初めて人間として生きられる!」
つまり、社会主義革命は貴方のような本来の自己に気づきながら、搾取機関の一部分としていきる他無い人すらも解放するのです!

結局のところ、貴方の住むラピタ王国と言う搾取社会(資本主義にこそ汚染されてはいませんが)は、共同体、自由人によるものではなく奴隷による共同体を包括する単一の搾取構造でしかありません。
その頂点にあり、最も人々からの搾取によって潤っているのは貴方の父親であり、国王である人物です。

もし貴方が、私のこれまでの17年間を、そしてこれからの人生全てを捧げる理想社会への道筋に理解をしていただけたのならば、どうか貴方の父親を説得し、社会主義への一歩を踏み出して下さい。

世界には猛暑も、豪雪もあり、貧しさも、富もある。しかし、私たちと共にあるのは全世界の同志たちです。その主たる例がソ連邦です。私達は、貴方がその一員になることを期待して、そして待ち望んでいます!

もし貴方が社会主義について不明点があるならば、そして、貴方がこの手紙に返信されるのであれば(私はそれを期待します)同封されている書簡に入れて送って頂ければ幸いです。

追伸
この手紙は共産党によって添削がなされています。貴方が良ければ実際にあってお話してみたいものです。 フロル

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