最終更新:ID:MPUIqBBttw 2014年07月01日(火) 12:42:25履歴
―――かくして、物語は終わりを迎えた
世界の破滅を願った男は、街を愛した者たちによりその目的を阻まれた―――
どこにでもある、陳腐な物語
ただ、男は生存を望まれた。
男は生きたまま目的を阻まれた。
しかし、それは決して悪いことでは無い。
道をただし、間違いなのだと糾弾してくれる者が出来たのだから
世界の破滅を願った男は、街を愛した者たちによりその目的を阻まれた―――
どこにでもある、陳腐な物語
ただ、男は生存を望まれた。
男は生きたまま目的を阻まれた。
しかし、それは決して悪いことでは無い。
道をただし、間違いなのだと糾弾してくれる者が出来たのだから
「これにて、この物語はお終いだ」
「此度は少々楽しめた。」
「アレが呼ばれることが無かったのは僥倖僥倖」
「しかし―――いや、だからこそ人間というのはかくも面白い生き物だ」
反逆の化身―観客―はかく語りき
〜True&Happy END〜
PCより
↓IFストーリーってやつですよ。
PLより
ある昼下がり、病院の一室。
俺には監視がついていた。
「まったく、喫煙ぐらい大目に見てくれっての。」
俺の言葉を聞きつけた看護師が注意してくる。
「何言ってるんですか!そんな怪我で動き回っていることのほうが不思議なんですから!」
まったく、ちゃんと手当を受けたのだから大丈夫だろうに。
「そんなことを言われてもねぇ。だいたい全治3ヶ月ってどういうことだよ?大げさじゃないか?」
俺の言葉に看護師の女性は呆れ返っていた。
「あのですね。だいたい下手すれば真っ二つになるような怪我をこの程度なんて言わないんですよ?」
度々、屋上に喫煙に出かける俺に病院がとったのが、監視をつけての絶対安静だ。
ここにいれば見舞いも来るし、病室の連中とは長年の仲のように親しくなっている。
退屈はしない。
しないが、それとこれとは話が別だ。
だいたい、禁煙する気の無い喫煙者がそう簡単にタバコをやめられるわけがないのだ。
故に俺は自由を求める。
「まったく、お嬢ちゃんは新人だから肩に力が入りすぎているんだよ。もっと笑ったほうがいい。
じゃないといざという時倒れちまうぞ?」
微笑みかけながら、相手に警戒されないように注意して言葉を選ぶ。
俺が探偵として信頼されているのはこの努力をしてきたからだ。
人に警戒されては友達にもなれない。
ならば、少し気を使ってでも友達になったほうが面白い。
「わ、私はそんな、気を張ってなんて!」
真っ赤になって言い返してくる。
図星でもついてしまったか?と少し不安になる。
「あはは、それならいいが。俺はほうっておいても治るし、それにこのお見舞いのおかげで治りが早いんだよ。」
怒らせてしまってはいけないと思い、すぐにそういった。
「・・・・はぁ。なんとなくみなさんの気持ちがわかった気がします。」
彼女は少し伺うようにこちらを見たかと思うとため息をついてそういった。
ため息をつかれるようなことを俺はいっただろうか?
「あのですね、その花の治癒力を考慮しての3ヶ月だってこと覚えていますか?」
さすが看護師、若くとも患者のデータは頭に入っているみたいだ。
俺の本当のことのみを言いつつ、相手に誤った解釈をさせる作戦は失敗した。
「あはは、流石だな。勘違いしてくれることを望んでいたんだが。」
俺の言葉に短くため息をつく。
「ため息をつくと幸せが逃げていくらしいぜ?」
俺の言葉に彼女は、誰のせいですか。と返してきた。
少し考えてみたが、反論のしようがない。
「にーちゃん!サッカーしようぜ!」
そんな時に、最近仲良くなった子供が訪ねてきた。
正直に言うとタイミングが悪すぎる。
「真人くん、お兄ちゃんがサッカーできるわけないでしょ?」
看護師がそう言うと少年は不思議そうな顔をする。
「え?でも一昨日サッカーしたよ?俺が走り回れないからボール蹴ってただけだけど。」
その言葉を聞き看護師がこちらを振り返る。
しかし、遅かった。
俺の速さに追いつくにはその反応じゃ遅い。
「あっはっは、すまない少年。俺は少し買い物に行ってくるよ♪」
にっこり笑って窓から飛び降りる。
着地と同時にすぐに走り出し、近くのコンビニへ。
まぁ毎度やっているが、少しだけ傷が痛む。
「悪いな、少し散歩してくるよ!」
俺の言葉に看護師の怒った声が響く。
そして、病院の門を出ようとした瞬間、その行く手は阻まれた。
「天城さん、どこに行くんですか。」
少し困った顔のセラがそこにはいた。
「やぁ、嬢ちゃん。いやなに、少し買い物に。」
俺の言い訳も虚しく、セラに捕まり今度は見張りが二人に増えた。
「絶対安静って私もお医者さんもちゃんと言いましたよね?」
帰る途中たくさんの人に声をかけられた。
みんながまたやったのかという顔だが、それでも笑顔だった。
こんな日々を取り戻せたことが素直に嬉しい。
「それにしても、まだ1ヶ月しかいないのにもう皆さんとお友達になったんですか?」
セラの問い掛けに笑顔で頷く。
「ここの街の人たちはみんないい人でね。気さくなんだよ♪」
俺の言葉にセラは驚いていた。
そして、その後流石は天城さんですね。とつぶやき笑った。
「やっぱり、人は笑顔で居るべきだ。本人も、それを見る人も心が安らぐ。」
その言葉をセラは肯定してくれた。
いつか、あの馬鹿な先生も、この世界に再び希望を見出してもらいたいと思う。
・・・・まぁ今の俺はまた退屈な病室に軟禁されるため連行されているわけだが。
「なぁ、セラ。タバコ買ってきてくれる?」
「ダメです。これを機会に禁煙してください♪」
いい笑顔で酷なことを言う。
明日はどうやって抜け出すか。
そんなことを考えつつ病室に運ばれていくのだった。
俺には監視がついていた。
「まったく、喫煙ぐらい大目に見てくれっての。」
俺の言葉を聞きつけた看護師が注意してくる。
「何言ってるんですか!そんな怪我で動き回っていることのほうが不思議なんですから!」
まったく、ちゃんと手当を受けたのだから大丈夫だろうに。
「そんなことを言われてもねぇ。だいたい全治3ヶ月ってどういうことだよ?大げさじゃないか?」
俺の言葉に看護師の女性は呆れ返っていた。
「あのですね。だいたい下手すれば真っ二つになるような怪我をこの程度なんて言わないんですよ?」
度々、屋上に喫煙に出かける俺に病院がとったのが、監視をつけての絶対安静だ。
ここにいれば見舞いも来るし、病室の連中とは長年の仲のように親しくなっている。
退屈はしない。
しないが、それとこれとは話が別だ。
だいたい、禁煙する気の無い喫煙者がそう簡単にタバコをやめられるわけがないのだ。
故に俺は自由を求める。
「まったく、お嬢ちゃんは新人だから肩に力が入りすぎているんだよ。もっと笑ったほうがいい。
じゃないといざという時倒れちまうぞ?」
微笑みかけながら、相手に警戒されないように注意して言葉を選ぶ。
俺が探偵として信頼されているのはこの努力をしてきたからだ。
人に警戒されては友達にもなれない。
ならば、少し気を使ってでも友達になったほうが面白い。
「わ、私はそんな、気を張ってなんて!」
真っ赤になって言い返してくる。
図星でもついてしまったか?と少し不安になる。
「あはは、それならいいが。俺はほうっておいても治るし、それにこのお見舞いのおかげで治りが早いんだよ。」
怒らせてしまってはいけないと思い、すぐにそういった。
「・・・・はぁ。なんとなくみなさんの気持ちがわかった気がします。」
彼女は少し伺うようにこちらを見たかと思うとため息をついてそういった。
ため息をつかれるようなことを俺はいっただろうか?
「あのですね、その花の治癒力を考慮しての3ヶ月だってこと覚えていますか?」
さすが看護師、若くとも患者のデータは頭に入っているみたいだ。
俺の本当のことのみを言いつつ、相手に誤った解釈をさせる作戦は失敗した。
「あはは、流石だな。勘違いしてくれることを望んでいたんだが。」
俺の言葉に短くため息をつく。
「ため息をつくと幸せが逃げていくらしいぜ?」
俺の言葉に彼女は、誰のせいですか。と返してきた。
少し考えてみたが、反論のしようがない。
「にーちゃん!サッカーしようぜ!」
そんな時に、最近仲良くなった子供が訪ねてきた。
正直に言うとタイミングが悪すぎる。
「真人くん、お兄ちゃんがサッカーできるわけないでしょ?」
看護師がそう言うと少年は不思議そうな顔をする。
「え?でも一昨日サッカーしたよ?俺が走り回れないからボール蹴ってただけだけど。」
その言葉を聞き看護師がこちらを振り返る。
しかし、遅かった。
俺の速さに追いつくにはその反応じゃ遅い。
「あっはっは、すまない少年。俺は少し買い物に行ってくるよ♪」
にっこり笑って窓から飛び降りる。
着地と同時にすぐに走り出し、近くのコンビニへ。
まぁ毎度やっているが、少しだけ傷が痛む。
「悪いな、少し散歩してくるよ!」
俺の言葉に看護師の怒った声が響く。
そして、病院の門を出ようとした瞬間、その行く手は阻まれた。
「天城さん、どこに行くんですか。」
少し困った顔のセラがそこにはいた。
「やぁ、嬢ちゃん。いやなに、少し買い物に。」
俺の言い訳も虚しく、セラに捕まり今度は見張りが二人に増えた。
「絶対安静って私もお医者さんもちゃんと言いましたよね?」
帰る途中たくさんの人に声をかけられた。
みんながまたやったのかという顔だが、それでも笑顔だった。
こんな日々を取り戻せたことが素直に嬉しい。
「それにしても、まだ1ヶ月しかいないのにもう皆さんとお友達になったんですか?」
セラの問い掛けに笑顔で頷く。
「ここの街の人たちはみんないい人でね。気さくなんだよ♪」
俺の言葉にセラは驚いていた。
そして、その後流石は天城さんですね。とつぶやき笑った。
「やっぱり、人は笑顔で居るべきだ。本人も、それを見る人も心が安らぐ。」
その言葉をセラは肯定してくれた。
いつか、あの馬鹿な先生も、この世界に再び希望を見出してもらいたいと思う。
・・・・まぁ今の俺はまた退屈な病室に軟禁されるため連行されているわけだが。
「なぁ、セラ。タバコ買ってきてくれる?」
「ダメです。これを機会に禁煙してください♪」
いい笑顔で酷なことを言う。
明日はどうやって抜け出すか。
そんなことを考えつつ病室に運ばれていくのだった。
あの日から数日後、みんなに誘われて、うちの連中に連絡を入れたら引越しが決まった。
依頼者に、旦那さんのことを報告したときは泣いて喜ばれた。
うちの連中に話した時はめちゃくちゃ怒られた。
・・・・それでも、街に笑顔が戻ったこと。
それがとてつもなく嬉しかったと今でも思う。
「よぉ!天城の兄ちゃん!今日はいい食材が入ってるよ!」
商店街を歩けば皆が声をかけてくれる。
天城「あはは、んじゃ散歩が終わったら寄らせてもらうよ♪」にっこり
気さくな人たちだ。
俺のようなよそ者もすぐに馴染める。そんな優しい街。
天城「それにしても、みんな俺を人以外にしたがるのどうにかならないかな。」
俺が入院した日から周りの連中は肉体的に強い、妖怪になってみないかと誘ってくるが。
まぁ、今のところそんな予定はない。
天城「(まぁ・・・・。人の身じゃ守れなくなったときはそれも仕方ないけどな。)」
さて、今日はどんなことが起こるのか。
何も起きなくても、楽しい毎日なのは変わることがないけれど、面白いことがまだまだある気がするんだ。
天城「さて、今日は誰と遊ぶかな♪」
そして、今日も天城の散歩が始まる。
依頼者に、旦那さんのことを報告したときは泣いて喜ばれた。
うちの連中に話した時はめちゃくちゃ怒られた。
・・・・それでも、街に笑顔が戻ったこと。
それがとてつもなく嬉しかったと今でも思う。
「よぉ!天城の兄ちゃん!今日はいい食材が入ってるよ!」
商店街を歩けば皆が声をかけてくれる。
天城「あはは、んじゃ散歩が終わったら寄らせてもらうよ♪」にっこり
気さくな人たちだ。
俺のようなよそ者もすぐに馴染める。そんな優しい街。
天城「それにしても、みんな俺を人以外にしたがるのどうにかならないかな。」
俺が入院した日から周りの連中は肉体的に強い、妖怪になってみないかと誘ってくるが。
まぁ、今のところそんな予定はない。
天城「(まぁ・・・・。人の身じゃ守れなくなったときはそれも仕方ないけどな。)」
さて、今日はどんなことが起こるのか。
何も起きなくても、楽しい毎日なのは変わることがないけれど、面白いことがまだまだある気がするんだ。
天城「さて、今日は誰と遊ぶかな♪」
そして、今日も天城の散歩が始まる。
「今日は友人たちにとってのめでたい日だっていうのに。」
そんなことを言いつつ天城は帰路に着いていた。
「だいたいなんだって言うんだ。こんなタイミングであんな仕事を・・・。」
つい先日のこと、友人達の結婚式の準備を手伝っていた天城に一通の手紙が来た。
それは簡単な依頼の手紙。
結婚式前でなければすぐに受けるようなものだった。
天城は期日の延長か、もしくは依頼を受けない気であったが。
事務所の連中が許さなかった。
「天、さっきっから静かだけど寝ちまったのか?」
隣に座る少女、とはいえ歳は少女というには育っているのだが。
「惺、私起きてる。」
そう言いつつさっきからカロリーメイトを食べている。
「あぁ、見りゃあわかるが。少しくらい愚痴に付き合ってくれって。」
それを聞くと天は食べるのをやめて聞く体制に入った。
「・・・あぁ、いいよ。悪かったな。」
自分がすごくくだらないお願いをしたと思い天城は前言を撤回し、頭を撫でた。
「ん、時間的にそろそろ始まるよ。」
天の言葉に時間を見て天城はため息をつくのだった。
「やっぱり微妙に間に合わなかったな。」
二人は少し離れた位置で宮子と男が誓の言葉を交わしているところを見ていた。
「仕方ない。事故に遭うよりマシ。」
そう言って天は二人を眺めている。
「そりゃあそうだが。お、かすみちゃんも可愛い服を着てるな。・・・う〜ん。雀ちゃんは見えないっと。斉藤さんも・・・・。」
天城は参列者を眺めてかつて、町を出て行った者たちを探す。
「宮子さんが望んでいたのは叶わなかったか。もしくは俺が見落としているか。」
そう言いながら天城は探し続ける。
「惺は結婚しないの?」
不意に天がそう言うと、天城は不思議そうに見返した。
「結婚?相手もいないのに?」
それを聞いて天はため息をつく。
「相変わらずだね。まぁそれでも頑張る人はすごいと思う。」
天は数名の人々を思い浮かべ、そして頑張れと心の中で言葉をかけた。
「よくわからないが。まぁみんなそれぞれの道を歩んでいるか。」
幸せそうな人々を眩しそうに見ている。
これはこの先起こるかも知れない、ひとつの可能性のお話である。
そんなことを言いつつ天城は帰路に着いていた。
「だいたいなんだって言うんだ。こんなタイミングであんな仕事を・・・。」
つい先日のこと、友人達の結婚式の準備を手伝っていた天城に一通の手紙が来た。
それは簡単な依頼の手紙。
結婚式前でなければすぐに受けるようなものだった。
天城は期日の延長か、もしくは依頼を受けない気であったが。
事務所の連中が許さなかった。
「天、さっきっから静かだけど寝ちまったのか?」
隣に座る少女、とはいえ歳は少女というには育っているのだが。
「惺、私起きてる。」
そう言いつつさっきからカロリーメイトを食べている。
「あぁ、見りゃあわかるが。少しくらい愚痴に付き合ってくれって。」
それを聞くと天は食べるのをやめて聞く体制に入った。
「・・・あぁ、いいよ。悪かったな。」
自分がすごくくだらないお願いをしたと思い天城は前言を撤回し、頭を撫でた。
「ん、時間的にそろそろ始まるよ。」
天の言葉に時間を見て天城はため息をつくのだった。
「やっぱり微妙に間に合わなかったな。」
二人は少し離れた位置で宮子と男が誓の言葉を交わしているところを見ていた。
「仕方ない。事故に遭うよりマシ。」
そう言って天は二人を眺めている。
「そりゃあそうだが。お、かすみちゃんも可愛い服を着てるな。・・・う〜ん。雀ちゃんは見えないっと。斉藤さんも・・・・。」
天城は参列者を眺めてかつて、町を出て行った者たちを探す。
「宮子さんが望んでいたのは叶わなかったか。もしくは俺が見落としているか。」
そう言いながら天城は探し続ける。
「惺は結婚しないの?」
不意に天がそう言うと、天城は不思議そうに見返した。
「結婚?相手もいないのに?」
それを聞いて天はため息をつく。
「相変わらずだね。まぁそれでも頑張る人はすごいと思う。」
天は数名の人々を思い浮かべ、そして頑張れと心の中で言葉をかけた。
「よくわからないが。まぁみんなそれぞれの道を歩んでいるか。」
幸せそうな人々を眩しそうに見ている。
これはこの先起こるかも知れない、ひとつの可能性のお話である。
あの事件からもう数年たった。
俺は少し気になっていることがある。
「なぁ、オヤジ。天城の家は特別な家系なのか?」
天上院の実家に帰り単刀直入に聞いてみた。
「いきなりどうしたんだ?惺」
オヤジは不思議そうな顔をする。
未だに若々しく見えるがこれでもだいぶ年をくっているはずだ。
兄貴も命も若く見えるがそれなりに老いた部分も見て取れる。
しかしだ、俺と天、老いが来ないのだ。
「最近気づいたんだけどな。俺、老いないみたいなんだよ。」
その言葉を聞き、驚くかと思ったがオヤジはフムと一言だけいうだけだった。
やはり何かあったかと思う。
「そうか、先祖返りか。」
オヤジの言葉を聞きやっぱりとも思った。
「先祖返り。つまりそういう家系だと?」
俺が聞くとオヤジは話し始めた。
これはかつて、遥か昔のおはなし。
ある村に天城という家があった。
普通の家庭だったという。
そこにひとりの少年が生まれた。
少年は昔から他の者たちと少しだけ違った。
好かれる才といえばいいのか。
ありとあらゆるものに好かれていたのだ。
しかし、権力者たちは違った。
少年を生かしておけばいずれ自分たちは力を失うと。
考えてみればよくあるお話だ。
少年は村を追放された。
村のものたちは抗議したが、殺されないよりましと言われ無理やり黙らされた。
もちろん、上辺だけのことだった。
後に刺客を放った。
しかし、彼の才は想像を超えていたのだろう。
山の動物達が味方したのだ。
それから少年は山にて育つ。
青年となった彼は一匹の猫に出会う。
とても美しい猫に。
猫もまた、彼になついてゆく。
その猫はバーストという神だった。
バーストは青年に恋をした。
そして、青年を不老にしたのだ。
いずれ、青年は家を持ち、子を成す。
「とまぁ、こんな話があってな。ただ、その子供は普通だったらしい。」
オヤジがそう締めくくる。
「んじゃ先祖返りっていうのは?」
俺は不思議に思って聞いた。
「なんでも、たまにその神様に好かれた、つまり加護か呪いかわからないが、それを受けて不老の子が生まれていたらしい。」
おやじの言葉を聞き、それが俺のことかと思った。
「ってことはまぁ、長生きな人間ってことか俺は。」
あの話をしてから長い時が経った。
俺は未だに町の者たちに受け入れられている。
赤月の町はそういった長生きが多いため、話さなくとも受け入れられる。
「結婚か。するとしたらやっぱり長生きする相手だろうな。」
俺はそんなことを言いながら数名の女性を思い浮かべる。
「ダメだ、想像できねぇ。付き合いが長いからな〜。」
寿命が長いということはそれだけ多くの出会いと別れがある。
人間の友は寿命や事故、病気など様々な理由で先に逝く。
人間でなくとも、先に逝くモノもいる。
「はぁ、これが不老。あいつらはこんな気持ちを俺の何倍感じていたんだろうか。」
そんなことを呟きつつ神殺しを飲む。
「昔の人は不老不死を願ったというが、ただのないものねだりだなこりゃ。」
そんなことを言いつつ、先に旅立ったものたちを思い浮かべた。
友人が先に逝く。
それを経験するたびに悲しく、とても辛い。
それなのに、新しい友を作り続ける。
「因果かねぇ。まぁ・・・・・。俺はまだ生きているよ。」
空を見上げタバコに火をつける。
ほぼ毎日が命日となった今でも、俺は楽しんで生きている。
「まぁ、そっちに行ったらいろんな話をしてやるからな。」
そんなことを言っていたら聞き慣れた声が聞こえてきた。
「クロか。また妖怪になろうとか言うんじゃないだろうな?十分人間離れしてるっての。」
そうぼやきながらも天城の顔には笑顔があった。
俺は少し気になっていることがある。
「なぁ、オヤジ。天城の家は特別な家系なのか?」
天上院の実家に帰り単刀直入に聞いてみた。
「いきなりどうしたんだ?惺」
オヤジは不思議そうな顔をする。
未だに若々しく見えるがこれでもだいぶ年をくっているはずだ。
兄貴も命も若く見えるがそれなりに老いた部分も見て取れる。
しかしだ、俺と天、老いが来ないのだ。
「最近気づいたんだけどな。俺、老いないみたいなんだよ。」
その言葉を聞き、驚くかと思ったがオヤジはフムと一言だけいうだけだった。
やはり何かあったかと思う。
「そうか、先祖返りか。」
オヤジの言葉を聞きやっぱりとも思った。
「先祖返り。つまりそういう家系だと?」
俺が聞くとオヤジは話し始めた。
これはかつて、遥か昔のおはなし。
ある村に天城という家があった。
普通の家庭だったという。
そこにひとりの少年が生まれた。
少年は昔から他の者たちと少しだけ違った。
好かれる才といえばいいのか。
ありとあらゆるものに好かれていたのだ。
しかし、権力者たちは違った。
少年を生かしておけばいずれ自分たちは力を失うと。
考えてみればよくあるお話だ。
少年は村を追放された。
村のものたちは抗議したが、殺されないよりましと言われ無理やり黙らされた。
もちろん、上辺だけのことだった。
後に刺客を放った。
しかし、彼の才は想像を超えていたのだろう。
山の動物達が味方したのだ。
それから少年は山にて育つ。
青年となった彼は一匹の猫に出会う。
とても美しい猫に。
猫もまた、彼になついてゆく。
その猫はバーストという神だった。
バーストは青年に恋をした。
そして、青年を不老にしたのだ。
いずれ、青年は家を持ち、子を成す。
「とまぁ、こんな話があってな。ただ、その子供は普通だったらしい。」
オヤジがそう締めくくる。
「んじゃ先祖返りっていうのは?」
俺は不思議に思って聞いた。
「なんでも、たまにその神様に好かれた、つまり加護か呪いかわからないが、それを受けて不老の子が生まれていたらしい。」
おやじの言葉を聞き、それが俺のことかと思った。
「ってことはまぁ、長生きな人間ってことか俺は。」
あの話をしてから長い時が経った。
俺は未だに町の者たちに受け入れられている。
赤月の町はそういった長生きが多いため、話さなくとも受け入れられる。
「結婚か。するとしたらやっぱり長生きする相手だろうな。」
俺はそんなことを言いながら数名の女性を思い浮かべる。
「ダメだ、想像できねぇ。付き合いが長いからな〜。」
寿命が長いということはそれだけ多くの出会いと別れがある。
人間の友は寿命や事故、病気など様々な理由で先に逝く。
人間でなくとも、先に逝くモノもいる。
「はぁ、これが不老。あいつらはこんな気持ちを俺の何倍感じていたんだろうか。」
そんなことを呟きつつ神殺しを飲む。
「昔の人は不老不死を願ったというが、ただのないものねだりだなこりゃ。」
そんなことを言いつつ、先に旅立ったものたちを思い浮かべた。
友人が先に逝く。
それを経験するたびに悲しく、とても辛い。
それなのに、新しい友を作り続ける。
「因果かねぇ。まぁ・・・・・。俺はまだ生きているよ。」
空を見上げタバコに火をつける。
ほぼ毎日が命日となった今でも、俺は楽しんで生きている。
「まぁ、そっちに行ったらいろんな話をしてやるからな。」
そんなことを言っていたら聞き慣れた声が聞こえてきた。
「クロか。また妖怪になろうとか言うんじゃないだろうな?十分人間離れしてるっての。」
そうぼやきながらも天城の顔には笑顔があった。
いや〜お疲れ様でした♪
長期の卓は初めてだったから色々と不安ではあったけれどなんとか最高のENDを引き寄せましたね。
思えば、ダイスの女神によって茶番をさせられる日々。
楽しかったが大変でした♪
しかし、まさか神さえも友達枠にするとは思ってもみなかった。(そのうち縁結びか何かの神にでもなるのかと。)
とりあえずまた面白そうなことをやるときは誘って欲しいなって思っています。
ツイッター:@kakeur0728
え?なんで微妙におかしいのかって?
タイプミスだよ(泣
え?後日談が増えた?
みんなが2個も3個も書くから書きたくなったんだよ!
いいじゃないか!!
追伸:KPとSKPに会って別PCで茶番王の称号を返還しようとしたら、天城限定だという事実を知りました。
(絶対にこれ以上茶番王の称号を持ったPCを生み出さないことと、撤回できることを祈っている。)
長期の卓は初めてだったから色々と不安ではあったけれどなんとか最高のENDを引き寄せましたね。
思えば、ダイスの女神によって茶番をさせられる日々。
楽しかったが大変でした♪
しかし、まさか神さえも友達枠にするとは思ってもみなかった。(そのうち縁結びか何かの神にでもなるのかと。)
とりあえずまた面白そうなことをやるときは誘って欲しいなって思っています。
ツイッター:@kakeur0728
え?なんで微妙におかしいのかって?
タイプミスだよ(泣
え?後日談が増えた?
みんなが2個も3個も書くから書きたくなったんだよ!
いいじゃないか!!
追伸:KPとSKPに会って別PCで茶番王の称号を返還しようとしたら、天城限定だという事実を知りました。
(絶対にこれ以上茶番王の称号を持ったPCを生み出さないことと、撤回できることを祈っている。)
PCより
ピチチ ピチチ
ねえ、きいて。きのうのけっこんしきのはなよめさんがね、ふしぎだったの。
ふしぎ?ふしぎって、なにがふしぎだったの?
ずっとね、わらってたのにごはんをたべたとたんになきだしちゃったの。
えーへんなのー。ごはんがおいしくなかったのかな?
ううん、みんなおいしーっていってたし、わたしもちょっとたべたけどすっごくおいしかった!
それでね、とつぜんかけだしたの。みーんな、びっくりしてた!
へー、はしるのすきだったのかなぁ?それではなよめさんはどうなったの?
ひとりのおんなのこのところでとまってね。なきながら、しあわせーとか…そんなかんじのこと、いってたの。
ないてるのにしあわせなんて、へんなのへんなのー
ねー。ふしぎだよねー。
ねえねえ!あっちにおいしいきのみをみつけたよ!いこうよ!
きのみ!?いくいくー!!
バサバサバサ…
前、貴女は私に救ってもらったって言ってたわよね。
それは私も同じだったのよ。
沢山助けてもらった貴女に、一番今日という日を見ていてほしかった。
だから、今私はとってもうれしいの!
「ありがとう…。私今、とっても幸せよ…っ。」
花嫁はそう、微笑んだ。
PLより
あれから数か月
精神的に不安定になっていた私も、沢山の人たちに助けられ普段の生活を送れるまでになっていた。
日曜日の午後
久しぶりにお茶をすることになった私たちは準備に取り掛かっていた。
病み上がりだからという理由で台所を追い出されてしまった私は、雀ちゃんのお菓子が出来上がるのを待っていた。
準備くらいなら大丈夫だとは思ったけれどたまにふらつくこともあって雀ちゃんの言葉におとなしく従っている
「…できたっすよー。」
雀ちゃんが台所から出てくる。小さなケーキの乗ったお皿をテーブルに乗せていく。
「これ、ティラミス?」
そう聞くと雀ちゃんはこくんとうなずいて、自信作っすと微笑んで私の向かいに座った。
天才料理人といわれるだけあって彼女の料理はとてもおいしい。
この数か月の間何度も作ってもらったけれどどれもおいしかった。その彼女が自信作というのだから…。私は目を輝かせる。
「あれから容態もずいぶんよくなったっすよね。」
「ええ、おかげさまで」
紅茶をぐるぐるかき混ぜながら他愛もない話をする。
「…宮子さんも大丈夫っすね。」
そう小さくつぶやくと、雀ちゃんは右手をすっと出す
「ヤクソク、反故にならんくてよかったっす。」
ヤクソク
お互いに死なないようにとあの日交わした約束
「…そうね。みんな無事でよかったわ」
同じように手を出して指切りをする。
ゆっくり二三度動かした後、そっと離した
「…ヤクソクはここまでっすわ」
「ここ、まで?」
「…長く居すぎたんすよ、ここに。潮時っすわ」
そう、寂しげに言う雀ちゃんの言葉に私も気づかされる。
彼女にも生活がある。ずっとこうやっているわけにはいかないだろう。
いつまでも続くことなんてありえない。いつかは来るであろう別れ。
実際にその時が来るまで意図的に考えないようにしていた。泡沫の幸せ
「…そうね、いつまでも一緒にいるわけにはいかないものね…。」
「そっすよ」
「…ワタシは…宮子さんの幸せな姿が観たいんすわ。」
「……」
「優しい旦那さんにかわいいお子さんに囲まれて微笑む宮子さんが観てえんすわ。」
まっすぐこっちを見て雀ちゃんは言う。なんだか恥ずかしくなって紅茶のカップを眺める。
「ふふ、そんなのいつになるかしらね…」
自嘲気味に笑う。仕事ばかりしている私にそんな日は来るのだろうか。正直想像もできなかった。
「存外、すぐかもしれねぇっすよ。」
イヒヒっと雀ちゃんは笑って、ティラミスを一掬い食べる。
「…ん、我ながら会心の作っす。」
それを見て私もスプーンをいれる。話に夢中になっていたせいで手を付けられていなかったティラミスにゆっくりとスプーンが埋まる。
食べると、チョコレートの甘苦い風味が広がる。
アルコールが少しきつい気もするけれど、風味がチョコレートと絡まってとてもおいしかった。
「…本当、おいしいわ。」
素直な感想を口にすると雀ちゃんは微笑んだ。
「…宮子さんは、これからどうされたいんすの?」
ひと口、二口と食べ進めていると雀ちゃんが口を開く
「…私?」
そう聞くと雀ちゃんはこくんとうなずく。
…これからのこと…。私の、夢
「…そうね、話すって言ってたものね」
約束の一つ。私の夢を話すこと。
どことなく、ふわふわした感覚を覚えつつ、ぽつりぽつりと私は話し始めた。
「私ね、獣医になりたいの」
そういうと雀ちゃんは少し驚いたように目を見開く。私は夜を呼んで膝に抱きながら続ける
「本当はね。ずっと獣医になりたかったの。でもいろいろあって諦めざるをえなかった」
両親からのの反対。二人に従うしかできなかった私は泣く泣く獣医の道をあきらめた。
従うことしか知らない私の判断は、妹と両親の中を悪化させる原因にもなった。
しょうがない。ああするしかなかった。人の命を救うことだってとっても素敵な仕事じゃないか。
そう無理やり自分を納得させて…私は進んできた。
でも
「でもね、いろんな人に会って、いろんなものを見て…」
自分の意思で進む、たくさんの強い人たちがいた。
「やっぱり、自分のやりたいこと、やってみようかなって思うようになったの。」
その人たちのように、進んでいきたい。従うんじゃなく、自分の意思で、自分の道を決めて。
「それが、私の夢…いいえ。目標ね」
「…そっすか。」
「それに、人も動物も助けられるお医者さんなんて、なんだかかっこいいじゃない?」
ふふっと笑うと雀ちゃんもそっすね。と微笑む
「…陰ながら応援するっすわ。」
「ええ、ありがとう雀ちゃん。」
ティラミスをまたひと口。
「…雀ちゃんの夢は何?」
「…好きな人においしい料理を振る舞うことっすねぇ」
すこし私から視線を外して、遠くを見るように言う。
「ふふ、雀ちゃんらしいわね。」
雀ちゃんの好きな人。きっとその人は幸せになれるに違いない。
半分以上減ったティラミスを眺めながらそう思う。
すこし、うらやましくなった。
朗らかな陽気のせいか、頭がぼーっとする。
「ワタシと…宮子さんはこれが最後すけど…」
…最後?
「宮子さんの…大切な日にはきっと…」
雀ちゃんの言葉に嫌な予感がして、回らない頭を働かせて言葉を紡ぐ
「…最後なんて、言わないでよ。…また来てくれていいのよ?」
生きていてば会えるんだから。
そう言おうとすると、雀ちゃんは横に首を振る。
「理由が…あ…る…んす…よ」
雀ちゃんの声がやけに鈍く聞こえる。
さっきから、何かがおかしい。
この感覚を私は知っている
後遺症でも ましてや日和のせいでもない
これは まさか
「お、さけ…?」
赤月様にもらったお酒を飲んだ時と同じ感覚。
気づいたときには、もう手遅れだった。
自覚したせいか、私の意識は一気に沈み始める。
「…ワタシ、みや…さ…の……す…に…」
雀ちゃんの声も、よく聞こえなくなっていく。
彼女は笑顔で、ぽろぽろと涙をこぼしている。
「すず、め…ちゃ…」
私は雀ちゃんに手を伸ばす。けれど、力の抜けた腕は彼女に届くことなく空を切った。
「ど、して……」
私の意識はそこで途絶えた。
私が目を覚ましたのは次の日の朝だった。
自分の部屋で、きちんと布団をかけられて眠っていた。
それをはねのけて、家の中を駆け足で回る。
彼女を 探して
…見つけたものは、彼女に渡していた合鍵と、小さなメモ。
『さよなら』
書かれていたのはそれだけだった。
電話をかけようとケータイを調べるがそこにあったはずの彼女の名前は消えていた。
「なによ…これ…。こんなの、こんなのあんまりじゃない…っ!!」
頭が痛い。立っていられなくて私はその場に座り込む。
涙があふれて止まらない。
心配そうにすり寄ってきた夜を抱き
「すずめ、ちゃん…っ!」
私は一人、泣き続けた。
こうして、彼女は私の前から姿を消した。
まるで、胡蝶の夢のように。
精神的に不安定になっていた私も、沢山の人たちに助けられ普段の生活を送れるまでになっていた。
日曜日の午後
久しぶりにお茶をすることになった私たちは準備に取り掛かっていた。
病み上がりだからという理由で台所を追い出されてしまった私は、雀ちゃんのお菓子が出来上がるのを待っていた。
準備くらいなら大丈夫だとは思ったけれどたまにふらつくこともあって雀ちゃんの言葉におとなしく従っている
「…できたっすよー。」
雀ちゃんが台所から出てくる。小さなケーキの乗ったお皿をテーブルに乗せていく。
「これ、ティラミス?」
そう聞くと雀ちゃんはこくんとうなずいて、自信作っすと微笑んで私の向かいに座った。
天才料理人といわれるだけあって彼女の料理はとてもおいしい。
この数か月の間何度も作ってもらったけれどどれもおいしかった。その彼女が自信作というのだから…。私は目を輝かせる。
「あれから容態もずいぶんよくなったっすよね。」
「ええ、おかげさまで」
紅茶をぐるぐるかき混ぜながら他愛もない話をする。
「…宮子さんも大丈夫っすね。」
そう小さくつぶやくと、雀ちゃんは右手をすっと出す
「ヤクソク、反故にならんくてよかったっす。」
ヤクソク
お互いに死なないようにとあの日交わした約束
「…そうね。みんな無事でよかったわ」
同じように手を出して指切りをする。
ゆっくり二三度動かした後、そっと離した
「…ヤクソクはここまでっすわ」
「ここ、まで?」
「…長く居すぎたんすよ、ここに。潮時っすわ」
そう、寂しげに言う雀ちゃんの言葉に私も気づかされる。
彼女にも生活がある。ずっとこうやっているわけにはいかないだろう。
いつまでも続くことなんてありえない。いつかは来るであろう別れ。
実際にその時が来るまで意図的に考えないようにしていた。泡沫の幸せ
「…そうね、いつまでも一緒にいるわけにはいかないものね…。」
「そっすよ」
「…ワタシは…宮子さんの幸せな姿が観たいんすわ。」
「……」
「優しい旦那さんにかわいいお子さんに囲まれて微笑む宮子さんが観てえんすわ。」
まっすぐこっちを見て雀ちゃんは言う。なんだか恥ずかしくなって紅茶のカップを眺める。
「ふふ、そんなのいつになるかしらね…」
自嘲気味に笑う。仕事ばかりしている私にそんな日は来るのだろうか。正直想像もできなかった。
「存外、すぐかもしれねぇっすよ。」
イヒヒっと雀ちゃんは笑って、ティラミスを一掬い食べる。
「…ん、我ながら会心の作っす。」
それを見て私もスプーンをいれる。話に夢中になっていたせいで手を付けられていなかったティラミスにゆっくりとスプーンが埋まる。
食べると、チョコレートの甘苦い風味が広がる。
アルコールが少しきつい気もするけれど、風味がチョコレートと絡まってとてもおいしかった。
「…本当、おいしいわ。」
素直な感想を口にすると雀ちゃんは微笑んだ。
「…宮子さんは、これからどうされたいんすの?」
ひと口、二口と食べ進めていると雀ちゃんが口を開く
「…私?」
そう聞くと雀ちゃんはこくんとうなずく。
…これからのこと…。私の、夢
「…そうね、話すって言ってたものね」
約束の一つ。私の夢を話すこと。
どことなく、ふわふわした感覚を覚えつつ、ぽつりぽつりと私は話し始めた。
「私ね、獣医になりたいの」
そういうと雀ちゃんは少し驚いたように目を見開く。私は夜を呼んで膝に抱きながら続ける
「本当はね。ずっと獣医になりたかったの。でもいろいろあって諦めざるをえなかった」
両親からのの反対。二人に従うしかできなかった私は泣く泣く獣医の道をあきらめた。
従うことしか知らない私の判断は、妹と両親の中を悪化させる原因にもなった。
しょうがない。ああするしかなかった。人の命を救うことだってとっても素敵な仕事じゃないか。
そう無理やり自分を納得させて…私は進んできた。
でも
「でもね、いろんな人に会って、いろんなものを見て…」
自分の意思で進む、たくさんの強い人たちがいた。
「やっぱり、自分のやりたいこと、やってみようかなって思うようになったの。」
その人たちのように、進んでいきたい。従うんじゃなく、自分の意思で、自分の道を決めて。
「それが、私の夢…いいえ。目標ね」
「…そっすか。」
「それに、人も動物も助けられるお医者さんなんて、なんだかかっこいいじゃない?」
ふふっと笑うと雀ちゃんもそっすね。と微笑む
「…陰ながら応援するっすわ。」
「ええ、ありがとう雀ちゃん。」
ティラミスをまたひと口。
「…雀ちゃんの夢は何?」
「…好きな人においしい料理を振る舞うことっすねぇ」
すこし私から視線を外して、遠くを見るように言う。
「ふふ、雀ちゃんらしいわね。」
雀ちゃんの好きな人。きっとその人は幸せになれるに違いない。
半分以上減ったティラミスを眺めながらそう思う。
すこし、うらやましくなった。
朗らかな陽気のせいか、頭がぼーっとする。
「ワタシと…宮子さんはこれが最後すけど…」
…最後?
「宮子さんの…大切な日にはきっと…」
雀ちゃんの言葉に嫌な予感がして、回らない頭を働かせて言葉を紡ぐ
「…最後なんて、言わないでよ。…また来てくれていいのよ?」
生きていてば会えるんだから。
そう言おうとすると、雀ちゃんは横に首を振る。
「理由が…あ…る…んす…よ」
雀ちゃんの声がやけに鈍く聞こえる。
さっきから、何かがおかしい。
この感覚を私は知っている
後遺症でも ましてや日和のせいでもない
これは まさか
「お、さけ…?」
赤月様にもらったお酒を飲んだ時と同じ感覚。
気づいたときには、もう手遅れだった。
自覚したせいか、私の意識は一気に沈み始める。
「…ワタシ、みや…さ…の……す…に…」
雀ちゃんの声も、よく聞こえなくなっていく。
彼女は笑顔で、ぽろぽろと涙をこぼしている。
「すず、め…ちゃ…」
私は雀ちゃんに手を伸ばす。けれど、力の抜けた腕は彼女に届くことなく空を切った。
「ど、して……」
私の意識はそこで途絶えた。
私が目を覚ましたのは次の日の朝だった。
自分の部屋で、きちんと布団をかけられて眠っていた。
それをはねのけて、家の中を駆け足で回る。
彼女を 探して
…見つけたものは、彼女に渡していた合鍵と、小さなメモ。
『さよなら』
書かれていたのはそれだけだった。
電話をかけようとケータイを調べるがそこにあったはずの彼女の名前は消えていた。
「なによ…これ…。こんなの、こんなのあんまりじゃない…っ!!」
頭が痛い。立っていられなくて私はその場に座り込む。
涙があふれて止まらない。
心配そうにすり寄ってきた夜を抱き
「すずめ、ちゃん…っ!」
私は一人、泣き続けた。
こうして、彼女は私の前から姿を消した。
まるで、胡蝶の夢のように。
※本編とだいぶ離れた内容となってしまいました。
それを踏まえたうえで…お願いします。申し訳ございません
ここはかつて蓮華村と呼ばれた場所。
おぞましく、とても悲しい事件のあった、そんな場所。
あの日以来、来ることができなかったこの場所へ。私は来ている。
高台から眺めるかつての村は無残な姿に変わっていた。
それでも空気は澄んでいて、風が私の髪と水色のワンピースを揺らした。
恭介さんがいないことは一目でわかった。
手入れの行き届いていない墓。埃が積もった小屋の机。
生活感は感じられず、かなり前からここに戻ってきていないことが分かった。
仕方なく、私は一人で村を回る。
焼け跡と記憶をたどり、花と線香を供え手を合わす。
そうやって一通り回ったあと、再び墓地に戻ってくる。
立派な墓石たちから少し離れた場所にある、小さな墓。
私はそこへ向かう。
そこには少ししおれた花、燃え尽きた線香。お酒と、それから指輪があった。
私は花と線香を見てはっとする。
「そう…貴女も、来ていたのね。」
私は墓の前に座り込み、ゆっくりと花と水を換え、線香に火をつける。
そして手を合わせ、彼女へ黙祷をささげる。
ゆっくり目を開け、墓を眺める。
「…お久しぶりですわね。茜さん。」
供えてあった指輪を手に取る。野ざらしにされていたせいか少し汚れていたが、それはやはり恭介さんがつけていたもの。そして後ろに彫られたイニシャルを見つける。
「やっぱり、あなたの物だったんですね。」
そっと、それを戻した。
私は彼女の墓に向かって話し続ける
「恭介さん、どこへ行ってしまったんでしょうね。茜さんはここにいるのに」
「私、彼と約束をしていたんです。この村を案内してくださいって。でも彼、いないですから、私一人でここを回ったんですよ。」
「…みんな、勝手ですわよね。何も、何も言わないでどこかへ行ってしまうんです」
ずっと一緒じゃなくていい。私はただ、たまにあって話をして、笑って、喧嘩して、仲直りをして
別れるときには、また会おうって 笑って 帰れるような
「…それだけで、よかったのに…っ」
また、涙が出そうになり、私は首を軽く振る。
気持ちの区切りはつけたつもりだったのに、やっぱり私は弱い人間だ。
でも、後ろを向くのは、今日でおしまい。
私はそっと立ち上がる。
「生きているから、生きていれば、前へ進めるんですよね。」
彼がここにいない理由、なんとなくだが察しはついている。
私は目を細め、”あれ”が消えていった森の方を見る。
そしてまた墓に向き直る。
「…私に、彼を追う力はありません。だから、あなたが彼を守ってあげてください。」
そうすればきっと彼は何倍も強くなれる。
「私は待ちますわ。また、会いたいですから。」
だから、あなたも待っていてあげてください。彼を信じて
指輪を再び手に取る。
「帰ってきたら、茜さんの代わりに私が怒ります。ちゃんと持っておけって。」
ふふっと、私は笑う。
「それでは、また。」
私は小さな墓を後にする。
最後に向かったのは墓守の小屋。
中に入り持ってきた鞄を探る。取り出したのは一つの写真立て。
中には、かつての蓮華村と、三人と一匹で撮った赤月での写真。
私は戸棚に指輪を置いて、その隣にそれを置く。
渡せなかった写真たち。
また会えるようにという願掛け。
ふと思いつき荷物を探った後、机に向かう。
何度も何度も書き直す。
感情がこみ上げ、紙を濡らしてしまった。
取り替えようと思ったが持ってきていた紙はこれっきりでしょうがなくそのまま書き進める。
出来上がったものをみて、苦笑。
そしてそれを写真立ての隣に置いた。
かつての村の小さな小屋。
殺風景なその小屋に、一つの写真立て。
ここではない、どこかの町で撮られた写真。
そこに写る人々はみな笑顔だ。
笑顔の横には銀の指輪と、小さな手紙が残されていた。
それを踏まえたうえで…お願いします。申し訳ございません
ここはかつて蓮華村と呼ばれた場所。
おぞましく、とても悲しい事件のあった、そんな場所。
あの日以来、来ることができなかったこの場所へ。私は来ている。
高台から眺めるかつての村は無残な姿に変わっていた。
それでも空気は澄んでいて、風が私の髪と水色のワンピースを揺らした。
恭介さんがいないことは一目でわかった。
手入れの行き届いていない墓。埃が積もった小屋の机。
生活感は感じられず、かなり前からここに戻ってきていないことが分かった。
仕方なく、私は一人で村を回る。
焼け跡と記憶をたどり、花と線香を供え手を合わす。
そうやって一通り回ったあと、再び墓地に戻ってくる。
立派な墓石たちから少し離れた場所にある、小さな墓。
私はそこへ向かう。
そこには少ししおれた花、燃え尽きた線香。お酒と、それから指輪があった。
私は花と線香を見てはっとする。
「そう…貴女も、来ていたのね。」
私は墓の前に座り込み、ゆっくりと花と水を換え、線香に火をつける。
そして手を合わせ、彼女へ黙祷をささげる。
ゆっくり目を開け、墓を眺める。
「…お久しぶりですわね。茜さん。」
供えてあった指輪を手に取る。野ざらしにされていたせいか少し汚れていたが、それはやはり恭介さんがつけていたもの。そして後ろに彫られたイニシャルを見つける。
「やっぱり、あなたの物だったんですね。」
そっと、それを戻した。
私は彼女の墓に向かって話し続ける
「恭介さん、どこへ行ってしまったんでしょうね。茜さんはここにいるのに」
「私、彼と約束をしていたんです。この村を案内してくださいって。でも彼、いないですから、私一人でここを回ったんですよ。」
「…みんな、勝手ですわよね。何も、何も言わないでどこかへ行ってしまうんです」
ずっと一緒じゃなくていい。私はただ、たまにあって話をして、笑って、喧嘩して、仲直りをして
別れるときには、また会おうって 笑って 帰れるような
「…それだけで、よかったのに…っ」
また、涙が出そうになり、私は首を軽く振る。
気持ちの区切りはつけたつもりだったのに、やっぱり私は弱い人間だ。
でも、後ろを向くのは、今日でおしまい。
私はそっと立ち上がる。
「生きているから、生きていれば、前へ進めるんですよね。」
彼がここにいない理由、なんとなくだが察しはついている。
私は目を細め、”あれ”が消えていった森の方を見る。
そしてまた墓に向き直る。
「…私に、彼を追う力はありません。だから、あなたが彼を守ってあげてください。」
そうすればきっと彼は何倍も強くなれる。
「私は待ちますわ。また、会いたいですから。」
だから、あなたも待っていてあげてください。彼を信じて
指輪を再び手に取る。
「帰ってきたら、茜さんの代わりに私が怒ります。ちゃんと持っておけって。」
ふふっと、私は笑う。
「それでは、また。」
私は小さな墓を後にする。
最後に向かったのは墓守の小屋。
中に入り持ってきた鞄を探る。取り出したのは一つの写真立て。
中には、かつての蓮華村と、三人と一匹で撮った赤月での写真。
私は戸棚に指輪を置いて、その隣にそれを置く。
渡せなかった写真たち。
また会えるようにという願掛け。
ふと思いつき荷物を探った後、机に向かう。
何度も何度も書き直す。
感情がこみ上げ、紙を濡らしてしまった。
取り替えようと思ったが持ってきていた紙はこれっきりでしょうがなくそのまま書き進める。
出来上がったものをみて、苦笑。
そしてそれを写真立ての隣に置いた。
かつての村の小さな小屋。
殺風景なその小屋に、一つの写真立て。
ここではない、どこかの町で撮られた写真。
そこに写る人々はみな笑顔だ。
笑顔の横には銀の指輪と、小さな手紙が残されていた。
晴れ渡る青空の下 人と妖怪がともに過ごすこの赤月の地で
私は今日 花嫁になる
準備を終え、控え室で待機をする。
私がまとうのは、いつもの白衣とは違う、白。
純白で染まる自分の姿をみて、改めてああ、結婚するんだ。と感じる。
早かった。そう思う。
いろんな出来事が思い浮かんでは、消えていく。
悪いことも、いいことも、後悔だってたくさんあった。
けれどすべてがつながって今がある。
鏡の中の自分に問う。 私は今…
「あの…本当に私でよかったんですか?」
後ろから声をかけられ、思考が中断される。振り返るとそこには薄ピンクのドレスに身を包んだ、大柄の女性。
「ふふ、あなただから頼んだのよ。かすみちゃん。」
あれから、何度も私の家に遊びに来てくれた彼女。
彼女の存在は私にとってとてもありがたいものだった。
私は彼女をブライズメイドに指名したのだ。
「で、でも私なんかよりいい人なんていっぱい・・・ドレスだって似合ってないし・・・」
「かすみちゃんは、嫌だった?」
そういうとかすみちゃんは首と手をぶんぶん振って
「そ、そんなことないです!宮子さんの結婚式に参加できてすごくうれしいです!でも・・・」
「なら、それでいいじゃない」
ふふっと微笑む。
「それにドレスだってちゃんと似合ってるわ。とってもきれい。」
そういうと彼女はうううっと言葉を詰まらせる。そして、思い切ったように私を見て
「わかりました!私精一杯がんばります!」
そう、こぶしを握り締めていう。
「そうそう、がんばってね。」
そうやって話をしていると扉がこんこん、とノックされる。
はい、と返事をすると入場準備に入ってほしいというスタッフの声。
「わかりましたわ。いきましょう、かすみちゃん」
「はい!宮子さんをお守りします!」
その言葉に苦笑しながら、私は扉を開いた。
外を見ると、小さな木に雀たちが止まっていた。数匹が楽しそうに遊んでいる。
私は彼女を思い出す。
強くて、やさしくて、とてもずるい 女の子
自分は巻き込まれないと怒るのに、他人を巻き込もうとしない、そんな自分勝手な子。
けれど、私は彼女を嫌いになることはできなかった。
数年たった今でさえ、彼女との再会は果たせていないけれど。
「……」
私は雀たちに微笑んだ。
「宮子さん?いかないんですか?」
「いえ、今行くわ」
かすみちゃんの後を追い、式場へ向かう。
沢山の大切な仲間たちが出迎えてくれるだろう。
少しの不安と、緊張。
私は彼の隣に並び、扉が開くのを待った。
小鳥たち どうか、その自由な翼で伝えて。
どこにいるかもわからない彼女へ
私は今日 幸せになります。
私は今日 花嫁になる
準備を終え、控え室で待機をする。
私がまとうのは、いつもの白衣とは違う、白。
純白で染まる自分の姿をみて、改めてああ、結婚するんだ。と感じる。
早かった。そう思う。
いろんな出来事が思い浮かんでは、消えていく。
悪いことも、いいことも、後悔だってたくさんあった。
けれどすべてがつながって今がある。
鏡の中の自分に問う。 私は今…
「あの…本当に私でよかったんですか?」
後ろから声をかけられ、思考が中断される。振り返るとそこには薄ピンクのドレスに身を包んだ、大柄の女性。
「ふふ、あなただから頼んだのよ。かすみちゃん。」
あれから、何度も私の家に遊びに来てくれた彼女。
彼女の存在は私にとってとてもありがたいものだった。
私は彼女をブライズメイドに指名したのだ。
「で、でも私なんかよりいい人なんていっぱい・・・ドレスだって似合ってないし・・・」
「かすみちゃんは、嫌だった?」
そういうとかすみちゃんは首と手をぶんぶん振って
「そ、そんなことないです!宮子さんの結婚式に参加できてすごくうれしいです!でも・・・」
「なら、それでいいじゃない」
ふふっと微笑む。
「それにドレスだってちゃんと似合ってるわ。とってもきれい。」
そういうと彼女はうううっと言葉を詰まらせる。そして、思い切ったように私を見て
「わかりました!私精一杯がんばります!」
そう、こぶしを握り締めていう。
「そうそう、がんばってね。」
そうやって話をしていると扉がこんこん、とノックされる。
はい、と返事をすると入場準備に入ってほしいというスタッフの声。
「わかりましたわ。いきましょう、かすみちゃん」
「はい!宮子さんをお守りします!」
その言葉に苦笑しながら、私は扉を開いた。
外を見ると、小さな木に雀たちが止まっていた。数匹が楽しそうに遊んでいる。
私は彼女を思い出す。
強くて、やさしくて、とてもずるい 女の子
自分は巻き込まれないと怒るのに、他人を巻き込もうとしない、そんな自分勝手な子。
けれど、私は彼女を嫌いになることはできなかった。
数年たった今でさえ、彼女との再会は果たせていないけれど。
「……」
私は雀たちに微笑んだ。
「宮子さん?いかないんですか?」
「いえ、今行くわ」
かすみちゃんの後を追い、式場へ向かう。
沢山の大切な仲間たちが出迎えてくれるだろう。
少しの不安と、緊張。
私は彼の隣に並び、扉が開くのを待った。
小鳥たち どうか、その自由な翼で伝えて。
どこにいるかもわからない彼女へ
私は今日 幸せになります。
ピチチ ピチチ
ねえ、きいて。きのうのけっこんしきのはなよめさんがね、ふしぎだったの。
ふしぎ?ふしぎって、なにがふしぎだったの?
ずっとね、わらってたのにごはんをたべたとたんになきだしちゃったの。
えーへんなのー。ごはんがおいしくなかったのかな?
ううん、みんなおいしーっていってたし、わたしもちょっとたべたけどすっごくおいしかった!
それでね、とつぜんかけだしたの。みーんな、びっくりしてた!
へー、はしるのすきだったのかなぁ?それではなよめさんはどうなったの?
ひとりのおんなのこのところでとまってね。なきながら、しあわせーとか…そんなかんじのこと、いってたの。
ないてるのにしあわせなんて、へんなのへんなのー
ねー。ふしぎだよねー。
ねえねえ!あっちにおいしいきのみをみつけたよ!いこうよ!
きのみ!?いくいくー!!
バサバサバサ…
前、貴女は私に救ってもらったって言ってたわよね。
それは私も同じだったのよ。
沢山助けてもらった貴女に、一番今日という日を見ていてほしかった。
だから、今私はとってもうれしいの!
「ありがとう…。私今、とっても幸せよ…っ。」
花嫁はそう、微笑んだ。
KP様、SKP様、それから他PL様、長期にわたる今卓、お疲れ様でした。
私自身、初めての長期卓で何度かお休みをいただいてしまい、申し訳なかったです。
私としても、宮子としても今回の卓を通じてたくさん学ぶことがありました。楽しかったです
それからあきおっとさん。後日談ご協力いただきありがとうございました。
涙腺が緩いため何度も泣く羽目になりました。でもいい後日談をありがとうございます。
あと、すごく長くなってしまって申し訳ないです…あわわ
色々な初めてがあった卓でしたがとても楽しかったです。
また機会があればよろしくお願いします。
長くなりましたが、これにて終了とします。
…増えたなぁ…(遠い目
改めて、ありがとうございました。
それではでは…お疲れ様でした!
私自身、初めての長期卓で何度かお休みをいただいてしまい、申し訳なかったです。
私としても、宮子としても今回の卓を通じてたくさん学ぶことがありました。楽しかったです
それからあきおっとさん。後日談ご協力いただきありがとうございました。
涙腺が緩いため何度も泣く羽目になりました。でもいい後日談をありがとうございます。
あと、すごく長くなってしまって申し訳ないです…あわわ
色々な初めてがあった卓でしたがとても楽しかったです。
また機会があればよろしくお願いします。
長くなりましたが、これにて終了とします。
…増えたなぁ…(遠い目
改めて、ありがとうございました。
それではでは…お疲れ様でした!
PCより
足早に辻邸を後にする。
宮子さんが目覚めるのは明日の朝だろう。
痛む目尻をそのままに、荷物を引き摺り進む。
その前に、一人、見覚えのある姿が現れた。
赤月高校生徒の青葉君。色々と世話になった方々の一人だ。
「行くんすか?」と青葉君
「行くんすわ。」とワタシ
ワタシの進路を阻止すること無く、肩を並べるように歩む。
交わす言葉は何もなく、ただ、駅に向かって歩んで行くのみ。
ここで、ワタシは漸く借りていたものを思い出す。歩を進めるのを止め
刃をしっかりと晒布で包んだ包丁を取り出し
「これを返すの忘れるところだったすわ…」と彼に差し出した。
受け取り、仕舞いつつ、ワタシに一言
「この街から出て行くの判ってて、猫(※夜)に名前つけたんすかね?」と尋ねてきた
ワタシは小さく息を吐いた後に
「ワタシが居なくなるのはあの人は判っていたと思うっす。
それで尚且つ、名前を付けさせてくれたんすわ。
写真を撮ったのもそういう事っす…。」
ワタシの言に納得したのかそれ以降は何も語らず。
再び歩み始める2人。
駅に辿り着いて、彼は最期に一言。
「この街は去る者は追わず、来る者は拒まずっす。」と二度程手を振り雑踏に消えた。
同じく手を振り返し、暫くの間見送った後に改札に向かった。
数分後、東京行きの列車に乗り込み身体を硬い座席に投げ出すように沈めた。
そっと、右手の小指を眺める。
ヤクソクをふと思い出す。
一緒に写した写真を思い出す。
(…此処から先のワタシには必要ねぇっすね)
そのまままどろみに沈んでいく。
沈んでいく過程で自問自答をする。
どこで気づいたのだろう。
気付くのではなかった。
気づかなければあのまま笑って「またいつか。」と別れることが出来た。
心の奥底に沈めたものが垣間見える。
その想いをまたワタシは殺さなきゃならない。
その想いだけにはあの人を巻き込んではいけない。
薄れゆく意識の果てで、誰か達と旅行に行く夢を見た気がした。
そこで何かヤクソクをした。とても暖かい夢。
暖かくて、痛くて切ない夢。
混濁した意識の底に沈みつつ
ワタシ、霧崎雀は赤月から消え去る。
そして
荷物を背負い悪態をつくながら道無き道を歩む女子高生。
蓮華村と呼ばれる小さな村の跡地に線香をあげに行った矢先だった。
黒い羽を生やした赤月市の親友が送ってくれた手紙(メール)の内容。
「ばっかじゃねっすかね…あのお人は…。」
どう追っていくかに関しては自信は全くない。
だが、何を追っているかに関してはある程度見当はつく。
こちとら人生経験で学んだその手の知識も多少はある。
あの本を上回ることは出来なくとも運が良ければ肉迫は出来るやも知れない。
歩きながらふと、右手の小指に視線が届く。
「…ばかは、ワタシもっすかね。」
小さく吐き出すように呟いた後に
「…いや、宮子さんの晴れ姿拝むまではまだまだ倒れる訳に行かねえっす。」と〆め山奥に消えていく。
もしも、貴方がめでたき席に着かれたならば
目の前に置かれた料理を緊張で口にしない…等とはせず、一口だけでも食べて下さい。
その味はきっと何処かで口にしたものだとその舌が訴えると思います。
そして貴方は成し得なかった再会を果たせるかもしれません。
その料理人は薄く微笑み、小さく貴方に伝えるでしょう。
「貴方は今、幸せですか?」と。
幸せと微笑む花嫁を前に、眩しそうにそれを見やる料理人。
「本当にお綺麗っすよ、宮子さん。」
ワタシは彼女に優しく微笑む。
邂逅は此処で再び成された。
花嫁を心から敬愛してた料理人は最期に彼女に祝福を送ることが出来たのだ。
…以上で、キリサキスズメの話は終わりとなります。
霧崎雀はエプロンを畳む。
そして厨房から出て行く。
ホテルの関係者に会釈を送りつつその場を後にする。
霧崎雀は自分に問うた。
「何時からだろうね?」
「主人格の君(スズメ)が僕(ジャク)と入れ変わるようになったのは。」
「その回数がどんどんと増して行き、君が稀にしか現れなくなって…。」
「今日は正直驚いた。こんなに長く君が顔を出して居たのは久しぶりだろう。」
「お陰で過去の君を知る者も僕の影響で君として認識できたのは殆ど居なかった。」
「花嫁が君を君として認識できたのが奇跡だと思うよ…。」
「判っているよ。この先もこの街に顔を出す時は僕が君としてあり続ける。」
「安心してゆっくりと…休むと……?」
1羽の小鳥が空に舞い
それを追うように霧崎雀は空を仰いだ。
「…ああ、もう居なくなったんだね。」
宮子より渡された"あの時の写真"を胸元に収める。
それが今しがた大空へ飛び去っていった小鳥の手向けの様に。
『霧崎雀の隠した真実』
『真実は都合のいい嘘』 完
PLより
街が平和になった後。
居なくなった人が戻ってきた後のお話。
そろそろ潮時かと思ったワタシは”友人”を誘って休日に遊びに出た。
面子は琴やんこと荒木琴也とその彼女千羽仁美さん、そしてあややこと風射彩の4人である。
此処で初めて、救出※された千羽さんと初対面をワタシは果たす事となる。
(※実際には花崎さんがご丁寧に戻してくれている。)
千羽仁美さんは今日日慎ましやかで物腰の優しい女子高生だった。
どこぞの調理人とは正反対で琴やんにはドストライクな人だなと思わされた。
午前中4人で色々と街の至る場所を周って行ったが、どうにもワタシとあややが千羽さんと
琴やんのデートの邪魔にしか見えないのであややに耳打ちし昼食後、2人と別れる事とする。
いいのか?って顔で何度も振り返る琴やんと、申し訳無さそうにする千羽さんに、
いいから行け!っていう怒り笑いを向け2人を見送った。
去り行く背中に「…お幸せにっす。」とワタシが小さく呟くのを隣の耳ざとい記者はしっかり聞き留めていた。
"この街を去るのか?"というあややの疑問に、「少し人気の無い所いかねっすか?」と返す。
数秒後ワタシはまた気の抜けた悲鳴を上げる羽目になった。
悲鳴をあげ終わった後にワタシ達はかつてワタシがナイアを見つけた場所。赤月タワーの最頂上に居た。
あややの速度は自慢するだけあって相当なものだった。お陰で自分が何処に置かれたのかを即座に把握出来なかった。
風の唸る様な音が鳴り響き、ギシギシきしむ音を響かせるタワー最頂上。
暫く高高度と吹きすさぶ風に慣れるのに時間を要した後に、何事も無い様にワタシの隣に座るあややを横目で眺めつつ。
「ワタシはね…妖怪って畏れ、蔑み、敬うものって思っているっすわ。」
訝しげな表情を向けるあややを小さく制し
「この街はその垣根を取り払う場所っす。それはいい事でもあると同時に…」
「垣根を越えた互いを別なものにも変えてしまう…平和であればそれも良いんすけどね。」
寂しげに語る。
「世の中には…」
脳裏にフラッシュバックで浮かぶ…
炎に包まれた村を背景に狂ったように笑う男。
湖畔に浮かび人々をその棘で貫いていくこの世為らざる"神"。
時田先生に召喚された全てを飲み込む巨大な泥濘。
「…それが通じない者達が確実に居るんすわ。」
刹那、細まる双眸。惧れとも憎しみにも似た光が過ぎる。
「…あれ等に"語らい"は通じねぇ。」
その光も即座に掻き消え、寂しげな色に戻る。
「ワタシは"人"であって尚且つこの街を覚えておきたいんす…。」
結局、判り合えなかったの?と曇らせ気味に尋ねる彩に
「…あややはワタシにとってもはや"妖怪"じゃなくなってしまったっす。」
嘆息交じりに空を見上げながら正直に吐露した。
「…この街をでてもワタシらは友達で良いすかね?」
ワタシは恐る恐る尋ね、それに対し天狗の娘は答えを返す。
それから2人で無言で肩を並べ、街を見下ろしていた。
それが、この街で知り合った高校生同士の最後の日であった。
→誰の見た夢? に続く
居なくなった人が戻ってきた後のお話。
そろそろ潮時かと思ったワタシは”友人”を誘って休日に遊びに出た。
面子は琴やんこと荒木琴也とその彼女千羽仁美さん、そしてあややこと風射彩の4人である。
此処で初めて、救出※された千羽さんと初対面をワタシは果たす事となる。
(※実際には花崎さんがご丁寧に戻してくれている。)
千羽仁美さんは今日日慎ましやかで物腰の優しい女子高生だった。
どこぞの調理人とは正反対で琴やんにはドストライクな人だなと思わされた。
午前中4人で色々と街の至る場所を周って行ったが、どうにもワタシとあややが千羽さんと
琴やんのデートの邪魔にしか見えないのであややに耳打ちし昼食後、2人と別れる事とする。
いいのか?って顔で何度も振り返る琴やんと、申し訳無さそうにする千羽さんに、
いいから行け!っていう怒り笑いを向け2人を見送った。
去り行く背中に「…お幸せにっす。」とワタシが小さく呟くのを隣の耳ざとい記者はしっかり聞き留めていた。
"この街を去るのか?"というあややの疑問に、「少し人気の無い所いかねっすか?」と返す。
数秒後ワタシはまた気の抜けた悲鳴を上げる羽目になった。
悲鳴をあげ終わった後にワタシ達はかつてワタシがナイアを見つけた場所。赤月タワーの最頂上に居た。
あややの速度は自慢するだけあって相当なものだった。お陰で自分が何処に置かれたのかを即座に把握出来なかった。
風の唸る様な音が鳴り響き、ギシギシきしむ音を響かせるタワー最頂上。
暫く高高度と吹きすさぶ風に慣れるのに時間を要した後に、何事も無い様にワタシの隣に座るあややを横目で眺めつつ。
「ワタシはね…妖怪って畏れ、蔑み、敬うものって思っているっすわ。」
訝しげな表情を向けるあややを小さく制し
「この街はその垣根を取り払う場所っす。それはいい事でもあると同時に…」
「垣根を越えた互いを別なものにも変えてしまう…平和であればそれも良いんすけどね。」
寂しげに語る。
「世の中には…」
脳裏にフラッシュバックで浮かぶ…
炎に包まれた村を背景に狂ったように笑う男。
湖畔に浮かび人々をその棘で貫いていくこの世為らざる"神"。
時田先生に召喚された全てを飲み込む巨大な泥濘。
「…それが通じない者達が確実に居るんすわ。」
刹那、細まる双眸。惧れとも憎しみにも似た光が過ぎる。
「…あれ等に"語らい"は通じねぇ。」
その光も即座に掻き消え、寂しげな色に戻る。
「ワタシは"人"であって尚且つこの街を覚えておきたいんす…。」
結局、判り合えなかったの?と曇らせ気味に尋ねる彩に
「…あややはワタシにとってもはや"妖怪"じゃなくなってしまったっす。」
嘆息交じりに空を見上げながら正直に吐露した。
「…この街をでてもワタシらは友達で良いすかね?」
ワタシは恐る恐る尋ね、それに対し天狗の娘は答えを返す。
それから2人で無言で肩を並べ、街を見下ろしていた。
それが、この街で知り合った高校生同士の最後の日であった。
→誰の見た夢? に続く
救おうと伸ばした手は届かなかった。
それはいつも夢に出ていた。
その時は決まって汗だくで身を起こす。
そして感情篭らぬ目で、自分の掌を眺める。
そんな日々が暫く続き、雀は普段の生活から姿を消す。
かつて、蓮華村で生死を共にした1人、辻宮子の下に訪れたのだった。
赤月に来て、そんな夢を見なくなった。
事件の応対に対する忙殺もあっての事だが別に理由はある。
自分に宛がわれた一室で深い眠りから目覚め、身を起こす。
時間は朝の7時。遅くに戻ってきた宮子はまだ就寝中。
起こさぬ様に静かに朝食の支度を整える。
調理しつつも、視界の隅に置かれている小さな酒徳利に時々注意を払う。
「…潮時、すかね。」小さく呟きつつ
「さあ子ネコちゃん、こんどは、あれをすべて夢にみたのがだれだったかを考えてみましょう。
まじめにきいてるんだから、そんなに前足をなめてばかりいるんじゃないの!
ダイナに朝、洗ってもらったばっかりでしょう?
つまりね、夢を見たのは、あたしか赤の王さまかのどっちかにまちがいないのよ。
赤の王さまはあたしの夢の一部よね、もちろん――でも、そのあたしは、
赤の王さまの夢の一部でもあったのよ!
だからほんとに赤の王さまだったのかしら、子ネコちゃん?
おまえは赤の王さまの奥さんだったんだから、知ってるはずでしょう
――ねえ、おねがいだから、考えるのを手伝ってよ!
前足なんかあとでいいでしょうに!」でも意地悪な子ネコは、
反対側の前足をなめはじめただけで、質問が聞こえないふりをするばかりでした。
宮子さんの飼い猫であり、ワタシが名付け親の"夜"の喉を優しく撫でながら風呂敷に手製の菓子を詰めて行く。
赤月様のお屋敷と、魔女様の喫茶店、赤月警察署と縁のあった方々への餞別の品。
特に、赤月様のお屋敷に出入りされている紫の兄さんには多めに用意する。気持ち良く嬉しそうに食べてくれる人に悪い人はいねえ。
"人とは違うもの"…お屋敷の人達の真実を敢えて捉える事無く、知己として歪めて認識する自分に、この街の影響を多大に受けている事を実感する。
一つ小さく溜息を吐き、用意した荷物を抱えるように持ち、書置き一つ残して外出をする。
廻って行った先では皆が各々に渡した餞別を受け取ってくれた。断られた場所は一つもなかった。
去り行く際に幾つか言葉も貰った。ワタシは貼り付けたような笑顔を浮かべ、曖昧な返事を返し去る。
その言葉を真摯に受け止めれば、気持ちが鈍るのを判っているからだ。
言葉をくれた者達もそれ以上は問わなかった。
『また何れ。』
言葉にならない別れの言葉を交わして、ワタシの今日が終わって行く。
このお話は結局の所、危機に瀕した赤月と言う街が見た夢だったのだろうか。
救いを求めて流れ着いたワタシが見た夢だったのだろうか。
宮子さん、恭介さん、或いは他の誰かの夢だったのだろうか。
味付けには工夫を重ねた。
何にしろ日本酒で洋菓子を作る試みは初めてだった。
影響を受けない程度に少量のみを舌に乗せ、味を量り調整していく。
必要量摂取してもらう為に、ティラミスの形状を選んだ。
見た目同じの"自分用"も用意した。
誰の夢でもいい。
…ああ、この夢がいつまでも続けばいいのに。
終わり行くワタシの今日の仕上げだ。
紅茶を淹れ、一緒に用意した洋菓子を並べていく。
一緒に居続ければ、二人ともこのまま留まり続ける。
それはまるで優しい泥濘の中に居るように。
だが、それではワタシの望む彼女の幸せは伺えない。
境を超え、共に有る事が全て良いとは限らない。
悪い夢は見なくなった。此処の生活で癒された結果だろう。
それでも、それだからこそ…
(ワタシは人としてあり続ける為に赤月から離れる必要があり…)
(宮子さんの幸せを願う為に宮子さんから別れる必要がある…)
そう結論付けた。
そして、宮子さんとの最後の語らいが始まる。
→辻 宮子さん 胡蝶の夢 に続く
それはいつも夢に出ていた。
その時は決まって汗だくで身を起こす。
そして感情篭らぬ目で、自分の掌を眺める。
そんな日々が暫く続き、雀は普段の生活から姿を消す。
かつて、蓮華村で生死を共にした1人、辻宮子の下に訪れたのだった。
赤月に来て、そんな夢を見なくなった。
事件の応対に対する忙殺もあっての事だが別に理由はある。
自分に宛がわれた一室で深い眠りから目覚め、身を起こす。
時間は朝の7時。遅くに戻ってきた宮子はまだ就寝中。
起こさぬ様に静かに朝食の支度を整える。
調理しつつも、視界の隅に置かれている小さな酒徳利に時々注意を払う。
「…潮時、すかね。」小さく呟きつつ
「さあ子ネコちゃん、こんどは、あれをすべて夢にみたのがだれだったかを考えてみましょう。
まじめにきいてるんだから、そんなに前足をなめてばかりいるんじゃないの!
ダイナに朝、洗ってもらったばっかりでしょう?
つまりね、夢を見たのは、あたしか赤の王さまかのどっちかにまちがいないのよ。
赤の王さまはあたしの夢の一部よね、もちろん――でも、そのあたしは、
赤の王さまの夢の一部でもあったのよ!
だからほんとに赤の王さまだったのかしら、子ネコちゃん?
おまえは赤の王さまの奥さんだったんだから、知ってるはずでしょう
――ねえ、おねがいだから、考えるのを手伝ってよ!
前足なんかあとでいいでしょうに!」でも意地悪な子ネコは、
反対側の前足をなめはじめただけで、質問が聞こえないふりをするばかりでした。
- ルイスキャロル「鏡の国のアリス」より-
宮子さんの飼い猫であり、ワタシが名付け親の"夜"の喉を優しく撫でながら風呂敷に手製の菓子を詰めて行く。
赤月様のお屋敷と、魔女様の喫茶店、赤月警察署と縁のあった方々への餞別の品。
特に、赤月様のお屋敷に出入りされている紫の兄さんには多めに用意する。気持ち良く嬉しそうに食べてくれる人に悪い人はいねえ。
"人とは違うもの"…お屋敷の人達の真実を敢えて捉える事無く、知己として歪めて認識する自分に、この街の影響を多大に受けている事を実感する。
一つ小さく溜息を吐き、用意した荷物を抱えるように持ち、書置き一つ残して外出をする。
廻って行った先では皆が各々に渡した餞別を受け取ってくれた。断られた場所は一つもなかった。
去り行く際に幾つか言葉も貰った。ワタシは貼り付けたような笑顔を浮かべ、曖昧な返事を返し去る。
その言葉を真摯に受け止めれば、気持ちが鈍るのを判っているからだ。
言葉をくれた者達もそれ以上は問わなかった。
『また何れ。』
言葉にならない別れの言葉を交わして、ワタシの今日が終わって行く。
このお話は結局の所、危機に瀕した赤月と言う街が見た夢だったのだろうか。
救いを求めて流れ着いたワタシが見た夢だったのだろうか。
宮子さん、恭介さん、或いは他の誰かの夢だったのだろうか。
味付けには工夫を重ねた。
何にしろ日本酒で洋菓子を作る試みは初めてだった。
影響を受けない程度に少量のみを舌に乗せ、味を量り調整していく。
必要量摂取してもらう為に、ティラミスの形状を選んだ。
見た目同じの"自分用"も用意した。
誰の夢でもいい。
…ああ、この夢がいつまでも続けばいいのに。
終わり行くワタシの今日の仕上げだ。
紅茶を淹れ、一緒に用意した洋菓子を並べていく。
一緒に居続ければ、二人ともこのまま留まり続ける。
それはまるで優しい泥濘の中に居るように。
だが、それではワタシの望む彼女の幸せは伺えない。
境を超え、共に有る事が全て良いとは限らない。
悪い夢は見なくなった。此処の生活で癒された結果だろう。
それでも、それだからこそ…
(ワタシは人としてあり続ける為に赤月から離れる必要があり…)
(宮子さんの幸せを願う為に宮子さんから別れる必要がある…)
そう結論付けた。
そして、宮子さんとの最後の語らいが始まる。
→辻 宮子さん 胡蝶の夢 に続く
足早に辻邸を後にする。
宮子さんが目覚めるのは明日の朝だろう。
痛む目尻をそのままに、荷物を引き摺り進む。
その前に、一人、見覚えのある姿が現れた。
赤月高校生徒の青葉君。色々と世話になった方々の一人だ。
「行くんすか?」と青葉君
「行くんすわ。」とワタシ
ワタシの進路を阻止すること無く、肩を並べるように歩む。
交わす言葉は何もなく、ただ、駅に向かって歩んで行くのみ。
ここで、ワタシは漸く借りていたものを思い出す。歩を進めるのを止め
刃をしっかりと晒布で包んだ包丁を取り出し
「これを返すの忘れるところだったすわ…」と彼に差し出した。
受け取り、仕舞いつつ、ワタシに一言
「この街から出て行くの判ってて、猫(※夜)に名前つけたんすかね?」と尋ねてきた
ワタシは小さく息を吐いた後に
「ワタシが居なくなるのはあの人は判っていたと思うっす。
それで尚且つ、名前を付けさせてくれたんすわ。
写真を撮ったのもそういう事っす…。」
ワタシの言に納得したのかそれ以降は何も語らず。
再び歩み始める2人。
駅に辿り着いて、彼は最期に一言。
「この街は去る者は追わず、来る者は拒まずっす。」と二度程手を振り雑踏に消えた。
同じく手を振り返し、暫くの間見送った後に改札に向かった。
数分後、東京行きの列車に乗り込み身体を硬い座席に投げ出すように沈めた。
そっと、右手の小指を眺める。
ヤクソクをふと思い出す。
一緒に写した写真を思い出す。
(…此処から先のワタシには必要ねぇっすね)
そのまままどろみに沈んでいく。
沈んでいく過程で自問自答をする。
どこで気づいたのだろう。
気付くのではなかった。
気づかなければあのまま笑って「またいつか。」と別れることが出来た。
心の奥底に沈めたものが垣間見える。
その想いをまたワタシは殺さなきゃならない。
その想いだけにはあの人を巻き込んではいけない。
薄れゆく意識の果てで、誰か達と旅行に行く夢を見た気がした。
そこで何かヤクソクをした。とても暖かい夢。
暖かくて、痛くて切ない夢。
混濁した意識の底に沈みつつ
ワタシ、霧崎雀は赤月から消え去る。
そして
荷物を背負い悪態をつくながら道無き道を歩む女子高生。
蓮華村と呼ばれる小さな村の跡地に線香をあげに行った矢先だった。
黒い羽を生やした赤月市の親友が送ってくれた手紙(メール)の内容。
「ばっかじゃねっすかね…あのお人は…。」
どう追っていくかに関しては自信は全くない。
だが、何を追っているかに関してはある程度見当はつく。
こちとら人生経験で学んだその手の知識も多少はある。
あの本を上回ることは出来なくとも運が良ければ肉迫は出来るやも知れない。
歩きながらふと、右手の小指に視線が届く。
「…ばかは、ワタシもっすかね。」
小さく吐き出すように呟いた後に
「…いや、宮子さんの晴れ姿拝むまではまだまだ倒れる訳に行かねえっす。」と〆め山奥に消えていく。
もしも、貴方がめでたき席に着かれたならば
目の前に置かれた料理を緊張で口にしない…等とはせず、一口だけでも食べて下さい。
その味はきっと何処かで口にしたものだとその舌が訴えると思います。
そして貴方は成し得なかった再会を果たせるかもしれません。
その料理人は薄く微笑み、小さく貴方に伝えるでしょう。
「貴方は今、幸せですか?」と。
幸せと微笑む花嫁を前に、眩しそうにそれを見やる料理人。
「本当にお綺麗っすよ、宮子さん。」
ワタシは彼女に優しく微笑む。
邂逅は此処で再び成された。
花嫁を心から敬愛してた料理人は最期に彼女に祝福を送ることが出来たのだ。
…以上で、キリサキスズメの話は終わりとなります。
霧崎雀はエプロンを畳む。
そして厨房から出て行く。
ホテルの関係者に会釈を送りつつその場を後にする。
霧崎雀は自分に問うた。
「何時からだろうね?」
「主人格の君(スズメ)が僕(ジャク)と入れ変わるようになったのは。」
「その回数がどんどんと増して行き、君が稀にしか現れなくなって…。」
「今日は正直驚いた。こんなに長く君が顔を出して居たのは久しぶりだろう。」
「お陰で過去の君を知る者も僕の影響で君として認識できたのは殆ど居なかった。」
「花嫁が君を君として認識できたのが奇跡だと思うよ…。」
「判っているよ。この先もこの街に顔を出す時は僕が君としてあり続ける。」
「安心してゆっくりと…休むと……?」
1羽の小鳥が空に舞い
それを追うように霧崎雀は空を仰いだ。
「…ああ、もう居なくなったんだね。」
宮子より渡された"あの時の写真"を胸元に収める。
それが今しがた大空へ飛び去っていった小鳥の手向けの様に。
『霧崎雀の隠した真実』
『真実は都合のいい嘘』 完
長らくお疲れ様でした。途中お休み頂いたりとご迷惑おかけしましたが無事に終わって何よりです。
思えば茶番らしき茶番には一切参加しませんで見る側に徹しておりました。また機会がある際には
それらの出来やすいキャラクターで来るでしょう。現在雀は封印指定にするかを悩んでおり、
限定条件のみ使用可能という曖昧な措置となりました。
場合に依っては参加された方のどなたかと顔を合わせるやも知れません。
その際には宜しくお願い申し上げます。
短いですが、以上、お終いの言葉とさせて頂きます。
随分と長くなりましたがあとがきを”こんどこそ”全て終わります。
中には描写的に、こいつこんな事言わねえよ…とかあります場合修正をいれます故ご容赦を。
ネタ合わせにご協力頂いたふえ様(宮子さんPL)にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
あとがき内容に関しましては関わった方々全員と言うわけには行かなかったですけど、
それでもこの場をお借りしまして皆様にお疲れ様の言葉と感謝の気持ちを沿え、
改め終わりの言葉とさせて頂きます。
この先の皆様のご活躍お祈りします。
※余談ですが宮子さんに使用した百鬼夜行の出目は6でした。結果8点回復となります。
※余談その2 やっべー青葉君に包丁返し損ねてたんで後日談期間中に返したって事でお願いしますっすわ
思えば茶番らしき茶番には一切参加しませんで見る側に徹しておりました。また機会がある際には
それらの出来やすいキャラクターで来るでしょう。現在雀は封印指定にするかを悩んでおり、
限定条件のみ使用可能という曖昧な措置となりました。
場合に依っては参加された方のどなたかと顔を合わせるやも知れません。
その際には宜しくお願い申し上げます。
短いですが、以上、お終いの言葉とさせて頂きます。
随分と長くなりましたがあとがきを”こんどこそ”全て終わります。
中には描写的に、こいつこんな事言わねえよ…とかあります場合修正をいれます故ご容赦を。
ネタ合わせにご協力頂いたふえ様(宮子さんPL)にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
あとがき内容に関しましては関わった方々全員と言うわけには行かなかったですけど、
それでもこの場をお借りしまして皆様にお疲れ様の言葉と感謝の気持ちを沿え、
改め終わりの言葉とさせて頂きます。
この先の皆様のご活躍お祈りします。
※余談ですが宮子さんに使用した百鬼夜行の出目は6でした。結果8点回復となります。
PCより
ここから下の確実に恭介バッドエンドになります。それでも良い方は読んでください。
PLより
・・・あの日から三ヶ月
自分は病院を抜け出した。
自分の居ないお墓も気になっていた。だがそれ以上にここにいる事でこの人達を・・・出会えた人達を傷付けてしまう恐怖・・・そんな妄想が頭から離れなくなって居た。
神社に一枚の手紙を置いて自分の墓地にある木造小屋に戻って来た・・・
花崎などにもお世話になったがお礼も言えずに足早に町を出た。
暫く放置していたせいだろう。椅子と机は埃をかぶっていた。
タンスから一枚のタオルを出して水に濡らそうとする。
「・・・君は何も変われないよ」
・・・うるさい
「・・・それはそうだろうね。一度道を間違えているんだから」
・・・うるさい
「いくら変わったつもりでも根は変わらないものさ」
うるさい!
そう言って振り返るがそこには誰もいない。
「ほら、よく見て見なよ・・・自分の手を・・・自分の姿を・・・」
手を確認する。
そこには紅く塗られた自分の手
鏡を見る
そこには口元から紅く塗られた自分の姿
「分かっただろう?君は誰も救えないし、逆に傷つけるだけで、君自身も変わる事は出来ないんだよ・・・」
付けていた指輪を投げつける
壁に当たり床に落ちる
声は聞こえなくなっていた。
『あんたの中の『 』さんは今でもあんたを責めますか?』
そんな言葉が脳裏を通り過ぎる
そうだった・・・
指輪を拾い外に出る
外はあの日と同じ満月だった。
他の墓に対して簡単に作られているお墓の前。
神殺しのお酒を一本置く
『顔を上げろ!俯くな!前を見ろ!責任を感じているなら立ち止まるな!』
そんな声が聞こえて来たような気がした。
「いつまでも立ち止まっては居られないよな・・・」
涼しい風が吹く
「そのうちあの二人が来るかも知れない・・・」
「見つけて貰わないとな・・・」
そう言って貰った花を添える
「・・・行ってくる」
お墓に指輪を置く
「・・・またな」
そう言ってお墓を抜け歩き出す。
自分は病院を抜け出した。
自分の居ないお墓も気になっていた。だがそれ以上にここにいる事でこの人達を・・・出会えた人達を傷付けてしまう恐怖・・・そんな妄想が頭から離れなくなって居た。
神社に一枚の手紙を置いて自分の墓地にある木造小屋に戻って来た・・・
花崎などにもお世話になったがお礼も言えずに足早に町を出た。
暫く放置していたせいだろう。椅子と机は埃をかぶっていた。
タンスから一枚のタオルを出して水に濡らそうとする。
「・・・君は何も変われないよ」
・・・うるさい
「・・・それはそうだろうね。一度道を間違えているんだから」
・・・うるさい
「いくら変わったつもりでも根は変わらないものさ」
うるさい!
そう言って振り返るがそこには誰もいない。
「ほら、よく見て見なよ・・・自分の手を・・・自分の姿を・・・」
手を確認する。
そこには紅く塗られた自分の手
鏡を見る
そこには口元から紅く塗られた自分の姿
「分かっただろう?君は誰も救えないし、逆に傷つけるだけで、君自身も変わる事は出来ないんだよ・・・」
付けていた指輪を投げつける
壁に当たり床に落ちる
声は聞こえなくなっていた。
『あんたの中の『 』さんは今でもあんたを責めますか?』
そんな言葉が脳裏を通り過ぎる
そうだった・・・
指輪を拾い外に出る
外はあの日と同じ満月だった。
他の墓に対して簡単に作られているお墓の前。
神殺しのお酒を一本置く
『顔を上げろ!俯くな!前を見ろ!責任を感じているなら立ち止まるな!』
そんな声が聞こえて来たような気がした。
「いつまでも立ち止まっては居られないよな・・・」
涼しい風が吹く
「そのうちあの二人が来るかも知れない・・・」
「見つけて貰わないとな・・・」
そう言って貰った花を添える
「・・・行ってくる」
お墓に指輪を置く
「・・・またな」
そう言ってお墓を抜け歩き出す。
「まず初めにこのような別れ方をする自分を許して欲しい。
この町には色々とお世話になった。
貴方のおかげでこのような体になれた事。
この町の事件に関わる中で大切と思える人物たちと出会えた事。
色々と感謝の気持ちを伝えたい。
だが今の自分では皆に伝えることが出来ない。
僕はあの時気が狂っていた。
大切な人を傷つけてしまった。
だけどそんな時、罪の意識ともう一つの考えが思いついた。
この体があればあの日自分と大切な人達を奪ったあの男に復讐が出来るのでは無いかと・・・
幸いこの町で貰った本があれば人を探すのは容易い。もしかしたら人ではないのかもしれない。
だかこちらもそれは同じだ。
逆にこちらは貴方から貰った石もある。向こうより不利に戦う事は無いだろう。
タワーで貴方と話をした時貴方は「この町の害悪になるならそれまでだ」とお話ししてました。
僕はあの男をほっておくとまた誰かが悲しむと思う。
貴方が町の為なら仕方ないことを「正義」と言うならば僕も同じように僕の「正義」を貫くつもりです。
その正義に他の人は混ぜたくない。
そういった思いもあり、一人で抜け出しました。
Vengeance is in my hands
この話も貴方だけに留めておいてください。
本当にお世話になりました。」
・・・とある別の町にて
女子高生A「ねぇねぇ?聞いた?猟奇殺人事件の犯人がこの町に来ているんだって」
女子高生B「それって噛みついたような痕があったり爪で切り裂かれているような?」
女子高生A「そうそう!ここ最近いろんなところで発生している事件なんだけど・・・」
女子高生B「そういえば犯人って狼みたいな姿をしていたって話だよ?本当に怖いね〜・・・」
その犯人が何を思っているのか・・・
何のために動いているのか・・・
その狂気がわかる人は誰一人として今はいない・・・
この町には色々とお世話になった。
貴方のおかげでこのような体になれた事。
この町の事件に関わる中で大切と思える人物たちと出会えた事。
色々と感謝の気持ちを伝えたい。
だが今の自分では皆に伝えることが出来ない。
僕はあの時気が狂っていた。
大切な人を傷つけてしまった。
だけどそんな時、罪の意識ともう一つの考えが思いついた。
この体があればあの日自分と大切な人達を奪ったあの男に復讐が出来るのでは無いかと・・・
幸いこの町で貰った本があれば人を探すのは容易い。もしかしたら人ではないのかもしれない。
だかこちらもそれは同じだ。
逆にこちらは貴方から貰った石もある。向こうより不利に戦う事は無いだろう。
タワーで貴方と話をした時貴方は「この町の害悪になるならそれまでだ」とお話ししてました。
僕はあの男をほっておくとまた誰かが悲しむと思う。
貴方が町の為なら仕方ないことを「正義」と言うならば僕も同じように僕の「正義」を貫くつもりです。
その正義に他の人は混ぜたくない。
そういった思いもあり、一人で抜け出しました。
Vengeance is in my hands
この話も貴方だけに留めておいてください。
本当にお世話になりました。」
・・・とある別の町にて
女子高生A「ねぇねぇ?聞いた?猟奇殺人事件の犯人がこの町に来ているんだって」
女子高生B「それって噛みついたような痕があったり爪で切り裂かれているような?」
女子高生A「そうそう!ここ最近いろんなところで発生している事件なんだけど・・・」
女子高生B「そういえば犯人って狼みたいな姿をしていたって話だよ?本当に怖いね〜・・・」
その犯人が何を思っているのか・・・
何のために動いているのか・・・
その狂気がわかる人は誰一人として今はいない・・・
PL、KP共に長期卓お疲れ様でした。
KPよりも早く書いてやったぜ!www
そして誘拐され過ぎて申し訳ありませんでした。(土下座)
いや〜・・・恭介君扱いづらくて申し訳ありませんw
急にPvPで殺し始めたりした時は本気で殺すかと・・・www
それでもなんとかみんなが生きて、happyED迎える事が出来て良かったです。
そういえばRPも個人的なお話とかしまくって申し訳ありませんでした。orz
(・・・今更ながら凄く謝る事多いです。)
えっと・・・これ以上の苦情はTwitterやってますのでそちらで受け付けます。
@JOEFA_asb
最後に皆さんとプレイ出来て本当に良かったです!
またプレイする時は"ちゃんと"した茶番要員連れてきます!w
また何処かでお会い出来る事を楽しみにしております!
本当に長い間ありがとうございました!
KPよりも早く書いてやったぜ!www
そして誘拐され過ぎて申し訳ありませんでした。(土下座)
いや〜・・・恭介君扱いづらくて申し訳ありませんw
急にPvPで殺し始めたりした時は本気で殺すかと・・・www
それでもなんとかみんなが生きて、happyED迎える事が出来て良かったです。
そういえばRPも個人的なお話とかしまくって申し訳ありませんでした。orz
(・・・今更ながら凄く謝る事多いです。)
えっと・・・これ以上の苦情はTwitterやってますのでそちらで受け付けます。
@JOEFA_asb
最後に皆さんとプレイ出来て本当に良かったです!
またプレイする時は"ちゃんと"した茶番要員連れてきます!w
また何処かでお会い出来る事を楽しみにしております!
本当に長い間ありがとうございました!
PCより
あれから・・・数か月でしょうか
あの件以来、私の中から大切な人達との記憶がぽっかりと抜けてしまっていたそうです。
幸いにも自分にその方面の知識があったことや専門家の方の治療の甲斐もあって
少しずつ頭の中に立ち込めていたもやが晴れてきました。
古くからの友人に仕事仲間に大切な生徒たち、そしてあの日出会い
街と…彼を救わんと共に動いていた人達との思い出が。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
私の症状も安定し、先日から仕事の方も復帰しました。
千羽さんらも無事帰ってきたこともあり今までの普段の日常が戻ってきたようにも思います。
ただ、生徒から聞いた話では歴史の授業が前より退屈だ、眠いなんて聞きました。
彼もまた、かけがえのない学校の…いえ、街の大事な一員だったのだとつくづく感じさせられました。
彼の心を覗いたこと…かつてない人間の深淵を、悍ましい闇を垣間見てしまった事を忘れられることはないのでしょう。
ですが、それ以上に彼を救えたことが私にとっての救いで
同時に私が度々立ち寄る病棟に居る彼を教壇に再び立つことが出来るようにするのが目標になるのかもしれません。
視るだけの力ではやはり至らないのでしょうか。
街の方と言えば以前のように活気に溢れ・・・寧ろ、それ以上に賑やかになったようにも感じます。
そう言えば、そろそろ紫鬼君の誕生日会なんて話も考えてはいますが 皆さんはそれぞれの日常で忙しいのでしょうかね?
街・・・恐らく、私は此処を少し長く見守ることになることでしょう。
もし 宇宙の真理を多く持つ者が他にも居るのならば
今回のような幸運に恵まれなければ、
かくなる上は自分自身も花崎さん、今桐さんらの様に知っているべきことも少なからず必要ではな・・・
「せんせー!」
唐突にいつもの声が少し小さめのカウンセリング室に響く
「はい?どうぞ。って青葉君、またサボり?」
「えー、どうせつまんないし・・・あれ?せんせー何書いてるんっすかー?」
「誤魔化さないの。これは…大切な人達を、日常を二度と忘れない為の日記、かな。実際物忘れとかにもに効果的な方法なのよ。」
「新しく来た歴史の講師の人の授業分かりにくいって話きいてないんっすか?
せんせー、その歳から物忘れってやばくないっすか?」
「新しく来た先生だって面白い方でしょうに、はぁ…今日だけですよ。
うーん、貴方の教育者の方にサボり癖どうにかならないか相談すべきですかねぇ?」
何気ない日常は淡々と流れていく。私はあと何十年、"人"として街を見守ることができ
それよりもどれだけ長く"私達"としてこの大切なゆりかごの中で過ごすことが出来るのでしょう。
PLより
あれから・・・数か月でしょうか
あの件以来、私の中から大切な人達との記憶がぽっかりと抜けてしまっていたそうです。
幸いにも自分にその方面の知識があったことや専門家の方の治療の甲斐もあって
少しずつ頭の中に立ち込めていたもやが晴れてきました。
古くからの友人に仕事仲間に大切な生徒たち、そしてあの日出会い
街と…彼を救わんと共に動いていた人達との思い出が。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
私の症状も安定し、先日から仕事の方も復帰しました。
千羽さんらも無事帰ってきたこともあり今までの普段の日常が戻ってきたようにも思います。
ただ、生徒から聞いた話では歴史の授業が前より退屈だ、眠いなんて聞きました。
彼もまた、かけがえのない学校の…いえ、街の大事な一員だったのだとつくづく感じさせられました。
彼の心を覗いたこと…かつてない人間の深淵を、悍ましい闇を垣間見てしまった事を忘れられることはないのでしょう。
ですが、それ以上に彼を救えたことが私にとっての救いで
同時に私が度々立ち寄る病棟に居る彼を教壇に再び立つことが出来るようにするのが目標になるのかもしれません。
視るだけの力ではやはり至らないのでしょうか。
街の方と言えば以前のように活気に溢れ・・・寧ろ、それ以上に賑やかになったようにも感じます。
そう言えば、そろそろ紫鬼君の誕生日会なんて話も考えてはいますが 皆さんはそれぞれの日常で忙しいのでしょうかね?
街・・・恐らく、私は此処を少し長く見守ることになることでしょう。
もし 宇宙の真理を多く持つ者が他にも居るのならば
今回のような幸運に恵まれなければ、
かくなる上は自分自身も花崎さん、今桐さんらの様に知っているべきことも少なからず必要ではな・・・
「せんせー!」
唐突にいつもの声が少し小さめのカウンセリング室に響く
「はい?どうぞ。って青葉君、またサボり?」
「えー、どうせつまんないし・・・あれ?せんせー何書いてるんっすかー?」
「誤魔化さないの。これは…大切な人達を、日常を二度と忘れない為の日記、かな。実際物忘れとかにもに効果的な方法なのよ。」
「新しく来た歴史の講師の人の授業分かりにくいって話きいてないんっすか?
せんせー、その歳から物忘れってやばくないっすか?」
「新しく来た先生だって面白い方でしょうに、はぁ…今日だけですよ。
うーん、貴方の教育者の方にサボり癖どうにかならないか相談すべきですかねぇ?」
何気ない日常は淡々と流れていく。私はあと何十年、"人"として街を見守ることができ
それよりもどれだけ長く"私達"としてこの大切なゆりかごの中で過ごすことが出来るのでしょう。
実由さんの小説の新刊を伝えるべく赤月様と紫鬼さんの元を久々に訪ねた日のことでした。
悲しそうでいて、後悔しているような…
けれども一方で彼の"正義"を、在り方を一人の友人として信じてはいる。
そんな複雑な心境を縁側で数枚の紙を睨むように見ていた赤月様から感じ取ってしまいました。
私が来てしまったのを"知って"しまえば 彼との約束は破られてしまうことになるでしょう。
また後日、参りますね。
私は気づかれないように赤月様の屋敷を後にしました。
偶々校内で見かけた風射さんも落ち着きがありませんでした。
恐らく、彼女は・・・
どこか
この空が続く遠い場所で何かが起きるのかもしれない。
町で、例の事件が起きた時の様な そんな胸騒ぎがしなくもありません。
けれども私は…私はこのことを"知らない"はず。
彼を知る彼女を信じ此処で待つことを選びましょう。
それぞれの在り方なんてそれぞれなのに、干渉すべきではないのに。
我儘なのかもしれませんが
どうか彼とそれを追うことになるのであろう人達が
この先、幸せでありますように
悲願を成就させ 最良の物語を紡げますように
この小さな町から願い続けましょう。
彼らの行く末に 幸 多からんことを...。
悲しそうでいて、後悔しているような…
けれども一方で彼の"正義"を、在り方を一人の友人として信じてはいる。
そんな複雑な心境を縁側で数枚の紙を睨むように見ていた赤月様から感じ取ってしまいました。
私が来てしまったのを"知って"しまえば 彼との約束は破られてしまうことになるでしょう。
また後日、参りますね。
私は気づかれないように赤月様の屋敷を後にしました。
偶々校内で見かけた風射さんも落ち着きがありませんでした。
恐らく、彼女は・・・
どこか
この空が続く遠い場所で何かが起きるのかもしれない。
町で、例の事件が起きた時の様な そんな胸騒ぎがしなくもありません。
けれども私は…私はこのことを"知らない"はず。
彼を知る彼女を信じ此処で待つことを選びましょう。
それぞれの在り方なんてそれぞれなのに、干渉すべきではないのに。
我儘なのかもしれませんが
どうか彼とそれを追うことになるのであろう人達が
この先、幸せでありますように
悲願を成就させ 最良の物語を紡げますように
この小さな町から願い続けましょう。
彼らの行く末に 幸 多からんことを...。
PLより
KPさん、SKPさん、そして他PLの皆さんお疲れ様でした!
今回は初の長期卓、人外卓と言うことでPLは初めて尽くしで非常に楽みながらで参加させていただきました。
ただ、立ち回りやミスやら・・至らなかった点も多かったなぁと反省もしております。
他PL様の茶番やカッコイイ,感動的なRP、推理等々 非常に勉強になったなぁと思いました。
そして改めてダイスの女神様の気紛れの恐ろしさ(笑)を知らしめられました。
精神分析持ちなのに発狂しすぎだよこの妖怪!
ですが結構精神的な地雷にはMPが許す限りは積極的に踏み抜きに行こうとしていました。(おい
(今度はもうちょい固有スキルを強めに取ろう・・うん)
もしよろしければですが「ごん」のHNでTwitterをやっております→@trpg0gongon
この卓に参加させていただけたこと皆様と卓を囲めることができてとてもよかったです。
また機会がありましたら皆様と卓を囲むことが出来ますよう願っております。
長いようで短い期間でしたが本当にありがとうございました。
今回は初の長期卓、人外卓と言うことでPLは初めて尽くしで非常に楽みながらで参加させていただきました。
ただ、立ち回りやミスやら・・至らなかった点も多かったなぁと反省もしております。
他PL様の茶番やカッコイイ,感動的なRP、推理等々 非常に勉強になったなぁと思いました。
そして改めてダイスの女神様の気紛れの恐ろしさ(笑)を知らしめられました。
精神分析持ちなのに発狂しすぎだよこの妖怪!
ですが結構精神的な地雷にはMPが許す限りは積極的に踏み抜きに行こうとしていました。(おい
(今度はもうちょい固有スキルを強めに取ろう・・うん)
もしよろしければですが「ごん」のHNでTwitterをやっております→@trpg0gongon
この卓に参加させていただけたこと皆様と卓を囲めることができてとてもよかったです。
また機会がありましたら皆様と卓を囲むことが出来ますよう願っております。
長いようで短い期間でしたが本当にありがとうございました。
PCより
PLより
黒渕キクはあの後、以前のように自分の神社で暮らしていた。
「はー、疲れましたねぇ」
「にゃー(だねぇ)」
「……私にはどう見てもサボってるようにしか見えないんだけど」
奥から、一人の女性がパフェを持ってやってくる。
「ここの主に向かって酷い口の聞きようですねぇ」
持ち前の速さを生かし、パフェに近づきスプーンを取りあげ賞味する。
「ちょっと!!」
「油断大敵ですよ」
「にゃーにゃ(さっすがはやいねぇ)」
ふふふんと、満足そうにほほ笑むとハッと思い出した。
「ああ、そういや、今度甘党同盟のみなさんでパフェ食べに行くんですが来られます?」
奢りますよ、と付け加えると彼女は「行く」と即答した。
「にゃーにゃにゃ?(私も行っていいの?)」
「まぁ、大丈夫でしょう、猫の一匹や二匹」
「…まさか、あんたに友人ができると思わなかったわ、しかも隣町のと猫の」
「ふふふ、奇遇ですね。私もそう思ってるんですよ」
あの体験は面白かった、とぼんやりと思い出し携帯を眺める。
以前よりも増えたアドレス帳をしみじみ眺めていると、着信音が鳴り響いた。
「はい、もしもし…ああ、例の件ですか…。ふむ…、そんな事態になってるんですか、分かりました。今向かいますね」
「何かあったの?」
「はぁ、今から“お仕事”ですよ」
「…行きましょうか」
「気のりはいたしませんがね」
「にゃにゃにゃー(仕方ないね)」
そして二体と一匹とは、現場へと向かうのだった…。
「はー、疲れましたねぇ」
「にゃー(だねぇ)」
「……私にはどう見てもサボってるようにしか見えないんだけど」
奥から、一人の女性がパフェを持ってやってくる。
「ここの主に向かって酷い口の聞きようですねぇ」
持ち前の速さを生かし、パフェに近づきスプーンを取りあげ賞味する。
「ちょっと!!」
「油断大敵ですよ」
「にゃーにゃ(さっすがはやいねぇ)」
ふふふんと、満足そうにほほ笑むとハッと思い出した。
「ああ、そういや、今度甘党同盟のみなさんでパフェ食べに行くんですが来られます?」
奢りますよ、と付け加えると彼女は「行く」と即答した。
「にゃーにゃにゃ?(私も行っていいの?)」
「まぁ、大丈夫でしょう、猫の一匹や二匹」
「…まさか、あんたに友人ができると思わなかったわ、しかも隣町のと猫の」
「ふふふ、奇遇ですね。私もそう思ってるんですよ」
あの体験は面白かった、とぼんやりと思い出し携帯を眺める。
以前よりも増えたアドレス帳をしみじみ眺めていると、着信音が鳴り響いた。
「はい、もしもし…ああ、例の件ですか…。ふむ…、そんな事態になってるんですか、分かりました。今向かいますね」
「何かあったの?」
「はぁ、今から“お仕事”ですよ」
「…行きましょうか」
「気のりはいたしませんがね」
「にゃにゃにゃー(仕方ないね)」
そして二体と一匹とは、現場へと向かうのだった…。
「黒ちーん!遊びに来たよー!!!」
屋敷に大きな声が響き渡った。
どうやら、あの時に知り合った大切な友人がやってきたようだ。
急いで大量にある資料の山から逃げ出し、とてとてと玄関の方へと向かう。
玄関の扉を開けると、紫鬼君が立っていた。
「ふふふ、いらっしゃいませ」
奥の部屋へと彼を連れていき、お菓子や飲み物を準備する。
もちろん、彼の好物はおいてある。
あれ以降の赤月町には行っていない。
忙しいのもあるのだが、いざ足を向けようとすると無意識的にそれを拒むのだった。
赤月町にいる友人たちが気にならないわけではない。
ただ、足が鎖にでも縛られたかのように結局は自分の神社へと戻ってくるのだ。
だからこうして、紫鬼君から聞いたり神社にいる者たちにしか聞けないのだ。
「すいませんね、わざわざ来てもらって……」
「大丈夫だよー。俺たちずっと友達だし、もしまた忘れることあっても、
日記とか写真とかいっぱい作ればいいから問題ないしー。これなら絶対忘れない!」
これならどうだ!といわんばかりの口調に思わず口が綻ぶ。
「ふふふ、そうですね」
「(本当は、日記書くの苦手だけど…今度は絶対忘れないし。だって、みんな大好きで大切だもん)」
「(癒されますねぇ)」
「黒ちん、何か困ったことがあったらいつでも言ってねー、力仕事なら任せろー!」
「困ってることですか…」
ないことはない。むしろ、気になる問題が多くある。
しかし、友人を巻き込むわけにもいかない…。
こうも純粋な彼をみるとアノことは関わらせたくないのだ。
悩んでいると、ガサガサと音がした。
それと同時に嗅いだことのある魚臭さを感じた。
「!誰です!?」
臭いの方に視線を向けるとあの時殺しそうになった魚顔の彼がいた。
「あの、黒渕さん・・・」
「ああ、あの時の」
「あの時は、どうも・・・」
「あのことはこちらが悪かったんで気になさらないでください」
自他ともに認める性格の曲がり具合のせいで、あの後ひと悶着があった。
どうせ、この子も殴りにでもきたのだろう…そう思った。
「いえいえ、あの時の事を追求しに来たんじゃないんです。
あの時貰った、パンチと炎・・・感動しました、弟子にしてください!!!」
「ふえ?」
「え・・・?え?」
「お願いします!!!黒渕さん、紫鬼さん!!!」
予想外すぎて頭が真っ白になった。
自分を殺し相手に対して弟子入りとは…。
「えーと・・・まぁ、構いませんけど」
「黒ちんがそういうなら・・・」
「ありがとうございます!!!!」
そうして、雲が高い秋のある日魚臭い彼を新しく神社へと招くこととなったのだった。
屋敷に大きな声が響き渡った。
どうやら、あの時に知り合った大切な友人がやってきたようだ。
急いで大量にある資料の山から逃げ出し、とてとてと玄関の方へと向かう。
玄関の扉を開けると、紫鬼君が立っていた。
「ふふふ、いらっしゃいませ」
奥の部屋へと彼を連れていき、お菓子や飲み物を準備する。
もちろん、彼の好物はおいてある。
あれ以降の赤月町には行っていない。
忙しいのもあるのだが、いざ足を向けようとすると無意識的にそれを拒むのだった。
赤月町にいる友人たちが気にならないわけではない。
ただ、足が鎖にでも縛られたかのように結局は自分の神社へと戻ってくるのだ。
だからこうして、紫鬼君から聞いたり神社にいる者たちにしか聞けないのだ。
「すいませんね、わざわざ来てもらって……」
「大丈夫だよー。俺たちずっと友達だし、もしまた忘れることあっても、
日記とか写真とかいっぱい作ればいいから問題ないしー。これなら絶対忘れない!」
これならどうだ!といわんばかりの口調に思わず口が綻ぶ。
「ふふふ、そうですね」
「(本当は、日記書くの苦手だけど…今度は絶対忘れないし。だって、みんな大好きで大切だもん)」
「(癒されますねぇ)」
「黒ちん、何か困ったことがあったらいつでも言ってねー、力仕事なら任せろー!」
「困ってることですか…」
ないことはない。むしろ、気になる問題が多くある。
しかし、友人を巻き込むわけにもいかない…。
こうも純粋な彼をみるとアノことは関わらせたくないのだ。
悩んでいると、ガサガサと音がした。
それと同時に嗅いだことのある魚臭さを感じた。
「!誰です!?」
臭いの方に視線を向けるとあの時殺しそうになった魚顔の彼がいた。
「あの、黒渕さん・・・」
「ああ、あの時の」
「あの時は、どうも・・・」
「あのことはこちらが悪かったんで気になさらないでください」
自他ともに認める性格の曲がり具合のせいで、あの後ひと悶着があった。
どうせ、この子も殴りにでもきたのだろう…そう思った。
「いえいえ、あの時の事を追求しに来たんじゃないんです。
あの時貰った、パンチと炎・・・感動しました、弟子にしてください!!!」
「ふえ?」
「え・・・?え?」
「お願いします!!!黒渕さん、紫鬼さん!!!」
予想外すぎて頭が真っ白になった。
自分を殺し相手に対して弟子入りとは…。
「えーと・・・まぁ、構いませんけど」
「黒ちんがそういうなら・・・」
「ありがとうございます!!!!」
そうして、雲が高い秋のある日魚臭い彼を新しく神社へと招くこととなったのだった。
KP、SKP、そしてPLの皆様お疲れ様でした!!
いや〜、楽しかったですね!
こんなにはっちゃけたRPをしたのは初めてな気もいたします。
黒渕はいろいろとトラブルを起こす子…を元にしたっていうのもありと色々とトラブルメーカーでしたね
PVPを引き起こしたり、NPCと喧嘩したりと…ほんとに、すいませんでした
初人外ということもあり、できるだけ人外っぽくする予定だったんですがね…(ならかったね)
意見苦情はどうぞこちらに→SKYP:kid06214869 呟き→@butti_furag965
また卓を囲む機会がございましたらよろしくお願いしますね!
次はまともな子を連れていきますw
追加後日談はSKPのゆうさんと会話してた時に出来上がったものをお話風にまとめてみました。
この後、ぶっちーがデレたりするんですが長くなるので割愛させていただきます。
いや〜、楽しかったですね!
こんなにはっちゃけたRPをしたのは初めてな気もいたします。
黒渕はいろいろとトラブルを起こす子…を元にしたっていうのもありと色々とトラブルメーカーでしたね
PVPを引き起こしたり、NPCと喧嘩したりと…ほんとに、すいませんでした
初人外ということもあり、できるだけ人外っぽくする予定だったんですがね…(ならかったね)
意見苦情はどうぞこちらに→SKYP:kid06214869 呟き→@butti_furag965
また卓を囲む機会がございましたらよろしくお願いしますね!
次はまともな子を連れていきますw
追加後日談はSKPのゆうさんと会話してた時に出来上がったものをお話風にまとめてみました。
この後、ぶっちーがデレたりするんですが長くなるので割愛させていただきます。
赤月町で起きたアザトース召喚事件は無事、人の手によって止められた。
あれから時間がたち私たちは、相変わらず星の情報を頼りにヤバいと思った事件に首を突っ込んでいる。
ふと、あの事件にかかわった人はどうなったのだろうと思い調べてみると、色んなことが分かった。
天城山は赤月町に引っ越して持ち前のコミュニケーション能力で友達が増えている、とか
辻さんは霧崎さんと悲しい別れ方をした、とか
斉藤さんは少し危ない方向性に進んだかも、とか
佐鳥さんは、高校で青葉さんや風射さん、荒木さんと平凡な日常を過ごしているとか、
甘党同盟の一員黒崎さんは今日も今日とて甘味をむさぼっている、とか(何か行動を起こしていそうだけどね)
『第二回、花崎を女装させよう大作戦』で花崎は理不尽な戦いに敗れた、とか
実由さんは、この事件のことを話を小説(少しフィクションもいれている)にして大ヒットした、とか
花崎さんと天城さんにクトゥルフの素晴らしさをどうやって伝えるかを会議している深き者、とか
とにかく、皆は皆の日常を過ごしていることが分かって私はホッとした。
だけど、油断してはならない。
油断したら外なる神が平和を壊しに来るからだ。
私達が力を入れても限度があるからどうしても不幸なことは起きてしまう。
だけど、・・・私は、皆(人類)を信じてる。
どんなに辛くて、何度も立ち止まっても、ちゃんと自分の足で立ち向かうってね!
あれから時間がたち私たちは、相変わらず星の情報を頼りにヤバいと思った事件に首を突っ込んでいる。
ふと、あの事件にかかわった人はどうなったのだろうと思い調べてみると、色んなことが分かった。
天城山は赤月町に引っ越して持ち前のコミュニケーション能力で友達が増えている、とか
辻さんは霧崎さんと悲しい別れ方をした、とか
斉藤さんは少し危ない方向性に進んだかも、とか
佐鳥さんは、高校で青葉さんや風射さん、荒木さんと平凡な日常を過ごしているとか、
甘党同盟の一員黒崎さんは今日も今日とて甘味をむさぼっている、とか(何か行動を起こしていそうだけどね)
『第二回、花崎を女装させよう大作戦』で花崎は理不尽な戦いに敗れた、とか
実由さんは、この事件のことを話を小説(少しフィクションもいれている)にして大ヒットした、とか
花崎さんと天城さんにクトゥルフの素晴らしさをどうやって伝えるかを会議している深き者、とか
とにかく、皆は皆の日常を過ごしていることが分かって私はホッとした。
だけど、油断してはならない。
油断したら外なる神が平和を壊しに来るからだ。
私達が力を入れても限度があるからどうしても不幸なことは起きてしまう。
だけど、・・・私は、皆(人類)を信じてる。
どんなに辛くて、何度も立ち止まっても、ちゃんと自分の足で立ち向かうってね!
皆様お疲れ様でございました。今回はテスト卓に参加して頂き有難うございました!
進行がぐだったりしてすみません、付き合ってくれて本当にありがとうございます。
色んな面白いシーンが見えて面白かったです。
持ち前のコミュニケーション能力で見事NPCの仲を仲裁した茶番王、天城さん!
物事をまっすぐに見つめる態度、ズバリといった言葉が素敵、男前な女子高生、霧崎さん!
平和なRPありがとう、おかげでセッション初日当たりの探索は平和だったぜ★、辻さん!
神様昇格おめでとう!隣町の平和と神社と任せましたぜ、黒渕さん!
とっきーの心を読み、彼の闇に気づいてもなお助けようとしてくれた、佐鳥さん!
感動的なRPありがとう、仲間と大切な人のために前を進んでくれ、斉藤さん!
全員が輝いて見える、SKPとして大変楽しい卓でした。
また宜しかったら、同じ卓を囲める幸せを願っています!皆様、本当にありがとうございました。
進行がぐだったりしてすみません、付き合ってくれて本当にありがとうございます。
色んな面白いシーンが見えて面白かったです。
持ち前のコミュニケーション能力で見事NPCの仲を仲裁した茶番王、天城さん!
物事をまっすぐに見つめる態度、ズバリといった言葉が素敵、男前な女子高生、霧崎さん!
平和なRPありがとう、おかげでセッション初日当たりの探索は平和だったぜ★、辻さん!
神様昇格おめでとう!隣町の平和と神社と任せましたぜ、黒渕さん!
とっきーの心を読み、彼の闇に気づいてもなお助けようとしてくれた、佐鳥さん!
感動的なRPありがとう、仲間と大切な人のために前を進んでくれ、斉藤さん!
全員が輝いて見える、SKPとして大変楽しい卓でした。
また宜しかったら、同じ卓を囲める幸せを願っています!皆様、本当にありがとうございました。
―――先の騒動から数日、街には人が戻り、活気が戻った
街を見下ろすタワーの頂上に“彼”は居た
いつもの様に、ただ泰然と、そこにある
先の騒動は僅かながらにも彼の琴線に触れるものであった
だが、それだけであった
触れただけ。それ以上には成りえなかった
「ふ・・・騒動が終わってしまったか」
「アレが呼ばれなかったのは喜ばしいが・・・」
「こうもあっさり終わってしまうとは、な」
彼は嗤う
騒動を終わらせた者の勇敢さを
望みが叶うことの無かった者の愚かしさを
―――己が掌で踊った者たちの愉快さを
――――彼の神が呼ばれることは避けたかった
それは事実だった。それは本音だった
だが――彼もまた、ある神の一部
本質としてこの騒動を愉しんだ
「だが・・・まぁ」
「ここから先は・・・我らが介入すべきことではない・・か」
「“神は人と関わるべきではない”かアレも面倒な鎖を己にかけるものだな」
「まぁよい・・・これからも―――せいぜい楽しませてもらうとするか」
男は笑う
この街の行く末を想像し
観客として、時には登場人物の一人として
いつか再び起こるであろう騒動に思いをはせて
何よりも愉しげに嗤ったのだった
西の一角、見た目は普通の喫茶店、そこに“彼女”は居る
紅茶の香りに包まれて
柔らかな日差しに照らされて、
名を示す――黄金の輝きを纏って
ただ、悠然と、艶やかにそこで微笑んでいる
「ふふ・・・かの混沌は少々つまらなさそうじゃなぁ」
「自らが騒動の終わりを手引きしたというに・・・我儘な奴じゃ」
魔女は指を動かす
指示により、彼女の僕が街へと放たれる
「ほぉ・・・人狼の子は復讐に出たか・・・」
「あの幼き女子は・・・人の前より姿を消す気であるか・・・」
「かの妖狐は・・・神と成り果て何を思うか見物だのぉ」
魔女は黄金の輝きを振るう
柔らかな輝きは街へと広がり、彼女の目となる
「街に留まるもの、去る者」
「相も変わらず、この街は懐が広い」
「もっとも・・・そうでなくては人と人ならざる者が共存なぞ出来る筈もない・・・か」
「そうであろう?暁よ――」
「――――――」
「クス・・・」
「構わんよ、妾もまた、この街が気に入っておる」
「今まで通り、旅に出るが―――この街に必ず帰ってこようぞ」
魔女は立ち上がる
新たな旅の準備のために
愛しき街、愛らしき者たちと暫しの別れを経て、再会の喜びを想像し
薄く、それでいて何よりも艶やかに微笑んだのだった
街の象徴たる赤月神社、そこで“彼”は街を眺める
騒動が過ぎ去った街
何よりも愛おしい街
神社の境内にてただ一人、彼は街を眺める
伝え聞いた話では
我が友人は、別の町で元気にしているようだ
視線を移す
鷹咲と言った娘と火赱と名乗った青年は今日も街を走り回っている
視線を移す
死を持つ少年は、星の意思に今日も振り回されている
視線を移す
風射の娘と荒木という少年、青葉の子供は覚の娘と笑いあう
視線を移す
天城と名乗る人の子は、街の住民と笑いあい元気に過ごしている
視線を移す
辻と名乗った人の子は霧崎と名乗った人の子が傍から消えたことを嘆いている
視線を移す
キクは―――同胞となり、隣の街で自由気ままに生きている
残りの二人は―――この街から旅立った
人ならざる者になりたい――――そう願い我がもとを訪れた者は
自らの狂気に怯え、それでいて成すべきことを見つけ一人で歩む道を選んだ
友を頼りこの街に来た少女は
自らの身を侵す知識に怯え、だからこそ大事な者の傍から姿を消した
それが悪いことだとは言いはしない
それは彼らが己で考え、己で選んだ道なのだから
誰がなんと言おうと、その道は選んだものにとっての真実なのだから
ただ―――疲れたのならば戻ってくればいいと思う
この街は、いかなる者をも受け入れる揺り籠
疲れて、歩めなくなってしまう前に、休みに戻ってくればいい
この街は、僕は・・・いつだって救いを求めるものを受け入れよう
そうして紅き天狗は笑う
愛おしき街、大事な友人、それぞれの行く末を慈しみながら
「大事で、大好きな友人たちよ、君達の未来が幸福であることを―――」
街に住まう3柱の神、それぞれに愛され街は永久に続くだろう―――
・風射の羽根
風の加護を与える黒い羽
所持している間自身のDEXに+5
・紫の薔薇
吸血鬼が育てた枯れない薔薇。人の警戒を和らげる
所持している間、交渉技能に+10%の補正
・紅蓮の水晶
地獄の炎が使えるはずだった物。
紫鬼が壊したため今は炎を扱う系の技能に+10の補正が入る。
・蒼玉の首飾り
ナイアが所持していたペンダント。心を守る
装備している間、心理学を受け付けず、
POW対抗を自動成功させる
・黄金蝶の加護
魔女より与えられし、異形の物を討つ紋章
MP1d8、HP1d3を支払うことにより
1d10+5Rの間1d10+1d6点の装甲無視ダメージを神話生物に与える
・百鬼夜行
きわめて度数の高い酒。傷ついた精神を癒す力を持つ
飲めば即座にSANが1d10+2点回復する
しかし、POT22との対抗に失敗すれば爆睡、成功しても酩酊状態となり技能に‐補正がかかる
・青の幻視書
ナイアが創りし、全てを写し、魔術を喰らう書物
見たい内容を強く心に描き、1d10MPと1の正気度を支払う事でその内容を見ることが出来る。
それ以外にもMPを貯蔵しておくことが出来る
また、POW25との対抗に勝利すれば魔術を分解し、その魔術に込められていた魔力を吸収し、
ため込むことが出来る
幸運に成功すれば、吸収こそできぬもののPOW10との対抗で魔術を分解できる
・セラの贈り物
星たるセラから贈られた花
この花が枯れない限り、所有している者の傷の治りを速める効果がある
枯れない花ではないため、いずれ枯れてしまう
・真紅の宝石
反転、その力の一部を秘めた宝石
自らに対する攻撃を1d5MPを消費することで反射する
コメントをかく