俺ロワ・トキワ荘にて行われているリレー小説企画の一つ、古生物バトルロワイヤルのまとめWikiです。

「なんでボクが殺し合いをしなくちゃいけないんだもん」

翼竜に属するプテラノドンは誰に言うともなく呟いた
周りを見渡しても他の生物すら見当たらない

「おっかぁ、寂しいんだもん……」

そもそもここに呼び出されたプテラノドンはようやく自分で餌を取ることに慣れてきた子供である
連れ去られる前日も遊び疲れて親に抱かれながら眠ったような気がするが、目が覚めるとこの殺し合いに巻き込まれていた
周りを見ても自分の親どころか同じ仲間すらいない
おとなしそうな奴もいたが怖そうな生き物も沢山いる
この状況に怯えていると、突如最後の一人になるまで殺しあえという声がどこからともなく響き渡った

(そんなの、無理に決まってるもん)

プテラノドンはすっかり怯え萎縮してしまう
いかにも好戦的な生き物がいる中、彼自身生き残れるような気が全くしなかった
そんなプテラノドンの意思とは裏腹に深い暗闇に閉ざされ次に気がついたときには見知らぬ海岸にいた
運がいいのか悪いのか周りを見渡しても誰もいない
海岸をしばらく歩いても結果は変わらない

そのうち疲れたのかボーっとした様子で波を見ていた

「……ボク、ひとりぼっちだもん」

プテラノドンは寂しそうな瞳で海を見つめつつ呟いた
心が不安で埋め尽くされていく
それは殺し合いに巻き込まれるまでの出来事が繰り返され加速していく
目に涙がたまり完全に押しつぶされそうになる刹那ある一つの言葉を思い出す

「そういえば、水の中で息が出来るって言ってたような気がするもん」

プテラノドンは普段翼をあまり動かさず滑空により海上から餌である魚を捕えて食べている
当然海の中の世界なんて知らない

しかし息が出来ないということがどういうことかは知っている
それはとても苦しく、そのまま命を落としてしまうこと
しかし、彼自身はまだまだ子供である
このチャンスを逃すと二度とお目にかかることはないかもしれない
その思いが彼を押しつぶそうとした不安を打ち払い、それを埋め合わせるように好奇心が刺激される

「もう我慢できないもん」

そう叫びながら勇気を出して水飛沫を立てつつ頭から突入する
水の中に潜ったプテラノドンは慣れないながらも何とか体勢を立て直し、ゆっくりと辺りを見渡す

「わぁ、水の中で息が出来るなんて不思議な感じがするもん」

水中に潜るという初めての経験にプテラノドンは興奮していた
普段見ている空の青とはまた違った青
海上からではお目にかかることのない海底の景色
水中から見る、普段の空とはまた違った空

これらの要素はまだまだ子供であるプテラノドンの目を輝かせるには十分だった

【一日目・黎明】
【地中海・キプロス付近】

【プテラノドン】
【状態】健康
【思考】死にたくない・しばらく水中内の景色を楽しむ
【備考】オス、子供、日本・北海道出身

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プテラノドン
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