夜の八時を回っても、SRXチームの分隊室の明かりは消えていない。
 静まり返った室内には、二種類の息遣いが響いていた。切なげな男のものと、興奮したような女のものと。
 それらに混じって、布と肉のこすれ合う音も聞こえた。
 壁を背にして立つライディース。アヤがその足下に跪き、露出した男根を手袋越しにしごきたてていた。手首にスナップを効かせ、時に親指で亀頭を刺激する。
「大人しい顔して、すっかりガチガチねぇ」
 アヤが上目遣いに部下の顔を見上げる。
「上官にこんな事させて、恥ずかしくないの? いつもリュウに偉そうな事言ってるくせに、呆れた変態クンよねぇ〜」
「う、くぅぅ……」
 ライディースは反論もせず、眉根に皺を寄せて快感に悶えている。
 自分でも、最低な行為なのは百も承知だ。しかしそれでも、アヤとのこの一時には抗い難い魅力があった。
「ほら、何とか言いなさいよ。感じてるんでしょ? 上官を跪かせて、手コキさせて興奮してるんでしょ? 私の顔を臭いザーメンでドロドロに汚したいんでしょ?」
 しごく手に力を込めながら、アヤはなぶるような言葉を叩き付けた。自らの淫語で高ぶっているのか、息遣いも激しさを増す。
「た、大尉! もうダメです!」
「良いわよ? 上官の顔に汚らしいチンポ汁ぶちまけなさい、この変態!」
 アヤの最後の一言が、ライディースを爆発させた。激しくほとばしる白濁が、アヤの顔を直撃する。
「ふふ、相変わらず濃いわね」
 頬にベットリとこびりつく精液を指ですくい、アヤはベロリと舐め上げた。
「あ、ありがとうございました……」
 ライディースはその様を見下ろしながら、おずおずと感謝の言葉を述べる。
 卑猥な言葉を紡ぎながら男の肉棒に奉仕し、嬉しそうに欲望を顔で受け止める彼女からは、普段の面影が全く見られない。何度もこうして性処理をしてもらっているが、そのギャップに未だ慣れずにいた。
「溜まったら、またいつでも言いなさい? 何なら今度は、貴方のお部屋でしてあげても良いわよ?」
 青年の顔を見上げて微笑むアヤ。それは彼の知る優しくも気丈な上官ではなく、男をたぶらかす魔女の微笑みに見えた。
「し、失礼します」
 空恐ろしいものを感じたライディースは、自分の物をしまうと逃げるように退室した。
「……良いわよ、リュウちゃん」
 顔をハンカチで拭いた後、アヤは彼が出て行ったドアに呼びかける。
 ドアが開き、リュウセイが中の様子を伺いながら入ってきた。
「どうだった? 私がライにしてあげてるところは」
 床に座り込んだまま、アヤはクスクスと笑っている。その視線は、既にハッキリと勃起を示している彼のズボンに絡みついていた。
 リュウセイの顔は赤く、彼が先程の二人の行為を覗き見していた事がわかる。
「ほら、早くいらっしゃい。貴方も気持ち良くしてあげるわ、いつもみたいにね」
 アヤの言葉に引き寄せられるように、リュウセイは彼女のそばに歩み寄る。
 アヤの手が毒蛇のように素早く彼のズボンに伸び、手早く肉棒を取り出す。
「貴方も、とっても素敵よ……」
 ウットリと呟き、青筋を浮かべる幹に頬ずりをするアヤ。
 舌を這わせ、絡ませ、唇で包み込み、しゃぶり、吸い立てる。
 亀頭から玉の裏側に至るまで、病的な丹念さでしゃぶり尽くし、全てを味わい尽くす貪欲なフェラチオ。
「あ、アヤ……!」
 リュウセイは上擦った声を上げ、与えられる強烈な快感に腰を震わせる。
 何度も味わってきた舌技だが、慣れるという事がない。
「そんな激しくされたら、保たねえよ……!」
 しかしアヤは聞こえていないのか、わざと無視しているのか、お構いなしにむしゃぶりついている。
 己の肉欲に突き動かされるままに若い性を貪る、淫獣のようだった。
「だ、ダメだ! 出るっ!」
 リュウセイのこしがビクビクと震え、アヤの口腔内に熱い奔流が注がれる。
 射精が終わっても、アヤはヂュウウウッと音を立てて残り汁を強引に吸い出した。そして溜め込んだ精液を、肉棒をくわえたまま飲み下す。
 アヤの唇から解放されると、リュウセイはペタンとその場に座り込んだ。精液だけではなく、本当に体内の全てを吸い出されるような激しいフェラチオだった。
「あら、もうダウンしちゃうの?」
 入れ替わるように立ち上がったアヤが、蔑むような冷たい眼差しで見下ろす。
「いつも威勢の良い事を言ってるくせに、本当にだらしない……これは修正の必要があるわね」
 アヤはニヤリと笑うと、スカートに手を入れてショーツを下ろす。
「たっぷりとしごいてあげるわね? リュ・ウ・ちゃん♪」
 そしてリュウセイの腰を跨ぎ、ゆっくりと腰を下ろす。


 ――夜の11時を過ぎても、SRXチーム分隊室の明かりは消えなかった。

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