「た、大変だー!!」
連邦の戦艦、ハガネの食堂にタスクの大声が響く。
「どうした、騒々しい。」
そう言って入り口の方に体を向けたのはキョウスケだ。彼の他にもイルム、リョウト、カチーナが同じテーブルに集まっている。どうやらポーカーをしているようだ。
「あれっ、キョウスケ中尉もイケズだなぁ、カードやるならオレも呼んでくれれば…」
「ンなことはどうでもいいから、何が大変なのかさっさと言いやがれ!」
カチーナがタスクを睨む。
「あ、あぁそうだった。いや、アラドのヤツが大変なんですよ!」
「フン、食い過ぎで腹でも壊したか?」
イルムが鼻で笑う。
「いや、そんなモンじゃないですって。こりゃぁアイツの命に関わる問題かもしれませんよ!」
「ンな大げさな。」
「実際に見てもらえば分かりますって!」
いつもおちゃらけているタスクだが、今回の焦りようは尋常ではない。
「…そこまで言うにはただ事ではないか。分かった。とりあえず、アラドのところに案内してくれ。」
そう言うとキョウスケは全員からカードを取り上げ、テーブルの上のカードも集めるとポケットにしまい、立ち上がった。
「おっ、さすがは突撃隊長!話しが早い!」
「ふうん、なんだか面白そうだし、オレたちも行ってみますか。」
「だな。」
そう言うとイルムとカチーナも立ち上がる。
(…僕の手、フォーカードだったのに…)
リョウトもキョウスケの背中を睨みながら、タスクの後に続いた。

「…ここっス。」
タスクが皆を連れてきたのは、タスクの個室だった。
「お前の部屋?」
キョウスケが訝しげな顔をする。
「まぁとにかく、入ってください。」
一行がドアを開けると、電気を消した暗い部屋の中から、女性の喘ぎ声が聞こえてきた。お取り込み中、といった雰囲気である。
「…おいおい、いいのか?」
イルムが苦笑いする。
「アラド、大丈夫か?返事しろ!」
タスクが部屋の明かりをつけながら呼びかける。だが返事はない。
「!!こいつは…」
照明が灯った部屋で一行が見たもの、それはアダルトビデオがつけっぱなしのテレビの前で倒れたアラドの姿だった。アラドはピクリとも動かず、顔はげっそりとやつれている。
「タスク、どういうことだ?」
キョウスケがアラドの上半身を助け起こしながら尋ねた。
「いや、今から30分くらい前、アラドがオレにAV見せてくれって言いに来たンすよ。んで、ちょうどこの間手に入れたばっかの巨乳モノがあったから、二人で鑑賞することにしたんです。そしたら急に倒れやがって…」
「へっ、お子ちゃまが興奮してぶっ倒れただけじゃねぇのか?」
カチーナがテレビを消しながら、呆れたように言う。
「いや、それにしてもこのやつれ具合は異常ですよ。なんだか息も荒いし、救護室に連れて行った方が…」
「だよなぁ、リョウト。それで心配になって、一応中尉たちに伝えておこうと思って。」
「うむ…一体これは…」
キョウスケが眉をしかめて考え込む。

「オッパイ依存症だ…。」
「!?」
突然の意外な一言に、一行は一斉に部屋の入り口に視線を移す。そこに見たものは、壁に寄りかかりながら腕組みをするギリアムの姿だった。
「しょ、少佐、いつの間に…」
リョウトが唖然としながら口を開く。
「ギリアム少佐、オッパイ…依存症とは?」
「うむ。そこにいるアラド曹長がスクール出身だという事は、皆知っているな?」
「ええ。」
「彼はスクールで、ゼオラという年上の少女と共に常にペアで調整を受けていたらしい。」
「あぁ、ラーダさんに聞いたことがあるな。」
「そのゼオラという少女…見事な巨乳の持ち主だったということが、オレの調べで分かっている。」
「…さすがは情報部だ。」
「少佐、続けてください。」
「あぁ。彼はごく幼い時分から、常に巨乳を目の当たりにしていた。そしていつしか、巨乳無しでは一般生活に支障をきたすまでに至った。…これがオッパイ依存症だ。」
「お…おっかないッスね。」
「このまま放っておいたら、アラドはどうなっちまうんですか?」
「見ての通り、日に日に衰弱していくだろう。そして最悪の場合、待っているものは…死だ。」
「そ、そんな…」
一同はショックを受けて黙りこくる。
「何か、何か彼を救う方法はないんですか!?」
リョウトが沈黙を破ってギリアムに詰め寄る。
「今の所この病を完治したという報告例は聞いていない。AVやシリコンボールを使った治療も、一時凌ぎにしかならないと言う。…だが患者が望む巨乳に触れ合うことで、少しずつ症状が軽くなるというケースはあるようだ。」
「アラドの望む…」
「巨乳…」
再び沈黙が部屋を支配する。
「…みんな、ここは一つ、オレたちの隊の女性陣に一肌脱いでもらうしかないんじゃないか!?」
今回一番最初に口を開いたのは、タスクだった。
「あいつがそのゼオラって娘を取り戻すまで、オレたちの隊の中から代わりのオッパイになる女神を探すんだよ!…オレ、アラドが弱っていくのをただ見てるだけなんて、出来ないぜ!」
「…そうだな。」
キョウスケが今まで閉じていた目をゆっくりと開きながら言った。
「あいつを助けられる胸を持った女性を探す…分の悪い賭けは、嫌いじゃない。」
「けどよぉ、そんなに簡単に自分の胸を差し出す女なんて、いるのかよ?」
すかさずカチーナが突っ込む。
「まぁ中尉は巨乳じゃないから、対象外ですけどね。」
その瞬間、鈍い音と共にタスクが宙を舞うのを、その場に居あわせた全員が見たという。
「献身的、ってことならレフィーナ艦長だけど…」
「彼女はパット疑惑が濃厚だからな。アラドを満足させることはできんだろう。」
「さすがはイルム中尉ですね!」
鼻血を拭きながら、タスクが合いの手を入れる。
「お、そうだ。お前の彼女はどうよ?」
「…タスク、本気で言ってるの?」
リョウトが拳をパキパキと鳴らしながらタスクを睨む。
「じ、冗談だぜ、は、はは…」
「かと言って、あのレオナ嬢が協力するとも思えんしな、タスク?」
「本当、イルム中尉はなんでもよくご存じで。」
「ラーダさんは下手したら折り曲げちまうだろうし、歳が歳だしなぁ。」
カチーナが笑いながら言った。
「歳のことなら、中尉も人のこと言えないんじゃないスか?」
再びタスクが、大きく孤を描いて宙に舞う。

「エクセレンならば嫌とは言わんだろうが、ヤツも少女とは言えんな。」
「キョウスケ、お前さんなかなかキツいことをサラリと言うねぇ。」
「巨乳で献身的か…中尉、ここはやっぱりイチかバチか、クスハに頼んでみるしかないんじゃないですかねぇ。」
腫れた顔をさすりながら、タスクが提案する。
「しかし、ブリットが黙っていないだろう。」
イルムの一言に、リョウトやカチーナが頷く。
「…いや、ブリットもアラドのことは何かと心配している。あいつもそこまで融通の利かない男ではあるまい。」
「へっ、キョウスケ、なかなかいいこと言うじゃないか。」
「よっしゃ、そうと決まれば、クスハに話しをつけてきますぜ!」
「タスク、その必要はない。」
「!?」
突然の意外な一言に、一行は一斉に部屋の入り口に視線を移す。そこに見たものは、壁に寄りかかりながら腕組みをするギリアムと、恥ずかしげなクスハの姿だった。
「今までの話を聞いて、彼女ならばアラドを救えるかもしれんと思ってな。」
「いいのか、クスハ?」
キョウスケの問いに、クスハはこくりと頷く。
「私、戦う以外に人を助ける力になれれば、なんだってやります!」
その一言に、全米が泣いた。
「では頼むぞ、クスハ。」
そう言って彼女の肩に手を乗せると、キョウスケは部屋を後にした。
「後は若い二人に任せますか。」
イルム、カチーナ、リョウトも後に続いて部屋を出る。
「クスハ、アラドのこと、よろしくな。」
タスクもいつになく真剣な眼差しで、クスハに呼びかける。
「うん。私、自分にできるかぎりのことをやってみる。」
「あぁ。頼んだぜ!」
タスクは頷くクスハにウインクをして、自室から出ていった。後に残ったのは、当事者のアラドとクスハだけである。
クスハはぐったりと横になったアラドに近づいた。
「アラド君。」
「え…あ、クスハ…さん…。」
クスハの呼びかけに、ゆっくりと体を起こしながらアラドは目を開けた。
「無理をしちゃ駄目。…ねぇアラド君、あなたのほしいもの…言ってみて?」
「オレの…ほしいもの…」
「そう。今アラド君に足りないもの…私のでよければ、あげたいの。」
「だ、駄目ッスよ。そんなことしたら、ブリット少尉に…」
「大丈夫。」
そう言うとクスハは柔らかな笑みを浮かべた。
「少しの、ほんの少しの間だけだから。ほんの少しの間だけ、私があなたのオッパイになってあげる。あなたの幼馴染みさんには全然かなわないと思うけど、少しでもアラド君が元気になるなら…。」
「クスハさん…。」
アラドは無我夢中でクスハの胸に顔を埋めた。服の上からとは言え、ふくよかで柔らかい二つの膨らみをしっかりと感じた。
「ふふ…せっかちなのね。赤ちゃんみたい…。」
クスハは両手をアラドの頭の後ろに回すと、包み込むように抱きしめた。
そのままアラドはクスハの胸をいとおしげに頬擦りしていたが、2・3分ほどして何かを懇願するかのような眼差しを向けてきた。
「あ、あの、クスハさん。」
「…うん。わかってる。」
二人の間に少し距離をとると、クスハは服を脱ぎ始めた。上着を脱ぐと、ブラからこぼれおちそうな乳房があらわになる。
下着まで外し生まれたままの姿となったクスハは、アラドに両腕を差し伸べた。
「ほら。さっきよりも、近くに来て。」
その言葉に頷いたものの、アラドは両手を股間に当てたまま頬を赤らめてもじもじとしている。クスハはアラドの心をすぐに察した。
「アラド君も動き易い格好になって、ね?」
「はい!」
そう言うが早いか、アラドはあっという間に一糸纏わぬ姿となった。彼の股間にそそり立つイチモツを見て、思わずクスハは驚いた顔になる。
(ブリット君のより、ずっと大きい…!)
そうこうしている内に、アラドは再びクスハの胸に飛び込んできた。
「あんっ!」
乳首が擦れ、思わず声が漏れる。だがそれを気にも止めず、アラドは深い谷間に頭を擦りつけたり乳輪のあたりの匂いをかいだりして、クスハの胸を刺激し続けた。
「舐めても、いいですか?」
「うん。いいわ。思いきり、舐めて。」
少しずつ顔を恍惚とした表情に変えながら、クスハはアラドの背中の方へと手を回す。アラドは乳首を中心に、なぞるようにして白い柔肌を舐めた。時折舌先を尖らせて、勃起し始めた乳首の先端を突ついたり、あまがみしたりする。
(やだ…この子、上手い!)
快感に耐えられず、思わず大きく背中を仰け反らせた。それでもアラドは吸いつくようにして彼女の胸を責め続ける。下側から両手で押し上げるように揉みしだくことも常に忘れない。
「ん…あぁん…んん!!」
もはやクスハは声を押さえることを止めた。そして一方的に与えられる快楽に溺れることを阻止しようと、先ほどから体に触れるアラドの怒張をそっと握った。
「う、うあっ」
今度はアラドの方が体をビクビクと震わせ、一旦クスハの身体から顔を離した。
「ふふ。ここを…気持ち良くしてほしいんじゃない?」
普段とは違う妖艶な笑みを浮かべながら、クスハはアラドに目を合わせた。しっかりと右手に握ったアラドの男根の頂上部分を、指の腹で擦りながら。
「うぅっ、そんなことしたらっ…で、出る…」
「うふっ、まだ駄目よ。一回目は…ここに出してね?」
そう言ってクスハは自らの胸に手を当てた。
「じゃ、じゃあ、その…パイズリしてください!」
「うん、わかった。そこに腰掛けて。」
クスハに指示されたとおり、アラドはベッドの縁に腰を下ろす。
「クスッ、本当に大きいのね。」
青筋の立ったイチモツの近くに顔を寄せて、アラドの顔を下から覗き込む。
「そ、そおっスか?」
「うん。凄く…大きい…」
そうしてクスハはその怒張に、舌を這わせた。
「う、うぁ…」
まんべんなく舐めて唾液をつけると、今度は口の中に咥え込む。
「んっ…ふぅ、ぷはっ…本当に大きい。ん、じゅるっ、ちゅっ」
「はぁ、き、気持ちいい…」
「んふっ、ありがと…くちゅっ、ちゅっ、んちゅるっ」
頭を前後に動かし、できるだけ深くまで飲み込み、引きぬく。慣れたブリットのそれと違い、太く長いアラドの男根を口の中で舐めまわすのはなかなか困難だった。
が、段々とクスハも要領を得たのか動きが潤滑になってきた。咥え込む合間に、悶絶するアラドの顔を上目遣いに見る余裕もできた。
「んっ、ふふ。アラド君、本当に可愛い。」
「クスハさん、エロ過ぎッスよ…」
いつも顔を合わせていた彼女の知らなかった一面に、アラドの身体を戦慄した。
「く、クスハさん、そろそろオレ…」
「ん、まって、もう少し我慢してね…」
そう言うとクスハは唾液と我慢汁でベトベトになったアラドの男根から顔を離し、乳房を持って両側からソレを挟み込んだ。
「くうっ、す、すげぇ、凄く柔らかくて…気持ちいいッス。」
きめこまやかなクスハの白い肌は、まるで吸いつくような感触を与えた。
「じゃぁ、動かすね。」
身体全体を使って男根を上下にしごく。
「はぁ…っさ、最高ッス…」
次第にアラドの息が上がっていく。それを察してか、クスハは男根をしごくスピードを早めた。ポタポタと潤滑液となる唾を垂らし、ときに亀頭を舐め上げた。そしてその度にアラドは敏感に反応し、快感の声を上げる。
「お、オレ、今度こそ、もう…!」
アラドの悲鳴にも似た声に合わせて、胸の間の男根もビクビクと震え出す。
「いいよ、アラド君、イって、私の胸にでイって!!」
「う、うわぁぁぁっ!!」
さらに大きくガクガクと身体を震わせると、アラドは後ろへ倒れ込みながら大量に射精した。空中に放物線を描き、アラドの白濁はクスハの胸から顔にかけてをべったりと汚した。むせ返るような若い精の匂いに、クスハは思わずめまいを感じた。
「…どうだった?」
肩で息をしながら、アラドに尋ねる。
「さ、最高でした…。」
惚けたような虚ろな顔をしつつも、はっきりとアラドは答える。
「良かった。みんなあなたのこと、心配してたのよ?」
「本当に…あ、ありがとうございます。これでもう当分はやっていけそうな気がします。」
アラドはニコリと笑った。
「それじゃぁ…」
クスハが悪戯っぽそうな顔をして、アラドに覆い被さる。
「…実は私ね、最近ブリット君じゃ、満足できないの。」
「へ?」
突然の告白に、アラドは素っとん狂な声を上げた。
「でもアラド君のコレなら、私のこと、慰めてくれそう。だから…」
クスハはぎゅっとアラドの男根を握り締めた。
「今度はコレで、私を気持ち良くしてね?」
「りょ、了解ッス!」

こうして、二人の一時的な依存関係は始まった。ただこの時、この部屋にはタスクの仕掛けた小型カメラがいくつも存在するとは、二人は知る由もなかったのである。

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